8 / 149
第七話
しおりを挟む
ダンジョンを出たヤマトが周囲に人がいないことを確認して通話をとると、ユイナの声が聞こえてくる。
『ヤマト、ねえヤマト! どこにいるの!? 圏外って言われたんだけど……』
最初は怒るように、最後は不安そうな声でユイナはヤマトに呼びかけていた。ヤマトは彼女にかなりの心配をかけてしまったようだ。
「ごめんごめん、ちょっとダンジョンに行ってたんだけど……ほら、デザルガの近くの『ガルバの口』」
『え、ヤマト……いきなりダンジョン挑戦したの?』
まさかろくにレベルを上げずにダンジョンに行くとは思ってもみなかったようで、心配していたのも吹き飛ぶほど、ユイナは少し呆れるような口調で質問してくる。
「ほ、ほら、前にアシッドスライムの討伐方法発見したじゃない? 行くまでに石をたくさん集めてさ、いやあスキルレベル上げるの大変だったよ!」
彼女の問い詰めるような顔が目に浮かんだヤマトは言いつくろいつつも明るい口調で少しでも誤魔化そうとしていた。壁に身体を打ち付けたせいで汚れた今のヤマトの姿を見たらきっと泣いていたかもしれない。
『はぁー……まあヤマトだったら大丈夫だろうからいいけどねっ。それでガルバの口はどうだった?』
とりあえず無事に通話できることに安心したユイナは、機嫌を直したのかダンジョン攻略について質問した。
「そうだねえ、一層のアシッドスライムはゲームの時と同じ方法で倒せたから楽勝だったよ。倒せば倒すほどどんどんレベルが上がるから面白かったね。二層のコボルトもいつもの感じで楽勝だったよ、フレイムソードもGETできたからそこからはスムーズにいけたし」
思い出しながらヤマトは順を追ってダンジョンについて説明していく。
『あー、石投げね! あれは、うん、あれなら確かに楽勝かも。それで、ボスはどうだった? 蜘蛛はさすがに強かったでしょ?』
なにげないユイナの質問にヤマトは通話のこちら側で頬を掻いている。これを話したらきっと心配させるだろうと分かっていたからだ。
「あー、あれね。うん、蜘蛛だけど――食われてた」
『……えっ?』
彼の言っていることがどういうことかわからず、ユイナは首をかしげている。
「ボス部屋に入ったらなんかおかしいなあって思ったんだよね。で、よく見たらなぜかミノタウロスがいて、蜘蛛が食べられちゃってたんだよね、こうバリバリっと」
ヤマトも話を聞く側だったら信じられないだろうなあと思いながら話をしていた。通話の向こうとはいえ、ユイナがどんな顔をしているか彼には手に取るように分かった。
『ミ、ミノ?』
「そうそう、ミノタウロス。いやあ、さすがにあいつは強かったね。しかもさ、あいつの武器って斧のはずなんだけど、俺に攻撃が当たらないとわかると剣に持ち替えたんだよ!」
ミノタウロスが出たばかりか、挙動まで違ったということをヤマトは驚きながら伝える。
『ええええぇっ? そ、それはおかしいね……うーん、色々と違いがあるのかなぁ……』
「驚いたけど、なんとか倒すことができて最後にはミノタウロスの持ってた剣もGETできたよ。ミノタウロスソードだってさ。――こんなのなかったよね?」
確認するようにヤマトが口にした武器の名はユイナも初耳であった。
『へー、そんなのもあるんだあ。こっちは最初に話していたとおり、ルフィナの街の冒険者ギルドで依頼を受けてたんだ。達成すると経験値もらえるから、そのへんはゲームと同じ感じでできるみたい! そうそう、アイテムボックスだけど、こっちの人も知ってるみたいだったよ』
「ほー」
それなら、ある程度アイテムボックスを表で使っても問題ないかもしれないなと思ったところでヤマトに声をかけるものがいた。
「――お、おい! お前、戻ってきたのか?」
