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第12章
第5話
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「このデジタル放送時代に?」
「自主制作の編集された動画が、放送時に紛れ込んだと説明している」
ネットニュースは更新を続ける。
局のスタッフが仲間と作っていた自主制作映画の動画が、誤って放送コードにのってしまったと言っている。
「あれは電波ジャックだったろ!」
俺は支部のPCで天命を検索する。
飯塚さんはその機能を使って、正規の放送枠に割り込んだんだ。
「隊長だよ。隊長の仕業だ」
竹内の声は震えていた。
「飯塚さんの宣戦布告に、隊長は応えた。これで『放送事故』と世間はごまかせても、全国の隊員と飯塚さんには、確実に伝わったはずだ。隊長の意志が。全面対決の始まりだよ」
飯塚さんのアカウント使用許可を取り消しても、イタチごっこだ。
天命を止めるわけにはいかない。
他の業務だってある。
てゆーかこんな対決したところで、そもそも飯塚さんの方が圧倒的に不利だろ。
勝ち目なんて、ない。
「なぁ、竹内。やっぱりこの噴水のところに行かないか。俺は、この目で実際に確かめたい。遠隔操作で爆破していたとしたら、この報道で飯塚さん自身も、本当に爆破出来ていたのか、確かめにくるんじゃないか」
床や壁の拭き取りは終わっていても、細かな実験器具や電子機器の動作確認は終わっていない。
だけど俺は、このままあの人がボロボロに捕まってしまうのを、見たくはない。
「お前が動けないっていうんなら、俺だけでも行くことを許可してくれないか。あっ、それか、今日はもうお終いってことにして、俺はこれからプライベートで勝手に公園に……」
「俺も行くよ」
竹内は盛大なため息をつくと、立ち上がった。
「言っただろ。お前なんかより、どっちが焦ってるかって。あの人をほっとけないのは、お前以上だ」
目が合う。
ニッと笑ったら、竹内はフンと鼻で吹き飛ばしてうつむいた。
「自主制作の編集された動画が、放送時に紛れ込んだと説明している」
ネットニュースは更新を続ける。
局のスタッフが仲間と作っていた自主制作映画の動画が、誤って放送コードにのってしまったと言っている。
「あれは電波ジャックだったろ!」
俺は支部のPCで天命を検索する。
飯塚さんはその機能を使って、正規の放送枠に割り込んだんだ。
「隊長だよ。隊長の仕業だ」
竹内の声は震えていた。
「飯塚さんの宣戦布告に、隊長は応えた。これで『放送事故』と世間はごまかせても、全国の隊員と飯塚さんには、確実に伝わったはずだ。隊長の意志が。全面対決の始まりだよ」
飯塚さんのアカウント使用許可を取り消しても、イタチごっこだ。
天命を止めるわけにはいかない。
他の業務だってある。
てゆーかこんな対決したところで、そもそも飯塚さんの方が圧倒的に不利だろ。
勝ち目なんて、ない。
「なぁ、竹内。やっぱりこの噴水のところに行かないか。俺は、この目で実際に確かめたい。遠隔操作で爆破していたとしたら、この報道で飯塚さん自身も、本当に爆破出来ていたのか、確かめにくるんじゃないか」
床や壁の拭き取りは終わっていても、細かな実験器具や電子機器の動作確認は終わっていない。
だけど俺は、このままあの人がボロボロに捕まってしまうのを、見たくはない。
「お前が動けないっていうんなら、俺だけでも行くことを許可してくれないか。あっ、それか、今日はもうお終いってことにして、俺はこれからプライベートで勝手に公園に……」
「俺も行くよ」
竹内は盛大なため息をつくと、立ち上がった。
「言っただろ。お前なんかより、どっちが焦ってるかって。あの人をほっとけないのは、お前以上だ」
目が合う。
ニッと笑ったら、竹内はフンと鼻で吹き飛ばしてうつむいた。
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