211 / 303
おまけ 87
しおりを挟む「ぁ っぁんっ……ぅ……うぅ……おおき 」
「大きいのは膨らみ始めているからだ」
冷静に言い返してみるが妙な汗が吹き出そうになるのは、はるひが無意識に漏らす言葉のせいだ。
こちらを煽ろうとして言っている言葉でないのはよくわかっているのだが、悩ましげな鼻にかかる甘い声で煽るようなことばかりを言ってくる。もちろんそれがこちらをどうこうしようとして言った言葉でないのはよくわかってはいるが、堪らないものは堪らない。
喉を低く鳴らしながら耐えるのも限度があると言うものだ。
反射的に出てしまう唸り声を恐ろしく感じて欲しくなくて、はるひの頬をそっと包んでできるだけ安心するように「好きだ」と言葉に出す。
「 ぅっ」
かぁっと体の赤みが増して、はるひはくすぐられたように身を捩って顔を反らしてしまうから、追いすがってその耳元で「愛している、好きだ、はるひがいなければ生きていけない」と俺にでも言えそうなセリフを繰り返す。
兄ならばもう少し気の利いた言葉を言えただろうが、俺にはこれが精いっぱいだった。
「ぁ、 ぁあっ、ゃ、耳っ ぅンっ! ん゛っ……」
ぶるぶると震える体は恐ろしさに震えているようではなかったが、快感でとろけているようにも思えない。
「はるひが俺のすべてだ、はるひ、愛してる」
啄むようなキスと言葉と愛撫を繰り返しながら根元まではるひの中に埋め込み、ほぅ と息を吐いた。
いつも触れる手前側は慣れているような感触だったけれど、奥の方はまったく開発されていなかったからかきつく狭い。
それが、征服感を満たして……
「嬉しい、はるひの中、温かくて柔らかくて、なのにぎゅっと俺を離さないって言っているみた 」
「もうダメっ」
ぶる とひと際大きく体を震わせると、はるひは俺の口を押えて真っ赤な顔で睨みつけてくる。
やはり、言葉が定型文過ぎて怒っているのだろうか?
「はるひの体は甘く、可愛らしく、なのに淫らに誘うようでいやらしい、赤いここも、必死に立ち上がっている可愛らしいここも、すべてが愛おしい」
「~~~~っゃっ も、もうっもうもうっ」
耳を押さえてぼろぼろと涙を零す姿は可哀想だけれど、今の俺にとっては弱った獲物だった。
「まるで宝石のような涙も、濡れてダイヤのように光る瞳も美しい。はるひは見る度に美しくて、俺はその度にはるひを番にできた幸運に感謝するんだ」
「 ────っ‼︎」
まるで息が足りないとでも言うように口を震わせて、はるひはいやいやと首を振る。
前国王陛下のように詩に精通していれば、こんなに怒らすことはなかったのかもしれない。
2
お気に入りに追加
480
あなたにおすすめの小説
転生したけど赤ちゃんの頃から運命に囲われてて鬱陶しい
翡翠飾
BL
普通に高校生として学校に通っていたはずだが、気が付いたら雨の中道端で動けなくなっていた。寒くて死にかけていたら、通りかかった馬車から降りてきた12歳くらいの美少年に拾われ、何やら大きい屋敷に連れていかれる。
それから温かいご飯食べさせてもらったり、お風呂に入れてもらったり、柔らかいベッドで寝かせてもらったり、撫でてもらったり、ボールとかもらったり、それを投げてもらったり───ん?
「え、俺何か、犬になってない?」
豹獣人の番大好き大公子(12)×ポメラニアン獣人転生者(1)の話。
※どんどん年齢は上がっていきます。
※設定が多く感じたのでオメガバースを無くしました。
総受けルート確定のBLゲーの主人公に転生してしまったんだけど、ここからソロエンドを迎えるにはどうすればいい?
寺一(テライチ)
BL
────妹よ。にいちゃんは、これから五人の男に抱かれるかもしれません。
ユズイはシスコン気味なことを除けばごくふつうの高校一年生。
ある日、熱をだした妹にかわって彼女が予約したゲームを店まで取りにいくことに。
その帰り道、ユズイは階段から足を踏みはずして命を落としてしまう。
そこに現れた女神さまは「あなたはこんなにはやく死ぬはずではなかった、お詫びに好きな条件で転生させてあげます」と言う。
それに「チート転生がしてみたい」と答えるユズイ。
女神さまは喜んで願いを叶えてくれた……ただしBLゲーの世界で。
BLゲーでのチート。それはとにかく攻略対象の主人公への好感度がバグレベルで上がっていくということ。
このままではなにもしなくても総受けルートが確定してしまう!
男にモテても仕方ないとユズイはソロエンドを目指すが、チートを望んだ代償は大きくて……!?
君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、他の人と恋を始めようとするが…
「お前なんて知らないから」
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
【完結】ワンコ系オメガの花嫁修行
古井重箱
BL
【あらすじ】アズリール(16)は、オメガ専用の花嫁学校に通うことになった。花嫁学校の教えは、「オメガはアルファに心を開くなかれ」「閨事では主導権を握るべし」といったもの。要するに、ツンデレがオメガの理想とされている。そんな折、アズリールは王太子レヴィウス(19)に恋をしてしまう。好きな人の前ではデレデレのワンコになり、好き好きオーラを放ってしまうアズリール。果たして、アズリールはツンデレオメガになれるのだろうか。そして王太子との恋の行方は——?【注記】インテリマッチョなアルファ王太子×ワンコ系オメガ。R18シーンには*をつけます。ムーンライトノベルズとアルファポリスに掲載中です。
【第1章完結】悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼第2章2025年1月18日より投稿予定
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる