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Ep.18 諦めない男
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前略、ヒロインに婚約者リヒトを奪われまいと自力で勝ち取った演劇の主役にて歌を歌わなければならないと知った超人的音痴のカナリア。このままでは不味いとリヒトの腹違いの兄で音楽の才があるイグニスに特訓を頼み、先生役となってくれたイグニスを迎えに来た剣術用の棟にて門の爆発を目の当たりにしたのだった。
「けほっ……、な、何事ですの!そこの貴方、しっかりなさって!!」
もうもうと上がる土埃に咳き込みつつも爆発して崩れた門に駆け寄る。瓦礫の下に誰かが埋もれて居るのが見えたのだ。
(一体何が起きたの!?模擬戦中の事故!?とにかく助けないと……!)
混乱して停止しそうになる思考を必死に回して、瓦礫の隙間から伸びている白い手袋をした手を取る。その手が温かいことに安堵して、引っ張ろうと踏ん張ったその時。
「あーあっぶねぇぇ、死ぬかと思った」
「きゃあっ!?」
「ーっ、危ない!」
かなり重たそうな瓦礫を物ともせず、下敷きにされていた男子が勢いよく立ち上がった。いきなりのことに驚いて体勢を崩したカナリアに気づいた男が、反射的に掴んだままだったカナリアの手を引いて抱き寄せる。そして、互いに目を見開いた。
「イグニス……様!」
「カナリア!?どうしてここに……、ここは騎士科の中でも一番危険な闘技場だぞ!」
「どうしてって、イグニス様が約束の時間になってもいらっしゃらないから探しに参りましたのよ」
闘技場の方から他の生徒達がこちらの会話を伺っていることに気づいて令嬢口調のまま答えたカナリアに言われ、イグニスが驚いたように時計台に目を向ける。そして、時刻を確認して申し訳無さそうに頭を掻いた。
「え!?……あー、すまない、俺が悪かった。訓練に夢中になりすぎて時間を確かめてなかったな……」
「いえ、元よりわたくしが無茶を言って作っていただいているお時間なので一向に構いませんが……。それより、すごい爆発でしたけれど一体何が起こりましたの?お怪我はありませんか?」
「あぁ、それは……」
「イグニス殿下ぁぁぁっ!申し訳ございません、僕また魔力の扱いを間違えてしまって……!お怪我はございませんか!?」
「あぁ、大事ない。心配するな」
説明をしようとしたイグニスの声を遮って、高等科生とは思えない小柄で可愛らしい銀髪碧眼の美少年が飛び出してきてイグニスの腰にしがみついた。絵になる光景におねショタならぬおにショタもありかもしれないと一瞬過った前世の欲望を押さえ込み、カナリアはあらあらと余裕の笑みを浮かべながら話を進める。
「あらあら、ずいぶんと可愛らしい騎士見習い様ですけれど、まさか今の騒ぎは貴方が?」
「ばっ、ばばっ、バーナード公爵家のカナリア様!!?はっ、はい!えと、あの、かっ、カナリア様まで巻き込んでしまって申し訳ござい……げふっ!」
カナリアの顔を見るなり真っ青になって土下座した勢いのまま、地面に頭を激突させて気を失ってしまったその美少年を見てカナリアが驚いた顔のまま背後に立つイグニスを見上げる。やれやれと肩をすくめたイグニスが、自分と然程歳は変わらないであろうその美少年を軽々と担ぎ上げた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
それから、イグニスと共に気を失った謎の美少年を医務室に運び、恐縮してお詫びの品をと言い出した彼の従者に丁重にお断りの意を伝えて。ようやく音楽室に戻ってきた頃には、すっかり日が傾き始めていた。
「すっかり遅くなってしまったな……。今日は基礎の発声練習だけにし……、ーっ!」
「ーっ!」
申し訳なさそうにブレザーを脱いで壁にかけようとしたイグニスが、一瞬眉をひそめて自身の右肘を押さえた。ハッとなったカナリアが、どの教室にも備え付けられている薬箱を取り出した。
「イグニス、貴方……肘を痛めているでしょう」
「い、いや、そんなことは……」
「嘘おっしゃい!剣を扱う騎士において身体のケアが大切なのはよくわかってるでしょう?まずは練習より手当てが先!ほら、座った座った!」
「あーもうっ、わかったよ!じゃあ自分で……」
「利き手の傷にどうやって包帯を巻く気かしら?早く手当てを済ませないと練習時間もなくなるでしょう。私がやります!」
一度言い出すとカナリアは強情だ。
仕方がないと観念したようにイグニスが袖を捲ると、痛々しい青あざが現れる。そこに痛みを与えないように慎重に薬を塗り込んでいると、ふと正面から強い視線を感じた。
顔をあげると、自分を見ているようで何処か遠くを眺めているようにも感じる眼差しをしたイグニスと視線が重なる。
「……?どうしたの?他にもどこか痛む?」
「ーー……っ!い、いや、何でもない。少し……昔のことを思い出しただけだ」
誤魔化すようなその物言いが少し引っ掛かりはしたが、話したくない部分に土足で踏み込むのは良くないだろうと触れないことにした。代わりに、先ほどから気になっていて聞きそびれていたことを質問してみることにする。
「はい、こっちの手はおしまい。ついでに右頬の傷にも薬を塗るから動かないでね。それで、さっきのあの子は誰だったの?同級生?」
「あぁ……、ルンバー伯爵家の長男だよ。ひとつ年下で中等科の3年。魔力量は多いんだが、多過ぎて逆に上手く扱えないってんで、以前からたまに訓練に付き合ってるんだ」
「なるほど、じゃああの爆発は彼の魔力が暴発した影響だったのね」
「そう言うことになるな……。とは言え、お前との方の約束をすっぽかしたのは本当に悪かった。怪我はしなかったか?」
労るような声音で聞かれて、小さくため息をこぼした。薄くかさぶたになっているイグニスの頬の傷にガーゼを張り、無防備な額をピンと指先で弾く。
「痛っ!いきなり何すんだよ!」
「貴方が馬鹿だからよ。私の心配するより自分を労りなさい、怪我をしてるのは貴方の方でしょ!大体、わざわざイグニスが見てあげなくても先生方に指導を頼めば済むんじゃないの?」
あれだけ大規模の爆発を起こすような子の鍛練だ。大ケガをする危険性があることだって十分わかっているはず。それなのに、何故……と尋ねたカナリアに対し、イグニスがふっと笑った。
「あいつ、授業の度に教師にも級友にも怪我人が出まくるから見放されたって俺に泣きついてきたんだよ。で、誰にも怪我をさせない位に扱えるようになるまでは付き合うって約束したんだ」
結果はまだ出てないけどな、と、カナリアに手当てされた腕をポンと叩いてイグニスが笑う。
「だけど、あいつはまだ諦めてない。それなのに、俺が『出来ないから諦めろ』なんてあいつの可能性を否定できる資格がある訳ないだろ?自分の可能性を決めることができるのは、自分自身だけなんだから」
「……っ!でも、それで訓練の度に怪我してたら貴方の体が持たないんじゃ……!」
「平気さ。こんな怪我、どうってことないしな。お前の破壊音波に比べれば」
「ー!わ、悪かったわね!悪いなとは思ってるわよ。なんなら、怪我もしてるし今日の練習は止め……「阿保か」痛っ!」
脳天に容赦なく落とされたチョップの痛みに思わずうずくまった。
「たった今言ったろ?自分の可能性を決めることができるのは本人だけだってな。それはお前も同じだ。お前が諦めない限り、俺もお前を諦めないからな!」
「イグニス……!」
「だから、俺の身体のことを思うなら一日も早くせめて音階くらいはまともに出せるようになってくれないか……」
遠い眼差しで付け足されたその切実な要望に思わずずっこけた。
(全くもう、一言余計なんだから!せっかくちょっと感動してたのに……!)
でも確かに、イグニスの力強いその言葉に、心を揺らされたから。
さぁ始めるぞと張り切るイグニスの背を見ながら、水筒になみなみ入った例の薬茶を一息に飲み干した。
(自分のために、相手役を受けてくれたリヒト様の為に、そして何より、信じて付き合ってくれるイグニスの為に、絶対上達してやるんだから!)
演劇祭本番まで、あと僅か。
「けほっ……、な、何事ですの!そこの貴方、しっかりなさって!!」
もうもうと上がる土埃に咳き込みつつも爆発して崩れた門に駆け寄る。瓦礫の下に誰かが埋もれて居るのが見えたのだ。
(一体何が起きたの!?模擬戦中の事故!?とにかく助けないと……!)
混乱して停止しそうになる思考を必死に回して、瓦礫の隙間から伸びている白い手袋をした手を取る。その手が温かいことに安堵して、引っ張ろうと踏ん張ったその時。
「あーあっぶねぇぇ、死ぬかと思った」
「きゃあっ!?」
「ーっ、危ない!」
かなり重たそうな瓦礫を物ともせず、下敷きにされていた男子が勢いよく立ち上がった。いきなりのことに驚いて体勢を崩したカナリアに気づいた男が、反射的に掴んだままだったカナリアの手を引いて抱き寄せる。そして、互いに目を見開いた。
「イグニス……様!」
「カナリア!?どうしてここに……、ここは騎士科の中でも一番危険な闘技場だぞ!」
「どうしてって、イグニス様が約束の時間になってもいらっしゃらないから探しに参りましたのよ」
闘技場の方から他の生徒達がこちらの会話を伺っていることに気づいて令嬢口調のまま答えたカナリアに言われ、イグニスが驚いたように時計台に目を向ける。そして、時刻を確認して申し訳無さそうに頭を掻いた。
「え!?……あー、すまない、俺が悪かった。訓練に夢中になりすぎて時間を確かめてなかったな……」
「いえ、元よりわたくしが無茶を言って作っていただいているお時間なので一向に構いませんが……。それより、すごい爆発でしたけれど一体何が起こりましたの?お怪我はありませんか?」
「あぁ、それは……」
「イグニス殿下ぁぁぁっ!申し訳ございません、僕また魔力の扱いを間違えてしまって……!お怪我はございませんか!?」
「あぁ、大事ない。心配するな」
説明をしようとしたイグニスの声を遮って、高等科生とは思えない小柄で可愛らしい銀髪碧眼の美少年が飛び出してきてイグニスの腰にしがみついた。絵になる光景におねショタならぬおにショタもありかもしれないと一瞬過った前世の欲望を押さえ込み、カナリアはあらあらと余裕の笑みを浮かべながら話を進める。
「あらあら、ずいぶんと可愛らしい騎士見習い様ですけれど、まさか今の騒ぎは貴方が?」
「ばっ、ばばっ、バーナード公爵家のカナリア様!!?はっ、はい!えと、あの、かっ、カナリア様まで巻き込んでしまって申し訳ござい……げふっ!」
カナリアの顔を見るなり真っ青になって土下座した勢いのまま、地面に頭を激突させて気を失ってしまったその美少年を見てカナリアが驚いた顔のまま背後に立つイグニスを見上げる。やれやれと肩をすくめたイグニスが、自分と然程歳は変わらないであろうその美少年を軽々と担ぎ上げた。
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それから、イグニスと共に気を失った謎の美少年を医務室に運び、恐縮してお詫びの品をと言い出した彼の従者に丁重にお断りの意を伝えて。ようやく音楽室に戻ってきた頃には、すっかり日が傾き始めていた。
「すっかり遅くなってしまったな……。今日は基礎の発声練習だけにし……、ーっ!」
「ーっ!」
申し訳なさそうにブレザーを脱いで壁にかけようとしたイグニスが、一瞬眉をひそめて自身の右肘を押さえた。ハッとなったカナリアが、どの教室にも備え付けられている薬箱を取り出した。
「イグニス、貴方……肘を痛めているでしょう」
「い、いや、そんなことは……」
「嘘おっしゃい!剣を扱う騎士において身体のケアが大切なのはよくわかってるでしょう?まずは練習より手当てが先!ほら、座った座った!」
