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第9章

選ばれた花嫁 ★

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「アンタ、ルナに何言ったんだ!?」
 勢いよく扉を開けて、レナに掴みかかろうとしたユウキを、アンジェラとフィオナが背後から掴んで止めた。
「ユウキお兄ちゃん落ち着いて! 相手はレナ様なんだよ!」

「関係ねぇ! アンタがルナに何か言ったからアイツは出てったんだ! フィオナも分かるだろ!」
 ユウキが怒りの表情でレナを睨んだ。
 
「それならば、その何かをレナ様がルナマリアにわざわざ伝える事も必要な事だと理解出来るでしょう、ユウキ!?」
 アンジェラがユウキを抑えながら叫んだ。

「……分かってるさ! でも、それでも許せねぇ! アイツがこれ以上、泣くのは嫌なんだ!」
 ユウキが歯を噛み締めながら話した。

 ユウキの様子を見たアンジェラは、レナの方を見て口を開く。
「レナ様、ルナマリアは何処へ?」

「……私にも分かりません。
私が貴方達に話す事は全て話しました! 後は貴方達次第……。
アンジェラ、後は任せましたよ」
 レナはそう言い終えると、ユウキ達の目の前から姿を消した。

「くそっ! 結局ルナを傷つけた後、全部、俺達に任せやがった!」
「……レナ様がルナマリアに話した事が必要な事なら、私達にルナマリアの事を任せたのも必要な事である筈よ。
とりあえず、早くルナマリアを探しましょう」
 アンジェラがユウキとフィオナを見つめて話した。

 ユウキが下を向いて考えているのを見て、フィオナが口を開く。
「ユウキお兄ちゃん、考えても仕方ないよ。今はルナマリアを探してあげないと!」
 フィオナの声を聞いて、ユウキはゆっくりフィオナの方を振り返った後、頷いて話した。
「ああ、2人の言う通りだ」



 1時間後、一度各所に別れてアンナを捜索していた3人は同じ部屋に戻っていた。
「どう? 見つかった?」
 アンジェラがユウキに向かって尋ねた。

「駄目だ! 街中探し回ったけど、アンナの魔力の残り香すらしねぇ」
「私の方も、捜索専門の部隊に探させていますが、未だに連絡がありません……。
一体どこに行ってしまったのでしょう……」
 フィオナが心配した様子で話した。

「特殊部隊が痕跡する見つけられなかったとすると城門前のテレポート用の魔法陣を使用した可能性が高いわね……。問題はどこに向かったか……」
 アンジェラが呟いた瞬間、ユウキがハッとして呟いた。
「まさか……!?」

「ユウキお兄ちゃん、分かったの!? ルナマリアの居場所が!?」
 フィオナがユウキを見つめて尋ねる。

「……いや、一つの可能性ってだけだ。
フィオナと母さんはこのまま、ダンダレイトと近隣の街の捜索を続けてくれ。
俺は思いついた場所に行ってみる」
「ユウキ、その場所ってどこなの……?」
 アンジェラが尋ねると、ユウキはアンジェラの瞳を見つめて応えた。

「ルナマリア城だよ、母さん!」


   ◇ ◇ ◇


 ルナマリア城のすぐ側にあるエレノアの花で埋め尽くされた庭では、アンナが墓石の前で涙を流していた。

「……お母様……、私、辛いわ……。
お母様達が繋いでくれた未来の為に……、私も頑張らなきゃいけないのは分かってるけど……、だけど……。
その結末があんな終わり方なんて…………」
 アンナはソフィアの墓石に向かって話した。

 少しの沈黙の後、アンナの後方から声が聞こえる。
「やっぱり、ここだったか……」

 アンナが驚いて振り返ると、そこにはユウキが微笑んで立っていた。

「どうして……、分かったの……?」
 アンナが涙を零して呟いた。

「……元の世界セインツから異世界ルインに来たばかりの頃……、お前、いつも落ち込んだり、泣きそうになったらここに来てただろ……? だから今回もここかなって……。
昔は気づかなかったけど、やっと意味が分かった……。
お前はソフィアさんに自分の悩みを聞いてもらう為にここに来てたんだな……」
 ユウキが懐かしむように話した。

「私がいつもここで泣いていた事……、気づいていたの……!?」
 アンナが驚きながら尋ねると、ユウキは微笑んで頷いた。

 アンナは少しの沈黙の後、背を向けて話した。
「フィオナのところに戻って……。
私が泣いた理由は……、ユウキが私との大切な思い出をいつまでも思い出さないから……! 私はもうユウキには期待しない。私はユウキに巫女名みこなをもう、明かさない……」

