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第3章
合同作戦
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あれから、約1年後のルイン世紀1994年10月1日。ついに合同作戦の日となり、ユウキ達はカレント領土より沖合150kmの位置の軍艦の中にいた。
ユウキ達は約1年前、アナスタス領土に戻り、国内の軍事力拡大と自分達個人の力を修行の末、大きく上げていた。
アンナの神技、先読みの力は、知りたい未来を3時間先まで見通せるようになり、ほぼ全ての攻撃系の上位魔法を習得。
エリーナは元々、攻撃系の上位魔法を習得していたが、加えて回復系の上位魔法も習得し魔力自体も大きく上げていた。
ディアナは近接戦闘の分野で更に研鑽を重ね、ルナマリア勢力だけでなく、フィオナ勢力の武人達の中でも並ぶものがいないと称されるまでになっていた。
そして、ユウキは1年間の修行の末、近接戦闘だけならディアナに次ぐ実力を身につけていた。
さらに、先読みの力は、自分が関わる瞬間的な未来だけに限定されるものの、戦闘中に動きながら自分の意思で日に3回発現させることを可能としていた。
ユウキ達は合同作戦会議の為、軍艦内の大会議室に通された。
大会議室には、フィオナ、両国の上役、両国の各隊の隊長総勢200名が集まっていた。
両国が合同で考案した作戦は、軍艦で、西方と南方より、カレント領土を攻め入り、海岸線の兵団を倒し、王都サンペクルトを取り囲み、王都を制圧。
王都制圧後に、アリシア城に攻め入り、王の盾、王の剣を倒し、降伏させるというものだった。
フィオナが合同作戦を皆に伝えた後、アンナに頼んだ。
「ルナマリア、お願い!」
「うん、フィオナ!」
そうアンナは言うと、目を閉じて腕を下げたまま、掌だけ前方に見せるような構えをとった。
ズン!!
ユウキとフィオナは、アンナの神技を感じた。
ユウキとフィオナの目には、会議場内が黒い空間に包まれていく状態が見え、時間が圧縮する感覚を感じた。
神技を使えるもの同士には、力を使う際の感覚が共有されることを知っていて、ここ一年で何度もアンナの神技を見たユウキでさえ、アンナの神技の凄さは驚きを隠せないほど強力なものだった。
「何度、見てもルナの神技は凄いな……! これが本来の巫女の力か!」
ユウキが呟く。
アンナが目を閉じて、10秒程度が経ち、アンナが目を開いて汗を流し呟いた。
「この作戦では、駄目だわ…………」
会議場内がざわつく。
「ルナマリア、どこが駄目だったの?」
フィオナが尋ねる。
アンナが地図を見ながら、静かに解説を始めた。
「約一時間後にカレント領土より沖合約5kmの地点で前線がぶつかり合って開戦。
そこは、ユウキや、エリーナ、ディアナの主力部隊のお陰で善戦し、こちらも多少の被害はあるものの勝利を収めるわ。
問題は、その後。
アリシアの神技は王都サンペクルトから周囲1kmまで影響を及ぼすほど力を上げているわ。
アリシアが神技の創造の力で王都サンペクルトに迫った主力部隊の上に隕石を振らせて、主力部隊はそこでほぼ壊滅状態。
その時点まではユウキや、エリーナ、ディアナは生き残るけど、殆ど体力を削られている状態。
そこに、王の盾が現れて、部隊は全滅するわ」
「い……隕石? アリシアの力は、隕石も創造できるのか!?」
エリーナが驚愕し、周りも驚きを隠せない。
「アリシアの力に応じて上限はあるけど、今はある程度この世界に起こりうる事象やものならだいたい創造できるほど力をあげてるみたいね」
アンナが困った顔で話す。
会議場内は、静まりかえってしまった。
しばらくして、ユウキが口を開いた。
「ルナ、王国騎士団はどこにいた?」
「殆どが、王都サンペクルト周辺で待ち構えているわ」
アンナが応える。
「つまり、フィオナ城内には王の剣と王の盾以外、殆ど兵は配置してないって事だよな?」
ユウキが尋ねる。
「ええ、でもさっきも言ったでしょ?
