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高等部2年生
賽は投げられた 3/4
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みんなが一斉に話し出したので、誰が何を言ったのかほとんど聞き取れなかった。
急な事でカリーナ元王妃も少し困惑している。
「──知っている情報を教えて頂けますか?」
最後にエレが発した言葉だけ聞き取れたけど、教えて頂けますか?
……何を??
「伝わりましたか?」
リーセさんが苦笑しつつ、カリーナ元王妃に尋ねる。
「はい。全ては聞き取れませんでしたが、言いたい事は伝わりました」
初めてカリーナ元王妃が、静かに微笑んだ。
「アリアさんとジュリアの転生したタイミングを考えると私が関係していると思いますが、彼女が元の世界に戻る事はないと思います」
「その根拠は?」
即座にミネルが質問をする。
完全に敬語がとれてますよ、ミネルさん。
「私はループも含め、長い間この世界にいますが、一度も戻った事はありません。今まで幾度となく『戻りたい』と祈りましたが……その願いは叶っていません。原作者である私が望んだにもかかわらず実現できていないのですから、恐らく本の力とは別な力が働いているのだと思います」
そういえば、私は戻りたいと考えた事すらなかったな。
でも4回もループをしていたら、さすがに戻りたいと思ったかもしれない。
「それにアリアさんが考えているように“前世の記憶”があるだけなのかもしれません。──なぜなら、私は前の世界では病気で亡くなっていますから」
へっ! そうだったの!?
ん? つまり……私も亡くなってるという事?
ああ、そっか。前世の記憶があるという仮説が当たっているとしたら、私が亡くなっていてもおかしくないのか!
身に覚えは全くないけど……。
んー、そういう事なら──
「じゃあ、この話はこれで終わりという事で!」
「軽いわね」
私が話を締めくくると、セレスが素早くツッコんだ。
「悩んでも答えが見つからない事に頭を悩ませるのもね。悩んだところで状況は変わらないし……いい方に考えて終わろう!」
「……うーん。まぁ、そうね」
私の言葉にセレスが複雑そうな表情を見せるも、最後には納得して笑ってくれた。
結局、操られていた4人には協力してもらう必要がなくなった為、エウロとカウイが憲兵の元へ連れていく事になった。
──その日からの1週間は大忙しだった。
まずは、それぞれが自分の親に状況を説明する事から始まった。
驚かれたり、怒られたり……と反応は様々だったらしい。
例に漏れず、私とエレも両親と話をする時がやってきた。
そこで、色々と考えた結果、オーンも一緒に来てもらった。
オーンは「なぜ私も一緒に?」と、不思議そうな顔をしていたけど。
予想通り、いや、予想以上にガッツリ怒られました。
オーンも一緒にガッツリ怒られました。
……でも、良かった。
いや、良かったというのも変な話なんだけど。
オーンは立場上、自分の親にはまだ事情を話せない。
それならオーンも呼んで一緒に怒られよう!
1人で怒られるよりも、3人で怒られた方が怒りが分散されるはずだ!!
……と思い、オーンを巻き込んだんだけど、一緒に怒られた事がなぜか嬉しかった。
そもそも、王子であるオーンが叱られる姿というのはかなり珍しい。
見間違いでなければ、いつもより少しだけ子供っぽい顔をしていたような気もする。
そういえば、帰り際「ありがとう」と、オーンが少し照れた表情でお礼を言っていた。
……なんのお礼だろう??
ガッツリ怒られはしたものの、親には無事協力してもらえる事になった。
その後、ミネルの調査により、ノレイさんの家族が亡くなった理由にジメス上院議長が関わっている可能性が高い事が分かった。
いつも通り、自分の手は下していないので『可能性が高い事しか分からなかった』と話していた。
関与が確定したわけではないし、ノレイさんを味方に引き入れるのは難しそうだなぁと思っていたけど、ミネルは諦めていなかった。
ミネルの“徹底して調べる!”精神が功を奏し、思わぬところで新たな情報が手に入ったのだ!
本当に尊敬する!!
ノレイさんの家族は不幸な事故……なんでも“ヴェント”による事故で亡くなったらしい。
交通事故のようなものかな?
ノレイさん本人は事情があって、“ヴェント”には乗っていなかったそうだ。
その偶然もまた怪しく感じた。
「調査の段階で、何名か目撃者がいる事が分かった。彼らを探し出し、話を聞く事はできたんだが……全員が『父親と母親が亡くなっている姿を見た』と話していた」
「……ん? それが有力な情報??」
私が首を傾げる。
「“ナレッジ”の記録では、ノレイには両親の他に弟がいる。事故の際、目撃者達は揃って『弟の姿は見ていない』と言っていたが、死亡記録ではノレイ以外の家族全員が亡くなった事になっているんだ」
ふむふむ。
……と、いう事は??
