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1-2.僕に触手プレイをしてください
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前話の冒頭に戻ってほしい。
「僕に触手プレイをしてください! 」
ゴンッと額を石の床にあてる。土下座ポーズだ。もちろん高級菓子折りも持参済みで抜かりはない。
「え。え? グレイ先生ですよね? 何の話ですか、しょくしゅ? とりあえずその変な姿勢をやめて顔をあげてください」
変な姿勢とは。異世界に伝わる伝統的礼ーー土下座ポーズだぞ。おろおろと手を上げ下げするイケメン。闘技場では大人びてみえたが、アイスブルーの目を丸くして動揺している姿は年相応の学生らしく幼い。
う、罪悪感が。
「えっと。入ってください」
ユリウス君のお家に招き入れられる、というか玄関先で奇行に走った僕をご近所から隠すように引っ張り込まれた。彼は学生用の長屋の一角に住んでいた。
「グレイ先生、突然どうされたのですか?」
「僕のこと知っているんだ?」
「知らない人なんていませんよ?! 最年少で紫華褒章を受賞。先生の水循環システムが国の衛生環境を大きく変えました」
それは僕のメインの研究だ。あんまり顔だししていないんだけれど、知られているもんだな。ただ、今はイケメンからの尊敬の眼差しが痛い。
「実は、先日の戦闘大会をみて、君に頼みたいことがあって.....。僕は趣味で異世界を研究しているんだけど」
「異世界?」
異世界とは。文字通りここではない世界である。驚くべきことに、異世界には魔法が無いと考えられている。
おそらく時空間の歪みで世界を隔てる膜のようなものに微細な穴があくことがある。そこからごくまれに異世界から遺物が落ちてくるのだ。
「これは漫画といって、異世界の書物です」
漫画をユリウス君にわたす。文字は読めないだろうけれど、絵で内容は理解できるだろう。
ユリウス君が戸惑いつつもページをめくる。
それこそ、僕の夢。
ドエロ触姦・触手アンソロジーだ。
「……」
ところで、他人に自分の性癖を読ませるってすっごい恥ずかしい。居たたまれなさが最高潮。沈黙が永遠か。
ぱたん、とユリウス君が本を閉じた。
ああ、正直消えてしまいたい。
すんっと空気が冷えた気がする。僕と目を合わせたユリウス君はわかりやすくドン引きしていた。
「お断りし……」
「まってまってまって! 僕にできることならなんでもお礼するから! お金でも、研究助成でも!」
ここまで恥を晒したんだ、今更簡単に諦められるものか。
「研究.....」
「うん、うん! 僕のラボ出入り自由! 器具も何を使ってもよし」
彼の目が少し左右に彷徨った。おお、ユリウス君の心が揺れている。これはあと一押し!
「論文読み放題、貴重な書籍も取り寄せます! 君自身には触れないし、危ないこともしないから!」
「……俺が嫌になったらすぐに止めますから」
「もちろん、それでいいよ! 約束する」
ユリウス君は嘆息して、僕をみつめた。
「では、何をしたらいいのでしょう?」
やったーー!
念願の触手プレイだ!!
「僕に触手プレイをしてください! 」
ゴンッと額を石の床にあてる。土下座ポーズだ。もちろん高級菓子折りも持参済みで抜かりはない。
「え。え? グレイ先生ですよね? 何の話ですか、しょくしゅ? とりあえずその変な姿勢をやめて顔をあげてください」
変な姿勢とは。異世界に伝わる伝統的礼ーー土下座ポーズだぞ。おろおろと手を上げ下げするイケメン。闘技場では大人びてみえたが、アイスブルーの目を丸くして動揺している姿は年相応の学生らしく幼い。
う、罪悪感が。
「えっと。入ってください」
ユリウス君のお家に招き入れられる、というか玄関先で奇行に走った僕をご近所から隠すように引っ張り込まれた。彼は学生用の長屋の一角に住んでいた。
「グレイ先生、突然どうされたのですか?」
「僕のこと知っているんだ?」
「知らない人なんていませんよ?! 最年少で紫華褒章を受賞。先生の水循環システムが国の衛生環境を大きく変えました」
それは僕のメインの研究だ。あんまり顔だししていないんだけれど、知られているもんだな。ただ、今はイケメンからの尊敬の眼差しが痛い。
「実は、先日の戦闘大会をみて、君に頼みたいことがあって.....。僕は趣味で異世界を研究しているんだけど」
「異世界?」
異世界とは。文字通りここではない世界である。驚くべきことに、異世界には魔法が無いと考えられている。
おそらく時空間の歪みで世界を隔てる膜のようなものに微細な穴があくことがある。そこからごくまれに異世界から遺物が落ちてくるのだ。
「これは漫画といって、異世界の書物です」
漫画をユリウス君にわたす。文字は読めないだろうけれど、絵で内容は理解できるだろう。
ユリウス君が戸惑いつつもページをめくる。
それこそ、僕の夢。
ドエロ触姦・触手アンソロジーだ。
「……」
ところで、他人に自分の性癖を読ませるってすっごい恥ずかしい。居たたまれなさが最高潮。沈黙が永遠か。
ぱたん、とユリウス君が本を閉じた。
ああ、正直消えてしまいたい。
すんっと空気が冷えた気がする。僕と目を合わせたユリウス君はわかりやすくドン引きしていた。
「お断りし……」
「まってまってまって! 僕にできることならなんでもお礼するから! お金でも、研究助成でも!」
ここまで恥を晒したんだ、今更簡単に諦められるものか。
「研究.....」
「うん、うん! 僕のラボ出入り自由! 器具も何を使ってもよし」
彼の目が少し左右に彷徨った。おお、ユリウス君の心が揺れている。これはあと一押し!
「論文読み放題、貴重な書籍も取り寄せます! 君自身には触れないし、危ないこともしないから!」
「……俺が嫌になったらすぐに止めますから」
「もちろん、それでいいよ! 約束する」
ユリウス君は嘆息して、僕をみつめた。
「では、何をしたらいいのでしょう?」
やったーー!
念願の触手プレイだ!!
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