93 / 125
本編
第二回中二病会議
しおりを挟む
「さあ、とりあえず第二回中二病会議を開催します」
「いっ、いえー」
「はいそこー、いまさらとか言わない!」
といいながらビシッと指をさす。
「いや、誰も何も言ってませんけどね」
「というか、なんで俺まで」
さすがに中仁さんもめんどくさそうだ。
「さらに、今回はクールアンドスタイリッシュビューティーアドバイザーのサクラさんに来ていただきました」
たしかに肩書としては間違いないのだろうけどなんだろう、このうさん臭さは。
「さらに司会進行はヒカリちゃんにやっていただきます」
進行と書かれたプレートの前に座っている殿は短く「どうも」といった。
「そして、最後に書記は出番が少ないどころか本編にまったく絡んでいない幽霊部員、ハジメちゃんです」
その呼び方もどうなのだろう。
「ということで、あとはお任せします」といって、お菓子の購入特典でついてくるマイクを殿に手渡す。
「はい、ということで今回のルール説明です。大喜利形式で行います、そこから本人適正と芸術点、技術点の合計得点が高いほうが勝利です。今回の回答者の二人ですがアドバイザーのサクラさんこの勝負どうなるでしょうか」
「そうですねー、やはりなつき君は現役隠れ中二病患者ですから流行りにあった中二病さを展開するでしょう。それに対してナカポン選手は現役の素人作家ですからオリジナリティーとバイタリティーあふれる作品が出来上がるのではないでしょうか」
「なるほど」
ん?今なんか聞き捨てならないことを言われたような気が。だれが隠れだって。
「では、最初のお題はこちらです」
そういうと殿はお題の書かれたフリップを前に出した。
「中二病心をくすぐる必殺技を考えなさい。それではシンキングタイムスタートです」
(始まってしまったからには仕方がない。なにかは考えないと。)
そう思ってフリップに向き合ってみる。
(ダメだ浮かばない)
「両選手、なかなか手が動きませんねえ。解説兼アドバイザーのサクラさんなぜなんでしょうか」
「そうですね。必殺技と一口に言っても特撮らしいものからファンタジーまでたくさんの種類がありますからまずは自分がどの路線で攻めるのかを考えなければいけません。そのうえで中二病感を出さないといけないので悩みどころですね」
「なるほど。確かにそうなると慎重にならざるをえませんね」
「しかも1題目の一発目ですからね。出来が良すぎても悪すぎてもしんどくなりまー」
「おーっとここで動きがあるようです」
とりあえず、これでいくしかない。どうせ、最初はすべるんだ気にせず行くしかない。
「エターナル ドライブ マキシマム」
……
「さぁ、点数はいかに」
1.5
あれ?おもったよりも低い。
「思ったよりも伸びませんでしたね。個人的にはそれっぽいと思ったのですが原因はいったいどこにあるのでしょうか」
「エターナルやマキシマムを使い、ドライブでつないだのはよかったのですがやはり中二病感が薄かったのだと思います。さらに、恥ずかしがったのはマイナスでしょう」
「やはりそこでしたか」
やはりじゃねえ。
「あとは、ライダーシリーズに似たようなものがあるのがなおさらでしょう」
「ああ。何か見覚えがあると思ったらそうだったんですね。二人で一つのやつですか」
「おそらくはそうかと。ナカポン選手が動きましたね」
静かに中仁さんがフリップを置く。
「フレイム・バーニング・エクスプロージョン!」
……
「これはなかなかですね。さあ点数は」
3.5
「一発目にしてはなかなかな点数がでましたね」
「ここはしっかりと決めてきましたね。火炎系を二回使いさらに流行りのエクスプロージョンですからね。最後にアクセントを持ってくるあたりは必殺技感を倍増させますしね」
「なるほど。ここでなつき選手が手を上げましたね。先ほどは思ったよりも点数が伸びなかったが今回はどうか」
「神斬夢想流居合術四《し》ノ型刹那」
6
「決まりました」