「あーもうっ、わかったよ!じゃあ自分で……」
「利き手の傷にどうやって包帯を巻く気かしら?早く手当てを済ませないと練習時間もなくなるでしょう。私がやります!」
一度言い出すとカナリアは強情だ。
仕方がないと観念したようにイグニスが袖を捲ると、痛々しい青あざが現れる。そこに痛みを与えないように慎重に薬を塗り込んでいると、ふと正面から強い視線を感じた。
顔をあげると、自分を見ているようで何処か遠くを眺めているようにも感じる眼差しをしたイグニスと視線が重なる。
「……?どうしたの?他にもどこか痛む?」
「ーー……っ!い、いや、何でもない。少し……昔のことを思い出しただけだ」
誤魔化すようなその物言いが少し引っ掛かりはしたが、話したくない部分に土足で踏み込むのは良くないだろうと触れないことにした。代わりに、先ほどから気になっていて聞きそびれていたことを質問してみることにする。
「はい、こっちの手はおしまい。ついでに右頬の傷にも薬を塗るから動かないでね。それで、さっきのあの子は誰だったの?同級生?」
「あぁ……、ルンバー伯爵家の長男だよ。ひとつ年下で中等科の3年。魔力量は多いんだが、多過ぎて逆に上手く扱えないってんで、以前からたまに訓練に付き合ってるんだ」
「なるほど、じゃああの爆発は彼の魔力が暴発した影響だったのね」
「そう言うことになるな……。とは言え、お前との方の約束をすっぽかしたのは本当に悪かった。怪我はしなかったか?」
労るような声音で聞かれて、小さくため息をこぼした。薄くかさぶたになっているイグニスの頬の傷にガーゼを張り、無防備な額をピンと指先で弾く。
「痛っ!いきなり何すんだよ!」
「貴方が馬鹿だからよ。私の心配するより自分を労りなさい、怪我をしてるのは貴方の方でしょ!大体、わざわざイグニスが見てあげなくても先生方に指導を頼めば済むんじゃないの?」
あれだけ大規模の爆発を起こすような子の鍛練だ。大ケガをする危険性があることだって十分わかっているはず。それなのに、何故……と尋ねたカナリアに対し、イグニスがふっと笑った。
「あいつ、授業の度に教師にも級友にも怪我人が出まくるから見放されたって俺に泣きついてきたんだよ。で、誰にも怪我をさせない位に扱えるようになるまでは付き合うって約束したんだ」
結果はまだ出てないけどな、と、カナリアに手当てされた腕をポンと叩いてイグニスが笑う。
「だけど、あいつはまだ諦めてない。それなのに、俺が『出来ないから諦めろ』なんてあいつの可能性を否定できる資格がある訳ないだろ?自分の可能性を決めることができるのは、自分自身だけなんだから」
「……っ!でも、それで訓練の度に怪我してたら貴方の体が持たないんじゃ……!」
「平気さ。こんな怪我、どうってことないしな。お前の破壊音波に比べれば」
「ー!わ、悪かったわね!悪いなとは思ってるわよ。なんなら、怪我もしてるし今日の練習は止め……「阿保か」痛っ!」
脳天に容赦なく落とされたチョップの痛みに思わずうずくまった。
「たった今言ったろ?自分の可能性を決めることができるのは本人だけだってな。それはお前も同じだ。お前が諦めない限り、俺もお前を諦めないからな!」
「イグニス……!」
「だから、俺の身体のことを思うなら一日も早くせめて音階くらいはまともに出せるようになってくれないか……」
遠い眼差しで付け足されたその切実な要望に思わずずっこけた。
(全くもう、一言余計なんだから!せっかくちょっと感動してたのに……!)
でも確かに、イグニスの力強いその言葉に、心を揺らされたから。
さぁ始めるぞと張り切るイグニスの背を見ながら、水筒になみなみ入った例の薬茶を一息に飲み干した。
(自分のために、相手役を受けてくれたリヒト様の為に、そして何より、信じて付き合ってくれるイグニスの為に、絶対上達してやるんだから!)
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