それは、入り口でヤマトの入場の対応をしてくれた兵士だった。ヤマトが転移した先は、入り口から離れた場所であり、声が聞こえた兵士が心配したのか様子を見に来ていた。
『あっ、誰か来たみたいだね。一回切るね! またあとで!』
周囲の声が通話を通じて聞こえたらしく、ユイナはヤマトの反応を待たずに通話を切った。
ユイナの声は指輪を通じないと聞こえないため、何事もなかったようにヤマトは立ち上がって兵士へ笑いかける。
「あなたは入り口にいた兵士さん……無事帰りましたよ!」
少し土埃で薄汚れながらも無事な様子のヤマトを見て兵士は驚いていた。
「と、とりあえずこっちに来てくれ。疲れただろうから、詰め所で休むといい」
「えっと……はい、ありがとうございます」
どうしようかとヤマトは一瞬考えるが、兵士の申し出を受け入れることにした。
小屋に辿りつくと、お茶が出され、テーブルを挟んでヤマトの対面に兵士が座る。
「――それで、どうだったんだ?」
「どう、といわれても……まあなんとか」
ヤマトはざっくりとした質問を受けたため、困ったような笑みで濁したような返事を返すだけに留まる。
「あ、あぁ、いやすまんな。入り口から出てこなかったということは、ボスを倒して転移してきたんだろ? 見たところ大きな怪我もしていないみたいだが、ボスはどうだった?」
兵士の質問にヤマトはしばし沈黙する。
ボス部屋に蜘蛛がいたということは、本来のボスは蜘蛛であるはずであり、あの場所にミノタウロスがいたことは異常なことであるはずだった。
それを話すか話すまいか、ヤマトは考えていた。
「……ど、どうした? そんなにつらかったのか?」
「いえ、そういうわけではないんですけど……そうですね、ボスは強かったです。事前に聞いていたボスよりも強かったように感じました。初挑戦だったので、聞いた話と照合するしかないんですけど、挑戦する人には注意喚起してもらえるといいかもしれません」
真剣な表情でヤマトは真実を秘密にしつつ、それでも何かあるぞと知らせることにした。
さすがにミノタウロスまで倒したことが明るみに出るのは今の段階では避けておきたいことだった。冒険者登録もしていない、装備も整っていない彼が明らかに中ランク以上の冒険者が倒すようなモンスターを相手にしたというのは異常だと思われるとヤマトは判断した。
「ふーむ、なるほどな。危険だと伝えることはできないが、いつもより気をつけたほうがいいかもしれないとは伝えるようにしよう。それで賭けのほうなんだが……」
これが本題であったらしく、兵士はヤマトから受け取った金貨の袋をすっと取り出す。
「無事戻って来たからにはこれを返さないとな。それと、俺の短剣もお前にやろう」
差し出された短剣を見て、その賭け自体が中に入るための方便だったため、ヤマトはそんなやりとりをしたことをすっかり忘れていた。
「あぁ、そういえばそんなことも……うーん、短剣はもらいます。でも、お金は受け取って下さい、そのお金で新しい短剣を買ってもらえれば――それと、今後このダンジョンに挑戦する人がいたらさっきの注意をお願いします。その料金替わりってことで」
少し悩んだのち、笑顔でヤマトは短剣を手にして、金貨の入った袋はそのまま兵士に押し返した。
「そ、そうか? 悪いな、その短剣も普通の短剣だから明らかに俺のほうが得をしてるんだが……まあ、注意のことは相方にも伝えておくよ」
申し訳なさそうに笑った兵士のその返事を聞いてヤマトは爽やかな笑顔で頷いた。
「それじゃあ、お茶ご馳走さまでした。俺は街に戻りますね」
ヤマトは立ち上がって会釈をすると、街へと戻っていった。
ヤマト:剣士LV19
ユイナ:弓士LV8
短剣
一般的な短剣
安価で購入することができるため、一つ買っておくと便利に使える
『ヤマト、ねえヤマト! どこにいるの!? 圏外って言われたんだけど……』
