125 / 149
第百二十四話
しおりを挟む
やがて辿りついた巨木の根元にあった小さな洞窟から一行が迷宮に足を踏み入れる。
そのことは今回もミノスには伝わっているため、道中でヤマトたちはモンスターと遭遇することもなく、暖かい空気に包まれ、防寒具を脱ぎながらすんなりと彼らがいる部屋へと到着する。
大きく重厚な扉はヤマトたちが目の前にくると、中からゆっくりと開かれた。
「あ、どうも」
「うむ、よく来たな」
そのまま中に入ると、玉座に似た椅子にゆったりと腰掛けるミノスと目が合う。軽いやりとりだったが、互いにこれで十分だと思っていた。
「それで、ここに戻って来たということは精霊界へ向かうということで良いのか?」
淡々としたミノスの質問に、ヤマトが頷く。
「はい、お願いします。数は多くはありませんけど、強力な召喚獣と契約ができたので今こそ精霊界での強化のタイミングだと思います」
それを聞いたミノスは視線をルクスへと送る。ひげを蓄えた荒々しい雰囲気を持つミノスの一瞥は威圧感があった。
「っ、にゃ!」
そんな神であるミノスの視線に射抜かれたため、ルクスは思わずびくりと身体を揺らし、声をあげてしまった。
「――ふむ、さすがにお前たちの仲間、というだけのことはあるようだな。かなりの力を有しているようだ。今となっては、アスターはもちろん神であっても敵わんほどになったようだ」
満足そうに薄く笑うミノスはルクス、ヤマト、ユイナと順番に見て、彼らの実力が相当上がっているのを感じ取っていた。
「ですかね? でも、あなた方と敵対するつもりはないのでそんなことにはならないと思いますよ。それで……精霊界へはどこから行くのでしょうか?」
どういう反応をしたらよいか苦笑交じりでヤマトは問いかける。
ゲームでは瞬間移動的に移動していたが、ここでは特別な場所から行くのかと予想していた。
「あぁ、それならばここから行ける。少し待っていろ」
そう言うとミノスはおもむろに腰かけていた椅子から立ち上がると、両手を大きく広げた。
アスターよりも大きな身体を持つ、巨人のようなミノスが立ち上がると、かなりの迫力がある。
「――“我、ミノスが命ずる。古より揺蕩う世界への扉を開き、道を示せ!”」
ミノスの魔力と言葉に応じるように空気がびりびりと震える。
そして、大気に亀裂が入ると、ぐるぐると回転し始め、亀裂が開き、そこから向こうの風景が見え始める。
「おぉ、これはすごい!」
「うん! すごく魔力が強いね! 空間魔法なのかな!」
目の前で発動するミノスの魔法に、ヤマトとユイナは興味津々だった。
「ふふふっ! これは我しか使えない魔法だ! さあ、この通路は数分しか持たん。さっさと行くがよい。帰りは……精霊王になんとかしてもらうか、自力でなんとかしてくれ。……というか、早くいけ――開いている間はずっと魔力が吸われる……っ」
最初は自慢げに胸を張っていたミノスだが、言葉通り、徐々に彼の顔色が悪くなってくる。
通常、空間魔法は多大な魔力を使うと言われている。
それに加えて、今回ミノスが作った通路は、今いる世界とは別の世界へと繋がる特別な空間であるため要する魔力は更に多量になる。
いくら神であるミノスといえども、長時間通路を維持するのは難しかった。
「わわわっ! は、早く行かないとまずいですにゃ!」
わたわたと驚くルクスは、ミノスとヤマトたちを何度も見比べるほどの動揺を見せる。
「だね、行こう! ミノス、ありがとうございます! アスターもまた会おう!」
眩しいほどの爽やかな笑みを浮かべたヤマトの言葉に、空間維持に苦しそうにしながらもミノス、薄く笑ったアスターが頷き、ヤマトたちは一斉に通路へと飛び込んでいった。
全員が通ったのを確認すると、ミノスは通路を閉鎖させる。ゆっくりと閉じた亀裂はもうなにもなかったかのように元通りになっていた。
「……っ、はあはあ、はあはあ、さっさと行かんから疲れたわい……ふう、普段使わないだけにかなり魔力をもっていかれたな。今までの神生でも数回といったところだぞ……」
「――無事、行けたようでよかった」