 ユウキは少しの間、黙った後、口を開く。
「アンナって、強がって見せてるけど、やっぱり女の子なんだよな……。
泣き虫なところは昔からちっとも変わらない……」

 それを聞いたアンナはムッとした表情に変わった後、口を開く。
「何……? 私を追いかけて来たと思ったら馬鹿にする為にここまで来たの……?」

「ムキになる所も変わらない……。昔の俺に憧れて、どれだけ自分を強く見せようとしても……、お前らしさを消す事なんて無理なんだ」
 ユウキが話すと、アンナは怒った表情で振り返って叫んだ。
「もう帰って!! ユウキなんて、フィオナと結ばれて私の前から居なくなっちゃえばいいんだわ!!」

 次の瞬間、ユウキがアンナを抱きしめる。

「俺、選んだよ。
……君の巫女名みこなは、ルナマリア・・アンナ! 
両親がこの世界に残した、だ!!」
 ユウキがアンナを抱きしめたまま、耳元で囁いた。

 アンナの目から涙がポロポロ零れる。
「どうして……!?」

「レナとアンナを部屋に残して自室に戻った時、ソフィアさんが残した思念石しねんせきが、アンナの両親の過去について教えてくれたんだ!
アンナ……、お前は両親に愛された記憶が殆ど無かった事と、ソフィアさんがミナトさんにも 巫女名みこなを与えていた事から自分もルークさんも本当にソフィアさんから愛されていたか半信半疑だったよな……。
でも……、でもさ、疑う必要なんてこれっぽっちも無かったぞ……。思念石しねんせきが見せてくれたお前達家族の思い出は、愛で満ち溢れていた……!」
「本当……?」
「ああ……、だからお前の継名つぎなには、3人の思い出が詰まった花の名前がつけられたんだ!
ソフィアさんが見せてくれた過去を見た時、お前と交わした幼い頃の大切な約束を思い出した!」
 ユウキはアンナの顔を真っ直ぐ見つめて、口を開く。
「アンナ、君の事が好きだ……! 
強がるとこも……、
泣き虫なところも……、
ムキになる所も……、
俺の為に努力を重ねてくれるところも……、
……君の全部が……、昔から好きなんだ!
だから……俺と結婚して欲しい……!!」

 ユウキの言葉は、レナに伝えられた辛い未来によって悲しみに暮れていたアンナの心を静かに癒した。
 アンナは涙をポロポロ零しながら微笑んで頷いた。

 2人が唇を重ねた瞬間、アンナの寵愛の加護ちょうあいのかごが発動し、ユウキは赤い光に包まれた。


   ◇ ◇ ◇


 次の日の朝、ユウキとアンナは"話がしたい"とフィオナとアンジェラに伝えて、2人を食堂に集めていた。
 ユウキとアンナは昨晩のうちにフィオナ城に引き返し、アンナは心配をかけたフィオナとアンジェラに謝罪した事で騒動は終わりを迎えたのである。

「2人に集まって貰ったのは、大切な話を聞いてもらう為なんだ!」
 ユウキとアンナが並んでフィオナとアンジェラの前に立ち、ユウキが話し始めた。

「本当は仲間全員に聞いてもらいたかったけど、今はしかたないからね……」
 アンナがユウキを見つめて話した。

 2人のいつもと違う雰囲気を感じた事と、ユウキが"大切な話"と前置きした事で、フィオナは心臓が高鳴り、少し顔を曇らせた。

「ユウキ、もう良いよね? 2人に話しちゃっても」
 アンナが微笑んでユウキに話しかけた事で、フィオナは自身の予想がほぼ間違いないと感じた。

「ああ!
2人とも聞いてくれ!
俺は生涯を共にする相手を選んだ。
昨日、俺は自分の意思でアンナの巫女名みこなを呼んで、アンナは俺の意思を認めてくれた! だから、これからは……」
「おめでとう、ルナマリア! 良かったね!」
 ユウキが全てを話し終える前にフィオナがアンナの手を握って微笑んで話した。

「フィオナ……?」
 アンナが驚いた表情でフィオナを見つめる。

「どうしたのよ、もう!
私が2人の幸せを喜ばないと思ったの?
だって、2人とも私の大好きな人なんだよ。喜ぶに決まってるじゃない」
 フィオナが2人に笑顔を見せて話した。

