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第二話「呪われた動画配信者」
01-36.
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「カメラ、やるよ」
「は? いや、誰のだよ」
太一は投げつけられたカメラを落とさないように姿勢を崩しながらも、受け取った。
「は……?」
それは太一が持っているカメラと同じものだ。
今回の配信用に使うように正樹から渡されたカメラと何もかも同じだった。
渡されたカメラは埃で汚れている。まるで何十年もの間、誰の手に触れることもなく、放置されてきたかのようだった。
「……同じ型のカメラを用意したのかよ?」
太一は不信感を隠せなくなってきていた。
次から次ぎにいなくなる友人たちを助けもせず、言われた通りに流行から外れた動画配信には不向きなカメラを構え、茶々を入れことしかしなかった。
それは不誠実な振る舞いだった。
友人たちを見捨て、視聴率に気を取られ、配信中止を促すコメントから目を背けた。
そうして、ようやく、正樹が正気ではないことに気づいてしまった。
「は?」
正樹は何を言っているのか、理解ができないと言わんばかりの声を上げた。
「これとそれは別物だろ」
「同じ型のカメラにしかみえないが」
「えー? たいちゃん、目がおかしいんじゃねーの?」
正樹はケラケラと笑い始める。
目は笑っていない。それなのに、まるでいつも通りであるかのように楽しげに笑ってみせた。
「そんな血だらけで不気味なカメラ、俺がたいちゃんにあげたやつじゃないし」
正樹の言葉が理解できなかった。
「何を言っているんだ?」
太一は問い返す。
得体のしれない寒気が体中を襲い、心身とも凍りついてしまいそうなほどに寒い。冷房もついておらず、冷凍庫に閉じ込められたわけでもないのに、寒気と吐き気が収まらない。
「それに、不気味なカメラって……」
得体の知れない寒気の正体を知りたいと太一は思ってしまった。
太一の視線は手に持っていたカメラに向けられる。
それは、今回の動画配信を成功させるために新調したものだった。
「は? いや、誰のだよ」
太一は投げつけられたカメラを落とさないように姿勢を崩しながらも、受け取った。
「は……?」
それは太一が持っているカメラと同じものだ。
今回の配信用に使うように正樹から渡されたカメラと何もかも同じだった。
渡されたカメラは埃で汚れている。まるで何十年もの間、誰の手に触れることもなく、放置されてきたかのようだった。
「……同じ型のカメラを用意したのかよ?」
太一は不信感を隠せなくなってきていた。
次から次ぎにいなくなる友人たちを助けもせず、言われた通りに流行から外れた動画配信には不向きなカメラを構え、茶々を入れことしかしなかった。
それは不誠実な振る舞いだった。
友人たちを見捨て、視聴率に気を取られ、配信中止を促すコメントから目を背けた。
そうして、ようやく、正樹が正気ではないことに気づいてしまった。
「は?」
正樹は何を言っているのか、理解ができないと言わんばかりの声を上げた。
「これとそれは別物だろ」
「同じ型のカメラにしかみえないが」
「えー? たいちゃん、目がおかしいんじゃねーの?」
正樹はケラケラと笑い始める。
目は笑っていない。それなのに、まるでいつも通りであるかのように楽しげに笑ってみせた。
「そんな血だらけで不気味なカメラ、俺がたいちゃんにあげたやつじゃないし」
正樹の言葉が理解できなかった。
「何を言っているんだ?」
太一は問い返す。
得体のしれない寒気が体中を襲い、心身とも凍りついてしまいそうなほどに寒い。冷房もついておらず、冷凍庫に閉じ込められたわけでもないのに、寒気と吐き気が収まらない。
「それに、不気味なカメラって……」
得体の知れない寒気の正体を知りたいと太一は思ってしまった。
太一の視線は手に持っていたカメラに向けられる。
それは、今回の動画配信を成功させるために新調したものだった。
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