父ミノスが疲労を訴えているのに対して、アスターはそれに対して反応することなく、ただ彼らが無事に旅立ったことを喜んでいた
。息子が心配してくれないことを少し寂しいと思いながら、ミノスは魔力回復に太陽の宝玉を頬張りつつ、ヤマトたちの行く末を想っていた。
一方、ミノスが開いてくれた通路を出たヤマトたちはというと……。
「ぅぅぅぅぅううううううううわあああああああ」
「きゃあああああああああ」
「うにゃああああああああ!」
「ヒヒーーーーーーーーーン!」
順番にヤマト、ユイナ、ルクス、エクリプスの悲鳴に似た声だった。
いま、四人の姿は高度一万メートルの位置にある。
なんの命綱もパラシュートもなく、痛いほどにたたきつける風に耐えながら落下していた。
「なななななな、なんでこんな場所にいいいいい!?」
最初は、ミノスが開いた入り口を入ると不思議な乳白色に輝く魔法のトンネルのような通路があり、そこを一行は歩いていた。
十メートルほど進んだところで、突如としてその魔法の通路が消え去り、今の状況になっていた。
「ヤ、ヤマト、それよりも何とかしないとー! ど、どどどどど、どうしよう!?」
服がめくれ上がらないようにきゅっと身体を縮こまらせながら、落下の風にあおられているユイナがなんとかそれだけ口にする。
「そ、そそそ、そうだね。“ウインドウォール、多段展開”!」
このまま何もしないわけにはいかないと、ヤマトは薄い風の壁を自分たちの下方向に何重にも展開していく。
以前、禁断の地にある洞窟で使った技。だが魔術士だったあの時とは違い、大魔導士となった今では障壁の展開は非常になめらかで、多段展開しても魔力消費はけた違いに少ない。
風の壁を一つ通過するたびに、ヤマトたちの落下速度は落ちていく。
ふわりと風の壁がクッションとなってくれているようだ。
「だ、大丈夫……?」
落下速度が徐々に落ち着いていくのを感じながら、ユイナが不安そうにヤマトに尋ねる。
以前、同じ技を使って魔力切れを起こしたヤマトのことを思い出し、あの時よりずっと距離のある、これほどの高さでずっと技を使い続けることに不安を覚えたようだった。
「なんとか、“ウインドウォール、多段展開”!」
落下速度は落ちてもまだまだ地面までは遠く、油断できない状況のため、少し困ったように笑いながら答えたヤマトは、それからも風の壁の展開を繰り返していく。
そして、地面が近づく頃にはふわりと着地できるほどの速度に落ち着いていた。
地面が近づいてくると、穏やかな草原と言った様子の場所だと分かり、四人はそれぞれゆっくりと着地すると、ほっと息を吐く。
「ふう、なんとかなってよかった」
ヤマトが地上に到達するまでに発動した空気の壁はゆうに数百を超えていた。
それほどに超高度からの落下は速度が速かった。
「ヤマトおおおお!」
一時はどうなるものかと思ったため、無事に地面に足をつけられたことに安堵したユイナは、感動いっぱいにヤマトに抱き着いていた。
「ご主人様あああ!」
それはルクスも同じで、ユイナがヤマトの上半身に、そしてルクスがヤマトの足に抱き着く。
ユイナが急に飛びついてくるのは慣れているため、難なく受け止めたヤマトはぽんぽんと彼女の頭を撫で、ルクスをいたわるように微笑みかける。
「ぶるる」
ヤマトならなんとかしてくれるだろうと思っていたエクリプスは予想通りの結果に一人、落ち着いていた。
「三人とも無事でよかったよ。とにかくこれで精霊王のもとへと向かえる――っと、の前にレベル上げに行こうか。ここなら聖獣の新規参入組のレベル上げにちょうどいい場所があったよね」
ヤマトはその場所の心当たりがあるため、足はそちらに向いていた。
「あそこ、だね!」
ぱっと身体を離したユイナも同じ場所が頭に浮かんでいるらしく、笑顔で頷いて跳ねるようについていく。エクリプスがそのあとをのんびりと追いかける。
どこにいくのかわからないルクスは首をかしげながらとてとてと最後尾を歩いていった。
ヤマト:剣聖LV745、大魔導士LV622、聖銃剣士LV541
ユイナ:弓聖LV723、聖女LV627、聖強化士LV582、銃士LV492、森の巫女LV487
エクリプス:聖馬LV672
ルクス:聖槍士LV656、サモナーLV599