「フィオナちゃん……」
 アンジェラがフィオナの気持ちを察して心配そうに呟く。

「フィオナ、貴方……!」
 フィオナを見ていたアンナが驚いて見つめると、笑っていたフィオナの目から涙が一粒零れる。

「あれ……? おかしいなぁ……。本当に嬉しい筈なのに…………」
 そう言ったフィオナは顔を両手で隠してポロポロ泣き始めた。

「フィオナ、聞いてくれ!」
 ユウキが慌てて話した瞬間、フィオナが遮るように口を開く。
「心配しないで、ユウキお兄ちゃん!
これは嬉し涙! 
……私、城のコック長にご馳走用意してもらうように話してくるね!」
「フィオナ、待って!」
 アンナが慌ててフィオナを止めようとするも、フィオナはユウキとアンナに背を向けて部屋を飛び出して行ってしまった。

 フィオナはそのまま全速力で駆け、自室に戻って部屋の鍵をかけた。そのまま、ベッドの枕に顔を力強く埋めて声が漏れないように大声で泣いた。
 フィオナは思い出していた。
 ユウキと出逢い、ユウキに励まされ、ユウキに助けられた日々を。
 ユウキがフィオナに向ける表情全てがキラキラと輝き、フィオナの世界を色付けていた事を。
 ユウキの為に生きる事が、どれだけ自分の生きがいになっていたかを再認識したフィオナは、自分が認識していた以上にユウキを愛していた事を初めて知った。
「いつか……、いつかこんな日が来るかもって……、分かってたのに……。
……まいったなぁ…………。私…………、ユウキお兄ちゃんがいないと駄目みたい…………」
 どれだけ涙を拭いても涙は止め処なく零れた。

 ドンドン……!!

 部屋の扉が叩かれ、廊下側からユウキの声が響く。
「フィオナ、ここを開けてくれ! 俺達の話を聞いて欲しいんだ!」

 フィオナは辛そうな表情をした後、必死に涙声を悟られぬように嬉しそうな声で応える。
「お話はちゃんと聞いたよ、ユウキお兄ちゃん! 私凄く嬉しかったよ? 
今、着替え中だから、少し時間を頂戴!」

 少しの沈黙の後、扉が廊下側から吹き飛ばされてユウキとアンナの姿が見えた。
 フィオナが驚いて廊下側を見ると、アンナが扉に向けて下級炎属性魔法ファイヤボール放ち、扉を破壊した事が分かった。

「嘘ばっかり……! 嬉しいだなんて言って、本当は悲しくて辛い癖に……!
私達の間では隠し事は無しって約束したでしょう?」
 アンナは、涙を流して顔を赤くしたフィオナに向かって叫んだ。

「なによ……!
ルナマリアはいいよね……。ユウキお兄ちゃんに選ばれたんだもん……。
私の気持ちなんて分からないでしょう?」
 フィオナが目を擦りながら話した。

「分からないわよ! 話を最後まで聞かずに1人勘違いするようなフィオナの気持ちなんかはね……」

 フィオナの動きがピタッと止まり、ゆっくり顔を上げて口を開く。
「どういう事……?」

「ユウキが選んだのは、私と貴方……!!
2人を生涯のパートナーに選んだのよ!!」
 アンナが微笑んで応えた。

「えっ!? でも……。
ルナマリアはそれで良いの……!?」
 フィオナが驚きながら尋ねる。

「ルナの巫女名みこなを俺が口にした後、俺がフィオナの事も幸せにしたいって事を告げようとしたら、先にルナから言われたんだ。
"私を幸せにするつもりなら、フィオナも幸せにしなきゃ駄目だよ"ってな」
 ユウキが微笑んで応えると、フィオナは驚いた表情でアンナを見つめて呟いた。
「ルナマリア……、貴方……!」
 フィオナは再び涙をポロポロ零しながら両手で顔を覆った。

「フィオナは嫌か……? 3人で約束の日やくそくのひの後も、家族として過ごすのは……?」
 ユウキが心配そうに尋ねると、フィオナは顔を横に振って顔を拭いて、2人に抱きついて口を開いた。
「本当は……、私…….ずっとそうなれたらって……、思ってたの……。
でも……、やっぱりユウキお兄ちゃんやルナマリアは、パートナーはそれぞれ1人ずつ選ぶべきだって考えてると思ってた……。
だから……、夢が叶って……凄く嬉しいよ……」

「……最初はそうあるべきだって思ってた。でも俺はやっぱり2人が同じくらい大切な人で、大好きな人だった。だから、いつまでも答えが出せずにいたんだ……。
でも、分かったんだよ」
 ユウキがフィオナを見つめて話した。

「分かった……?」
 フィオナが呟くように尋ねる。

「ああ、小さな決まりや拘りに縛られてどちらか一方を泣かせるくらいなら、俺がどっちも幸せに出来るくらい、ちゃんとした男になればいいって……。
だから2人とも……、改めて、こんな俺だけど、これからも宜しくな!」
 ユウキが2人を見つめて話した。