「和風ですね。武術の流派をいい、さらに居合術。四と死をかけた上で一瞬だと示す刹那ですからね。これはなかなかくすぐられるのではないでしょうか」
よしこれはなかなかじゃないか。
「漆黒の黒炎《ダークネスブラックフレイム》 ver.シャドープロミネンス」
9
「最高得点が出ました!審査員全員がほぼ満点に近い点数を出しております。これは勝負あったかー!」
「トリプルダークにダブルフレイムのコンビネーションですね。さらに特殊技を示すかのようにver.と書かれているのがすばらしいです。テンプレかと思わせた上でのシャドープロミネンス、これは震えますね。しかもしかもですよ!ダークフレイムというテンプレがあるにもかかわらず前のダークネスにかぶらないようにブラックフレイムに変えてきてますからね、ここにセンスを感じない人はいないでしょう」
もう、なんか勝てる気がしない。
「いっ、いえー」
「はいそこー、いまさらとか言わない!」
といいながらビシッと指をさす。
「いや、誰も何も言ってませんけどね」
「というか、なんで俺まで」
さすがに中仁さんもめんどくさそうだ。
「さらに、今回はクールアンドスタイリッシュビューティーアドバイザーのサクラさんに来ていただきました」
たしかに肩書としては間違いないのだろうけどなんだろう、このうさん臭さは。
「さらに司会進行はヒカリちゃんにやっていただきます」
進行と書かれたプレートの前に座っている殿は短く「どうも」といった。
「そして、最後に書記は出番が少ないどころか本編にまったく絡んでいない幽霊部員、ハジメちゃんです」
その呼び方もどうなのだろう。
「ということで、あとはお任せします」といって、お菓子の購入特典でついてくるマイクを殿に手渡す。
「はい、ということで今回のルール説明です。大喜利形式で行います、そこから本人適正と芸術点、技術点の合計得点が高いほうが勝利です。今回の回答者の二人ですがアドバイザーのサクラさんこの勝負どうなるでしょうか」
「そうですねー、やはりなつき君は現役隠れ中二病患者ですから流行りにあった中二病さを展開するでしょう。それに対してナカポン選手は現役の素人作家ですからオリジナリティーとバイタリティーあふれる作品が出来上がるのではないでしょうか」
「なるほど」
ん?今なんか聞き捨てならないことを言われたような気が。だれが隠れだって。
「では、最初のお題はこちらです」
そういうと殿はお題の書かれたフリップを前に出した。
「中二病心をくすぐる必殺技を考えなさい。それではシンキングタイムスタートです」
(始まってしまったからには仕方がない。なにかは考えないと。)
そう思ってフリップに向き合ってみる。
(ダメだ浮かばない)
「両選手、なかなか手が動きませんねえ。解説兼アドバイザーのサクラさんなぜなんでしょうか」
「そうですね。必殺技と一口に言っても特撮らしいものからファンタジーまでたくさんの種類がありますからまずは自分がどの路線で攻めるのかを考えなければいけません。そのうえで中二病感を出さないといけないので悩みどころですね」
「なるほど。確かにそうなると慎重にならざるをえませんね」
「しかも1題目の一発目ですからね。出来が良すぎても悪すぎてもしんどくなりまー」
「おーっとここで動きがあるようです」
とりあえず、これでいくしかない。どうせ、最初はすべるんだ気にせず行くしかない。
「エターナル ドライブ マキシマム」
……
「さぁ、点数はいかに」
1.5
あれ?おもったよりも低い。
「思ったよりも伸びませんでしたね。個人的にはそれっぽいと思ったのですが原因はいったいどこにあるのでしょうか」
「エターナルやマキシマムを使い、ドライブでつないだのはよかったのですがやはり中二病感が薄かったのだと思います。さらに、恥ずかしがったのはマイナスでしょう」
「やはりそこでしたか」
やはりじゃねえ。
「あとは、ライダーシリーズに似たようなものがあるのがなおさらでしょう」
「ああ。何か見覚えがあると思ったらそうだったんですね。二人で一つのやつですか」
「おそらくはそうかと。ナカポン選手が動きましたね」
静かに中仁さんがフリップを置く。
「フレイム・バーニング・エクスプロージョン!」
……
「これはなかなかですね。さあ点数は」
3.5
「一発目にしてはなかなかな点数がでましたね」
「ここはしっかりと決めてきましたね。火炎系を二回使いさらに流行りのエクスプロージョンですからね。最後にアクセントを持ってくるあたりは必殺技感を倍増させますしね」
「なるほど。ここでなつき選手が手を上げましたね。先ほどは思ったよりも点数が伸びなかったが今回はどうか」
「神斬夢想流居合術四《し》ノ型刹那」
6
「決まりました」
「和風ですね。武術の流派をいい、さらに居合術。四と死をかけた上で一瞬だと示す刹那ですからね。これはなかなかくすぐられるのではないでしょうか」
よしこれはなかなかじゃないか。
「漆黒の黒炎《ダークネスブラックフレイム》 ver.シャドープロミネンス」
9
「最高得点が出ました!審査員全員がほぼ満点に近い点数を出しております。これは勝負あったかー!」
「トリプルダークにダブルフレイムのコンビネーションですね。さらに特殊技を示すかのようにver.と書かれているのがすばらしいです。テンプレかと思わせた上でのシャドープロミネンス、これは震えますね。しかもしかもですよ!ダークフレイムというテンプレがあるにもかかわらず前のダークネスにかぶらないようにブラックフレイムに変えてきてますからね、ここにセンスを感じない人はいないでしょう」
もう、なんか勝てる気がしない。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
アルファちゃんと秘密の海岸 第1話 根も葉もない話
たいら一番
青春
少女ミチと、謎の少女アルファちゃん達の徒然なるお喋り。7000字程度の短いストーリーなので、暇な時に、暇つぶし、話しのタネになるかも。女の子たちがあーだこーだ話してるだけ。
アナタはイケメン達に囲まれた生活を望みますか? ▶はい いいえ
山法師
青春
私立紅蘭(こうらん)高校二年生の如月結華(きさらぎゆいか)。その結華の親友二人に、最近恋人が出来たらしい。恋人が出来たのは喜ばしいと思う。だが自分は、恋人──彼氏どころか、小中高とここまでずっと、恋愛といったものとは縁遠い生活を送っている。悲しい。そんなことを思っていた結華は、家の近所に恋愛成就の神社があることを思い出す。どうせ何もならないだろうと思いながらも、結華はそこにお参りをして、彼氏が欲しいと願った。そして、奇妙な夢を見る。
結華は、起きても鮮明に覚えている意味不明な内容のその夢を不思議に思いながらも、まあ夢だし、で、片付けようとした。
が、次の日から、結華の周りで次々と妙なことが起こり始めたのだった──
大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話
家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。
高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。
全く勝ち目がないこの恋。
潔く諦めることにした。
深海の星空
柴野日向
青春
「あなたが、少しでも笑っていてくれるなら、ぼくはもう、何もいらないんです」
ひねくれた孤高の少女と、真面目すぎる新聞配達の少年は、深い海の底で出会った。誰にも言えない秘密を抱え、塞がらない傷を見せ合い、ただ求めるのは、歩む深海に差し込む光。
少しずつ縮まる距離の中、明らかになるのは、少女の最も嫌う人間と、望まれなかった少年との残酷な繋がり。
やがて立ち塞がる絶望に、一縷の希望を見出す二人は、再び手を繋ぐことができるのか。
世界の片隅で、小さな幸福へと手を伸ばす、少年少女の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる