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痴漢
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しおりを挟むそれが男のナニだと言うことはすぐに気づいた。
葉人の唇の端に、笑みが浮かぶ。
猛るそれを確かめるように撫で回し、先端の敏感な穴に指先をやると、先走りのぬるりとした感触が葉人の手を伝い、自分がそれを擦りあげると、まるで褒美のように葉人のモノも擦りあげてくる。
「…ふ……」
声を漏らさないように唇を噛み、周りにばれないように手を動かす。
「…ぁ……」
「ん?」
「う…うぅん、あくび」
袋を揉まれ、思わず漏れた声にはっと我に返ってごまかす。不審な顔をされたが、幸いそれ以上の事は聞かれなかったし気づかれなかった。
威には…気づかれたくないな…
痴漢の与えてくる快感に曇った頭の隅で呟く。
「寝不足か?」
「…うん」
男らしい顔を見上げると、幼い頃から変わらない優しい瞳がこちらを見て微笑んだ。
「なぁ、威は……」
……威は俺に、酷いことしない…?
「…なんでもない」
「ん?気になるなぁ」
「ごめん」
葉人の手の中で、ぬちゃぬちゃと聞こえてしまいそうな程先走りで濡れたそれは、硬度を増してブルリと震えたのがわかった。
手の中に熱い液体が溢れる。
「あっ」
自分が達してしまうと、痴漢はまだイっていない葉人を放り出してさっさと手を引っ込めてしまった。
ぎゅっと噛み締めた唇が赤く充血して艶を持つ。
「やっと着くな」
「っ!…」
イけていないもどかしさに涙が滲んだが、威の言う通りバス停へと入っていくところだった。
慌てて服を整え、鞄で前を隠しながら降りるが、起立したままのモノが邪魔をしてすんなり歩く事ができずによろめく。
「…いっ……」
「葉?やっぱり具合悪いのか?」
布で擦れる感触に、こらえきれずに塀へともたれる。
歩き出した威が慌てて駆け寄ってくるのを手を振って止めさせ、すぐ傍の公園を指差す。
「お腹…下したみたい。ちょっと便所行ってくる」
「じゃあここで待ってるな」
「うぅん。すぐだから、先に行ってて」
威がついてこない事を確認しながら足早に公園へと急いだ。
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