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ダンジョン攻略と4人の新人騎士

閑話休題 その2

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「さっきの話っ!考えておいてくださいね!」
手をブンブン振りながら、
名残惜しそうにミラがテントに入っていく。

エイクが来てくれて正直、助かった。
俺はふぅ、とため息をつく。
「助かったぁ…って顔、されてますね。」
エイクが見透かしたような顔でこっちを見る。
「まぁ、ミラ様も必死なんでしょう。」
テントの方を見ながら、エイクが呟く。
「?聞こえてたのか?」
「全部は聞こえませんでしたが、なんとなくは…。」
「貴族って、大変なんだな。」
俺は自分も公爵なのを忘れ、ミラの身の上を思う。

「ふふ、お優しいんですね。」
「い、いや!そんなことはっ!」
不意に褒められたので、照れてテンパってしまった。

「ま、私もそんなに変わりませんけどね。」
そう言うと、エイクが俺の肩に寄りかかる。
「え?ちょっと、エイクさん??」
鎧を脱ぎ、鎧下ギャンベゾンになったエイクの胸が、
俺の腕を挟み込む。
フルプレートの鎧に隠れてわからなかったが、
この娘、大人しそうな顔に似合わず、
思ったより凶暴なお胸をしている。

「ど、どうした?気分でも悪いのか?」
俺は、努めて平静を装う。
「…私も伯爵家とは言え、3女ですからねぇ…。」
「…?」
「そんなに良い縁談は来ないだろうなぁ…と。」
「そうなのか…ついこないだまで平民だったからなぁ、
そう言うの、全然わからないんだよ。
こっちに来る前は、貴族とか平民とか、
そんなのとは無縁な世界だったしな。」
俺は日本を思い出して、少し遠い目になる。
「帰りたいんですか?」
「はは、まだ郷愁を感じるほど、離れてないよ。
むしろ、今はこの世界の方が楽しい…。」

エイクは俺の腕を巨乳で挟みながら、
じっと俺を見ていた。
そんなエイクの視線に気づき、
「なんだ?俺の顔になんか付いてるか?」
「……ハヤト様って、全っ然、ケダモノじゃないですね?」
エイクが大きい目を見開いて、驚きの…いや、
少し残念そうな表情で見上げている。
なんだ?まだ試されてたのか?

「ロイヒとヴァルシの話は……、
アイツらには悪いけど事故みたいなもんだよ。」
「何があったんです?」
「…女王の勅命にもあったが、以前一緒に戦闘に参加したんだ。
その時にちょっとな……。」
「あの、お3人が一緒に消えたっていう?」
「あぁ、その時にな。ま、この話はここまでな!」
話を切り上げたい俺は、勢いよく立ち上がる。

「きゃっ?!」
無理にエイクの谷間から腕を引き抜いたせいで、
エイクがバランスを崩し、倒れそうになる。
「危ないっ!」
慌てて俺はエイクを支える。

ーほにゃんー
なんとも言えない、やわやわ感触が手の平に。
言わずともわかるだろう?
エイクの柔らかな二つの果実が俺の手で収穫されている。
「すっすまんっ!」
俺は慌てて手を離そうとすると、
ーガッー
エイクが信じられないような力で俺の手を抑える。

「お、おい、エイクさん?」
「私は…ダメですか?」
エイクに手を抑えられ、顔と顔の距離は30cm…20cm…15cm。
エイクさん、近づいて来てるよっ!

「やっ!ちょっ、えぇっ?!」
「大丈夫、大丈夫。」
エイクさん、男前っ!でも何が大丈夫なのさっ?!

「いやっ、まっ、待って!落ち着いて、ねっ?」
どっちのセリフかわからない、
情けない事を口走っていると、

「あー、これって私、お邪魔ですかね?」
トボけたような、静かにキレてるような…、
そんな声が背後から。
またまた助かったぁっ!!

つづく
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