センパイ

ジャム

文字の大きさ
上 下
13 / 32

13、真夜中の訪問者

しおりを挟む

13、真夜中の訪問者

「センパイ・・」
玄関のドアを開けると、汗だくでチャリを飛ばして来たオトコが立っていた。
荒い息を殺して、口付けされる。噛み付くような荒いキス。
その場に押し倒されそうで、慌てて離れた。
「マジで来るとは・・・。オレが寝てたらどうすんの?」
寝てねーじゃん、と、ワタヌキは、不敵な笑みで答える。
とにかく、家の中へ上げて、自室へ向かう。
このオトコが何をしにきたのか考えると、階段を昇る体が普通に動かない。
足がうまくあがらないで、オレは二度もコケた。
「何やってんの、オマエ」
そりゃオレのセリフなんデスケドネ、本当は。

部屋に入るなりワタヌキはウィンドブレーカーを脱いだ。中は半袖のシャツで、色は黒。下もスパッと脱ぎ捨てて、こっちは綿のハーフパンツ。たぶん、寝起き姿のまんまで、ウィンドブレーカーを羽織って来たんだろう。
そして、何の断りも無くオレのベッドへ入る。
えーと。オレも、入るんだよな・・・もちろん。
「来いよ。何もしねーよ。オレだって眠みーんだから」
あ、そうなの?それはそれで、気が抜ける。
「お邪魔シマス」
「ハイハイ」
両手を広げてオレを迎いいれると、ワタヌキが笑う。
「つっかまーえた~~~」
!!!
確かにオレは抵抗できない位、ギュっと抱きしめられていた。
「すげー緊張してたな・・。怖エー?オレとヤるの」
唖然。
「こ、コエーに決まってんだろっオトコとなんてシた事ねーんだぞっ」
「だよな・・。オレも初めてだし・・。ま、いいか。ゆっくりやれば」
ああ、やっぱりこの展開?
オレって自分でめちゃくちゃ墓穴掘ってる。

その日の行為は最悪だった。
ひたすらに後ろ攻め。
犬みたいに後ろから乗っかられて、指で掻きまわされた。
「だんだん、開いてきた・・。これなら、挿るかもな」
「ッア・・冗談・・言うな・・。こんな、苦しいのに・・アンタのチンポが、挿るワケねぇ・・ッ」
「試し、な?指二本余裕でイケるから挿ると思うけど」
指が抜かれ、ワタヌキの腰が密接する。
「試すなヨッオイ・・ッ」
ジンジンしてる処にもっと熱くて柔らかい肉が押し付けられる。
押し付けられると、オレの後腔はヒクヒクと動いた。
「・・無理だってッ」
「も、ちょい我慢な」
グッチャグチャにローションを垂らされ、ついに、圧迫していただけの先
端がブルンと弾みをつけて挿ってきた。
「アア!!」
「バカッ声でけぇよっ・・」
そこに心臓ができたみたいだった。それがワタヌキの鼓動なのかオレが感じすぎてるせいなのか、ドックンドックン聞こえてくる。

ああ、オレ。
ついに。
ついに、ヤラれてる。
ワタヌキとセックスしてる。

「フーーー、キッツ・・・」
ワタヌキの手がオレの腰を引き寄せた。
「イッッタッッ・・・!!!!」
激痛がオレの肛門を襲う。無理矢理に開かされてピチピチになってる穴が今にも裂けそうだった。
「あ、・・・・やっぱ?・・・だよな・・・。名残惜しいが・・・」
そう言って、ワタヌキは腰を引き抜いた。そして替わりに再び指が這入ってくる。
「ア・・アッ・・・ソレ、ヤメろ・・ンッ」
あの場所をグリグリと押されて、オレの腰は自然と浮く。
その腰をワタヌキは自分の膝へ抱え込んで、オレのチンポとワタヌキのチンポを絡ませた。
今度はオレの手を掴んでソレと一緒に動かした。オレの手とワタヌキの手の中をチンポが動く。
気持ちイイ。
オレとワタヌキはまるでセックスしてるみたいに同じリズムで腰を揺らしていた。
ベッドがギシギシいってる。
汗びっしょりになって、わけがわからない位腰を振ってた。
「モリヤ・・・すげぇ。すげぇ好き」
その掠れ声が聞こえた瞬間、オレは肩を強張らせて腰を突っ張って射精した。
その腰にワタヌキは、数回打ち付けた後で、同じ手の中に精液を噴出した。
ドロドロに絡まった陰茎と手。
しばらく放せずに体を重ねたままで呼吸を整えた。
「オマエ、なんで・・・電話した?」
・・・電話?
頭がボーーっとしているせいで、すぐには何の事かわからなかった。
「オレとシた夢でも見た?」
カッと顔が熱くなる。まるで予想してたかのように、ワタヌキはヨシヨシと笑った。
「ちゃんと挿るまで、毎日練習するからな。夜中にこう叩き起こされちゃ堪らねーからな」
練習・・!?
サラリと、まるでサッカーの練習の事のように言う。
「言っとくがな、寸止めでキツイのは、オマエ以上にオレの方だって事忘れんな。せっかく挿れたのを、我慢して抜いたんだからな・・・これがどんだけ後引くか・・」
サイアク・・、最悪だ。
見抜かれてるし、オトコ同士だから、そりゃ気持ちわかるけどっ 確かに後、引くけど・・!
「・・・マイニチ?」
「毎日。」
ワタヌキがニっと笑って、腕を回してくる。
「あ。」見忘れた。
「ん?」
「な、何でもない」
アンタのイク時の顔を、見忘れたなんて、言ったらどうなるか・・考えただけでも恐ろしい。
言ったら、オレの顔、写メとか取りそうだもん、コイツ。
とりあえず、抗議(懇願)してみよう。
「毎日は・・キツイデス」
「・・なんでだよ。・・毎日、部活出てんだろ?・・・それと一緒だよ」
一緒じゃねーよ!!
ワタヌキはよっぽど眠かったらしくそのままスースーと寝息を立て始めた。
明日の朝、母親に何て言おうかと、考えながらオレも眼を閉じた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

男色医師

虎 正規
BL
ゲイの医者、黒河の毒牙から逃れられるか?

エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので

こじらせた処女
BL
 大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。  とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

クラスの仲良かったオタクに調教と豊胸をされて好みの嫁にされたオタクに優しいギャル男

湊戸アサギリ
BL
※メス化、男の娘化、シーメール化要素があります。オタクくんと付き合ったギャル男がメスにされています。手術で豊胸した描写があります。これをBLって呼んでいいのかわからないです いわゆるオタクに優しいギャル男の話になります。色々ご想像にお任せします。本番はありませんが下ネタ言ってますのでR15です 閲覧ありがとうございます。他の作品もよろしくお願いします

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

支配された捜査員達はステージの上で恥辱ショーの開始を告げる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

童貞が建設会社に就職したらメスにされちゃった

なる
BL
主人公の高梨優(男)は18歳で高校卒業後、小さな建設会社に就職した。しかし、そこはおじさんばかりの職場だった。 ストレスや性欲が溜まったおじさん達は、優にエッチな視線を浴びせ…

処理中です...