ガルプ:黄竜LV226
エグレ:黒鳳凰LV1
トルト:朱亀LV1
ティグ:青虎LV1
そのことは今回もミノスには伝わっているため、道中でヤマトたちはモンスターと遭遇することもなく、暖かい空気に包まれ、防寒具を脱ぎながらすんなりと彼らがいる部屋へと到着する。
大きく重厚な扉はヤマトたちが目の前にくると、中からゆっくりと開かれた。
「あ、どうも」
「うむ、よく来たな」
そのまま中に入ると、玉座に似た椅子にゆったりと腰掛けるミノスと目が合う。軽いやりとりだったが、互いにこれで十分だと思っていた。
「それで、ここに戻って来たということは精霊界へ向かうということで良いのか?」
淡々としたミノスの質問に、ヤマトが頷く。
「はい、お願いします。数は多くはありませんけど、強力な召喚獣と契約ができたので今こそ精霊界での強化のタイミングだと思います」
それを聞いたミノスは視線をルクスへと送る。ひげを蓄えた荒々しい雰囲気を持つミノスの一瞥は威圧感があった。
「っ、にゃ!」
そんな神であるミノスの視線に射抜かれたため、ルクスは思わずびくりと身体を揺らし、声をあげてしまった。
「――ふむ、さすがにお前たちの仲間、というだけのことはあるようだな。かなりの力を有しているようだ。今となっては、アスターはもちろん神であっても敵わんほどになったようだ」
満足そうに薄く笑うミノスはルクス、ヤマト、ユイナと順番に見て、彼らの実力が相当上がっているのを感じ取っていた。
「ですかね? でも、あなた方と敵対するつもりはないのでそんなことにはならないと思いますよ。それで……精霊界へはどこから行くのでしょうか?」
どういう反応をしたらよいか苦笑交じりでヤマトは問いかける。
ゲームでは瞬間移動的に移動していたが、ここでは特別な場所から行くのかと予想していた。
「あぁ、それならばここから行ける。少し待っていろ」
そう言うとミノスはおもむろに腰かけていた椅子から立ち上がると、両手を大きく広げた。
アスターよりも大きな身体を持つ、巨人のようなミノスが立ち上がると、かなりの迫力がある。
「――“我、ミノスが命ずる。古より揺蕩う世界への扉を開き、道を示せ!”」
ミノスの魔力と言葉に応じるように空気がびりびりと震える。
そして、大気に亀裂が入ると、ぐるぐると回転し始め、亀裂が開き、そこから向こうの風景が見え始める。
「おぉ、これはすごい!」
「うん! すごく魔力が強いね! 空間魔法なのかな!」
目の前で発動するミノスの魔法に、ヤマトとユイナは興味津々だった。
「ふふふっ! これは我しか使えない魔法だ! さあ、この通路は数分しか持たん。さっさと行くがよい。帰りは……精霊王になんとかしてもらうか、自力でなんとかしてくれ。……というか、早くいけ――開いている間はずっと魔力が吸われる……っ」
最初は自慢げに胸を張っていたミノスだが、言葉通り、徐々に彼の顔色が悪くなってくる。
通常、空間魔法は多大な魔力を使うと言われている。
それに加えて、今回ミノスが作った通路は、今いる世界とは別の世界へと繋がる特別な空間であるため要する魔力は更に多量になる。
いくら神であるミノスといえども、長時間通路を維持するのは難しかった。
「わわわっ! は、早く行かないとまずいですにゃ!」
わたわたと驚くルクスは、ミノスとヤマトたちを何度も見比べるほどの動揺を見せる。
「だね、行こう! ミノス、ありがとうございます! アスターもまた会おう!」
眩しいほどの爽やかな笑みを浮かべたヤマトの言葉に、空間維持に苦しそうにしながらもミノス、薄く笑ったアスターが頷き、ヤマトたちは一斉に通路へと飛び込んでいった。
全員が通ったのを確認すると、ミノスは通路を閉鎖させる。ゆっくりと閉じた亀裂はもうなにもなかったかのように元通りになっていた。
「……っ、はあはあ、はあはあ、さっさと行かんから疲れたわい……ふう、普段使わないだけにかなり魔力をもっていかれたな。今までの神生でも数回といったところだぞ……」
「――無事、行けたようでよかった」
父ミノスが疲労を訴えているのに対して、アスターはそれに対して反応することなく、ただ彼らが無事に旅立ったことを喜んでいた
