54 / 82
第二話 『悪役令息の妹』の元婚約者に追われている
03-15.※
しおりを挟む
……おかしくなりそうだ。
四回も絶頂に達した影響だろうか。
ブラッドの頭はぼんやりとしたままだった。
涙が溜まり、視界がぼやける。悲しいわけでも辛いわけでもない。生理的な涙が頬を撫でるように落ちていく。
「アルバート」
ブラッドはアルバートの名前を呼ぶ。
普段は口喧嘩ばかりをしているとは思えないほどに甘い声だ。
早く続きをしてほしいと言わんばかりの声で名を呼ばれ、アルバートは引くわけにはいかなかった。
「……手加減はできないからな」
アルバートは忠告はしたと言わんばかりの言葉を口にしながら、自身のズボンに手をかける。迷うことなく下着を脱ぎ捨て、既に限界だと訴えるかのように反り返っていたアルバートの陰茎の先端をブラッドの尻に当てる。
念入りに解してある為、挿入するのにはそれほどの苦労はないだろう。
しかし、アルバートはブラッドに視線を向けたまま、動くのを止める。
……童貞野郎が。
ブラッドは心の中で毒を吐く。
そのまま、挿入すればいいのにもかかわらず、まだ迷っているのだろうか。
「ヘタレ」
ブラッドは挑発するかのように笑った。
「煽ってやられねえと入れることもできねえわけ?」
受け入れる側とは思えない強気な発言だった。
ブラッドはアルバートの背中に回していた腕に力を込める。体勢を変えるほどの力は入らないものの、ブラッドを煽るのには十分だろう。
「いや、そういうわけではないが」
アルバートの煮え切らない言葉を聞き、ブラッドは眉を顰める。
……めんどくさい。
仲が良いとはお世辞にもいえないものの、付き合いだけは長い。
アルバートの真面目な性格は誰よりも知っていると言っても、過言ではないだろう。
アルバートは、妙なところで真面目な考えに囚われる癖のある。
今回もそうなのだろう。
「避妊しないといけないだろう」
アルバートの言葉を聞き、ブラッドは盛大なため息を零した。
萎えることはなかったものの、場違いにも限度というものがある。
四回も絶頂に達した影響だろうか。
ブラッドの頭はぼんやりとしたままだった。
涙が溜まり、視界がぼやける。悲しいわけでも辛いわけでもない。生理的な涙が頬を撫でるように落ちていく。
「アルバート」
ブラッドはアルバートの名前を呼ぶ。
普段は口喧嘩ばかりをしているとは思えないほどに甘い声だ。
早く続きをしてほしいと言わんばかりの声で名を呼ばれ、アルバートは引くわけにはいかなかった。
「……手加減はできないからな」
アルバートは忠告はしたと言わんばかりの言葉を口にしながら、自身のズボンに手をかける。迷うことなく下着を脱ぎ捨て、既に限界だと訴えるかのように反り返っていたアルバートの陰茎の先端をブラッドの尻に当てる。
念入りに解してある為、挿入するのにはそれほどの苦労はないだろう。
しかし、アルバートはブラッドに視線を向けたまま、動くのを止める。
……童貞野郎が。
ブラッドは心の中で毒を吐く。
そのまま、挿入すればいいのにもかかわらず、まだ迷っているのだろうか。
「ヘタレ」
ブラッドは挑発するかのように笑った。
「煽ってやられねえと入れることもできねえわけ?」
受け入れる側とは思えない強気な発言だった。
ブラッドはアルバートの背中に回していた腕に力を込める。体勢を変えるほどの力は入らないものの、ブラッドを煽るのには十分だろう。
「いや、そういうわけではないが」
アルバートの煮え切らない言葉を聞き、ブラッドは眉を顰める。
……めんどくさい。
仲が良いとはお世辞にもいえないものの、付き合いだけは長い。
アルバートの真面目な性格は誰よりも知っていると言っても、過言ではないだろう。
アルバートは、妙なところで真面目な考えに囚われる癖のある。
今回もそうなのだろう。
「避妊しないといけないだろう」
アルバートの言葉を聞き、ブラッドは盛大なため息を零した。
萎えることはなかったものの、場違いにも限度というものがある。
34
お気に入りに追加
712
あなたにおすすめの小説
虐げられ聖女(男)なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました【本編完結】(異世界恋愛オメガバース)
美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!
転移したらなぜかコワモテ騎士団長に俺だけ子供扱いされてる
塩チーズ
BL
平々凡々が似合うちょっと中性的で童顔なだけの成人男性。転移して拾ってもらった家の息子がコワモテ騎士団長だった!
特に何も無く平凡な日常を過ごすが、騎士団長の妙な噂を耳にしてある悩みが出来てしまう。
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
麗しの眠り姫は義兄の腕で惰眠を貪る
黒木 鳴
BL
妖精のように愛らしく、深窓の姫君のように美しいセレナードのあだ名は「眠り姫」。学園祭で主役を演じたことが由来だが……皮肉にもそのあだ名はぴったりだった。公爵家の出と学年一位の学力、そしてなによりその美貌に周囲はいいように勘違いしているが、セレナードの中身はアホの子……もとい睡眠欲求高めの不思議ちゃん系(自由人なお子さま)。惰眠とおかしを貪りたいセレナードと、そんなセレナードが可愛くて仕方がない義兄のギルバート、なんやかんやで振り回される従兄のエリオットたちのお話し。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
僕が玩具になった理由
Me-ya
BL
🈲R指定🈯
「俺のペットにしてやるよ」
眞司は僕を見下ろしながらそう言った。
🈲R指定🔞
※この作品はフィクションです。
実在の人物、団体等とは一切関係ありません。
※この小説は他の場所で書いていましたが、携帯が壊れてスマホに替えた時、小説を書いていた場所が分からなくなってしまいました😨
ので、ここで新しく書き直します…。
(他の場所でも、1カ所書いていますが…)
美少年に転生したらヤンデレ婚約者が出来ました
SEKISUI
BL
ブラック企業に勤めていたOLが寝てそのまま永眠したら美少年に転生していた
見た目は勝ち組
中身は社畜
斜めな思考の持ち主
なのでもう働くのは嫌なので怠惰に生きようと思う
そんな主人公はやばい公爵令息に目を付けられて翻弄される
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる