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第2章

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雪は指先を激しく動かしながら、大吾の耳に囁く。

「大吾、何でここをこんなに濡らしてるの?」

蔑みを含んだ雪の声に大吾の喉がひゅっと鳴る。

「ち、ちげぇ」

顔を真っ赤に染めて、雪の指からお尻を抜こうとするも、何故か自分の身体は言うことを聞かない。

離れようとすればするほど、雪の指にぎゅっと絡みついてしまうのだ。

「ここはこんなに素直なのに」

雪は残念そうにそう言ったあと、そっと指を引き抜いた。
それから、限りなく穴の浅い所で再び指を転がした。

「な、んっ」

もどかしい思いから、雪の方に腕を伸ばそうとした大吾は、はたと気づく。
自分の両腕両足が再びベッドに繋がれていることに。

「そんな、いつの間に?」

混乱する大吾を他所に、雪の空いた方の手と口は、大吾の胸のあたりをさまよう。
決してピンクにそそり立つ突起には触れないように。

室内に響く軽いリップ音が余計に大吾のもどかしさを煽る。
そのことをまるで見透かしているかのように、

「大吾、愛してるよ」

雪は大吾の首筋に噛みついた。
と、同時に乳首を捻り、穴深くまで指を埋めた。

「いっ!」

大吾の脳天に雷が落ち、彼の陰部は真っ白いマグマを解き放った。

雪のそれはキスマークなどという甘ったるいものなどではなかった。
独占欲と執着心とが織り交ざった、所有物へのサイン。

大吾の首から血が滲み出して初めて、雪はやっと口を離した。

じんじんと痛む首すじが、気持ちいいと思うのはどうしてだろう。
そして、そのまま大吾は意識を手放した。

「あら、また寝ちゃったんだ。でも今回はもう優しくしないよ」

雪は自らの服を脱ぐと、再び大吾に馬乗りになる。

それから、大吾の臀部に今度は雪の陰部を突き刺した。

「ん!」

どくん、と大吾の身体が大きく跳ね上がる。
きゅうっと締め付けてくる大吾の中に雪もまた思わず意識を飛ばしそうになった。

「あぁ!気持ちいいよ、大吾」

雪が腰を動かすと、その激しさに小さな大吾の穴は悲鳴をあげた。

皮膚が切れ、鮮血がシーツに飛び散る。
雪の視界にそれらが写った途端、一層大きくなる雪のそれ。

「大吾の初めて!あぁっ」

雪は大吾の中で果てた。
しかし、萎えたのは束の間で、すぐに元気を取り戻した雪は、再び腰を動かし始めた。

パンパンと腰が当たる度に、ぐちゅぐちゅと血と精液の交じる音も聞こえてくる。

「大吾が、大吾が、僕に抱かれている!」

雪の瞳は妖しげに光り、その様はさながら淫魔のようでもあった。
悪魔の子を妊娠させる夢魔だ。

雪の心は喜びに打ち震えた。
やっとやっとこの時を待っていたのだ、と。

それから、三年前のある暑い夏の日を思い出していた。

「大吾っ、大吾っ!」

そう叫びながら大吾の中で果て続ける雪の瞳には、うっすらと涙が垣間見えた。
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