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皇女アルミラの楽しい世界征服

帝国皇宮 翡翠宮 その6

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玉座の間に集まっていた帝国貴族や弔問に訪れた親帝国の国々の使者達も、拍手で賛同を表す。

「おいおい、これはヤバいんじゃないか?」
これは恐らく出来レースだ。完全にアルミラのペースに飲み込まれ、凄まじい勢いで流されている。
俺は辺りを見回す。周りはニヤニヤ笑いながら拍手する奴らだらけだ。
「で、殿下!弔問に参った者へのこの扱い!これはもう、お戯れで済む話ではありませんぞ!」
アークストルフは声を荒げて抗議する。
だが、この激流を止める事は出来ず、その声は万雷の拍手に飲み込まれる。

「この期に及んでまだ戯れなどと申すか…つくづく呆けた国じゃな、王国とは。
そもそも、これ程の規格外な男子おのこに、自国の女子おなごをあてがい縛る事もせず、何時でも捨てられる獣人如きをあてがっておる事が我には理解出来ぬ。
王国はこれ程の戦力をどう思っておるのか…己の浅慮を恥じるが良いわ」
アルミラは肩をすくめると、あざ笑うようにオーバーにため息を吐く。

アルミラのその芝居がかった小馬鹿にした態度にアークストルフは激昂し、
「我々とてこの男を野放しにするのを良しとはしていない!
誰か適当な娘をあてがい、飼い慣らす事も考えた!
だが、それをこの男が断り続けたのだ!」
多分、俺が勇者として功を上げ始めた頃の話だろう、確かに一時期やたら婚姻を勧められた。
やっぱりアレは俺を王国に縛るためだったのか、マイヤーの助言で軽々に話に乗らなくて良かった…。
でもこれからは来る者拒まずでやって行きますんで、安心してください、アークストルフ卿。
いやそれよりも、慌ててるとは言えあまり本人の前で叫ぶ内容ではないと思うのだが??

「ふん、大方異世界より召喚したよそ者に自分の娘はやれぬと、大貴族は娘を人身御供に供すを拒否したのであろう?
その己達の浅ましさがハヤト殿には見透かされていたのであろうよ」
「ぐぅっ」
アルミラの指摘にアークストルフは黙り込む。おいおい、そこで黙り込むって事は当りかよ!
俺がアークストルフを横目で見ると、彼はバツが悪そうに目を伏せる。
しかし、人身御供とは酷いな、俺は沼の大蛇か龍神か?

自分の推察が当たったのが嬉しかったのか、アルミラはさらに饒舌になり、愉快そうに笑いながら、
「ふふ、王国には人無しと見える。いや、女子無し、か。
これ程の男子を目の前に我が物にせんとする気概も無く、挙句獣人如きに相手させておるとはのぉ」
アルミラの言葉に賛同するように、玉座の間のあちこちから嘲け笑いが漏れる。

この発言には俺の堪忍袋の緒が切れる。
俺の家のメイド達、マイヤーやルヴォーク達をバカにされたからだ。
相手が大国の姫様と言えど、俺の愛するメイド達を軽んじられては黙っていられない!
「姫さん!ちょっと言葉が過ぎー…っ!」
俺の口を、アルフリーヌの白く可愛い手が遮る。

「アルフリーヌ、邪魔するな!」
俺はアルフリーヌの手を払いのけようとするが、
「ハヤト様、お静かに」
「は、はい」
アルフリーヌの気迫に気圧され、俺は素直に従う。

「王国に女子無し、そう仰いましたか、殿下?」
「ふむ?」
壇上、玉座に座る自分を睨み付けるアルフリーヌに、アルミラは興味深げな視線を向ける。

「確かに言うた。言うたが…何じゃ?」
「取り消してくだい。」
「ふふ、どうやら王国にも気概のある女子がおるようじゃの」
アルフリーヌは目を逸らすコトなく、静かに、しかし有無を言わさぬ迫力でアルミラに迫る。
アルミラはそれを愉快そうに、大人に必死に殴り掛かる赤子を見るような目で見下ろす。
その様は、巨大な肉食獣に歯向かう草食動物のようだ。

「おい、アルフリーヌ…」
「御父様も黙ってください」
「は、はい!」
その二人の様子を心配して声を掛けたアークストルフも、アルフリーヌの一喝に気圧され、情けないかな俺達二人は彼女に従い、口を閉じる。

「これは王国の全女子への侮辱ですわ。
であれば、王国の女子代表として、ここはワタクシがお相手いたしますわ」
「そうか。ふむ、そうであればそうじゃな、ココはさしずめ…」

「「女の戦場…」」
「じゃなっ」
「ですわっ」

つづく
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