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第15章
第3話
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「やってみてよかったな」
「お前はアホか!」
ブツブツと文句をいうだけで、何も手伝おうとしない山崎を無視して、俺は材料を集めることにした。
まずはマシン本体の機械部品だ。
絵に描くだけなら紙に線を引けばよかったけど、どうすんだ? コレ。
「なぁ、山崎」
「俺は何にも手伝わないからな、絶対に、何にも、だ!」
1年軍団には喜んで混ざりこんでいたのに、いざとなったらこれかよ。
「1年は手伝って、どうして俺は無視なんだよ」
「あいつらは俺がいなくても完成させるだろうけど、お前は一人では完成させられないからだ」
は? 意味が分からん。
逆じゃね?
俺が不思議そうに首をかしげると、山崎は得意げな顔で言い放った。
「つまり、俺は黙って見ているだけで、参加も出来て成功も手にする。お前だと、そうはならない」
すぐ真横にあった椅子を、コイツに向かって放り投げてやろうかと思ったけど、残念、理科室の椅子は、床に固定されていて動かない。
「やっぱそうだよな、お前の本性って」
「ははは、これが自然の摂理というものだよ、吉永くん」
だかしかし、俺にも秘策はある。
「ときに山崎くん、これを見たまえ」
俺はノートパソコンの画面を、山崎の方に向けた。
「これが何か分かるかね?」
俺のような手書きではなく、細かいフォントサイズでびっしりと打ち込まれた文字と、なんのソフトかは分からないけど、単なるペイント的な作画ツールで描かれていないっぽいマシンの設計図、これは鹿島たちが提出した、企画書の中身だ。
「これを参考に進めれば、我々にも制作は可能ではないかと思われるのだが、どうする?」
山崎の目は、画面にくぎ付けだ。
「はー、よく出来てんなぁ」
続けざまに、俺の企画書を手に取る。
「次元が違う」
「これを参考に改良していけば、俺たちにも作れるってこと」
「なるほど」
盟友山崎がにっと笑った。
ハイタッチを交わす。
俺たちの挑戦が始まった。
「お前はアホか!」
ブツブツと文句をいうだけで、何も手伝おうとしない山崎を無視して、俺は材料を集めることにした。
まずはマシン本体の機械部品だ。
絵に描くだけなら紙に線を引けばよかったけど、どうすんだ? コレ。
「なぁ、山崎」
「俺は何にも手伝わないからな、絶対に、何にも、だ!」
1年軍団には喜んで混ざりこんでいたのに、いざとなったらこれかよ。
「1年は手伝って、どうして俺は無視なんだよ」
「あいつらは俺がいなくても完成させるだろうけど、お前は一人では完成させられないからだ」
は? 意味が分からん。
逆じゃね?
俺が不思議そうに首をかしげると、山崎は得意げな顔で言い放った。
「つまり、俺は黙って見ているだけで、参加も出来て成功も手にする。お前だと、そうはならない」
すぐ真横にあった椅子を、コイツに向かって放り投げてやろうかと思ったけど、残念、理科室の椅子は、床に固定されていて動かない。
「やっぱそうだよな、お前の本性って」
「ははは、これが自然の摂理というものだよ、吉永くん」
だかしかし、俺にも秘策はある。
「ときに山崎くん、これを見たまえ」
俺はノートパソコンの画面を、山崎の方に向けた。
「これが何か分かるかね?」
俺のような手書きではなく、細かいフォントサイズでびっしりと打ち込まれた文字と、なんのソフトかは分からないけど、単なるペイント的な作画ツールで描かれていないっぽいマシンの設計図、これは鹿島たちが提出した、企画書の中身だ。
「これを参考に進めれば、我々にも制作は可能ではないかと思われるのだが、どうする?」
山崎の目は、画面にくぎ付けだ。
「はー、よく出来てんなぁ」
続けざまに、俺の企画書を手に取る。
「次元が違う」
「これを参考に改良していけば、俺たちにも作れるってこと」
「なるほど」
盟友山崎がにっと笑った。
ハイタッチを交わす。
俺たちの挑戦が始まった。
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