最初は怒るように、最後は不安そうな声でユイナはヤマトに呼びかけていた。ヤマトは彼女にかなりの心配をかけてしまったようだ。
「ごめんごめん、ちょっとダンジョンに行ってたんだけど……ほら、デザルガの近くの『ガルバの口』」
『え、ヤマト……いきなりダンジョン挑戦したの?』
まさかろくにレベルを上げずにダンジョンに行くとは思ってもみなかったようで、心配していたのも吹き飛ぶほど、ユイナは少し呆れるような口調で質問してくる。
「ほ、ほら、前にアシッドスライムの討伐方法発見したじゃない? 行くまでに石をたくさん集めてさ、いやあスキルレベル上げるの大変だったよ!」
彼女の問い詰めるような顔が目に浮かんだヤマトは言いつくろいつつも明るい口調で少しでも誤魔化そうとしていた。壁に身体を打ち付けたせいで汚れた今のヤマトの姿を見たらきっと泣いていたかもしれない。
『はぁー……まあヤマトだったら大丈夫だろうからいいけどねっ。それでガルバの口はどうだった?』
とりあえず無事に通話できることに安心したユイナは、機嫌を直したのかダンジョン攻略について質問した。
「そうだねえ、一層のアシッドスライムはゲームの時と同じ方法で倒せたから楽勝だったよ。倒せば倒すほどどんどんレベルが上がるから面白かったね。二層のコボルトもいつもの感じで楽勝だったよ、フレイムソードもGETできたからそこからはスムーズにいけたし」
思い出しながらヤマトは順を追ってダンジョンについて説明していく。
『あー、石投げね! あれは、うん、あれなら確かに楽勝かも。それで、ボスはどうだった? 蜘蛛はさすがに強かったでしょ?』
なにげないユイナの質問にヤマトは通話のこちら側で頬を掻いている。これを話したらきっと心配させるだろうと分かっていたからだ。
「あー、あれね。うん、蜘蛛だけど――食われてた」
『……えっ?』
彼の言っていることがどういうことかわからず、ユイナは首をかしげている。
「ボス部屋に入ったらなんかおかしいなあって思ったんだよね。で、よく見たらなぜかミノタウロスがいて、蜘蛛が食べられちゃってたんだよね、こうバリバリっと」
ヤマトも話を聞く側だったら信じられないだろうなあと思いながら話をしていた。通話の向こうとはいえ、ユイナがどんな顔をしているか彼には手に取るように分かった。
『ミ、ミノ?』
「そうそう、ミノタウロス。いやあ、さすがにあいつは強かったね。しかもさ、あいつの武器って斧のはずなんだけど、俺に攻撃が当たらないとわかると剣に持ち替えたんだよ!」
ミノタウロスが出たばかりか、挙動まで違ったということをヤマトは驚きながら伝える。
『ええええぇっ? そ、それはおかしいね……うーん、色々と違いがあるのかなぁ……』
「驚いたけど、なんとか倒すことができて最後にはミノタウロスの持ってた剣もGETできたよ。ミノタウロスソードだってさ。――こんなのなかったよね?」
確認するようにヤマトが口にした武器の名はユイナも初耳であった。
『へー、そんなのもあるんだあ。こっちは最初に話していたとおり、ルフィナの街の冒険者ギルドで依頼を受けてたんだ。達成すると経験値もらえるから、そのへんはゲームと同じ感じでできるみたい! そうそう、アイテムボックスだけど、こっちの人も知ってるみたいだったよ』
「ほー」
それなら、ある程度アイテムボックスを表で使っても問題ないかもしれないなと思ったところでヤマトに声をかけるものがいた。
「――お、おい! お前、戻ってきたのか?」
それは、入り口でヤマトの入場の対応をしてくれた兵士だった。ヤマトが転移した先は、入り口から離れた場所であり、声が聞こえた兵士が心配したのか様子を見に来ていた。
『あっ、誰か来たみたいだね。一回切るね! またあとで!』
周囲の声が通話を通じて聞こえたらしく、ユイナはヤマトの反応を待たずに通話を切った。
