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第1話 10歳の悪役令息、幼馴染の秘密を知る
03-4.
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……むかつく。
セシルは否定されたことに苛立ちを感じる。
そんなにもルシアンと婚約をしたことが想定外だったのだろうか。
セシルは掴まれている手を振り払おうとするものの、いつもよりも、強い力で握られており簡単には振りほどけない。
「俺はルシアンとずっと一緒にいたいだけなのに」
不満を口にする。
家族にも本音とは信じてもらえない言葉だ。
「俺が嫌じゃないって言ったら、嫌じゃないんだよ! それなのに、勝手に俺の言葉を無視して決めつけるのは止めろよ!」
セシルは我慢ができない。
家族の前では不満を抑え込もうと努力はしていた。
しかし、相手がエドワードならば、我慢をする必要もないと考えたのだろう。
「それに! エドワードには関係ない話だろ!」
その言葉がきっかけだった。
エドワードはセシルを掴んでいた手を放し、迷うことなく、セシルの頬を殴った。それに対し、対応が遅れたセシルは姿勢を崩して椅子から転げ落ちる。
「関係あるから言ってんだろうが!」
エドワードは地面に転がったセシルに跨り、セシルの胸倉を掴んだ。
それから、もう一発殴ろうとしたところでセシルに反撃を食らう。
セシルは全力で腕を振るい、エドワードを自身の上から退かし、今度はセシルがエドワードの上に乗る形となり、全力でエドワードの顔を殴った。
「いってえな! このバカセシル!」
「うるさい! バカエドワード!」
こうなってしまっては、会話は成立しない。
互いに中身のない言葉を口にしながら、地面を転がるように殴り合う。
小柄なセシルがエドワードと殴り合っても、一方的にやられていない姿は、彼らが喧嘩をする姿を見たことがなかった夫人たちの言葉を失わせた。
しかし、殴り合いは長くは続かない。
アクロイド侯爵邸の庭で繰り広げられた喧嘩は、当然のことながら、セシルの家族がすぐに駆け付け、強制的に引き離されることで中断させられてしまった。
「落ち着きなよ、セシル。かわいい顔が台無しだ」
「放して! ブライアン兄様! あのバカを殴らないと気が済まない!!」
興奮してしまっているセシルを抱きしめ、必死にエドワードと引き離そうとしている兄のブライアンに対し、セシルは引き下がろうとしない。
セシルは否定されたことに苛立ちを感じる。
そんなにもルシアンと婚約をしたことが想定外だったのだろうか。
セシルは掴まれている手を振り払おうとするものの、いつもよりも、強い力で握られており簡単には振りほどけない。
「俺はルシアンとずっと一緒にいたいだけなのに」
不満を口にする。
家族にも本音とは信じてもらえない言葉だ。
「俺が嫌じゃないって言ったら、嫌じゃないんだよ! それなのに、勝手に俺の言葉を無視して決めつけるのは止めろよ!」
セシルは我慢ができない。
家族の前では不満を抑え込もうと努力はしていた。
しかし、相手がエドワードならば、我慢をする必要もないと考えたのだろう。
「それに! エドワードには関係ない話だろ!」
その言葉がきっかけだった。
エドワードはセシルを掴んでいた手を放し、迷うことなく、セシルの頬を殴った。それに対し、対応が遅れたセシルは姿勢を崩して椅子から転げ落ちる。
「関係あるから言ってんだろうが!」
エドワードは地面に転がったセシルに跨り、セシルの胸倉を掴んだ。
それから、もう一発殴ろうとしたところでセシルに反撃を食らう。
セシルは全力で腕を振るい、エドワードを自身の上から退かし、今度はセシルがエドワードの上に乗る形となり、全力でエドワードの顔を殴った。
「いってえな! このバカセシル!」
「うるさい! バカエドワード!」
こうなってしまっては、会話は成立しない。
互いに中身のない言葉を口にしながら、地面を転がるように殴り合う。
小柄なセシルがエドワードと殴り合っても、一方的にやられていない姿は、彼らが喧嘩をする姿を見たことがなかった夫人たちの言葉を失わせた。
しかし、殴り合いは長くは続かない。
アクロイド侯爵邸の庭で繰り広げられた喧嘩は、当然のことながら、セシルの家族がすぐに駆け付け、強制的に引き離されることで中断させられてしまった。
「落ち着きなよ、セシル。かわいい顔が台無しだ」
「放して! ブライアン兄様! あのバカを殴らないと気が済まない!!」
興奮してしまっているセシルを抱きしめ、必死にエドワードと引き離そうとしている兄のブライアンに対し、セシルは引き下がろうとしない。
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