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第26話 巨人を追って

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・・・バタン







「ふぅ・・・」







王妹殿下への報告が終わり私は一息つく。

本当は紅茶でも飲んでゆっくり休憩したいところだが、もちろんそんな余裕はない。







「隊長お疲れ様です!」


「お疲れ様です!」







殿下の部屋を出た私にグレースとアイナが敬礼をしてくる。

2人の労いの言葉に僅かに微笑むと、私は敬礼を返した。







「うむ。2人とも待たせたな。殿下への報告は今終わった」


「すぐにここを出る。私に続け」


「はっ!」







私は離宮の外へと向かいながら、次の行動について思案を巡らせた。

・・・まずは、国内の冒険者ギルドに追跡部隊の再依頼をかける。

それと並行して、我が騎士団はマルバスギルドの傭兵達と合流し、迎撃部隊として参加する。

殿下は「傭兵部隊による奪還が失敗した場合」と枕詞を付けていたが、もちろんそんな悠長に事を構えることは出来ない。

あれは殿下が私に対して最後の時間的猶予を与えたことを意味している。

すぐに死地に赴くか、後で死地に赴くか・・・その違いだ。

私を死地に赴かせない為の殿下の配慮もあったかもしれない。

首尾良く傭兵たちによって神遺物の奪還が成功すれば私は死地に赴かなくて済む。

・・・だが、今回ばかりは殿下のその好意に甘えることは出来ない。

巨人達への初期対応をマルバスギルドに任せはしたものの、このまま指を咥えて見ている事など出来るはずもない。

もし傭兵部隊を見殺しにでもしてしまえば、ジェラルド殿は二度と我々の依頼を受けてくれないだろう。

彼が仁義を通して傭兵部隊を派遣してくれた以上、こちらも誠意を見せねばなるまい。







・・・従って、死地に赴くのは“直ちに“である。







離宮の外へ出ると私は立ち止まり、2人の方に振り返った。







「・・・お前たち、急ぎで悪いが伝令を頼みたい」


「はっ!お任せを!」


「なんなりとお命じ下さい!」







威勢の良い返答に私は頷くと、指令を出した。







「よし!まずアイナ。お前はエミリアの第2小隊への伝令を頼む」


「第2小隊は、直ちに王都と王都近隣の冒険者ギルドへ急行し、神遺物の奪還の再依頼を掛けろ」


「なお依頼の際、報酬は先の3倍出すものとし、依頼の取扱は“S級機密案件“として処理するように伝えろ」


「その他、依頼の細かな段取りはアイナに一任するものとする」


「はっ!承知致しました!」







アイナは私の指令を受け取ると、すぐにその場を駆け出していった。







「・・・グレース。お前は第1小隊および第3、第4小隊の団員を戦闘態勢で“転送棟“に招集しろ」


「招集時間は20分後の0830だ。私は一足先に待っている」


「はっ!お任せ下さい!」







グレースは敬礼をすると、アイナと同様駆け出していった。







さて、私も行かなければな・・・







転送魔法陣が設置されている“転送棟“へと向かう。

身体に否が応でも起こってくる戦慄を必死に抑えながら、私は前を向いて歩いて行く。

・・・巨人達はオークション会場の兵士を皆殺しにした・・・

能力を増幅すれば熟練の冒険者にも太刀打ち出来た精兵達だったはずだ・・・

・・・あの巨人どもは紛れもない化け物だ。

いくら大冒険者を擁する傭兵集団といえども奴らの撃破は容易ではないだろう。

だが、最優先事項は神遺物の奪還のみ。

それさえ達成出来れば、最悪襲撃犯を取り逃がすことになっても構わない。

相手の人数だけを見れば巨人どもは5人だけだ。

奪還のみに焦点を当てればそれほど分が悪い掛けではないと私は思っている。

例えマルバスギルドの傭兵と我が騎士団があの巨人達を倒しきれなかっとしても足止めくらいは十分出来る。

そして、こちらは時間を稼ぐことさえできれば、各地の冒険者ギルドからの援軍が見込める。

・・・そう、今私達がやらなければならないのは奴らの仲間との合流を阻止し、援軍が来るまで時間を稼ぐこと。

これが我々騎士団に課せられた責務だ。

巨人との直接戦闘はマルバスギルドの傭兵にお願いすることになるだろう。

正直、我が騎士団が真正面から奴らに立ち向かっても無駄死にするだけだ。

我が騎士団の戦力で言えば私は“Lv32“。我が騎士団で最高レベルのエミリアでも“Lv45“。

我々が直接戦っても勝ち目はない・・・

だが、足止めするだけならば危険だがやりようはある!