「理由は不明だが、もしかするとノレイの弟は生きているのかもしれない」
な、なんと!!
「事故を起こした当事者たちにも話を聞きたいところだが、逃亡したのか、亡くなったのか……少なくとも話は聞けそうにない」
今の時点で分からない事だらけのはずなのに、ミネルが生き生きしている気がする。
よほど、いい情報が手に入ったんだ。
「そこで、だ。ノレイの家族や親族、友人だけでなく事故の関係者等も徹底的に調べ上げた」
なんでもエウロとカウイを強制的に巻き込み、3人で寝る間を惜しんで調べたらしい。
カウイはいつも通りだったけど……エウロの顔は明らかにやつれていた。
「調査の結果、事故があった年に養子を迎えた夫婦がいた。もしかしたら……と思い、エウロと会いに行ってきた」
人選が素晴らしい。
エウロなら警戒されにくいし、ついつい話してしまうかもしれない。
「最初はかなり言葉を濁していたけど、話してくれたんだ。ミネルの予想通り、ノレイさんの弟だった。さすがミネルだよな!」
こうやって自然に人を褒められるのもエウロの良さだな。
「その夫婦にノレイさんの弟を預けたのは、事故を起こした当事者の1人だったらしい。本当ならその事故で家族全員を殺す予定だったみたいなんだけど、弟の方は母親が体を張って守った事もあって無事だった。仕方なく弟を連れ去って始末をするつもりだったけど、どうしてもできなかった……と話してたってさ」
「今、エウロが話した内容こそが事故の真相だ。弟の件についてはノレイはもちろんの事、ジメス上院議長も知らない。“ナレッジ”にも死亡と記録されているからな」
話し終えたミネルが、軽く息を吐き出す。
チラリと私の表情をうかがうと、確認するように口を開いた。
「僕たちの役目はここまでだ。この話をノレイにどう伝えるか、判断はアリアに任せる。仮にノレイが『ジメス上院議長を裏切る』と言った場合、その言葉を信じるかどうかについても」
「な、なんで、そんな重大任務を私が!? 」
思わず、大きな声で叫ぶ。
「一番適任だと思ったからだ。僕は事実しか話せないからな。変に考えず、アリアが思ったままを伝えればいい」
うーん。私が適任だとは思えないけど……。
でも、ミネルがそう言うって事は、何か理由があるんだろうな。
よし! 頼まれたからには全力で!!
急な事でカリーナ元王妃も少し困惑している。
「──知っている情報を教えて頂けますか?」
最後にエレが発した言葉だけ聞き取れたけど、教えて頂けますか?
……何を??
「伝わりましたか?」
リーセさんが苦笑しつつ、カリーナ元王妃に尋ねる。
「はい。全ては聞き取れませんでしたが、言いたい事は伝わりました」
初めてカリーナ元王妃が、静かに微笑んだ。
「アリアさんとジュリアの転生したタイミングを考えると私が関係していると思いますが、彼女が元の世界に戻る事はないと思います」
「その根拠は?」
即座にミネルが質問をする。
完全に敬語がとれてますよ、ミネルさん。
「私はループも含め、長い間この世界にいますが、一度も戻った事はありません。今まで幾度となく『戻りたい』と祈りましたが……その願いは叶っていません。原作者である私が望んだにもかかわらず実現できていないのですから、恐らく本の力とは別な力が働いているのだと思います」
そういえば、私は戻りたいと考えた事すらなかったな。
でも4回もループをしていたら、さすがに戻りたいと思ったかもしれない。
「それにアリアさんが考えているように“前世の記憶”があるだけなのかもしれません。──なぜなら、私は前の世界では病気で亡くなっていますから」
へっ! そうだったの!?
ん? つまり……私も亡くなってるという事?
ああ、そっか。前世の記憶があるという仮説が当たっているとしたら、私が亡くなっていてもおかしくないのか!
身に覚えは全くないけど……。
んー、そういう事なら──
「じゃあ、この話はこれで終わりという事で!」
「軽いわね」
私が話を締めくくると、セレスが素早くツッコんだ。
「悩んでも答えが見つからない事に頭を悩ませるのもね。悩んだところで状況は変わらないし……いい方に考えて終わろう!」
「……うーん。まぁ、そうね」
私の言葉にセレスが複雑そうな表情を見せるも、最後には納得して笑ってくれた。
結局、操られていた4人には協力してもらう必要がなくなった為、エウロとカウイが憲兵の元へ連れていく事になった。
──その日からの1週間は大忙しだった。
まずは、それぞれが自分の親に状況を説明する事から始まった。
驚かれたり、怒られたり……と反応は様々だったらしい。
例に漏れず、私とエレも両親と話をする時がやってきた。
そこで、色々と考えた結果、オーンも一緒に来てもらった。
オーンは「なぜ私も一緒に?」と、不思議そうな顔をしていたけど。
予想通り、いや、予想以上にガッツリ怒られました。
オーンも一緒にガッツリ怒られました。
……でも、良かった。
いや、良かったというのも変な話なんだけど。
オーンは立場上、自分の親にはまだ事情を話せない。
それならオーンも呼んで一緒に怒られよう!