城に辿り着く前にアリシアの神技で部隊は殆ど全滅してしまうのよ」
アンナが応えた。
「アリシアが神技を使えない所から攻めればいいんだ」
ユウキが応える。
「確かに私とルナなら王都から1km離れた位置で魔法を放ち、撃ち込むことは可能だが他の者には不可能だ。
城に到達する前に威力が落ちて消えてしまう。
私とルナで撃ち込んでも王の盾や、王の剣に打ち落とされるだけだ」
エリーナが応えた。
「違う! ここだよ」
ユウキがアリシア城を指差す。
会議場内がざわつく。
ユウキが続けて話す。
「開戦までの流れは同じだが、そこには俺とエリーナ、ディアナは配置しない。そこから、作戦を変える!
エリーナ、5人乗り用のスカイドラゴンを連れてきてただろ? あれに乗って、俺、エリーナ、ディアナの隠密部隊が他の主力部隊とは別に行動を開始。アリシアに感知されない上空5kmの地点より、飛び降りて急降下。エリーナの風魔法で着地の衝撃を和らげて無事に着地。
そこからはスピード勝負だ。
流石に着地した時点でアリシア側にはバレてるから、3人で急いで王の盾、王の剣を倒して王国騎士団を城に戻される前にアリシアを降伏させるんだ。
陸に上がった主力部隊は、サンペクルトより2km地点までは進行していいが、そこからは王都を包囲してアリシア側が逃げられないようにしてくれ!」
ユウキが、話し終えると皆は驚いた表情で固まった。
「た、確かに……、その作戦ならアリシアは創造の力で隕石を振らせることができない……。
しかし、隠密部隊の戦力が足りない。王の盾に3人それぞれが戦い、なんとかなったとしても、さらにその先には世界最強の男、王の剣が待ち構えている。
王の盾との戦闘で体力を消耗した我ら3人で王の剣に勝てるとは思えない」
エリーナが応えた。
少しの沈黙の後、アンナが口を開いた。
「私が出るわ!」
「それだけは、駄目だ! ルナ!」
エリーナが叫ぶ。
「聞いて、エリーナ。
私もみんなの役に立ちたくて必死に修行したわ! エリーナが私に魔法を教えてくれたから、一番知ってるでしょ?」
アンナが話す。
「それは、私がお前の近くにいない時、万が一の事態があった場合に自分で身を守れるように鍛えただけだ!」
エリーナが叫ぶように応えた。
「守られてばかりじゃ嫌なの! 私もみんなを守りたいわ!
それに、ユウキや、エリーナ、ディアナクラスの戦力なんて他にいないわ」
アンナがハッキリと応えた。
「…………ユウキ! お前からも言ってやれ!」
エリーナがユウキを見る。
少しして、ユウキが口を開いた。
「…………無茶だけはするなよ?」
「ユウキ!」
エリーナが止める。
「いつもとは、逆の立場になったわね……。
ユウキ、私は今が無茶する時なの!」
アンナが自信に満ちた目で応えた。
そのやり取りをみて、ついにエリーナが諦める。
「全く、なにがあっても知らんぞ!」
「作戦決定だ! この作戦でいこう!」
ユウキが皆を見つめた。
それは、会議が終わろうとした瞬間だった。
「私も行きます!!」
フィオナが声をあげる。
急いでフィオナ側の大臣や、上役が止めに入る。
「フィオナ様、おやめ下さい!」
「危険です! ここにいて下さい!」
すぐにユウキも止めに入った。
「フィオナ、お前は戦えないだろ? 戦場に来ても危険なだけだ!」
ユウキが言い終えると、フィオナは真剣な目つきに変わり、ユウキに掌を向け魔法を放った。
ドン!
ユウキの周りは一瞬赤い光に包まれた。
「なっ! なんだ? 攻撃力と防御力が大幅にアップした!」
ユウキが驚く。
「補助魔法だ! しかも、かなり高位の!」
エリーナも驚く。
「私は攻撃系の魔法と回復系の魔法は、下位のものしか使えませんが、補助魔法なら、殆どの魔法が使えるようになりました! お願いです! ユウキお兄ちゃん! 私も連れて行って下さい!!」
フィオナが訴える。
「凄いぞ! 元々、この世界には、補助魔法を使える者は希少なのだ!
