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40、アキタとワタヌキの朝の一コマ

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40、アキタとワタヌキの朝の一コマ

「朝さ~」
アキタがオレの前の席へと、だるそうに跨ぎながら話出す。
「まいった」
ざわついてる小HR後の教室。
「あ、そう」
冷たく返した返事に、アキタの眦が上がる。
「まだ話してねえじゃん・・」
「素になんなよ」
っていうか絶対、たいした話じゃねえんだよコイツ・・。
またオレが英語の訳写すの邪魔してぇだけなんだよ・・たく。
「聞けって!…朝な。マジびびったって・・こんな話お前にしかできねえけど・・」
そこでノートから顔を上げる。
アキタの暗い横顔。
「泉沢先輩(アキタと恋仲になり同棲中)がどうかしたのか?」
軽く頷くアキタ。
「朝な。先輩の顔見たら。口の横が白くなってて・・」
そこでオレはノートの書き写しに戻った。
と、オレの肩をアキタがゆすってくる。
「聞けって!お前、オレのこの動悸が聞こえねえのかよ!?」
「聞くかこのエロボケッ」
「違うんだって!オレも一瞬そう思ったけど単に歯磨き粉がついてただけだったんだよ・・。っていうか、昨日シてないし、オレ自分の確かめちゃったもん思わず。っていうか・・浮気とか考えちゃったり・・」
「お前発想豊かだな」
「まあそんなワケで勃っちゃったから朝から一発ヤってきたんだけどな」
サラっと言い放つアキタに、唖然とする。
それが言いたかったのかよ?・・コイツ!
「あ、今自慢か!?って思ったろ?違うって、ワタヌキ。あのな。想像してみ?すげえエロいぞ~、びびるぞ~。絶対勃つ。あれ見たら。なんか掻き立てられたもん」
一瞬ナギの顔が浮かんだ。
長い前髪の間からチラって見える上目遣いでナギがオレのを。
「うるせえな!お前邪魔!オレはノート写さないといけないんだよ!」
「あ、モリヤ」
思わずアキタの見てる方を振り返る。
「と似た髪形してる奴が廊下通った」
ニヤけるアキタ。
明らかに。
邪魔したいだけだ。コイツ・・このアホ!

自然と拳に力が入っていく。
「あワリーワリー頑張ってノート写してたんだっけ?あ、そうだ。オレ今日間違えて牛乳買っちゃってさ~。誰か飲みたい奴・・あ、モリヤに飲ませて来~よお~」
言ってアキタがオレの前から立ち上がる。
顔を上げると、本当に牛乳パックを片手に教室を出て行くアキタの後ろ姿。

牛乳って・・モリヤに飲ませるって・・?

「テメ!殺すぞこのヤロ~~~!!」
立ち上がった瞬間にアキタがダッシュする。
オレは、『あ~今日もアイツのせいで・・!』と思いながらもアキタの後を追ったのだった。

絶対一発殴ってやる。(マル)





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