「・・・よしっ!」







自分を奮い立たせる為に喝を入れる。

・・・作戦の方針は決まった。

あとは、商人ギルド連盟の魔術師がいつ来てくれるかだな・・・

あの宝箱は神遺物を入れておくだけあって、その堅固さはまさに鉄壁であり、盗難防止用の術法が何重にも施されている。

宝箱の解錠には、施術を掛けた魔術師のパスコードが要求され、

持ち逃げをされないように宝箱の現在位置が特定できるようになっているのだ。

先の刻、ディーナに巨人達を補足する手を別に考えてあると言ったが、それがまさにこれだ。

ミンツの町で待っているだけでは敵に対して能動的なアクションを起こせない。

宝箱が巨人達の現在位置を知らせる発信源になり、あわよくば奴らを奇襲する手段にもなる以上、連盟の魔術師の協力は我らの大きな助けになる。

商人ギルド連盟には既に魔術師の派遣を依頼しているが、改めて根回しをしておくべきだろう。

私は一通り頭の中で作戦の整理をし終えると、ふと天を仰ぎ見た。







「・・・いい天気だ」


「昨日のことが嘘のような快晴だな・・・」







ポツリとそんな感想が出てしまう。

地上の惨状などまるでなかったかのように空は晴ればれと澄み渡っている。

天の向こうを覗いてみても、ただ青々とした空が広がっていて雲が一筋流れているだけである。

・・・神話ではこの空の遥か彼方に“神の国アースガルズ“があると言われている。

大いなる大樹ユグドラシルの根元には運命の女神の泉があり、そこから神の国へと続く虹の橋が掛かっていると伝説では語られている。

しかし、残念ながらここから見渡しても、神の国はおろか、世界を覆うような大樹や虹の橋を見ることはできない。

私は何を感傷に浸っているのだろうか・・・?

戦いに臨む前にこんな景色を眺めている自分に戸惑いを禁じえなかった。

・・・たぶん、これは“恐れ“だ。

私は宗教の熱心な信者ではないが、強大な敵を前にして神の加護を求めようとしているのかもしれない。







「・・・ふっ、なんて都合の良い奴だ」







思わず自嘲してしまう。

普段は信じてもいないのに、こんな時だけ神頼みをするとは自分の節操の無さに笑ってしまう。

だが、厚顔無恥でもこの際構わなかった。

私は神々に対して祈った。







神々よ・・・・・

どうか・・・私に・・・そして我が騎士団に加護をお与え下さい。

首尾よく叶えてくださった暁には私はヴァルハラでそのご恩に報いる所存です。

だから、どうか・・・神遺物を取り戻す力を私に・・・!







僅かな時間黙祷を捧げ、私は目を開く。

前を見据えた瞳にもう迷いはなかった。













「・・・団長!第1、第3、第4小隊隊員、整列完了致しました!」







グレースの掛け声と共に集まった騎士団員達が私に敬礼をする。

総勢30名の団員たちの視線の先には私と、数人の宮廷魔術師。

そして、白く浮かび上がる巨大な魔法陣の姿があった。

これが転送魔法陣テレポーテーションだ。

転送魔法陣は軍の重要戦略魔法に指定されており、

各地の町や都市に兵や物資を一瞬で転送させることができる。

転送先は同じ転送魔法陣が描かれた場所のみで、扱う魔術師にもよるが1回の転送の有効距離は最大で100km程。

その利便性の良さはあらゆる魔法の中でもトップクラスに秀でている。

もし、プライマリースキルとして会得しているものがいるのなら、

魔術師ギルドがその人物を必ずスカウトに行くほど重宝される代物だ。

ただし、同時に外敵からの侵入という危険性もある代物な為、軍の管理区画の一部のみでしか扱うことが許されていない。

管理区域以外で転送魔法陣が見つかった場合は速やかに掻き消され、往来も宮廷魔術師によって厳格に管理されている。

私は転送魔法陣を背後にし、団員たちに敬礼を返した。







「直れ!!」







ダン!!