「「こちらこそ宜しくね、旦那様!!」」
 アンナとフィオナが微笑んで同時に応えた。


 この日、偶然にも全世界の制圧が完了し、メーデイアと上役達の支配は終わりを迎えた。
 三ヶ国はユウキ達の元、これまで以上に協力し、約束の日やくそくのひに向け、国力と個人の能力を伸ばす為、日々、奮闘する事になる。


 それから3ヶ月後……。


 フィオナ城内に建設されている大聖堂内にはユウキ達の結婚式に呼ばれた各国の首脳陣が集まっていた。
 主要メンバーであるディアナ、アリシア、アレン、アンジェラ、フレイヤ、ワクール、ミア、リリス、クシャナは勿論、アイラやバリス、オフトやマロン等の、ユウキ、アンナ、フィオナがお世話になった人達が多く集まり、大聖堂内は1000人近くの列席者で埋め尽くされた。

 神父の前に新郎が立ち、新婦の到着を待つ。
 ユウキは正装し、長く伸びていた髪はセミロング程度まで切られ綺麗に整えられていた。

「へぇ~、ユウキもそれらしい格好すれば結構、カッコ良いね!」
 ミアがユウキを見つめて微笑んで話した。

「元々、顔立ちは整っているから、自信を持った事で、本来持っている魅力が引き出された感じね……。ねぇ、クシャナちゃん?」
 ユウキを見惚れていたクシャナに向かって、リリスが微笑みながら応えた。

「まっ、馬子にも衣装ですよ、あんなもの!
アレン様の結婚式の方がずっとカッコ良かったです」
 慌ててクシャナが否定する。

「あら、カッコ良いとは思ってるのね」
 リリスが微笑みながら尋ねる。

「り、リリス様……!!」
 クシャナが困った表情を浮かべたのを見て、ミアとリリスは笑った。

 すぐに新婦の2人が入場する。
 アンナとフィオナは純白のウェディングドレスを纏い、ユウキを含む大勢の前に初めてその姿を見せた。
 一斉に拍手が飛び交い、会場がざわつく。
 
「綺麗……!」
 アリシアが微笑んで話した。

「ああ! 流石に巫女2人が並んで立つ姿は圧巻だな!」
 アレンも微笑みながら話した。

 アンナとフィオナはゆっくり、ユウキの元に歩き始める。
 2人がアイラとバリスの前を通る際、アイラが微笑みながら叫んだ。
「ルナマリア! フィオナ! 綺麗だよ!! お幸せに~!!」

 2人がアイラの方を向いて微笑み、頷いて応える。
 すぐにアンナとフィオナはフレイヤ、ワクール、ミアの前を横切る。

「アリシア様も綺麗だったけど、2人も負けないくらい綺麗だね」
 フレイヤが微笑んで話した。

「……エリーナ、見てるか? お前の妹は、とても綺麗で立派な女王になったぞ」
 ワクールが真剣な表情でアンナを見つめて呟いた。

 次にアンナとフィオナは、アリシアとアレンの前を通る。

「2人とも、やったね!」
 アリシアがウインクを送ると、アンナとフィオナは小さくガッツポーズを作って応えた。

 最後にアンジェラとディアナの前をアンナとフィオナが横切る。
 アンナが立ち止まり、それに合わせるようにフィオナも立ち止まる。

「ディアナ……!」
 アンナが微笑んでディアナを見つめる。

「ルナマリア様……!」
 ディアナが涙を浮かべて呟いた。

「今日くらい、真名まなで呼んで」
 アンナも涙を浮かべる。

 ディアナが嬉しそうに微笑んで頷く。
「アンナ……! 本当に綺麗になりましたね! ……エリーナ姉様も喜んでおられます……。
ユウキ、フィオナ様と共に、末長く幸せな日々を過ごせるよう、これまで以上にお守り致します!!」

「うん、いつもありがとうね、ディアナ!」
 アンナが微笑みながら涙を零して応えた。

 ディアナの前を通り終えた2人はユウキの元に着き、2人は同時にユウキを見つめた。
 ユウキは余りにも美しい2人の姿に見惚れて固まる。


「どう、ユウキお兄ちゃん?」
 フィオナが尋ねる。

「どっちが綺麗?」
 アンナが上目遣いで尋ねる。

 ユウキは2人の声でハッと我に返り、微笑んで口を開く。
「どっちも凄く綺麗だ!」

 ユウキの答えを聞いて、アンナとフィオナは嬉しそうに顔を見合わせて微笑んだ。

 賛美歌が流れ、式が進み、誓いの時が来た。

 神父が問う。
「ユウキさん、あなたは今、ルナマリアさんとフィオナさんを妻とし、神の導きによって夫婦になろうとしています。
なんじ、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、これを愛し、敬い、慰め遣え、共に助け合い、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

