72 / 192
濡羽と黄金
3
しおりを挟む「やっ、駄目っ……こんな所では……」
「じゃあ部屋に戻ろうか?」
ひく と彼の喉が震えた。
俺の示すそれが、肌を舐めさせることに留まらないのを分かったのだろう。
逡巡と誘惑。
俺は彼を蹴落とすために、じわりと蜜を漏らし始めた先端を苛む。
「 っ」
背筋を駆け上がった痺れに屈するように、彼は小さく頷いた。
戸も窓も閉めた部屋の空気はどろりと湿って重く苦しい。
けれどそれも些細なことで……
翠也の着物の裾を絡げて下半身をむき出し、小さな蕾を苛む頃にはどうでも良くなっていた。
るりのものとは違う、日本人らしい肌理の細やかな乳白色の肌。
「あっ」
胸の尖りを吸い、軽く歯を立てながら先端をくすぐる。
「 ふぅ、あ……」
自らの上げる嬌声が恥ずかしいのか、つい漏れる度にはっとして口を噤む様が可愛らしくて、繰り返しわざと声が出るようにしてやると、赤い目元で柔らかく睨まれてしまう。
「ふふ、ごめんよ」
唾液で濡れた胸の飾りが、障子を透かして入った光にてかりと光り、いやらしく誘うように立ち上がっている。
「……綺麗だ」
そう、美しい。
俺の手で手折った翠也と言う花は、腕の中でますます華やかに咲き誇ろうと懸命で、貪欲にさえも見える。
こちらが与える愛撫の反応に戸惑いながらも受け入れ、嬉しそうに応える姿はさながら一つの作品を作るのにも似て……
清らかなまま堕ちる姿に、ごくりと喉が鳴る。
「……卯太朗さん」
丁子油を塗った指で翠也の内を探ると、細い指がきつく服を掴んでその緊張を伝えてきた。
「そんなにしがみつかなくとも」
「わ、分かってはいるのですが……」
そこは一度不埒ものの侵入を許したとは言えまだ処女のそれのように硬く、指一本でもきついほどだ。
ぬるつく指で入り口を解し、玄上に教えてもらった場所を探る。
「ひ、ぃあっ!」
甲高い声と共に翠也が飛び上がった。
「ん、気持ちいいかい?」
「な、なんですか……?」
翠也の声は完全に怯えていて、指を再び動かそうとするともがいて逃げてしまう。
「いや、だったかい?」
るりのあの狂い様を思い出すと、決して悪いような場所ではないと思うのだけれど……
「ぃ、いや……と、言うより……」
ん? と穏やかに尋ね返しながら翠也の肩を掴んで引き寄せ、するりと起立を触ってやると、引いていた身が微かに擦り寄る。
「ぁ、んっ」
「何? 教えて?」
「……お、おかしくなりそうで」
緩く扱いていた手を滑らせて、丁子油で滑るすぼまりに触れた。
「やぁっ! 本当にっそこは 」
震える彼の手を片腕で抑え込み、有無を言わさず指で犯す。
0
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
普通の男の子がヤンデレや変態に愛されるだけの短編集、はじめました。
山田ハメ太郎
BL
タイトル通りです。
お話ごとに章分けしており、ひとつの章が大体1万文字以下のショート詰め合わせです。
サクッと読めますので、お好きなお話からどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる