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準備室
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しおりを挟む視線を感じていた。
威とは同じクラスで、どうしても会わないで済ます…と言うことは無理だった。
クラスが一緒になったときにはあんなにも喜んだことが、重くのしかかって息をするのも辛く、休み時間の度に、何か言いたげに近寄ってくる威から逃げ回ることに、葉人は神経をすり減らしていた。
「どしたん?具合悪いん?」
2クラスの合同授業のときに、傍に座った鷹雄にそう尋ねられて曖昧に笑って返す。
「なんでもないよ…」
「この前も具合悪そうやったやろ。早めに保健室行きや?」
茶髪に制服を着崩し、ともすれば不良のようにも見えないこともない鷹雄の意外な言葉に、思わず苦笑いが零れる。
「寝不足なだけだよ」
「ふぅん?」
カチャカチャと、興味なさ下に携帯を弄る鷹雄を見ていると、
ぴ…ぴぴ…
制服のポケットに入れてあった携帯がかすかに音を立てた。
「あかんよ、音切っとかな。せんせらぁ来たらうるさいで?」
「あ、うん…ごめん」
そう注意されながら携帯を見ると、光彦から『昼休みに化学室においで』と簡潔なメールが来ていた。
ぴぴぴ…ぴ…
返事を出そうとした瞬間鳴り出した音に、びくりと震えると鷹雄が怪訝な顔をしてこちらを見てきた。
「渋い曲使ってんな」
「え?」
その曲はフェネクスからの受信を知らせるものだった。
鷹雄の言葉に、思わず尋ね返す。
「この曲…知ってるの?」
「こう見えてクラシック意外と知ってんねん」
小さい子らからヴァイオリン教室に通わされて…と、長くなりそうな鷹雄の話をさえぎると、唇を尖らせて不満そうに鷹雄は曲名を言った。
「悪魔のトリルや、それ」
知らないで使ってんのか?と言われ、葉人は曖昧にうなずいて返した。
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