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アオイの作るハンバーグには野菜を細切れにして混ぜ込む。
時には椎茸を入れたりもする。
特に椎茸は出汁が出ていて美味しいのだ。
「野菜混ぜこんでいいか」
夜は実家に食べに行っているとはいえ野菜が足りていないような気もするので聞いてみる。
あまり好んで食べないらしいが。
「手のひらサイズにしてくれるなら」
かさ増ししていいとレオンの掌を広げて見せてくる。
「味は、デミグラ?それともソース?」
「ソースかな。っていうか好きに作っていいんだけど」
「どんなのが好きなのかって気になったんだ」
レオンは胸を抑えてそれから顔を覆う。
「この天然め」
「ん?」
「いや。目玉焼きハンバーグにあうのならおまかせするよ」
「任された」
満面の笑顔にレオンは落ち着け俺と唱えている。
ご飯を食べ終え満足そうなレオン。
「あー。美味しかったぁ」
「そういえば外国にいたときはどうしてたんだ?」
「んー?ご飯?」
後片付けを終えてレオンを見ればソファーの横を叩くので座る。
髪の毛を嬉しそうに触って来るが、嫌じゃない。
もうされるがままになろうと諦める。
「じいちゃんばあちゃんが作ってくれてた」
「そういえば代々木の奥さんあまり見てないな」
「宝石商人だから各国飛び回ってるんだよ。俺はその宝石を使って個人でデザイナーやってるんだよ。今回は母さん親父の知り合い経由で日本の企業にコラボ頼まれたからじゃあ、ってこっちに来たんだ。向こうだと和風の柄って受けいいし、こっちこっちでは異国風のデザイン受け入れられるしな」
設けているのだと言っていたので一流なのかと眺める。
「そういうのって師匠がいるって聞いたけど?」
「いる。じいちゃんと学校の先生。じいちゃんの工房を受け継いだんだ。もともとじじいの老後の趣味だったらしいから独りでやってたんだけど」
髪の毛に触れて弄り回される。
普段ならやめろというが何故か心地よい触り方。
「じゃあ、終わったら帰るのか」
「まぁ、コラボが終わっても日本でしばらく活動しようかと思ってる。三年ぐらいかな。アオイもいるし。俺の国に来てくれるのがいいけど」
「それは」
何も縛られない異国で今一度生活するのもいいのかもと悩む。
レオンは髪の毛に触れながらゆっくりでいいと微笑む。
「そういえば襲うとかしないのか?」
「したいって言うまでは特別何かするつもりはないよ」
すでに抱きついたりしているのだがそれは単なるスキンシップなのだと判断する。
ちらりと盗み見れば優しく微笑んでいる。
時には椎茸を入れたりもする。
特に椎茸は出汁が出ていて美味しいのだ。
「野菜混ぜこんでいいか」
夜は実家に食べに行っているとはいえ野菜が足りていないような気もするので聞いてみる。
あまり好んで食べないらしいが。
「手のひらサイズにしてくれるなら」
かさ増ししていいとレオンの掌を広げて見せてくる。
「味は、デミグラ?それともソース?」
「ソースかな。っていうか好きに作っていいんだけど」
「どんなのが好きなのかって気になったんだ」
レオンは胸を抑えてそれから顔を覆う。
「この天然め」
「ん?」
「いや。目玉焼きハンバーグにあうのならおまかせするよ」
「任された」
満面の笑顔にレオンは落ち着け俺と唱えている。
ご飯を食べ終え満足そうなレオン。
「あー。美味しかったぁ」
「そういえば外国にいたときはどうしてたんだ?」
「んー?ご飯?」
後片付けを終えてレオンを見ればソファーの横を叩くので座る。
髪の毛を嬉しそうに触って来るが、嫌じゃない。
もうされるがままになろうと諦める。
「じいちゃんばあちゃんが作ってくれてた」
「そういえば代々木の奥さんあまり見てないな」
「宝石商人だから各国飛び回ってるんだよ。俺はその宝石を使って個人でデザイナーやってるんだよ。今回は母さん親父の知り合い経由で日本の企業にコラボ頼まれたからじゃあ、ってこっちに来たんだ。向こうだと和風の柄って受けいいし、こっちこっちでは異国風のデザイン受け入れられるしな」
設けているのだと言っていたので一流なのかと眺める。
「そういうのって師匠がいるって聞いたけど?」
「いる。じいちゃんと学校の先生。じいちゃんの工房を受け継いだんだ。もともとじじいの老後の趣味だったらしいから独りでやってたんだけど」
髪の毛に触れて弄り回される。
普段ならやめろというが何故か心地よい触り方。
「じゃあ、終わったら帰るのか」
「まぁ、コラボが終わっても日本でしばらく活動しようかと思ってる。三年ぐらいかな。アオイもいるし。俺の国に来てくれるのがいいけど」
「それは」
何も縛られない異国で今一度生活するのもいいのかもと悩む。
レオンは髪の毛に触れながらゆっくりでいいと微笑む。
「そういえば襲うとかしないのか?」
「したいって言うまでは特別何かするつもりはないよ」
すでに抱きついたりしているのだがそれは単なるスキンシップなのだと判断する。
ちらりと盗み見れば優しく微笑んでいる。
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