しかも、このクラスの魔法を殆ど使えるとなると大幅な戦力アップだぞ!」
ディアナが応える。
ユウキがエリーナの方を見ると、エリーナは無言で頷いた。
「…………わかった。
でも、フィオナの神技は貴重だ。やばくなったら逃げてくれ!」
作戦会議は終わり、隠密部隊のメンバーが決まった。
それから1時間後、ユウキ、アンナ、フィオナ、エリーナ、ディアナは、スカイドラゴンの背に乗り、王都サンペクルトに向け飛び立った。
ユウキ達は約1年前、アナスタス領土に戻り、国内の軍事力拡大と自分達個人の力を修行の末、大きく上げていた。
アンナの神技、先読みの力は、知りたい未来を3時間先まで見通せるようになり、ほぼ全ての攻撃系の上位魔法を習得。
エリーナは元々、攻撃系の上位魔法を習得していたが、加えて回復系の上位魔法も習得し魔力自体も大きく上げていた。
ディアナは近接戦闘の分野で更に研鑽を重ね、ルナマリア勢力だけでなく、フィオナ勢力の武人達の中でも並ぶものがいないと称されるまでになっていた。
そして、ユウキは1年間の修行の末、近接戦闘だけならディアナに次ぐ実力を身につけていた。
さらに、先読みの力は、自分が関わる瞬間的な未来だけに限定されるものの、戦闘中に動きながら自分の意思で日に3回発現させることを可能としていた。
ユウキ達は合同作戦会議の為、軍艦内の大会議室に通された。
大会議室には、フィオナ、両国の上役、両国の各隊の隊長総勢200名が集まっていた。
両国が合同で考案した作戦は、軍艦で、西方と南方より、カレント領土を攻め入り、海岸線の兵団を倒し、王都サンペクルトを取り囲み、王都を制圧。
王都制圧後に、アリシア城に攻め入り、王の盾、王の剣を倒し、降伏させるというものだった。
フィオナが合同作戦を皆に伝えた後、アンナに頼んだ。
「ルナマリア、お願い!」
「うん、フィオナ!」
そうアンナは言うと、目を閉じて腕を下げたまま、掌だけ前方に見せるような構えをとった。
ズン!!
ユウキとフィオナは、アンナの神技を感じた。
ユウキとフィオナの目には、会議場内が黒い空間に包まれていく状態が見え、時間が圧縮する感覚を感じた。
神技を使えるもの同士には、力を使う際の感覚が共有されることを知っていて、ここ一年で何度もアンナの神技を見たユウキでさえ、アンナの神技の凄さは驚きを隠せないほど強力なものだった。
「何度、見てもルナの神技は凄いな……! これが本来の巫女の力か!」
ユウキが呟く。
アンナが目を閉じて、10秒程度が経ち、アンナが目を開いて汗を流し呟いた。
「この作戦では、駄目だわ…………」
会議場内がざわつく。
「ルナマリア、どこが駄目だったの?」
フィオナが尋ねる。
アンナが地図を見ながら、静かに解説を始めた。
「約一時間後にカレント領土より沖合約5kmの地点で前線がぶつかり合って開戦。
そこは、ユウキや、エリーナ、ディアナの主力部隊のお陰で善戦し、こちらも多少の被害はあるものの勝利を収めるわ。
問題は、その後。
アリシアの神技は王都サンペクルトから周囲1kmまで影響を及ぼすほど力を上げているわ。
アリシアが神技の創造の力で王都サンペクルトに迫った主力部隊の上に隕石を振らせて、主力部隊はそこでほぼ壊滅状態。
その時点まではユウキや、エリーナ、ディアナは生き残るけど、殆ど体力を削られている状態。
そこに、王の盾が現れて、部隊は全滅するわ」
「い……隕石? アリシアの力は、隕石も創造できるのか!?」
エリーナが驚愕し、周りも驚きを隠せない。
「アリシアの力に応じて上限はあるけど、今はある程度この世界に起こりうる事象やものならだいたい創造できるほど力をあげてるみたいね」
アンナが困った顔で話す。
会議場内は、静まりかえってしまった。
しばらくして、ユウキが口を開いた。
「ルナ、王国騎士団はどこにいた?」
「殆どが、王都サンペクルト周辺で待ち構えているわ」
アンナが応える。
「つまり、フィオナ城内には王の剣と王の盾以外、殆ど兵は配置してないって事だよな?」
ユウキが尋ねる。
「ええ、でもさっきも言ったでしょ?
城に辿り着く前にアリシアの神技で部隊は殆ど全滅してしまうのよ」
アンナが応えた。
「アリシアが神技を使えない所から攻めればいいんだ」
ユウキが応える。
「確かに私とルナなら王都から1km離れた位置で魔法を放ち、撃ち込むことは可能だが他の者には不可能だ。
城に到達する前に威力が落ちて消えてしまう。
私とルナで撃ち込んでも王の盾や、王の剣に打ち落とされるだけだ」
エリーナが応えた。
「違う! ここだよ」
ユウキがアリシア城を指差す。
会議場内がざわつく。
ユウキが続けて話す。
「開戦までの流れは同じだが、そこには俺とエリーナ、ディアナは配置しない。そこから、作戦を変える!
