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神事と穢れ

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今日、うっかり外し忘れていた大神にマフラーについて問われた。

嫁に作ってもらった。
持ってきた干し芋や焼き芋も他の神々に進められ、持ってきた嫁の手作り。

等と少しだけ、ほんの少しだけ惚気させてもらった。
大神は豪快に笑うと嬉しそうに良かったなと言ってくれた。
知っているだろう事柄を今知ったかのように、喜び、怒り、悲しみ、楽しむ。
大神が全ての神の父母であり、慕われる理由はこういうところだろうと思う。
己の呪いの時に苦しんでいるときも必死に手を貸してくれたのだ。
物語を綴るように傍で未来を語った大神に感謝をしている。

「わしから言えるのは、お主の嫁を大切にしろ。そのような血族は長き人生でもそうそう他の神へと嫁がん。奇特な血族なのだから手放すようなことがないように」
「心に刻まさせていただきます」
「先程頼んだ嫁へ依頼の返事頼むぞ」
「伝えておきます」
そう告げて退席する。
「これも数奇なる運命のいたずらか」
ぽつりと零された言葉に振り返りそうになるのを耐える。


仲間たちの元へと行けば、既に席を用意してくれていたらしい。
誘われて向かう。
貢物の交換をどうしようか悩んでから眷属に頼む。
今回はこらえ・・・に食べ物をお土産に頼まれているのでそちらを優先にする。
装飾品はあまり好きではないらしいと教えてもらった。
山神からもらったものは何でも宝物だとも言ってもらえたのを思い出すと頬が緩む。
「よぉ。むっつり神。どうだった?」
風神の言葉に考えていたことを聞く。
「なぁ、己と嫁が出会うのはありえないことだったのか?後またそれで呼ぶなら貴様らのむっつり具合も話してやるぞ」
若干の脅しをかけるのは忘れない。
「知らん」
森神がぶった切る。
「あのお方の助言めいた独り言を鵜呑みにするな。それだけで生きていけるならば俺ら神は傀儡と変わらん」
「そうか。ならば己は必然だったと思っておく。愛らしいからなぁ」
「そうしとけ」
食事を軽く終えて、こらえ・・・への土産を考える。

「山の。干し芋とか焼き芋、すぐに売り切れになってたいたようです。前回までは見向きもされていなかったのに」
「現金なものだな」
そう言いながらも懐に入れている貴様らもどうなんだと視線を向ける。
なんのことだと視線を反らされる。

「まぁいい。嫁へ、土産でも買いに向かうか」
立ち上がり、俺達もそうするかと立ち上がっている。
「これ俺の嫁に合いそうだな」
「僕のお嫁さんの服にこれはどうかな」
海神が示す露出部位が多い服に、こらえ・・・で想像してしまい、慌てて打ち消す。
流石にこらえ・・・に不審な目で見られるだろう。

そういえば装飾品は苦手と聞いていた。
それにしてはあまり露出する服を好んで着ていないと思い出す。
ふと和装が目に入り、こらえ・・・に似合うかと触れようとして邪魔が入る。
目の前に遮られるようにして出てきたソロバンに固まる。
「呪われたらどうするんだ」
男神に邪魔をされる。
いつも事と申し訳無さに購入を決める。
「わかった。では購入しよう」
「呪われた相手に売る物なんてない。散った散った」
しっしと振り払われる。
それも仕方がないかと諦める。
たまにあることだが、こらえ・・・に聞かれていなくてよかったと思う。
「俺の土地がアイツのせいで呪われたらどうするんだ」
ぶつくさ言いながら山神を追い払う。
「あ、あいつぅうう!山の、大神に一言物申してもらおう!」
「いや。いい」
怒りを顕にする海神と、海神の言葉に同意し睨む友神たちを宥める。
というか、こらえ・・・がいなくともこいつらがいる時点で無理だったと思い直してとりあえず宥める。
「貴様らが怒って、少し冷静になれたし。あの色合いは嫁に、似合わんだろう。別のを」
ふと目に入った作務衣を見て、これは買えるかとその場にいた眷属を呼び止める。

「なぜ怒らん。ああいうところが、舐められるというのに」
森神がお腹を抑えており、慰められるように三人から肩を叩かれる。
むしろ他人が感情を爆発させているのを見ると冷静になれてしまうとはそれ以上は言えない。

一応こらえ・・・に喋るなと口止めしておく。
それぞれ相変わらず不服そうだがこらえ・・・に知られたら、その神にケンカを売りに行きそうで怖い。
そう説明したら全員納得したらしい。
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