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しおりを挟む「ぐずぐずに濡れているな」
「っ、ら、って」
「フィアは淫乱な悪女だったな」
「んんん、っあ、あんっ、ひぅ!」
引きちぎらん勢いでショーツを脱がせた男は、その先に隠された秘所を見やって、たっぷりと濡れそぼった秘肉に指先を這わせた。
期待に濡れるソフィアの目を見下ろすルイスは、すでにその目が自分以外を見ていないことを見止めて、たまらずその唇に噛みつく。
くぐもった鳴き声を上げるソフィアに脳を焼かれたルイスは、熱い息を吐きながら、躊躇いなく三本の指をソフィアの蜜口に突き入れた。
「ひゃあああっ!? ん、あん、んんっ……!
久しくまぐわうことをやめていたはずが、ソフィアの蜜口はだらだらと蜜を垂らしながら男の指を歓迎している。媚びるようなソフィアの声に気をよくした男はますますその手の動きを強めて、欲に溺れる瞳を見つめ続けた。
「すでに三本も飲み込んでいるな。うまそうに涎を垂らしている」
「ひ、んんん、あっ、そこ、や、やらっ、んんん!」
永遠にソフィアが正気を取り戻さぬように、このまま僅かにしか体液を与えずに飼い殺してやろうか。
ルイスの脳裏に悍ましい計画が映りかけた時、熱に浮かされていたソフィアが、ぐずぐずと泣きながらルイスの名を呼びだした。
「ふ、うう、ん、ううう、るい、ルイス、ん、るいす」
「どうした、フィア」
「て、や、だ……っ、手、嫌、な、……の」
一瞬、ソフィアの膣壁を抉るように動かしていた指の動きが制止した。ソフィアはその隙に、懸命に拘束された腕を揺らして主張してくる。
「ルイス、に、触りたい、ん、です、の」
息も絶え絶えになりながら囁かれた言葉に、ルイスは一瞬虚をつかれた。己の心臓が激しく収縮したのを感じたルイスは、食い入るようにソフィアの涙を見つめて、無意識に拘束しているベルトへと片手を動かしていた。
「ルイス、るい、す」
えも言われぬ感情に心を奪われたルイスが拘束からソフィアの両手を解放してやる。その瞬間、ようやく自由を得たソフィアが、弱々しい力で躊躇いなくルイスの背中に両手を回した。
無意識の行動だろうが、ソフィアは毎晩、ルイスが口づけながら抱きしめてくれるその腕の中が、気に入っているのだ。
しきりにルイスの胸あたりに頬を押し付ける彼女の姿を見た彼は、今度こそ、己の理性が壊れる音を聞いた。
「貴女は魔性だな」
黒い軍服を脱ぎ散らかしたルイスは、ふうふうと呼吸を繰り返す乙女を見下ろして、同じように熱いため息を吐いた。
ソフィア・フローレンスは己の思い通りになるような女性ではない。
そのことを理解していながら、わざと快楽を呼び起こさせ、挙句の果てにはその意思を無視する形で身体を繋げようとしている。
「……フィア、貴女が約束を破るなら、今日のように、手ひどく抱く。それを覚えておけ」
言葉など、聞こえるはずもない状態にあるソフィアに囁いたルイスは、華奢な両足を折り込むようにしてソフィアの頭の上に倒し、彼女の制止を聞く間もなくそそり立つ欲望を濡れた蜜口に突き入れた。
「っ、ひぁあああああっ……!」
初めのころ、血を流しながら受け入れられていた太く固い怒張も、すでにぴたりとソフィアの腹に馴染んでいる。薄い腹は、上から触れれば今どの場にルイスの自身が入り込んでいるのかがよくわかる。ソフィアはそうして腹の上から刺激されるだけでもぴゅくぴゅくと潮を吹いて更なる絶頂に沈んでいく。
「あああっああん、あ、ひ、ああっ!」
こつこつと奥を穿ちながら腹を刺激すれば、予想した通りに律動に合わせてソフィアの蜜口からだらしなく潮が吹きこぼれ出た。
たったの数回のストロークでぐずぐずにとろけきった膣内は、ルイスのものに擦られるたび、ひっきりなしに疼き、きゅうきゅうと締め付ける。
ルイスは喉を鳴らして快楽に悶えるソフィアを寝台に押し付け、上から征服するように、激しく腰を打ち付ける。
「あっ、あんっ、ひ、ぁあ……! あっ、……っ、んん!」
可哀想なほどに悶え、涙を流しているソフィアの頬を撫でて、片手を握った。これほどまでにか細い。折れてしまいそうな指先を口元に持っていったルイスは、躊躇いなくその指を舐めて、キスを落とした。
