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白蛇

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重い瞼を無理矢理開ける。

目の前には見知らぬ人。
男か女かもわからない何かに、慌てて居住まいを正す。
「ふむ。会うのは二度目か」
言葉に前にあった大神の眷属の中にあったもう一つの気配を思い出す。
「我が子らは愛しいか?」
「えっと、山神様は大好きですし、神子様は愛らしいですよ」
突然の言葉に、素直に答える。
下手に嘘をついたり覆うよりは照れても素直に発したほうが喜びそうな気がして。

「そうかそうか」
パシパシと膝を叩く。
嬉しそうにしている姿に、性別どっちだろうと悩む。
だが特にわかるわけでもなく諦める。
「ところでこれだが」
浮かぶ蛇を見る。
なんだっけと首を捻る。
「中々の大物だな」
苦笑すると蛇が消える。
そう言うからには何か関係することなのだろう。
だが、一度終わったことだとどうも記憶から消えていくのは駄目だと反省する。
山神と
過ごす日々は絶対に忘れないのに。
山神が関わっているのなら思い出したい。
「自身の命を奪ったのに気にせぬか「ーーー」」
忘れていた名前にビクつく。
こらえ・・・と似た名前ではあったが正直、あの親に関することは忘れていたから驚く。
自分の名前だと理解したことにも。
「あれはお前の旦那の穢れを寄こした存在だ。お前ならどう処罰する?」
思い出してそういえば思いっきりやんちゃしてしまったと思い出す。
口調も兄弟子に舐められないようにと叩き込まれた物。
山神に聞かれていたとしたら恥ずかしい。
幼子の教育にも良くない。
後で取り作らなければと心に決める。
「ただ僕は十分、ウサを晴らしました。山神様のお好きなように、と」
「それもなぁ、お主が心配で、もう眼中にないのだよ。これの兄貴分も甘い判別を下すからと言って明言を嫌がるからな」
「大神様はどのようにお考えですか」
「程々に力を持っているからな。少し勿体無いので魂を真っさらにして神の子にしてもよい。が、よく思わぬものもいる。またこのまま消滅させててもいいが、この力を消すには勿体ない」
しばらくこらえ・・・は考える。
「一応確認ですが、僕の考えが間違っていなければ押し付ける気ですか?」
「褒美としてどれが良いか選別している最中だからな。望むならば。というところだ」
むしろ、それを狙っていた可能性も否めず。
こらえ・・・からすれば山神の子供がほしいという願いは叶うし、大神も今回の一件の後始末として押し付ける先ができるだろう。
元から子供を一番に考えていたのは理解できる。
「僕らと共に歩めるのですか?」
「さぁ。真っさらにするからな。夫婦に与えたときは基本真っさらだから影響を受けやすいのだ。元々褒美によしと思っていたのに便乗する予定だ」
こらえ・・・は頭を抱えそうになるのを耐える。
「その褒美については僕一人では答えが出せません。山神様にも聞いてください。ただ僕は考えているだろう褒美でも、むしろ光栄と思えます」
「そうか。まぁ、決定しても、まだまだ先の話になるだろう。まぁ、のんびり夫婦生活を楽しむと良い。お前の夫が穢れを押し付けなければもう少し早くも出来たが。「ーーー」よ。達者でな」
薄れていく景色にその名前で呼ばないでほしいと叫ぶ。
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