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しおりを挟む・・・ピピッ!ピピッ!!とスマホのアラームが鳴り響く。
「・・・んっ!」とその音で私は目を覚ます。
そして、気づいたら私の部屋の天井が視界に広がっていた・・・。
どうやら、目が覚めたようだ。
「あ、あれ?」と私は思わず呟いてしまう。
まだ夢の余韻に浸っているかのようだ。
周囲を見渡すといつもと同じ光景だ。ベッドも机も本棚も・・・そして、私自身の身体にも特に異変はない。
段々と目が覚めて意識がはっきりとしてきて「夢・・・かぁ・・・」と私は呟いた。
そして、ゆっくりと身体を起こし、昨日見た夢を思い出す。
まるで現実の出来事みたいな夢だった。
よくもまぁあそこまでリアルな夢が見れたものだなぁと感心してしまうくらいだ。
「しかし、とんでもない夢を見たわね・・・」と私は苦笑するしかなかった。
ホッとすると同時に少し残念な気持ちになってしまう。
あの巨人になった時の快感は素晴らしかった。
また、あんな夢を見れたらいいなぁ・・・なんて思ってしまう。
しかし、所詮は夢だ。現実ではありえないことくらい分かっている。
「さてと・・・今日も学校行かなきゃね・・・」
そう言って、私はベッドから降りるとそのまま洗面所に向かうのだった・・・。
・
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・・・キーンコーンカーンとチャイムが鳴る。
授業の終わりを告げる合図だ。
「さて、今日はこれで終わりだ」と言って担任の先生が教室を後にする。
その瞬間クラスのみんながドッと立ち上がった。そして、それと同時に一気に教室が騒がしくなる。
(はぁ・・・疲れたなぁ・・・)と私は心の中で呟いた。
今日も一日の授業が終わったのだ!やっと解放された気分だった。
それに今日は夕方からモデルの仕事が入っているから、よりテンションが上がってしまう。
「美鈴~、今日スタジオ、直で行くでしょ?」と後ろから遥香が声を掛けてきた。
「うん!今日は5時から撮影があるからね」
私は遥香に元気よく返事した。今日は私と遥香は一緒のスタジオ入りだ。
事務所の高校生モデルの2枚看板として、私と遥香は最近よくセットで雑誌やCMに出演させられている。
「じゃ、一緒に行こう?」
と遥香が言うので、私も「そうだね」と言って席を立った。
そのまま私たちは教室を後にする。
そして、正面玄関に向かう廊下でのこと、昨日の夢に出てきたあの”女子”と廊下で遭遇してしまった。
夢の中で”すっきり”したおかげなのか、もう彼女に対しての蟠りは私の中にはなかった。
だから、私は彼女にニコリと微笑んで上げたのだ。
すると・・・
「ひっ!!」と彼女は怯えたような声を上げた。
そして、そのまま逃げるようにして走り去って行ってしまった・・・。
「・・・あれ?」と私は思わず呟いてしまう。
・・・なんか様子が変だ。いつもみたいに私を睨みつけてこないし・・・ それどころか、まるで化け物でも見たかのような反応だった。
(私ってそんなに怖い顔してたかな・・・?)と一瞬考えてしまう。
「・・・なにあれ?」と遥香が首を傾げる。
「さぁ?」と言って私も首を傾げた。
だって、あれは夢の中のことだしね・・・。流石にあれが本当の出来事だと思うほど、私はイカれてはいない。
彼女の態度の変化は少し気になったが、すぐに私は忘れてしまった。
そして、私と遥香はそのまま一緒にスタジオに向かうのだった。
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「撮影開始しまーす!」とカメラマンが声を上げると同時にシャッター音が一斉に鳴り響く。
すると、私と遥香の視界いっぱいに色とりどりのライトの光が飛び交っていく。
「・・・ふふっ」と私は思わずニヤけてしまう。
この瞬間が一番好きだ!
いろんなポーズをしてカメラに撮られていくこの時間は本当に楽しいのだ!! 私の身体が様々な色の光に照らされていく・・・。
まるで自分が輝いているようだ。
私の美しい姿を見せつけたいという思いが何倍にも膨らむ。
この時間がずっと続けばいいのになぁ・・・と私は思った。
しかし、そんな私の願いとは裏腹に撮影は順調に進んでいく。
そして、あっという間に楽しい時が過ぎてしまった。
「・・・よし!今日の撮影終了でーす!!」とカメラマンが言うと同時に、「お疲れ様でしたー」という声が響いた。
「はぁ・・・」と私は思わずため息を吐いてしまう。
楽しい時間というのは本当にあっという間だ。
もっとモデルの仕事したいなぁ・・・と思ってしまうほどだ。
「美鈴~、この後どうする?ご飯食べに行く?」と遥香が聞いてきた。
私は「うーん」と考え込んでしまう。本当はこのまま帰って家でゆっくりしたいというのが本音だ。
しかし・・・せっかく遥香から誘ってくれたのだ。断るのはもったいないだろう。
それに私もお腹がペコペコだし・・・。
「・・・そうだね!ご飯行こう!」と言って私は立ち上がるのだった。
その後、私たちは近くのファミレスに寄り、今日の撮影について感想を言い合う。
「今日の美鈴いつもよりさらに輝いてたよ?」と遥香が言ってくれた。
「本当!?」と言って私は思わず笑顔になってしまう。
なんか、撮影中にカメラマンの人が急に私を褒めだしたから、今日の私は調子がいいのだろうとは思ったが・・・。
「・・・でも、そんなにいつもと違う?普段通りじゃない?」と私は首を傾げる。
しかし私の問いかけに遥香は首を振った。
「ううん!やっぱり違ってたよ。なんか今日の美鈴は、雰囲気というか、身から漂うオーラみたいなものが違ってたんだよ」
「なんか神々しさみたいなものを感じたんだよね。だからカメラマンの人も思わず褒めちゃったんじゃないかな?」
と遥香は続けた。
「・・・えっ、何それ?褒めすぎじゃない?」と私は苦笑する。
確かにモデルを始めてから何度かそのような称賛を受けたことはあるが・・・流石にそれは言い過ぎだろうと私は思うのだった。
「いや本当なんだって!」と遥香は興奮したように続ける。
「今日の美鈴はマジでヤバかった!なんかこう・・・内側から光が溢れ出てくる感じなんだよね・・・」と言って彼女は目をきらきらとさせている。
どうやら本気でそう思っているらしい。
いや、まあ、遥香にそう言われて嬉しくないわけがないのだけど。
「うふふ・・・ありがとう。素直にお礼を言っておくわね」と言って私は微笑んだ。
そして、遥香も「どういたしまして」と言って嬉しそうに笑うのだった。
しかし、この時の私は知らなかったのだ。自分の身に”変化”が起き始めていたということを・・・。
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