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ダンジョン攻略と4人の新人騎士

真のダンジョンボスが現われたっ! その2

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「改めまして御挨拶を。
ワタクシ、ガルドントと申します。
魔帝陛下より準男爵の爵位を賜っております。
以後お見知りおきを。」
ガルドントと名乗った男が、
慇懃無礼に頭を下げる。

「ご丁寧にどうも、俺はタカミクラ ハヤトだよ。」
俺は動揺を悟られまいと、
落ち着いた振りで自己紹介する。

「ええ、ええ、よく存じております。
しかし、あのハヤト様がこれほど人望の厚い方とはw」
大仰な態度でニヤニヤ笑いながらイヤミを言ってくる、嫌なヤツ!

「お前、あの大侵攻の時、俺を見たと言ったな。」
「ええ、拝見致しました。
アルノバル侯爵閣下の麾下におりましたから。」
「アイツか…。」
アルノバル…。
俺をロイヒとヴァルシと一緒に異空間に閉じ込めた女魔族だ。

「あの戦いを見て、俺と対峙してるってことは、
俺に勝つ自信があるってことか?」
「ございます。」
ガルドントは自信満々に即答する。

「はは、随分な自信だな。」
「いえいえ、一対一でなら、到底敵いませんよ。」
「…じゃあ、なんで逃げないんだ?」
この魔物、かなり強い魔物だとは思うが、
とても俺と対峙できるほどの魔力は感じないが…。

「ふふふ、それはですね、一対一ではないからです。」
ガルドントは薄ら笑いを浮かべながら俺の問いに答える。
くそっ!やっぱりか!
コイツ、アルフリーヌ達を率先して狙う宣言して来やがった!
まぁ、相手の弱みをつくのは当然か。
パーティ揃ってならガルドントとでも戦えるだろう、経験値も上がる…と考えたのが裏目に出た。
サスティが逃げた時点で、3人もスグ逃がすべきだった!。

「お嬢さん方を守りながらの貴方になら、8割の確率で勝てるかと。」
くそったれっ!!
「お前達っ!ここは俺が食い止めるっ!
急いでサスティを追って、一緒に…っ!」
「「イヤですっ!」」
「お断りですわっ!」
「?!」
俺の指示を遮るように、
3人の声が…すぐ後から?!

「お、お前達?!」
俺の呼び掛けを無視し、
彼女達は俺の前に並ぶと、
「「ハヤト様!指示お願いしますっ!」」
「しますわっ!」

「いや、お前らっ!」
語気を強める俺に彼女達は、
「私達は誇り高き近衛騎士団の騎士ですわっ!」
「ここで下がったり出来ませんっ!」
「足手まといにはなりませんからっ!」

震える手で武器を構え、必死の表情で思い思いの決意を叫ぶ3人に、
「…わかった。」
俺は渋々、彼女達の参戦を認める。

お前達は、俺の命に代えても死なせない。
頼もし育った3人の背中を見つめながら、
俺は心に誓った。

つづくっ!

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