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幼い神様

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神々の看病を終えて最後の神が旅立つ。
「その、なんだ。よい嫁で羨ましい思うよ。山の。仲良くな。嫁さんももし、山のにイジメられたら風神に、伝えてくれればすぐに味方になりに来る」
「ありがたいお話です。山神様と喧嘩したときには仲裁をお願いいたします」
頭を下げこらえ・・・に山神はやらんからなと威嚇しながら見送る。
「やっと落ちいたな」
離れや今回遊戯用に作った場所を元に戻しながら呟く。
荷物はすでに眷属に片付けてもらっている。
前回のように遊び過ぎて片付けを忘れるようなことはない。
「ですが、山神様にプレゼントもできました」
先日の会合擬きは嫁たちも参加することができた。
しなければ病み上がりの神々を抑えるものや、支えることができないという理由からだった。

そんな中、こらえ・・・大神に頼まれた駒取り盤を売ることで金銭を得て山神へのプレゼント代にした。
ちなみに大神は山神に紙一重でなんとか勝てたことを気にしているらしく特訓するということで欲しただけ。
衝動買いは禁止されていなかったかと首を捻るが、笑い飛ばされた。
山神にプレゼントをすると聞きつけたのもあるのだろうが。
帯に刺さっている扇子を山神はなぞる。
「今回思ったのですが」
「うん?」
「神様って人より人らしいですね」
欲望に忠実すぎますと呟くこらえ・・・
「幻滅したか?」
「いえ。むしろ山神様はまだ抑え気味なのだと理解しました」
「そうか。さて、我々も少し休むか」
だがこらえ・・・は動かない。
どうしたのかと覗き込もうとするがその前にこらえ・・・が裾を握ってくる。
「山神様。正直、今緊張の糸が切れたのか歩こうとした瞬間倒れる気がします」
それを早く言え。
そう思いながら布団へと運ぶ。
震える脚にようやく気づく。
疲労が重なっていたのだろう。
今まで気づかなかったことに夫失格だと自分を責めてしまいそうになる。
いや。そんな後悔よりも先に休ませたい。
「全く」
「すいません」
「いや。今回は己も無茶させたからな」
布団に座らせれば、こらえ・・・は申し訳なさげ。
「大変でしたけど楽しかったんですよ。もちろん」
「そうか」
山神は微笑む。
眠そうに瞼が落ちているこらえ・・・を横に寝かす。
「今日はもう寝るといい」
「山神様もご一緒ですね」
体を擦り寄せられ、そうだなと布団に入る。
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