1人で怒られるよりも、3人で怒られた方が怒りが分散されるはずだ!!
……と思い、オーンを巻き込んだんだけど、一緒に怒られた事がなぜか嬉しかった。
そもそも、王子であるオーンが叱られる姿というのはかなり珍しい。
見間違いでなければ、いつもより少しだけ子供っぽい顔をしていたような気もする。
そういえば、帰り際「ありがとう」と、オーンが少し照れた表情でお礼を言っていた。
……なんのお礼だろう??
ガッツリ怒られはしたものの、親には無事協力してもらえる事になった。
その後、ミネルの調査により、ノレイさんの家族が亡くなった理由にジメス上院議長が関わっている可能性が高い事が分かった。
いつも通り、自分の手は下していないので『可能性が高い事しか分からなかった』と話していた。
関与が確定したわけではないし、ノレイさんを味方に引き入れるのは難しそうだなぁと思っていたけど、ミネルは諦めていなかった。
ミネルの“徹底して調べる!”精神が功を奏し、思わぬところで新たな情報が手に入ったのだ!
本当に尊敬する!!
ノレイさんの家族は不幸な事故……なんでも“ヴェント”による事故で亡くなったらしい。
交通事故のようなものかな?
ノレイさん本人は事情があって、“ヴェント”には乗っていなかったそうだ。
その偶然もまた怪しく感じた。
「調査の段階で、何名か目撃者がいる事が分かった。彼らを探し出し、話を聞く事はできたんだが……全員が『父親と母親が亡くなっている姿を見た』と話していた」
「……ん? それが有力な情報??」
私が首を傾げる。
「“ナレッジ”の記録では、ノレイには両親の他に弟がいる。事故の際、目撃者達は揃って『弟の姿は見ていない』と言っていたが、死亡記録ではノレイ以外の家族全員が亡くなった事になっているんだ」
ふむふむ。
……と、いう事は??
「理由は不明だが、もしかするとノレイの弟は生きているのかもしれない」
な、なんと!!
「事故を起こした当事者たちにも話を聞きたいところだが、逃亡したのか、亡くなったのか……少なくとも話は聞けそうにない」
今の時点で分からない事だらけのはずなのに、ミネルが生き生きしている気がする。
よほど、いい情報が手に入ったんだ。
「そこで、だ。ノレイの家族や親族、友人だけでなく事故の関係者等も徹底的に調べ上げた」
なんでもエウロとカウイを強制的に巻き込み、3人で寝る間を惜しんで調べたらしい。
カウイはいつも通りだったけど……エウロの顔は明らかにやつれていた。
「調査の結果、事故があった年に養子を迎えた夫婦がいた。もしかしたら……と思い、エウロと会いに行ってきた」
人選が素晴らしい。
エウロなら警戒されにくいし、ついつい話してしまうかもしれない。
「最初はかなり言葉を濁していたけど、話してくれたんだ。ミネルの予想通り、ノレイさんの弟だった。さすがミネルだよな!」
こうやって自然に人を褒められるのもエウロの良さだな。
「その夫婦にノレイさんの弟を預けたのは、事故を起こした当事者の1人だったらしい。本当ならその事故で家族全員を殺す予定だったみたいなんだけど、弟の方は母親が体を張って守った事もあって無事だった。仕方なく弟を連れ去って始末をするつもりだったけど、どうしてもできなかった……と話してたってさ」
「今、エウロが話した内容こそが事故の真相だ。弟の件についてはノレイはもちろんの事、ジメス上院議長も知らない。“ナレッジ”にも死亡と記録されているからな」
話し終えたミネルが、軽く息を吐き出す。
チラリと私の表情をうかがうと、確認するように口を開いた。
「僕たちの役目はここまでだ。この話をノレイにどう伝えるか、判断はアリアに任せる。仮にノレイが『ジメス上院議長を裏切る』と言った場合、その言葉を信じるかどうかについても」
「な、なんで、そんな重大任務を私が!? 」
思わず、大きな声で叫ぶ。
「一番適任だと思ったからだ。僕は事実しか話せないからな。変に考えず、アリアが思ったままを伝えればいい」
うーん。私が適任だとは思えないけど……。
でも、ミネルがそう言うって事は、何か理由があるんだろうな。
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