上 下
37 / 166
第二章

わたしの日常⑥

しおりを挟む
さてさて本日の、精霊さんどこまで認識してるの問題もひとまず落ち着き、今は夜のおやすみ準備中です。 

ここはおとしゃまとかぁしゃまの寝室。まだまだひとりで寝るのはさみしいので、おとしゃまとかぁしゃまに挟まれて眠るのです。

おとしゃまは今日は帰りが遅かったので、ひとりでごはんを食べて、ただいま入浴中。

この家ねぇ、流石お貴族さまっていうか、各々の部屋にお風呂が付いているんだよ。それに家族みんなで入る事のできる大浴場もあるの。
今日は大浴場だったんだけど、流石にひとりでは入れないから、ウィルにぃと一緒に入りました。そりゃあもう丁寧に丁寧に洗われました。疲れた…。

体もポカポカだし、もうね、わたしはネムネムなのですよ。
今はかぁしゃまが添い寝してくれて、お腹をぽんぽんってリズムよく優しくてたたいてくれている。
ああ、かぁしゃま。それをされるとエルはすぐに寝てしまうのです。
おとしゃまのお顔が見れないのは残念だけど、もう限界…。うとうとしてきました…。

「エルちゃん。おやすみ。いい夢を」

とかぁしゃまが、おでこにチュってしてくれる。
おやすみなさい…。かぁしゃま…。




「エル、エル。おはよう。朝だよ」

うみゅ~っ…。わたしはまだまだ眠いですよ。 
イヤイヤをしながらお布団の中でゴソゴソする。
ん??このわたしに巻き付いている太い腕は…
段々と覚醒してきて、ハッと目を覚ますと眩しい笑顔を浮かべたテライケメン。
笑顔が眩し過ぎて目がぁ~っ目が~っ…。
あっ、おとしゃまでしたか…。こりゃ失礼…。

「さぁ、エル。起きようね」

おとしゃまがわたしのふくふくほっぺにチュッとおはようのあいさつをしてきます。
そして今度は期待に満ちた目でわたしを見てきます。コレはアレですね。
わたしも朝のあいさつをしないと逃げられないやつ…。ここは気合いを入れて、

とーしゃ はーよおとしゃま、おはようございます」 

と声をかけながら、おとしゃまのほっぺにチュッとします。
すると何ということでしょう…。おとしゃまの顔がデロデロに崩れるのです。
おとしゃま…。顔面がスゴイ事になってますよ。

「あら。エルちゃん。起きたのね。おはよう」

かぁしゃまも、チュッとふくふくほっぺにおはようのあいさつをしてくれます。

かぁしゃ はーよかぁしゃま、おはようございます

わたしも、かぁしゃまにチュッと朝のごあいさつ。

「フィリー。あなたも、おはよう」
「ああ、おはよう。ハリー」

『フィリー』はおとしゃまの愛称で、『ハリー』はかぁしゃまの愛称。
愛称で呼び合いながら、チュッチュッとお互いに朝のごあいさつ。
うひゃ~っ!!見ているこっちが照れますなぁ。
まぁ、これがおとしゃまとかぁしゃまの日課で通常運転らしいけど。
夫婦仲がいい事は、良き事かな。

「さぁ、エルちゃん。お顔を洗って、お洋服に着替えましょうね」

そう言いながら、かぁしゃまが濡らしたタオルで優しく顔を拭ってくれる。そして、かぁしゃまに手伝ってもらいながらお着替えです。

わたしがかぁしゃまに着替えさせてもらっている間に、おとしゃまは自分の専属従者を呼んで着替える。

「さぁ、エル。お母さまがお着替えする間、お父さまとお喋りしようか」

かぁしゃまは自分のお部屋でお着替えです。
その間、寝室にあるソファーに座った、おとしゃまの膝の上。

「エルは今日いち日、何をして過ごすんだい?」

う? うんしょ おしょと いきゅん?あのね、お外で遊ぶの

「そっか。エルはお外で遊ぶのが好きなんだね。ただ、ケガをしない様にお母さま達の言う事をよく聞くんだよ」

うん わきゃる したっ!!うん。わかったよっ!!

「そうかい?エルはお利口さんだし、可愛いなぁ~」

あっ…。
さっきまで優しく話かけてくれていた、おとしゃまがデロデロモードになった。
おとしゃま、一見すると冷たく見えるのに、ギャップが激しいな。

「あらあら。あなたったら。
エルちゃん、お母さまのお着替えも終わったから、朝ごはんを食べに行きましょうか」

おとしゃまの様子を見て、かぁしゃまがくすくすと笑っています。
かぁしゃま、朝から美人で可愛いですね。

わたしも成長したら、かぁしゃまみたいになれるかな?
しおりを挟む
感想 220

あなたにおすすめの小説

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

裏の林にダンジョンが出来ました。~異世界からの転生幼女、もふもふペットと共に~

あかる
ファンタジー
私、異世界から転生してきたみたい? とある田舎町にダンジョンが出来、そこに入った美優は、かつて魔法学校で教師をしていた自分を思い出した。 犬と猫、それと鶏のペットと一緒にダンジョンと、世界の謎に挑みます!

【完結】天下無敵の公爵令嬢は、おせっかいが大好きです

ノデミチ
ファンタジー
ある女医が、天寿を全うした。 女神に頼まれ、知識のみ持って転生。公爵令嬢として生を受ける。父は王国元帥、母は元宮廷魔術師。 前世の知識と父譲りの剣技体力、母譲りの魔法魔力。権力もあって、好き勝手生きられるのに、おせっかいが大好き。幼馴染の二人を巻き込んで、突っ走る! そんな変わった公爵令嬢の物語。 アルファポリスOnly 2019/4/21 完結しました。 沢山のお気に入り、本当に感謝します。 7月より連載中に戻し、拾異伝スタートします。 2021年9月。 ファンタジー小説大賞投票御礼として外伝スタート。主要キャラから見たリスティア達を描いてます。 10月、再び完結に戻します。 御声援御愛読ありがとうございました。

異世界母さん〜母は最強(つよし)!肝っ玉母さんの異世界で世直し無双する〜

トンコツマンビックボディ
ファンタジー
馬場香澄49歳 専業主婦 ある日、香澄は買い物をしようと町まで出向いたんだが 突然現れた暴走トラック(高齢者ドライバー)から子供を助けようとして 子供の身代わりに車にはねられてしまう

野草から始まる異世界スローライフ

深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。 私ーーエルバはスクスク育ち。 ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。 (このスキル使える)   エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。 エブリスタ様にて掲載中です。 表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。 プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。 物語は変わっておりません。 一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。 よろしくお願いします。

転生テイマー、異世界生活を楽しむ

さっちさん
ファンタジー
題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

処理中です...