 瞳を閉じていたユウキが力強く瞳を開け、アンナとフィオナを見つめて応える。
「はい、誓います!」

 神父が問う。
「ルナマリアさん、フィオナさん、貴方達は今、ユウキさんを夫とし、神の導きによって夫婦になろうとしています。
なんじ、健やかなる時も、病める時も、喜びの時も、悲しみの時も、富める時も、貧しい時も、これを愛し、敬い、慰め遣え、共に助け合い、その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますか?」

 アンナとフィオナはユウキを見つめて同時に応える。
「「はい 誓います!」」

 その後、3人の指輪の交換と、結婚証明書への署名が終わった。
 ユウキが2人のベールアップを行い、いよいよ誓いのキスとなった瞬間、アンジェラが何かを思いついたように微笑んで叫んだ。
「ユウキ、好きな方からキスしなさい!」

「えっ!?」
 ユウキが驚いてアンジェラの方を見ると、いつものイタズラ顔でユウキを見ていた。
 会場がざわつき、ユウキがどうすれば良いか慌てて顔を赤くする。

「ぶっ!」
 アレンがユウキの顔を見て吹き出す。

「ちょっとアレン! 失礼よ」
 アリシアが笑いを堪えながら話した。

「ユウキー! どうすんのー?」
 アイラもニヤニヤしなが叫んだ。

 会場中の主要メンバーが全員、笑いながらユウキを見つめる。

「くそっ! どいつもこいつも馬鹿にしやがって!!」
 ユウキが怒りながら、列席者に向かおうとした瞬間、アンナとフィオナがユウキの手を引いて、同時にユウキの両頬キスをした。
 幸せの鐘が鳴り響き、一斉に祝福の拍手が送られる。

「もう、怒らない! ユウキは私達だけ見てればいいのよ」
 アンナが微笑んで話した。

「優柔不断の旦那様は私達が幸せにしてあげる!」
 フィオナも微笑んで話した。

 ユウキは再び顔を赤くして叫んだ。
「ちっくしょーー!! これじゃあ、格好がつかねぇじゃねーかー!!」


 幸せの鐘は鳴り響く。
 何度も、何度も、ユウキ達が微笑む度に。


   ◇ ◇ ◇


 約束の日やくそくのひまで残り1ヶ月を切った頃、世界中にめでたいニュースが駆け巡った。
 アンナとフィオナが同時に懐妊したという事で、三ヶ国全土から祝福の声が上がったのである。

「それにしても驚いたわ! まさか、同時に妊娠するなんてね!」
 アンジェラが微笑んで話した。

「やっぱり、約束の日やくそくのひを過ぎてからが良かったですかね?」
 アンナが心配そうに尋ねる。

「そんな事はないわよ。
世界中では、約束の日やくそくのひが近づくにつれ、気落ちしたり、精神的に参っちゃう人も少なくないけど、終焉の巫女しゅうえんのみこの懐妊のニュースは、そんな民達の心に希望の光を灯す事になるのよ。
実際、貴方達が結婚した時も、世界中の負の感情が弱まり、メーデイア達の力が強まるのを大分、防げたのよ」
 アンジェラが微笑んで応えた。

「体調的にも大丈夫って言ってたよな?」
 ユウキがアンジェラを見つめて尋ねる。

「そうそう。
ルナマリアもフィオナちゃんも魔族の血が流れてるでしょう?
約束の日やくそくのひを迎える頃、つまり、妊娠1ヶ月頃だけど、普通の人間なら精神的にも体調的にも少し変化が出始める頃だけど、魔族ならその心配はないわ。
魔族の妊娠における変化は、人間より2ヶ月遅れでくるし、比較的、症状が軽いから、約束の日やくそくのひまでなら全然、普段通り生活出来るし、戦闘にも支障は無い筈よ」
 アンジェラが3人を見つめて応えた。

「良かったぁ……」
 アンナがホッとして呟く。

 フィオナが椅子に座ったまま、嬉しそうに腹をさすりながら微笑む様子を見て、アンジェラが口を開く。
「フィオナちゃん、とても嬉しそうね」

「はい……! 私、子供が大好きな上に、ユウキお兄ちゃんとの子供だから……、なんだか夢みたいで……」
 フィオナが顔を上げて微笑んで応えた。

「なんか不思議な感じだよね! 私達のお腹の中にもう一つ命があるだなんて」
 アンナも微笑んで話した。

「胎動を感じ始めたら更に変な感じよ。それと同時に母親としての実感が湧いてくるわ」
 アンジェラが2人を見つめて話した。

「やっぱり出産は人間以外の種族でも辛いものなんですか?」
 アンナが心配そうに尋ねる。

「出産の辛さはどの種族も変わらないわ。
でも……、だからこそ、命は尊いのよ。
ユウキが生まれた時も、貴方達、2人が生まれた時も……、母親が命を削って自分と愛する人の子供を産むの。
そうして子供が産まれた時の感動は、一生の中でも忘れられないものになる筈よ」
 アンジェラが瞳を瞑って思い出しながら話した。

