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第四章
王都1日目④
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「さぁ、そろそろ転移しようか。
では全員、陣の上に乗ってくれ」
おとしゃまの指示に従い、セバス以外の全員が転移陣の上に乗る。
「旦那座、留守の間は私にお任せください」
そうなのです。
セバスはこの家の家令として、わたし達一家が王都に行っている間、留守を預かってくれるのです。
頼もしい限りなのですよ。
「あぁ、セバス。留守の間は領地の事、この家の事をよろしく頼んだよ」
「かしこまりました。どうぞお任せください。
そしてどうかお気をつけて」
「ありがとう。では行ってくる。
『王都のタウンハウスに転移』」
おとしゃまの言葉に反応して、支柱の上の十二支が持つ珠が一斉に青白く輝く。
そして、その光は支柱の彫刻の溝を通って、足元の転移陣へと伸び、同じく青白く輝き始める。
どうやら転移陣が起動する様だ。
「お坊ちゃま、お嬢様方、いってらっしゃいませ」
「「「[行ってきますっ!!]」」」
わたしはお兄ちゃんズとお姉ちゃんと一緒に、セバスに挨拶をしながら手をぶんぶん振る。
するとセバスが微笑みながら、手を振り返してくれた。
十二支が持つ珠と、転移陣の青白い光がどんどん強く、濃くなり、目を開けていられない。
うにゃ~っ!!まぶしぃ~~っ!!!!
わたしはぎゅっと目を瞑って、おとしゃまの腕に抱きつく。
そして次の瞬間、ふわっと体が浮く感覚におそわれ、その後、今度はふわっと着地する感覚におそわれる。
今のが転移陣での移動する時の感覚なのかな??
アレだね、エレベーターが動く時と、止まる時のちょっとした浮遊感に似てるかも。
「エル、もう目を開けても大丈夫だよ」
目を瞑りながら、転移の浮遊感について考えていると、おとしゃまから声をかけられる。
恐る恐る目を開いてみると、そこは領地の家の地下とはまた別の場所だった。
でも、12本の支柱とその上の動物の彫刻、足元の転移陣は同じ。
自分の家の地下と、この場所の違いを探しなから、キョロキョロと辺りを見回す。
すると、我が家に残ったはずのセバスと目がパチリと合う。
えっ??はぁ~っ!?!?
「えっ…、ちぇばちゅ??」
「旦那様。奥様。お坊ちゃま、お嬢様方。
王都のタウンハウスにようこそお越しくださいました」
「ほぇぇ~っ!?!?」
声も、左手を胸に当てお辞儀をする所作も、セバスにそっくりっ!!
ドッペルゲンガー、ドッペルゲンガーだよぅ…っ!!。
「あぁ、エルはチャールズの事は、見るのも聞くのも全く初めてだったね。
彼はね、我が家の家令セバスチャンの双子の弟だよ」
おとしゃまがくすくす笑いながら、ドッペルゲンガーの正体を教えてくれる。
「改めまして、エルシーアお嬢様。
私はセバスチャンの双子の弟、チャールズと申します。
此度はエルシーアお嬢様にお会いできて、大変嬉しゅうございます」
「あっ…、はい。
わちゃし えりゅちーあ れしゅ」
チャールズさんからご丁寧な挨拶をもらってしまい、わたしは戸惑いながらも名前を名乗る。
「ふふっ。ありがとうございます。
では皆さま、地下を抜けてサロンに参りましょう。
そこで皆さまのお世話をさせていただく者を紹介いたします」
そう言って、チャールズさんは先導をしながら歩き出した。
では全員、陣の上に乗ってくれ」
おとしゃまの指示に従い、セバス以外の全員が転移陣の上に乗る。
「旦那座、留守の間は私にお任せください」
そうなのです。
セバスはこの家の家令として、わたし達一家が王都に行っている間、留守を預かってくれるのです。
頼もしい限りなのですよ。
「あぁ、セバス。留守の間は領地の事、この家の事をよろしく頼んだよ」
「かしこまりました。どうぞお任せください。
そしてどうかお気をつけて」
「ありがとう。では行ってくる。
『王都のタウンハウスに転移』」
おとしゃまの言葉に反応して、支柱の上の十二支が持つ珠が一斉に青白く輝く。
そして、その光は支柱の彫刻の溝を通って、足元の転移陣へと伸び、同じく青白く輝き始める。
どうやら転移陣が起動する様だ。
「お坊ちゃま、お嬢様方、いってらっしゃいませ」
「「「[行ってきますっ!!]」」」
わたしはお兄ちゃんズとお姉ちゃんと一緒に、セバスに挨拶をしながら手をぶんぶん振る。
するとセバスが微笑みながら、手を振り返してくれた。
十二支が持つ珠と、転移陣の青白い光がどんどん強く、濃くなり、目を開けていられない。
うにゃ~っ!!まぶしぃ~~っ!!!!
わたしはぎゅっと目を瞑って、おとしゃまの腕に抱きつく。
そして次の瞬間、ふわっと体が浮く感覚におそわれ、その後、今度はふわっと着地する感覚におそわれる。
今のが転移陣での移動する時の感覚なのかな??
アレだね、エレベーターが動く時と、止まる時のちょっとした浮遊感に似てるかも。
「エル、もう目を開けても大丈夫だよ」
目を瞑りながら、転移の浮遊感について考えていると、おとしゃまから声をかけられる。
恐る恐る目を開いてみると、そこは領地の家の地下とはまた別の場所だった。
でも、12本の支柱とその上の動物の彫刻、足元の転移陣は同じ。
自分の家の地下と、この場所の違いを探しなから、キョロキョロと辺りを見回す。
すると、我が家に残ったはずのセバスと目がパチリと合う。
えっ??はぁ~っ!?!?
「えっ…、ちぇばちゅ??」
「旦那様。奥様。お坊ちゃま、お嬢様方。
王都のタウンハウスにようこそお越しくださいました」
「ほぇぇ~っ!?!?」
声も、左手を胸に当てお辞儀をする所作も、セバスにそっくりっ!!
ドッペルゲンガー、ドッペルゲンガーだよぅ…っ!!。
「あぁ、エルはチャールズの事は、見るのも聞くのも全く初めてだったね。
彼はね、我が家の家令セバスチャンの双子の弟だよ」
おとしゃまがくすくす笑いながら、ドッペルゲンガーの正体を教えてくれる。
「改めまして、エルシーアお嬢様。
私はセバスチャンの双子の弟、チャールズと申します。
此度はエルシーアお嬢様にお会いできて、大変嬉しゅうございます」
「あっ…、はい。
わちゃし えりゅちーあ れしゅ」
チャールズさんからご丁寧な挨拶をもらってしまい、わたしは戸惑いながらも名前を名乗る。
「ふふっ。ありがとうございます。
では皆さま、地下を抜けてサロンに参りましょう。
そこで皆さまのお世話をさせていただく者を紹介いたします」
そう言って、チャールズさんは先導をしながら歩き出した。
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