「っあ、ああ、んん、っ、い、っ、やあああ、また、また、きちゃ、……!」
連続して極め続けるソフィアの中をただひたすら吐精欲を堪えながら穿ち続けるルイスは、己の怒りの理由さえも忘れ、ただ本能の求めるままに目の前の雌を屈服させようとしている。
いっそ、孕んでしまえばいい。
「ひうっ!? ふ、あ、あ、あ、あっそえ、らめ、あ、あああっ」
「……っ、く」
呪われたソフィアが獣人の子を孕むことはない。それを知るルイスは、舌を打ちたくなる衝動をかみ殺して、子宮口を犯すように激しく腰を打って最奥に子種を吐き出した。
絶頂から降りることができなくなっているソフィアは、びゅるびゅると奥に熱が叩きつけられるたびに身体を痙攣させている。
噎せ返るような甘い匂いに陶酔したルイスは、荒い息を繰り返すソフィアが、徐々にルビーの瞳から濁った色を消していくのを見た。
「フィア」
「……っ、ん」
ソフィアの中に剛直を突き入れたまま囁いたルイスは、僅かに動いただけで喉を鳴らすソフィアの姿を見やって、再び擡げそうになる欲望をかみ殺した。
「こういうことは、もうしないと、言ったわ」
悩ましげな吐息を吐いたソフィアが、逃げ場を消すように彼女の身体の両脇に手をつく男を見上げている。
「他の男の匂いをつけてくるようなら、話は別だ」
「貴方、頭がおかしいわ」
「ルイスだ」
「……ルイス」
寝台の上でまぐわう男女の会話には遠い。ルイスはやはり、目の前の女が自分に何の興味も抱いていないのだということを再確認し、静かに息を吐いた。
「フィア、」
「……ユリウスさ……、王子とは、そういう、おかしなことをする関係ではない、の」
視線を合わせていたはずのソフィアは、気を紛らわせるかのように顔を逸らして、窓の外を見ようとしている。
「知っているでしょう。わたくし、その、貴方……、ルイスとしかこういうことは」
その先の言葉を、ソフィアは続けることができなかった。図体の大きな男が、言葉もなくソフィアの華奢な身体を抱きしめたからだ。
「な、に、んんっ」
ルイスの暴走を諫めようとしていたはずのソフィアは、その秘所に突き立てられていたものが再び熱を持って膨らんだのを感じた。
あれだけたっぷりと吐精しておいて、信じられない。
ソフィアが咎める間もなく、ぴたりと身体を押し付けるように抱き着いてきていたルイスが、くん、と腰を穿った。その瞬間、ソフィアは目の前がちかちかと眩んで、はしたなく喘ぎ声をあげてしまう。
「ひゃああ、あああ、あ、ん、や、るい、す、話……っあああ」
なぜその時、ソフィアはユリウスとの関係について真実を伝えようと必死になったのか。そして、抱きしめられた瞬間、どうしようもない安堵を覚えてしまったのか。
ばちゅんっと強く奥を穿たれたとき、全ての感覚を放り出して、ソフィアは快楽の波に再び足を取られた。
たまらなく好いのだ。
与えられるたび、全てがどうでも良くなってしまう。
ソフィアは無言のまま腰を穿ち続ける男に揺さぶられ、金色に光る瞳に射抜かれては、すぐに口づけられる。唇からも、蜜口からも注がれる屈強な雄の体液に、ソフィアは正気を失って身体を震わせた。
天井を向かされた足の先がひっきりなしにピンと立って痙攣している。どこを擦られても極めてしまう膣内をたっぷりと律動する怒張に、ソフィアの身体は耐えることなくとろとろと蜜をこぼしながら歓喜していた。
「あ、あんっ、ああ、ん、んん、あ、あああ」
「俺のものだ」
「あ、あああっ、な、あああああっ!?」
「フィア、……っフィア! 俺の番っ」
酩酊するソフィアが、正しくその言葉を聞き入れることはない。
ただ、激しく興奮した獣に蹂躙された。
ソフィアは、その後も一切の容赦なく何度も精を放ってまた膣内に押し入ってくるルイスにされるがまま、身体中に鬱血と甘噛みの痕を残された。
ソフィアは彼がどれほどの執着心を己に抱いているのかを感じさせられながら、腹が膨らむほどに精を吐き出された瞬間に、ぷつりと意識を途切れさせた。
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