「父親には出来る事はないのか?」
 ユウキが心配そうにアンナとフィオナを見つめて尋ねた。

「たくさんあるわよ!
妊婦は体調や精神が変わると普通ではいられなくなるわ。それは本人にしか分からない事だけど、だからこそ夫はそんな妻を支える為に、事前に妊婦についての知識を身につけ、少しでもその気持ちを理解できるように努めなければならないのよ」
 アンジェラが真剣にユウキを見つめて話した。

「普通ではいられなくなるって例えば……?」
 ユウキがアンジェラを見つめて尋ねる。

「そうね……。例えばユウキにとっては理不尽な状況でイライラをぶつけられても、精神的に辛い妊婦にとっては理不尽ではないのよ。
だから、アンナやフィオナちゃんが辛そうにしてる時は話を聞いてあげて、出来るだけ世話をしてあげる事! そしてイライラをぶつけられても、それを素直に受け取ってイライラをぶつけ返すような事は絶対せずに、それでも側で支えてあげる事が重要なのよ。
出産はね、夫婦で力を合わせて乗り越えるものなのよ」
 アンジェラが応えると、3人は顔を見合わせて力強く頷いた。


 結婚式の後、アリシアとアレン、リリス、クシャナはカレント領土に戻り、ディアナとフレイヤも獣人族の村フランテールに戻り、修行を続ける事となった。
 比較的、国力が安定したシュタット領土は、ワクールとミア、王国騎士団に任せ、ユウキ、アンナ、フィオナ、アンジェラは、アナスタス領土のルナマリア城に移動し、首都ルーメリアの復興を進めていた。
 復興の基盤を作ったワクールの功績は大きく、殆どアンナとアンジェラが手を加える事なく復興は順調に進み、首都ルーメリアは、メーデイアに破壊される前と殆ど変わらない賑わいを見せるまでになっていた。


   ◇ ◇ ◇


 アンナとフィオナの懐妊報告から約1ヶ月後、日付は1999年12月31日。辺りはすっかり暗くなっていた。
 シュタット領土では、ワクールとミアが首都ダンダレイト周辺に500万近くの軍を、首都内には100万近くの軍を配置し、メーデイア達の未知の襲撃に備えていた。

「ミア、全ての準備は本当に整っているか?」
 作戦司令室でワクールがミアに尋ねた。

「もう、30分前にも整ってるって応えたでしょ? ワクール、緊張してる?」
 ミアが困った表情で話した。

「後、数時間で世界の命運が変わるんだ。準備し過ぎて悪い事はない。少しの抜けも許されないんだ。
それにミアは緊張していないのか?」
 ワクールがミアを見つめて尋ねた。

「私は、ほら……、ここ最近だと自分より強い相手としか戦ってないから、逆に緊張しなくなっちゃったな……。もう、全力を出す事しか出来ないから」
 ミアが苦笑いを浮かべて応えた。

「それでも、緊張する人間はするものなのだがな、この私のように……。だから、それはお前の精神が強いのだろう。
……ミア、今まで一度も言った事はないが、同期で王の盾となった時から思ってた事がある。……お前とこれまで戦えて本当に良かった。
お前が教えてくれたのだ。誰かの為に戦うということが、どれだけ一個体に大きな力を与えるのかという事を!」
 ワクールがミアを見つめて話した。

 ミアが驚いて目をパチクリさせて口を開く。
「はは……、ワクールらしくない。どうしたの急に? いつもダラしない私を褒めるなんて。
私が強くなれたのは、アリシア様の友愛の加護ゆうあいのかごのお陰だよ」

「ミア、確かに友愛の加護ゆうあいのかごは私達を何倍も強くしてくれているが、それならば基礎能力値で私より下回るミアは私には勝てない筈なんだ。
それなのに君は、時々、信じられない力を発揮し、私を超える力で仲間を救ってきた。
だから、私は君を誇りに思うよ」
 ワクールがミアの瞳を見つめて話すと、ミアがビックリした表情に変わった後、ワクールに顔を近づけて口を開く。
「もしかして、口説いてる?」