私の言葉に戦乙女達が直立不動の姿勢に直る。

命令を発する前に団員達一人ひとりに目を通した。

全員この場に呼び出された意味はもちろん知っている。

だが、誰一人として恐れている者はいない。

皆、精悍な顔つきで私の発する命令を待っていた。

毅然とした態度で団員たちを見据えた私は、厳かに言葉を発する。







「全員昨夜の救助任務ご苦労だった!」


「お前たちに本来は休暇をやりたいところだが、情勢がそれを許してくれそうもない」


「先程新しい任務が王妹殿下より正式に下った」


「内容は奪われた神遺物の奪還」


「・・・今回の任務はカーラの存亡が掛かっていると言ってよい程重大なものだ」


「・・・お前たちも聞いての通り、今回の敵はオークション会場を襲撃した鉄の巨人達だ」


「私にはこの危険な任務に対して、お前たちの命を保証してやることは出来ない」


「金品や爵位といった報酬を与えて、お前たちの労に報いてやることも出来ない」


「だが、喜べ。それ以上にお前たちには素晴らしい贈り物を私は進呈する予定だ」


「それは“ヴァルハラ“への切符だ!!」


「今回の任務ではお前たちの忠節と勇気を神々に対して示すことができるだろう!」


「死を恐れず任務に励め!!」


「もし、私より先に天命が下ったのなら、先に行って待っていろ。後から私も追う!!」


「ヴァルハラでは先着の英雄エインヘリャルが後から来た者を好きに使えるそうだぞ?」


「私をこき使う権利をお前たちに進呈してやろう。感謝しろ!」







私の本気とも冗談ともつかない言葉に、団員の何人かが顔をほころばせる。

士気は旺盛。これ以上の訓示はもう必要ない。

私は隊の先頭に立っていたグレースに顔を向けた。







「・・・グレース。お前にはさらに役目を与える」


「連盟会館に赴き、神遺物捕捉のための魔術師をミンツまで護送せよ」


「商人ギルド連盟には既に話を通してある」


「今回ばかりはタダで協力してくれると思うが・・・」


「もし金品を求められても、相手の言い値でも良いので必ず連れてこい!」


「今回の任務の成否には連盟魔術師の協力が大きな鍵になる」


「はっ!承知致しました!」







私の指令を受け取ると、グレースは再び駆け出していった。

その姿を見送った後、私は改めて団員達全員を見渡す。







「よしっ!では作戦開始!!」


「総員出撃せよ!!!!」


「はっ!」







私の出撃の合図に、全員覇気を伴った声で応える。







「我に続け!!!」







一際大きな声で私は号令を発した!

私を先頭にヘルヴォルの団旗を掲げた騎士達が転送陣へ向かって行進を開始する。

・・・目指すは無論ミンツの町。

魔法陣の上に立った私達の身体は淡い光を放ち、

目の前の景色は白い光で満たされていく!







シュン!!













シュン!!