エリーナ、5人乗り用のスカイドラゴンを連れてきてただろ? あれに乗って、俺、エリーナ、ディアナの隠密部隊が他の主力部隊とは別に行動を開始。アリシアに感知されない上空5kmの地点より、飛び降りて急降下。エリーナの風魔法で着地の衝撃を和らげて無事に着地。
そこからはスピード勝負だ。
流石に着地した時点でアリシア側にはバレてるから、3人で急いで王の盾、王の剣を倒して王国騎士団を城に戻される前にアリシアを降伏させるんだ。
陸に上がった主力部隊は、サンペクルトより2km地点までは進行していいが、そこからは王都を包囲してアリシア側が逃げられないようにしてくれ!」
ユウキが、話し終えると皆は驚いた表情で固まった。
「た、確かに……、その作戦ならアリシアは創造の力で隕石を振らせることができない……。
しかし、隠密部隊の戦力が足りない。王の盾に3人それぞれが戦い、なんとかなったとしても、さらにその先には世界最強の男、王の剣が待ち構えている。
王の盾との戦闘で体力を消耗した我ら3人で王の剣に勝てるとは思えない」
エリーナが応えた。
少しの沈黙の後、アンナが口を開いた。
「私が出るわ!」
「それだけは、駄目だ! ルナ!」
エリーナが叫ぶ。
「聞いて、エリーナ。
私もみんなの役に立ちたくて必死に修行したわ! エリーナが私に魔法を教えてくれたから、一番知ってるでしょ?」
アンナが話す。
「それは、私がお前の近くにいない時、万が一の事態があった場合に自分で身を守れるように鍛えただけだ!」
エリーナが叫ぶように応えた。
「守られてばかりじゃ嫌なの! 私もみんなを守りたいわ!
それに、ユウキや、エリーナ、ディアナクラスの戦力なんて他にいないわ」
アンナがハッキリと応えた。
「…………ユウキ! お前からも言ってやれ!」
エリーナがユウキを見る。
少しして、ユウキが口を開いた。
「…………無茶だけはするなよ?」
「ユウキ!」
エリーナが止める。
「いつもとは、逆の立場になったわね……。
ユウキ、私は今が無茶する時なの!」
アンナが自信に満ちた目で応えた。
そのやり取りをみて、ついにエリーナが諦める。
「全く、なにがあっても知らんぞ!」
「作戦決定だ! この作戦でいこう!」
ユウキが皆を見つめた。
それは、会議が終わろうとした瞬間だった。
「私も行きます!!」
フィオナが声をあげる。
急いでフィオナ側の大臣や、上役が止めに入る。
「フィオナ様、おやめ下さい!」
「危険です! ここにいて下さい!」
すぐにユウキも止めに入った。
「フィオナ、お前は戦えないだろ? 戦場に来ても危険なだけだ!」
ユウキが言い終えると、フィオナは真剣な目つきに変わり、ユウキに掌を向け魔法を放った。
ドン!
ユウキの周りは一瞬赤い光に包まれた。
「なっ! なんだ? 攻撃力と防御力が大幅にアップした!」
ユウキが驚く。
「補助魔法だ! しかも、かなり高位の!」
エリーナも驚く。
「私は攻撃系の魔法と回復系の魔法は、下位のものしか使えませんが、補助魔法なら、殆どの魔法が使えるようになりました! お願いです! ユウキお兄ちゃん! 私も連れて行って下さい!!」
フィオナが訴える。
「凄いぞ! 元々、この世界には、補助魔法を使える者は希少なのだ!
しかも、このクラスの魔法を殆ど使えるとなると大幅な戦力アップだぞ!」
ディアナが応える。
ユウキがエリーナの方を見ると、エリーナは無言で頷いた。
「…………わかった。
でも、フィオナの神技は貴重だ。やばくなったら逃げてくれ!」
作戦会議は終わり、隠密部隊のメンバーが決まった。
それから1時間後、ユウキ、アンナ、フィオナ、エリーナ、ディアナは、スカイドラゴンの背に乗り、王都サンペクルトに向け飛び立った。
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