ユイナの声は指輪を通じないと聞こえないため、何事もなかったようにヤマトは立ち上がって兵士へ笑いかける。
「あなたは入り口にいた兵士さん……無事帰りましたよ!」
少し土埃で薄汚れながらも無事な様子のヤマトを見て兵士は驚いていた。
「と、とりあえずこっちに来てくれ。疲れただろうから、詰め所で休むといい」
「えっと……はい、ありがとうございます」
どうしようかとヤマトは一瞬考えるが、兵士の申し出を受け入れることにした。
小屋に辿りつくと、お茶が出され、テーブルを挟んでヤマトの対面に兵士が座る。
「――それで、どうだったんだ?」
「どう、といわれても……まあなんとか」
ヤマトはざっくりとした質問を受けたため、困ったような笑みで濁したような返事を返すだけに留まる。
「あ、あぁ、いやすまんな。入り口から出てこなかったということは、ボスを倒して転移してきたんだろ? 見たところ大きな怪我もしていないみたいだが、ボスはどうだった?」
兵士の質問にヤマトはしばし沈黙する。
ボス部屋に蜘蛛がいたということは、本来のボスは蜘蛛であるはずであり、あの場所にミノタウロスがいたことは異常なことであるはずだった。
それを話すか話すまいか、ヤマトは考えていた。
「……ど、どうした? そんなにつらかったのか?」
「いえ、そういうわけではないんですけど……そうですね、ボスは強かったです。事前に聞いていたボスよりも強かったように感じました。初挑戦だったので、聞いた話と照合するしかないんですけど、挑戦する人には注意喚起してもらえるといいかもしれません」
真剣な表情でヤマトは真実を秘密にしつつ、それでも何かあるぞと知らせることにした。
さすがにミノタウロスまで倒したことが明るみに出るのは今の段階では避けておきたいことだった。冒険者登録もしていない、装備も整っていない彼が明らかに中ランク以上の冒険者が倒すようなモンスターを相手にしたというのは異常だと思われるとヤマトは判断した。
「ふーむ、なるほどな。危険だと伝えることはできないが、いつもより気をつけたほうがいいかもしれないとは伝えるようにしよう。それで賭けのほうなんだが……」
これが本題であったらしく、兵士はヤマトから受け取った金貨の袋をすっと取り出す。
「無事戻って来たからにはこれを返さないとな。それと、俺の短剣もお前にやろう」
差し出された短剣を見て、その賭け自体が中に入るための方便だったため、ヤマトはそんなやりとりをしたことをすっかり忘れていた。
「あぁ、そういえばそんなことも……うーん、短剣はもらいます。でも、お金は受け取って下さい、そのお金で新しい短剣を買ってもらえれば――それと、今後このダンジョンに挑戦する人がいたらさっきの注意をお願いします。その料金替わりってことで」
少し悩んだのち、笑顔でヤマトは短剣を手にして、金貨の入った袋はそのまま兵士に押し返した。
「そ、そうか? 悪いな、その短剣も普通の短剣だから明らかに俺のほうが得をしてるんだが……まあ、注意のことは相方にも伝えておくよ」
申し訳なさそうに笑った兵士のその返事を聞いてヤマトは爽やかな笑顔で頷いた。
「それじゃあ、お茶ご馳走さまでした。俺は街に戻りますね」
ヤマトは立ち上がって会釈をすると、街へと戻っていった。
ヤマト:剣士LV19
ユイナ:弓士LV8
短剣
一般的な短剣
安価で購入することができるため、一つ買っておくと便利に使える
11
お気に入りに追加
1,771
あなたにおすすめの小説
忘れられた元勇者~絶対記憶少女と歩む二度目の人生~
こげ丸
ファンタジー
世界を救った元勇者の青年が、激しい運命の荒波にさらされながらも飄々と生き抜いていく物語。
世の中から、そして固い絆で結ばれた仲間からも忘れ去られた元勇者。