「馬鹿者……。もういい……」
 ワクールがミアに背を向けて話した。

「あはは、じょーだん! なんだか、ここ数年のワクールがワクールじゃないみたいだからさ。嬉しくって照れ隠しだよ……」
 ミアが背を向けたワクールの前に立って話した。

「言っただろう、エリーナのお陰だと……」
 ワクールが顔を伏せて話した。

「……でもさ、良いよ、ワクールなら」
 ミアが少し顔を赤くして微笑んだ。

「ん? 何がだ?」
 ワクールが不思議そうに尋ねる。

「もし、本当にワクールが私を口説く日が来たら、私が奥さんになってあげる」
 ミアが微笑んで話すと、ワクールが少し顔を赤くして、驚いた表情に変わり口を開く。
「また、私を揶揄からかっているな! 止めろ、そういう冗談は!」

「もう! これは本気なのに!
……まあ、今はいいや! それより今は目の前の試練を一緒に乗り越えようね!」
 ミアが微笑んでワクールに話すと、ワクールは頷いて口を開く。
「ああ、必ず!」


   ◇ ◇ ◇


 一方その頃、カレント領土のアリシア城では、アリシアとアレンが戦闘準備を終えて、玉座の間で来るべき時に備えていた。

「アリシア、軍の準備は出来た。
アンジェラ様の計画通り、王都周辺には500万の軍を配置し、近隣の大きな街にも一応、数十万程度の兵士を配置している。
万が一、王都以外が襲われても我々が駆けつける時間くらいは稼げる筈だ」
 アレンがアリシアに向かって話した。

「ありがとう、アレン。
……いよいよですね。
あと数時間で2000年にも及ぶ戦いにも決着がつきます!
……過去から今まで必死に生きながらも夢叶わず散った巫女達、そしてその従者とそれを支え続けた民達。
メーデイア……、いえ、暗黒神エレイオスの野望により消えた命の数だけその想い、祈り、願いがあり、私達はその意思を受け継がれました。
なんとしてもその願いを果たす為、全勢力を尽くし敵の野望を打ち砕かなければなりません!
アレン、共に 約束の日やくそくのひより先の未来を生きましょう!!」
 アリシアが話し終えると、アレンは力強く頷いて応えた。
「ああ、必ず!」


   ◇ ◇ ◇


 同時刻、獣人族の村フランテールの側にある精霊の泉では、ディアナ、フレイヤ、キース、ダイアナが武装した状態で、敵を待ち構えていた。

「ここに来ると思う……?」
 ダイアナがキースに向かって尋ねた。

「まず、間違いなく……。
ショロトルがディアナとフレイヤが話した通りの人物だとすれば、ショロトルにとって憎しみの対象であるフランテールの獣人族を根絶やしに来る筈だ。
その為にはまず邪魔な存在である我々を消さなければならない。
私達がこの運命の地で待っていれば、奴は必ず、ここに現れる筈だ。
……一応、戦いが始まる前にルナマリア様の先読みの力さきよみのちからで確認する手筈になっているが、私達はここで待っていれば問題ない筈だ」
 キースが真剣な表情で応えた。

 フレイヤはディアナを見つめながら槍を強く握った。
(リリィ……、君は私が必ず守る!
その為に父さんと母さんに修行をつけてもらったんだ!! 
長時間使えるようになったファントムモード。ショロトルを倒すまでは絶対に解かない! 例え、この命が尽きようとも!)

 自身を見つめていたフレイヤに気づいて、不思議そうにディアナが口を開く。
「私の顔に何かついているか……?」

「いや……、大きくなってもちっとも変わらないなって思っただけさ……」
 フレイヤが微笑みながら話した。

「なんだと! 私だって、幼い頃に比べれば強くなったし、大分、道にも迷わなくなったんだぞ! ……まあ、まだ迷う事も少しはあるが…………!」
 膨れた顔をしてディアナが怒った。

「はは……。ほら、その怒りっぽいところとか、頑固なところとかね」
 フレイヤが笑って応えた。

「お、怒りっぽいところはあるかもしれないけど、頑固ではないだろ!」
 ディアナがフレイヤを睨んで反論した。

「そうかな……? だって何度もお願いしてるのに、小さい頃、呼んでくれたみたいに"お兄ちゃん"って呼んでくれないじゃないか」
 フレイヤがニヤニヤしながら話した。

「し、しつこいぞ! 何度も言っているが、私はいい大人だし、私はお前の事が嫌いだ! なんでそんな相手をお兄ちゃん呼ばわりしなきゃならないんだ!」
 ディアナが顔を赤くして叫んだ。

「ははは……、本当に頑固だね、リリィは」
 フレイヤが微笑んで話すと、ディアナが槍を振り上げて叫ぶ。
「いい加減にしろ!」

「はははは! 冗談だよ。
ほら、今、動いちゃうと体力を消耗しちゃうよ?」
 ディアナの素早い突きを笑いながら難なく躱すフレイヤ。

「お前のせいだろうが!」
 精霊の泉の空にディアナの声が響いた。


   ◇ ◇ ◇


 巫女祀りの村みこまつりのむらエデンガルドの近隣の森では、眩い光が放たれていた。そこでは高エネルギーからなる磁場が発生し、その中心から突如、黒い歪みが出現した。
 すぐに黒い歪みの中から、60代過ぎの男と女が現れる。
 2人が森の中に降り立つと、黒い歪みは消え、辺りは暗闇に染まり、静まり返る。

「間に合った?」
 女が男を見つめて尋ねる。

「……ギリギリと言ったところだね」
 辺りの様子を見ながら男が応えた。

「良かった! ソフィアの計画通りね!」
 女が微笑みながら話した。

「ああ……。計画通り、ユウキとアンナが元の世界セインツから異世界ルインに移動した際に開いた次元の歪みに私達も無事、入れた!
私達の飛ばされる時間軸は、ユウキとアンナのようにソフィアの魔力で保護されていないから、運と私達の魔力次第だったが……、なんとか約束の日やくそくのひに間に合ったみたいだ。
まあ、私達がこの時間軸に飛ぶ事もソフィアは先読みしていたのだろうが……」
 男も微笑んで応える。

「それじゃあ、久しぶりに大賢者ミナトの復活って訳ね!」
 女が男を見つめて話した。

「いや、その名は捨てたよ。今は、神代三翔かみしろみとだ。
君もそうだろ? 優奈ゆうな!」
 ミトが叫ぶと同時に、月光が2人を照らし、2人の顔がはっきり見えるようになった。

「ええ! 私達の息子と娘を助けに行きましょう、ミト!!」
 ユウナがミトに向かって頷いて応えた。


   ◇ ◇ ◇


 アナスタス領土、ルナマリア城のエレノアの花が咲く庭で、ユウキ、アンナ、フィオナは並んで座ったまま、夜空を眺めていた。

「……いよいよね」
 アンナが呟く。

「いよいよだね」
 フィオナが応える。

「いよいよだな」
 ユウキも頷いた応えた。

「勝てると思う……?」
 アンナがユウキとフィオナを見つめて尋ねる。

「私達なら、怖いものは無いよ!」
 フィオナが笑顔で応える。

「……2人は俺が守る! 心配すんな!」
 ユウキが両脇に座る2人を交互に見て話した。

「それじゃあ、ユウキがピンチの時は……」
「私達が守るよ」
 アンナとフィオナがユウキを見つめて話した。

「ああ……、そうだったな。アンナもクリスティーナも、俺から守られてるだけの女じゃなかったな」
 ユウキが微笑んで応えた。

 少しの沈黙の後、城の方からアンジェラの声が響いてくる。
「ユウキ、ルナマリア、フィオナちゃん、時間よ!」

「行こう! 2人とも!」
 ユウキが立ち上がって2人に背を向け、アンジェラの方に向け、歩き出す。

 その時、アンナが静かに話し始めた。
「ねぇ、ユウキ、フィオナ!」

 2人がアンナの方を振り返る。

「……私、今日まで3人で過ごせた事、絶対に忘れないよ! 本当に幸せだったから」
 アンナが微笑んで叫んだ。

「ど、どうしたのルナマリア。急に……」
 フィオナが異様な雰囲気を感じ取って尋ねた。

 ユウキが少し怒った表情に変わり、口を開く。
「なんだその言い方は……? これから生き残る為に……、3人の未来を掴み取る為に戦おうって時に……、自分が死んでしまうような言い方すんじゃねーよ。お前らしくもない!」

「……3人の未来なんて来ないよ…………」
 アンナが寂しい表情に変わり呟いた。

「どういう意味だ……!?」
 ユウキが顔を曇らせて尋ねる。

「……約1年前にレナ様が現れた時に……、レナ様が教えてくれたの」
 アンナが涙を浮かべて微笑んで話した。

「な、何を……?」
 フィオナが尋ねる。

「お母様が最後の先読みの力さきよみのちからで見た、この戦いの結末……」

「なっ!?」
「えっ!?」
 ユウキとフィオナが同時に驚愕の表情を浮かべる。

「この戦いが全て上手くいって、もし、私達が暗黒神エレイオスの野望を打ち砕けても…………、私はもう2度と、2人には会えない…………」


 約束の日やくそくのひまで、残り1時間……!!
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