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13、真夜中の訪問者
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「センパイ・・」
玄関のドアを開けると、汗だくでチャリを飛ばして来たオトコが立っていた。
荒い息を殺して、口付けされる。噛み付くような荒いキス。
その場に押し倒されそうで、慌てて離れた。
「マジで来るとは・・・。オレが寝てたらどうすんの?」
寝てねーじゃん、と、ワタヌキは、不敵な笑みで答える。
とにかく、家の中へ上げて、自室へ向かう。
このオトコが何をしにきたのか考えると、階段を昇る体が普通に動かない。
足がうまくあがらないで、オレは二度もコケた。
「何やってんの、オマエ」
そりゃオレのセリフなんデスケドネ、本当は。
部屋に入るなりワタヌキはウィンドブレーカーを脱いだ。中は半袖のシャツで、色は黒。下もスパッと脱ぎ捨てて、こっちは綿のハーフパンツ。たぶん、寝起き姿のまんまで、ウィンドブレーカーを羽織って来たんだろう。
そして、何の断りも無くオレのベッドへ入る。
えーと。オレも、入るんだよな・・・もちろん。
「来いよ。何もしねーよ。オレだって眠みーんだから」
あ、そうなの?それはそれで、気が抜ける。
「お邪魔シマス」
「ハイハイ」
両手を広げてオレを迎いいれると、ワタヌキが笑う。
「つっかまーえた~~~」
!!!
確かにオレは抵抗できない位、ギュっと抱きしめられていた。
「すげー緊張してたな・・。怖エー?オレとヤるの」
唖然。
「こ、コエーに決まってんだろっオトコとなんてシた事ねーんだぞっ」
「だよな・・。オレも初めてだし・・。ま、いいか。ゆっくりやれば」
ああ、やっぱりこの展開?
オレって自分でめちゃくちゃ墓穴掘ってる。
その日の行為は最悪だった。
ひたすらに後ろ攻め。
犬みたいに後ろから乗っかられて、指で掻きまわされた。
「だんだん、開いてきた・・。これなら、挿るかもな」
「ッア・・冗談・・言うな・・。こんな、苦しいのに・・アンタのチンポが、挿るワケねぇ・・ッ」
「試し、な?指二本余裕でイケるから挿ると思うけど」
指が抜かれ、ワタヌキの腰が密接する。
「試すなヨッオイ・・ッ」
ジンジンしてる処にもっと熱くて柔らかい肉が押し付けられる。
押し付けられると、オレの後腔はヒクヒクと動いた。
「・・無理だってッ」
「も、ちょい我慢な」
グッチャグチャにローションを垂らされ、ついに、圧迫していただけの先
端がブルンと弾みをつけて挿ってきた。
「アア!!」
「バカッ声でけぇよっ・・」
そこに心臓ができたみたいだった。それがワタヌキの鼓動なのかオレが感じすぎてるせいなのか、ドックンドックン聞こえてくる。
ああ、オレ。
ついに。
ついに、ヤラれてる。
ワタヌキとセックスしてる。
「フーーー、キッツ・・・」
ワタヌキの手がオレの腰を引き寄せた。
「イッッタッッ・・・!!!!」
激痛がオレの肛門を襲う。無理矢理に開かされてピチピチになってる穴が今にも裂けそうだった。
「あ、・・・・やっぱ?・・・だよな・・・。名残惜しいが・・・」
そう言って、ワタヌキは腰を引き抜いた。そして替わりに再び指が這入ってくる。
「ア・・アッ・・・ソレ、ヤメろ・・ンッ」
あの場所をグリグリと押されて、オレの腰は自然と浮く。
その腰をワタヌキは自分の膝へ抱え込んで、オレのチンポとワタヌキのチンポを絡ませた。
今度はオレの手を掴んでソレと一緒に動かした。オレの手とワタヌキの手の中をチンポが動く。
気持ちイイ。
オレとワタヌキはまるでセックスしてるみたいに同じリズムで腰を揺らしていた。
ベッドがギシギシいってる。
汗びっしょりになって、わけがわからない位腰を振ってた。
「モリヤ・・・すげぇ。すげぇ好き」
その掠れ声が聞こえた瞬間、オレは肩を強張らせて腰を突っ張って射精した。
その腰にワタヌキは、数回打ち付けた後で、同じ手の中に精液を噴出した。
ドロドロに絡まった陰茎と手。
しばらく放せずに体を重ねたままで呼吸を整えた。
「オマエ、なんで・・・電話した?」
・・・電話?
頭がボーーっとしているせいで、すぐには何の事かわからなかった。
「オレとシた夢でも見た?」
カッと顔が熱くなる。まるで予想してたかのように、ワタヌキはヨシヨシと笑った。
「ちゃんと挿るまで、毎日練習するからな。夜中にこう叩き起こされちゃ堪らねーからな」
練習・・!?
サラリと、まるでサッカーの練習の事のように言う。
「言っとくがな、寸止めでキツイのは、オマエ以上にオレの方だって事忘れんな。せっかく挿れたのを、我慢して抜いたんだからな・・・これがどんだけ後引くか・・」
サイアク・・、最悪だ。
見抜かれてるし、オトコ同士だから、そりゃ気持ちわかるけどっ 確かに後、引くけど・・!
「・・・マイニチ?」
「毎日。」
ワタヌキがニっと笑って、腕を回してくる。
「あ。」見忘れた。
「ん?」
「な、何でもない」
アンタのイク時の顔を、見忘れたなんて、言ったらどうなるか・・考えただけでも恐ろしい。
言ったら、オレの顔、写メとか取りそうだもん、コイツ。
とりあえず、抗議(懇願)してみよう。
「毎日は・・キツイデス」
「・・なんでだよ。・・毎日、部活出てんだろ?・・・それと一緒だよ」
一緒じゃねーよ!!
ワタヌキはよっぽど眠かったらしくそのままスースーと寝息を立て始めた。
明日の朝、母親に何て言おうかと、考えながらオレも眼を閉じた。
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