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第一章

神界で…③

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「紗代ちゃん。はい、お茶とお茶請けのどら焼きね」

みつきちゃんが残念イケメンさん以外の全員にお茶とお茶請けを配る。

「ありがとう。みつきちゃん」

「さて、では未だクズグズと泣き続けるそこの阿呆の言い訳を聞こうかのう」

天照大御神様が上品な所作でお茶をすすりながら、残念イケメンさんを睨む。

「う…っ、うぅぅ…。ズビっ、チ~ンッ。はぁ~っ。
では、今回の件の説明をさせていただきます」

どこからか取りどしたハンカチで涙と鼻水を拭い、残念イケメンさんが切り出す。

「此度は大変申し訳ありませんでした~っ‼」

ガバァ~っと両手をつき、頭が地面につくほどの土下座を残念イケメンさんが繰り出す。

「えっ‼えぇぇ~~っ⁉ナニ⁉なんですか!?」

あまりにもいきなりな行動に、いつきちゃんとみつきちゃんに助けを求めて視線を向ける。
しかし、ふたりとも「このお茶もどら焼きも美味しいねぇ~っ✨」などと我関せずのポーズ。
天照大御神様も「そうであろう、そうであろう。この大納言小豆の餡がたまらないであろう」とこちらも我関せずのポーズ。

ここは自分でどうにかするしかないっ‼と

「とりあえず、頭を上げてください‼」

いきなりの平伏のポーズ(?)に引きながら、残念イケメンさん頭を上げるように促す。

「ありがとうございます。紗代さんは優しい…。あっ、紗代さん。わたくしの名前ですが、『残念イケメンさん』ではなく、エアネストと申します。よろしくお願いしますね」

うえっ⁉
なんでだ⁉
なんでわたしが心の中で『残念イケメンさん』って呼んでた事を知ってるんだろ?
まさか…、わたしの心の中を読んでる…??

「そうですよ、紗代さん。私、今はこんなにもアレな状態ですが、これでも神なので。まぁ、この世界の日本の神ではありませんが…」

「は…はぁ…、そうですか…」

残念イケメンさんもといエアネスト様が未だ残念な顔をキリッとさせて神と名乗るがなんとも締まらない。

「エアネストよ、そなたの見るに耐えん顔面と服装をどうにかせい。紗代が戸惑っているであろう」

天照大御神様が戸惑いを隠せないでいるわたしに助け舟を出してくれた。

「そうですね、此度の件を説明するのに、今のままの状態は締まりませんし、紗代さんに失礼になりますからね」

そう言って、エアネスト様が指をパチンッと鳴らすと、キラキラとしたエフェクトとともに顔の傷やボロボロだった髪や服装が元通りになっていく。ただし、土下座の状態で。

「さて、紗代さん。改めまして、私はエアネスト。そして、あなたは死にました」
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