強力無比な伝説の剣との契約に縛られながらも運命に抗い、それでもやはり翻弄されていく。
しかし、絶対記憶能力を持つ謎の少女と出会ったことで男の止まった時間はまた動き出す。
過去、世界の希望の為に立ち上がった男は、今度は自らの希望の為にもう一度立ち上がる。
~
皆様こんにちは。初めての方は、はじめまして。こげ丸と申します。<(_ _)>
このお話は、優しくない世界の中でどこまでも人にやさしく生きる主人公の心温まるお話です。
ライトノベルの枠の中で真面目にファンタジーを書いてみましたので、お楽しみ頂ければ幸いです。
※第15話で一区切りがつきます。そこまで読んで頂けるとこげ丸が泣いて喜びます(*ノωノ)
戦国陰陽師2 〜自称・安倍晴明の子孫は、ぶっちゃけ長生きするよりまず美味しいご飯が食べたいんですが〜
水城真以
ファンタジー
「神様って、割とひどい。」
第六天魔王・織田信長の専属陰陽師として仕えることになった明晴。毎日美味しいご飯を屋根の下で食べられることに幸せを感じていた明晴だったが、ある日信長から「蓮見家の一の姫のもとに行け」と出張命令が下る。
蓮見家の一の姫──初音の異母姉・菫姫が何者かに狙われていると知った明晴と初音は、紅葉とともに彼女の警護につくことに。
菫姫が狙われる理由は、どうやら菫姫の母・長瀬の方の実家にあるようで……。
はたして明晴は菫姫を守ることができるのか!?
かの世界この世界
武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
人生のミス、ちょっとしたミスや、とんでもないミス、でも、人類全体、あるいは、地球的規模で見ると、どうでもいい些細な事。それを修正しようとすると異世界にぶっ飛んで、宇宙的規模で世界をひっくり返すことになるかもしれない。
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
形だけの妻ですので
hana
恋愛
結婚半年で夫のワルツは堂々と不倫をした。
相手は伯爵令嬢のアリアナ。
栗色の長い髪が印象的な、しかし狡猾そうな女性だった。
形だけの妻である私は黙認を強制されるが……
くノ一その一今のうち
武者走走九郎or大橋むつお
ファンタジー
お祖母ちゃんと二人暮らし、高校三年の風間その。
特に美人でも無ければ可愛くも無く、勉強も出来なければ体育とかの運動もからっきし。
三年の秋になっても進路も決まらないどころか、赤点四つで卒業さえ危ぶまれる。
手遅れ懇談のあと、凹んで帰宅途中、思ってもない事件が起こってしまう。
その事件を契機として、そのは、新しい自分に目覚め、令和の現代にくノ一忍者としての人生が始まってしまった!
生まれ変わっても一緒にはならない
小鳥遊郁
恋愛
カイルとは幼なじみで夫婦になるのだと言われて育った。
十六歳の誕生日にカイルのアパートに訪ねると、カイルは別の女性といた。
カイルにとって私は婚約者ではなく、学費や生活費を援助してもらっている家の娘に過ぎなかった。カイルに無一文でアパートから追い出された私は、家に帰ることもできず寒いアパートの廊下に座り続けた結果、高熱で死んでしまった。
輪廻転生。
私は生まれ変わった。そして十歳の誕生日に、前の人生を思い出す。
転生をしたら異世界だったので、のんびりスローライフで過ごしたい。
みみっく
ファンタジー
どうやら事故で死んでしまって、転生をしたらしい……仕事を頑張り、人間関係も上手くやっていたのにあっけなく死んでしまうなら……だったら、のんびりスローライフで過ごしたい!
だけど現状は、幼馴染に巻き込まれて冒険者になる流れになってしまっている……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる