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プロローグ
食堂
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翌日。何事もなかったように榛名うららは食堂で夕食をとっていた。テレビに映る女児向けアニメに夢中になりながら、人参の炒め物と白飯をフォークでぐちゃぐちゃと弄び、口に運ぶ。
そこに、黒髪の人影が現れた。その少女は躊躇いがちにうららの向かいに自分のトレーを置くと、彼女に初めて労いの言葉をかけた。
「うららちゃん…、お疲れさまっ……
走れ、なかったんだね………
わたし、ずっと、応援してたんだけど………わたしのせいで、また、うららちゃんまで不幸になっちゃった………っ」
紗夜は俯きがちに語りかける。するとうららは壁のテレビに顔を向けたままにっこりと笑って答えた。
「みんな強かったぁ~!でも次は絶対一番でゴールするもんね!」
その刹那、紗夜の眼の色がさっと変わった。戸惑いとも憎悪ともつかない感情をはらんだ眼から放たれる不思議な光は、顔にかかる長い前髪越しにさえ見てとれた。
「そっ、……………か………」
さっと俯いた紗夜からは先程の眼の色は消えていた。紗夜は何も言わずにトレーを片付けると、寮の自室へと真っ直ぐに駆け出して行った。
そこに、黒髪の人影が現れた。その少女は躊躇いがちにうららの向かいに自分のトレーを置くと、彼女に初めて労いの言葉をかけた。
「うららちゃん…、お疲れさまっ……
走れ、なかったんだね………
わたし、ずっと、応援してたんだけど………わたしのせいで、また、うららちゃんまで不幸になっちゃった………っ」
紗夜は俯きがちに語りかける。するとうららは壁のテレビに顔を向けたままにっこりと笑って答えた。
「みんな強かったぁ~!でも次は絶対一番でゴールするもんね!」
その刹那、紗夜の眼の色がさっと変わった。戸惑いとも憎悪ともつかない感情をはらんだ眼から放たれる不思議な光は、顔にかかる長い前髪越しにさえ見てとれた。
「そっ、……………か………」
さっと俯いた紗夜からは先程の眼の色は消えていた。紗夜は何も言わずにトレーを片付けると、寮の自室へと真っ直ぐに駆け出して行った。
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