。息子が心配してくれないことを少し寂しいと思いながら、ミノスは魔力回復に太陽の宝玉を頬張りつつ、ヤマトたちの行く末を想っていた。
一方、ミノスが開いてくれた通路を出たヤマトたちはというと……。
「ぅぅぅぅぅううううううううわあああああああ」
「きゃあああああああああ」
「うにゃああああああああ!」
「ヒヒーーーーーーーーーン!」
順番にヤマト、ユイナ、ルクス、エクリプスの悲鳴に似た声だった。
いま、四人の姿は高度一万メートルの位置にある。
なんの命綱もパラシュートもなく、痛いほどにたたきつける風に耐えながら落下していた。
「なななななな、なんでこんな場所にいいいいい!?」
最初は、ミノスが開いた入り口を入ると不思議な乳白色に輝く魔法のトンネルのような通路があり、そこを一行は歩いていた。
十メートルほど進んだところで、突如としてその魔法の通路が消え去り、今の状況になっていた。
「ヤ、ヤマト、それよりも何とかしないとー! ど、どどどどど、どうしよう!?」
服がめくれ上がらないようにきゅっと身体を縮こまらせながら、落下の風にあおられているユイナがなんとかそれだけ口にする。
「そ、そそそ、そうだね。“ウインドウォール、多段展開”!」
このまま何もしないわけにはいかないと、ヤマトは薄い風の壁を自分たちの下方向に何重にも展開していく。
以前、禁断の地にある洞窟で使った技。だが魔術士だったあの時とは違い、大魔導士となった今では障壁の展開は非常になめらかで、多段展開しても魔力消費はけた違いに少ない。
風の壁を一つ通過するたびに、ヤマトたちの落下速度は落ちていく。
ふわりと風の壁がクッションとなってくれているようだ。
「だ、大丈夫……?」
落下速度が徐々に落ち着いていくのを感じながら、ユイナが不安そうにヤマトに尋ねる。
以前、同じ技を使って魔力切れを起こしたヤマトのことを思い出し、あの時よりずっと距離のある、これほどの高さでずっと技を使い続けることに不安を覚えたようだった。
「なんとか、“ウインドウォール、多段展開”!」
落下速度は落ちてもまだまだ地面までは遠く、油断できない状況のため、少し困ったように笑いながら答えたヤマトは、それからも風の壁の展開を繰り返していく。
そして、地面が近づく頃にはふわりと着地できるほどの速度に落ち着いていた。
地面が近づいてくると、穏やかな草原と言った様子の場所だと分かり、四人はそれぞれゆっくりと着地すると、ほっと息を吐く。
「ふう、なんとかなってよかった」
ヤマトが地上に到達するまでに発動した空気の壁はゆうに数百を超えていた。
それほどに超高度からの落下は速度が速かった。
「ヤマトおおおお!」
一時はどうなるものかと思ったため、無事に地面に足をつけられたことに安堵したユイナは、感動いっぱいにヤマトに抱き着いていた。
「ご主人様あああ!」
それはルクスも同じで、ユイナがヤマトの上半身に、そしてルクスがヤマトの足に抱き着く。
ユイナが急に飛びついてくるのは慣れているため、難なく受け止めたヤマトはぽんぽんと彼女の頭を撫で、ルクスをいたわるように微笑みかける。
「ぶるる」
ヤマトならなんとかしてくれるだろうと思っていたエクリプスは予想通りの結果に一人、落ち着いていた。
「三人とも無事でよかったよ。とにかくこれで精霊王のもとへと向かえる――っと、の前にレベル上げに行こうか。ここなら聖獣の新規参入組のレベル上げにちょうどいい場所があったよね」
ヤマトはその場所の心当たりがあるため、足はそちらに向いていた。
「あそこ、だね!」
ぱっと身体を離したユイナも同じ場所が頭に浮かんでいるらしく、笑顔で頷いて跳ねるようについていく。エクリプスがそのあとをのんびりと追いかける。
どこにいくのかわからないルクスは首をかしげながらとてとてと最後尾を歩いていった。
ヤマト:剣聖LV745、大魔導士LV622、聖銃剣士LV541
ユイナ:弓聖LV723、聖女LV627、聖強化士LV582、銃士LV492、森の巫女LV487
エクリプス:聖馬LV672
ルクス:聖槍士LV656、サモナーLV599
ガルプ:黄竜LV226
エグレ:黒鳳凰LV1
トルト:朱亀LV1
ティグ:青虎LV1
0
お気に入りに追加
1,771
あなたにおすすめの小説
忘れられた元勇者~絶対記憶少女と歩む二度目の人生~
こげ丸
ファンタジー
世界を救った元勇者の青年が、激しい運命の荒波にさらされながらも飄々と生き抜いていく物語。
世の中から、そして固い絆で結ばれた仲間からも忘れ去られた元勇者。
強力無比な伝説の剣との契約に縛られながらも運命に抗い、それでもやはり翻弄されていく。
しかし、絶対記憶能力を持つ謎の少女と出会ったことで男の止まった時間はまた動き出す。
過去、世界の希望の為に立ち上がった男は、今度は自らの希望の為にもう一度立ち上がる。
~
皆様こんにちは。初めての方は、はじめまして。こげ丸と申します。<(_ _)>
このお話は、優しくない世界の中でどこまでも人にやさしく生きる主人公の心温まるお話です。
ライトノベルの枠の中で真面目にファンタジーを書いてみましたので、お楽しみ頂ければ幸いです。
※第15話で一区切りがつきます。そこまで読んで頂けるとこげ丸が泣いて喜びます(*ノωノ)
異世界転移したロボ娘が、バッテリーが尽きるまでの一ヶ月で世界を救っちゃう物語
京衛武百十
ファンタジー
<メイトギア>と呼ばれる人型ホームヘルパーロボット<タリアP55SI>は、旧式化したことでオーナーが最新の後継機に買い換えたため、データのすべてを新しい機体に引継ぎ、役目を終え、再資源化を迎えるだけになっていた。
なのに、彼女が次に起動した時にいたのは、まったく記憶にない中世ヨーロッパを思わせる世界だった。
要人警護にも使われるタリアP55SIは、その世界において、ありとあらゆるものを凌駕するスーパーパワーの持ち主。<魔法>と呼ばれる超常の力さえ、それが発動する前に動けて、生物には非常に強力な影響を与えるスタンすらロボットであるがゆえに効果がなく、彼女の前にはただ面倒臭いだけの大道芸に過ぎなかった。
<ロボット>というものを知らないその世界の人々は彼女を<救世主>を崇め、自分達を脅かす<魔物の王>の討伐を願うのであった。
かの世界この世界
武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
人生のミス、ちょっとしたミスや、とんでもないミス、でも、人類全体、あるいは、地球的規模で見ると、どうでもいい些細な事。それを修正しようとすると異世界にぶっ飛んで、宇宙的規模で世界をひっくり返すことになるかもしれない。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
形だけの妻ですので
hana
恋愛
結婚半年で夫のワルツは堂々と不倫をした。
相手は伯爵令嬢のアリアナ。
栗色の長い髪が印象的な、しかし狡猾そうな女性だった。
形だけの妻である私は黙認を強制されるが……
生まれ変わっても一緒にはならない
小鳥遊郁
恋愛
カイルとは幼なじみで夫婦になるのだと言われて育った。
十六歳の誕生日にカイルのアパートに訪ねると、カイルは別の女性といた。
カイルにとって私は婚約者ではなく、学費や生活費を援助してもらっている家の娘に過ぎなかった。カイルに無一文でアパートから追い出された私は、家に帰ることもできず寒いアパートの廊下に座り続けた結果、高熱で死んでしまった。
輪廻転生。
私は生まれ変わった。そして十歳の誕生日に、前の人生を思い出す。
斬られ役、異世界を征く!!
通 行人(とおり ゆきひと)
ファンタジー
剣の腕を見込まれ、復活した古の魔王を討伐する為に勇者として異世界に召喚された男、唐観武光(からみたけみつ)……
しかし、武光は勇者でも何でもない、斬られてばかりの時代劇俳優だった!!
とんだ勘違いで異世界に召喚された男は、果たして元の世界に帰る事が出来るのか!?
愛と!! 友情と!! 笑いで綴る!! 7000万パワーすっとこファンタジー、今ここに開幕ッッッ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる