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第一話 異母妹は悪役令嬢である
01-8.
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それは、希代の聖女として教会が認めたエイダ嬢の力を発揮させ、彼女こそが皇妃に相応しいと世界中を納得させる為なのかもしれない。
おかしい話だ。
皇国が滅びることを考えていないとは思えないお方だったのに。
「他人に期待をされるのはこれが初めてだ」
もしかしたら、皇太子殿下には忠誠を誓う価値はないのかもしれない。
それでも私は皇太子殿下の御身を守る為、参戦することに決めたのだ。
「血で染まることを求められるのは少々心苦しいものだが」
「それならば、どうか、今回の参戦を見送られてくださいませ」
「それはできないよ。私は戦う為に生まれてきたのだから」
ロイもこの戦に勝ち目がないことを分かっているからこそ、この時ばかりは私に付いて回っているのだろう。
きっと、わかっているのだ。
孫のように育てた私が死を選んだことを理解してしまっている。
それを止めることができないのならば、せめて、傍にいようとしてくれている。
そこまで思ってくれている人に恵まれたのは幸せなことだ。
その幸せを享受する資格など、私にはないというのに。
「私は幸せだったよ」
ロイの顔を見られなかった。
「みんながいてくれたから、私は狂えなかった」
公爵邸で働いている使用人たちは私の味方だった。
感情的になれば領地を氷漬けにしかねない恐ろしい力を持った私を避けようともしなかった。
「私は私として生きている。それを誇りに思う」
幼い頃には母に見つからないように私と遊んでくれた。
それだけのことだ。それだけで私は狂わずにいられた。
「ありがとう。ロイ。おじいさまのように思っていたよ」
それでも、アリアがいなければ世界は灰色のままだ。
心に穴が開いてしまったようだ。
「なにより、皇国の為に命を捧げられるのだから。私は役目を果たすことができる喜びを噛みしているくらいさ」
それを望まないことは知っている。
領民たちも怪物だと怯えながらも、私の死を望んでいたわけではないと声をあげることだろう。
死を嘆かれるほどには領民たちから慕われていると知っている。
それでも、止まることはできない。
おかしい話だ。
皇国が滅びることを考えていないとは思えないお方だったのに。
「他人に期待をされるのはこれが初めてだ」
もしかしたら、皇太子殿下には忠誠を誓う価値はないのかもしれない。
それでも私は皇太子殿下の御身を守る為、参戦することに決めたのだ。
「血で染まることを求められるのは少々心苦しいものだが」
「それならば、どうか、今回の参戦を見送られてくださいませ」
「それはできないよ。私は戦う為に生まれてきたのだから」
ロイもこの戦に勝ち目がないことを分かっているからこそ、この時ばかりは私に付いて回っているのだろう。
きっと、わかっているのだ。
孫のように育てた私が死を選んだことを理解してしまっている。
それを止めることができないのならば、せめて、傍にいようとしてくれている。
そこまで思ってくれている人に恵まれたのは幸せなことだ。
その幸せを享受する資格など、私にはないというのに。
「私は幸せだったよ」
ロイの顔を見られなかった。
「みんながいてくれたから、私は狂えなかった」
公爵邸で働いている使用人たちは私の味方だった。
感情的になれば領地を氷漬けにしかねない恐ろしい力を持った私を避けようともしなかった。
「私は私として生きている。それを誇りに思う」
幼い頃には母に見つからないように私と遊んでくれた。
それだけのことだ。それだけで私は狂わずにいられた。
「ありがとう。ロイ。おじいさまのように思っていたよ」
それでも、アリアがいなければ世界は灰色のままだ。
心に穴が開いてしまったようだ。
「なにより、皇国の為に命を捧げられるのだから。私は役目を果たすことができる喜びを噛みしているくらいさ」
それを望まないことは知っている。
領民たちも怪物だと怯えながらも、私の死を望んでいたわけではないと声をあげることだろう。
死を嘆かれるほどには領民たちから慕われていると知っている。
それでも、止まることはできない。
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