白い光のトンネルを抜けると、そこも軍の建物の中だった。

来た時と同じ様に転送陣の近くには魔術師が控えている。

周囲の建物の内装は先程とは異なっており、傍に控えている魔術師達も別人だった。







「どうやら着いたようだな・・・」







後に続いて他の団員も転送されて来ている。

全員が着いたことを確認した私は、傍に控えていた中年の魔術師に尋ねた。







「・・・失礼」


「私はカーラ王国第9近衛騎士団団長のクラウディアと申します」


「貴殿達は、ミンツ駐屯の魔術部隊とお見受けしますが・・・?」


「はい。左様にございます」


「お待ちしておりましたクラウディア団長」


「ミンツの町で転送魔法陣を管理しております、第1魔術師団旗下のミンツ駐屯軍です」


「私は大隊長の“ドミニク・モリエール“と申します」


「以後、お見知りおきを・・・」







そう言うと、ドミニク殿は恭しく一礼をした。







「つい先刻マルバスギルドの傭兵集団が到着し、既に迎撃体制で町の外に展開しております」


「我が魔術大隊も防衛態勢で南部城壁に配置済みです」


「ご用命ございましたら、何なりとお申し付け下さい」


「カーラ王国の為、そして王妹殿下の為・・・このドミニク、犬馬の労も厭いませぬ」







ドミニク殿は恭順の意を示しながら、私に協力を申し出てきた。

こういう時、王妹殿下の威光が国中に浸透していると改めて感じることが出来る。

彼の様な忠義の士の申し出はとてもありがたい。

今は一人でも多くの戦力が欲しい時だ。







「・・・ドミニク殿。協力の申し出感謝致します」


「ミンツから王都までの距離を考えると間もなく巨人どもが襲来するでしょう」


「奴らの対処は我が騎士団と傭兵部隊が引き受けます」


「ただし、奴らの仲間がいるやもしませんので、ドミニク殿にはそやつらの対応をお願いしたい」


「事が済むまで港の封鎖をお願い致します」


「怪しい動きをする商船がありましたらすぐに捕らえて下さい」


「はっ!承りました」







ドミニク殿の承諾の言葉を聞き、私は少し肩の荷が下りた。

・・・良かった。

これで港に戦力を回す必要がなくなる。







「では・・・私は傭兵部隊とすぐに合流しなければなりませんのでこれで・・・」







ドミニク殿に敬礼をして、私は外へと歩き出した。

他の団員も魔術師達に敬礼をしながら通り過ぎていく。







ギィィ・・・







転送棟の門を開き、私達はミンツの町中へと出た。

傭兵部隊の下へ小走りで向かう間に巨人どもの動向について考える。

・・・王都からミンツの町までは、およそ100km。

1回の転送魔法陣でギリギリ入るくらいの遠距離だが、

巨人どもの足の速さを考えれば、数時間もあれば十分だ。

奴らが王都の北門を蹴破ってミンツ方面に逃走したのが、夜明けの少し前。

そして、夜が明けて既に2時間程経過している。

タイミング的にはもういつ襲来していてもおかしくない。

急いで迎撃準備を整えねばなるまい。







「全員駆け足だ!!」


「直ちに傭兵部隊と合流する!遅れるな!!」


「はっ!!」







ザッザッザッ・・・・・







私の号令に後ろの団員たちが応答する。

甲冑を鳴り響かせながらミンツの町の大通りを下っていき、町の南門へと急行する。

私達の姿を見て住人たちは何事かと驚いていた。

箝口令が敷かれていることもあって、軍の関係者とギルドの一部の者にしか、オークション襲撃事件の報は伝わっていないはずだ。

急ぎでないのであれば、優雅に行進をして我が騎士団の威風を示すのだが、さすがに今はそんな外聞に構っていられない。

朝の市場で活気溢れるミンツの大通りの人波を掻き分けていく。

周囲の風説が既にさざなみの様な波紋を起こしている中、先へ先へと私達は急ぐ。

例え箝口令を敷いていようが、これでは噂が広がるのに数日と掛かるまい。

人の口に戸は立てられない。

しかもミンツの町はカーラ最大の貿易港があり、各地の商人や旅人が集う国際多文化都市だ。

王都でも異種族の姿は見られるが、この町はその比ではない。

ミンツの町周辺数100km四方には町らしい港がない。

その為、北は魔族、西は亜人・獣人、東はイドゥン連盟の船が補給のために寄港せざるを得ない。

港周辺の区画には異種族の居住地が点在し、区画ごとに風土が全く異なる人種の坩堝と化した町だ。

従って、この町で異変が起こればすぐさまそれが全世界に広まると言っても過言ではない。

守備隊の厳戒体制や、先に到着した傭兵部隊の展開から異常事態が発生しているというのは町の人間も既に認識している事だろう。

そこに王都から到着した我が騎士団の姿と港の封鎖が重なれば、もう確信に至るには十分だ。

暴動が起きぬといいがな・・・・

港を封鎖したら、いざという時に船で逃げられなくなるという事を意味する。

守備隊が町の人間と衝突する可能性すらあるのだ。

焦りは禁物だが、出来るだけ早く片付けねばなるまい・・・







「団長!あれを・・・!」







後ろの団員の一人が声を上げる。

団員の指差す方向に目を向けると、南門の上に誰かが立っていた。

こちらに向かって手を上げて衆目を集めているその姿はあまりにも目立っていた。







「あれは・・・!」







あの姿は見覚えがある。

見間違いようがない。

他を威圧する鋭い眼光に、顔に付いた無数の切り傷。

筋骨隆々な巨躯から放たれる圧倒的な威風と覇気。

ドラゴンすらも両断しそうな程の背中の大剣。

彼が戦えば天地が鳴動すると称えられる、王国でも数少ない英雄級の冒険者。







「ジェラルド殿・・・!!」







まさか彼が来てくれるとは・・・!

彼は私の姿を認めると城門の上から高々と飛び上がり、こちらにダイブしてきた!!







ズガァーーーーーン!!!







「きゃああ!」


「うわああ!!」







彼はそのまま私の前に大音量を響かせながら着地してきた!!

あまりの衝撃音の凄さに何も知らない周囲の人間が狼狽の声を上げる。







「・・・・ふぅ」







着地の衝撃で小さなクレータが出来上がる。

彼はその中心でのっそりと立ち上がった。

そのまま私の方にゆっくりと歩いてくる。

私は彼に視線を合わせて穏やかな笑みを浮かべた後、彼の前で跪いた。







「ジェラルド殿お久しぶりです!」


「此度は王妹殿下の呼びかけに応えて頂き感謝の極み」


「まさか貴方が直接来てくれるとは思いませんでした・・・!」







私の挨拶に彼は渋い表情を僅かに破顔させた。







「・・・うむ。クラウディア公女、久しいな」


「卿はしばらく合わないうちにまた美しさに磨きがかかったようだ」


「・・・依頼の件は礼にはおよばん」


「久しぶりに血が騒ぐような相手だと聞いたものでな」


「戦士として戦ってみたいと思ったまでのことよ」







その言葉の頼もしさに私は心底救われたと思った。







・・・助かった。

これで余計な小細工をしないで済む・・・・・







先程までどうやって巨人共の足止めをするかという事ばかり考えていたのだが、

ジェラルド殿が来てくれたのならばもはやそんな事を考える必要すらない。

彼が一人いれば奴らを殲滅する事が出来るだろう。

それくらい英雄級冒険者は別次元の存在なのだ。

私は立ち上がると、改めて彼に頭を下げて感謝を述べた。







「ジェラルド殿改めてお礼申し上げます」


「どうか巨人殲滅に御身のお力をお貸し下さい」


「御身がいれば必ずや神遺物の奪還は叶えられるでしょう」


「・・・うむ」







ジェラルド殿が私の嘆願に頷く。

私は周囲を伺いながら、彼にさらに質問をした。







「ところで巨人達の動向についてご存知のことをお教え下さい」


「傭兵たちは既に奴らと接敵したのでしょうか?」


「うむ、それなんだがな・・・」







ジェラルド殿は顎に手を当てさすりながら答えて来た。







「卿の言う通り、奴らはミンツの町が狙いだとワシも判断した」


「故に、傭兵部隊をミンツの南門前に展開させ、配置が完了したのがおよそ1時間前」


「それから周囲の警戒を続けさせているが、奴らの姿はまだ確認しておらん」


「もちろん我々が展開する前に巨人共が現れたという報もないから、既に来たというわけでもなかろう」


「・・・・・」







彼の返事にしばし私は考えを巡らす。







「・・・分かりました」


「時間を考えるとこれから来てもおかしくありません」


「王都からの巨人の追撃部隊も間もなくここに到着する予定です」


「そうすれば今より状況がはっきりするでしょう」


「巨人どもの捕捉は我々が引き受けます」


「ジェラルド殿は傭兵たちに引き続き警戒を呼びかけて下さい」


「いつでも迎撃出来る体勢で待ち構えておくようにと・・・」


「うむ・・・承知した」


「こたびの依頼主は卿達だ。我々を好きに使うが良い」


「後の判断は任せたぞ」


「はい。お任せを」







私の言葉にジェラルド殿は頷くと、傭兵たちがいる町の外へと目を向ける。







ダーン!!







そして、再び轟音を響かせながら大跳躍を決めて、そのまま町の外へと飛び出していった。

私は彼の姿を見送った後、後ろに控えていた団員たちに向き直った。







「よし!お前たち指令を出す!」


「第1小隊はこのまま私に続き、南門から出て町の外で哨戒を行う!」


「第3小隊は南門の城壁に上り、町の近辺の警戒!!」


「第4小隊は西門と南門の出入口で検問を行い、通行人の荷物の検品と不審者の摘発をしろ!!」


「なにかあればすぐに合図で知らせるように!!」


「以上!行動開始!!」


「はっ!!」







私の指令を受けて、各小隊は各々の持ち場へと散開していく。







「第1小隊は私に続け!」


「はっ!」







アイナとグレースが現在別任務に従事しているため、第一小隊の隊員は私を含めて9名。

私は直属の部隊を引き連れて南の最前線へと赴く。

荒野の中で見晴らしの良い岩山へと登った。







「お前たち・・・いつ接敵してもいいように武装の準備をしておけ」


「一瞬でも気を抜くなよ!!」


「はぁっ!」







私の号令に覇気のある喚声を上げながら隊員達が続く。

やがて岩山の頂上に着くと四方に散らばって、前後左右の哨戒を始める。







「隊長!!3時の方向異常ありません!」


「同じく、6時の方向異常なし!」


「9時の方向も異常ありません!」


「・・・分かった。そのまま哨戒を続けろ!」







私と隊員2名“ケイファ“と“セルマ“が12時の方向・王都方面の監視をしていた。

ミンツの町の外は、だだっ広い荒野と石畳で舗装された道路が延々と王都まで続いている。

道路の向こう側からはちらほらと旅人や行商人の姿の往来が確認できる。

それ以外に目立った変化は今のところない。

私は懐から懐中時計を取り出して、現在の時刻を確認した。







10:12







「・・・・・」







既に哨戒任務を始めて1時間以上経過していた。







遅い・・・







それが私の抱いた正直な感想だった。

奴らが王都北門からこちらに向かったのが夜明け前としたらもうとっくに来ていてもおかしくないはずだ。

にわかに焦燥感が巻き起こる。

まさか、読みを外したか・・・!!?

大河方面は無理にしても、トール山脈を突っ切った可能性がないわけではない・・・

・・・どうする?哨戒の範囲を広げるか・・・!?







「隊長!!・・・あれを!」







私が逡巡を繰り返していた時、横にいたケイファの声が私の注意を引き付けた。







「・・・なんだ!?」







まだうっすらとだが、前方に土煙が舞い上がっている。

奴らが来たのか・・・・!?

一瞬緊張が私の中に走ったが、すぐに杞憂だったことが分かる。

土煙は街路をはみ出して広範囲に横に広がって起こっており、

数百人規模の集団が並走して近づいてきていることを意味していた。

明らかに巨人達ではない。

私が目を凝らしてその集団の先頭を見ると馬に騎乗している兵士たちの姿が見えた。

カーラの国章であるヘルヴォルの盾が刺繍された軍旗も確認できる。







「あれは・・・追撃部隊か!」







そう、カーラ王都から遥々巨人達を追撃していた部隊が到着したのだ。







「お前たちはそのまま周囲の警戒を続けていろ!」


「追撃部隊の応対は私が行う」


「はっ!お任せを!!」







私は騎士団の団旗を一本持つと、一旦岩山を降りた。

街道へと歩を進め、追撃部隊の注意を引くべく団旗を大きく振る!







バサバサバサ!!







「・・・おい!あれを見ろ!」


「ヘルヴォルの楯に白いバラの印章・・・あれは第9近衛騎士団だ!」







先頭を走る偵察部隊の2名が私の振っている旗に気づいたようだ。

彼らは街道上にいる私の所まで馬を走らせてくる。

そして、そのまま馬上から私に声を掛けてきた。







「失礼する!我々はカーラ王国北門警備連隊遊撃隊の者だ」


「その軍旗と甲冑姿を見るに、貴公は第9近衛騎士団の者とお見受けするが、間違いないか?」







彼らの言葉に敬礼を返しながら、私は返答した。







「役目ご苦労」


「私は第9近衛騎士団団長クラウディア・フィリア・マリュス・ヒルデグリムだ」


「貴殿らの指揮官はいるか?」


「確認をしたいことがあるので、至急取り次ぎ願いたい」







私の言葉を聞いた2人は驚きの表情を浮かべる。







「・・・はっ?・・・はっ!!」


「ク、クラウディア団長、御自らお出迎えとは、恐れ入ります!!」


「少々お待ちくださいませ!!」







そう言うと2人は慌てて、来た道を戻っていった。







ピィィイィ!!!!!!







彼らは胸に吊るしていた警笛を鳴らし、

数キロ先まで轟きそうな大声で四方へ伝令を飛ばした。







「全軍止まれぇ!!!!止まれぇ!!!!」







土煙を起こしていた遊撃隊の進軍が止まる。

彼らは遊撃隊の中央部まで行くと、指揮官の男を同伴して私の所までやってきた。

指揮官は私の姿を認めると、馬から降りて私の前まで歩み寄ってきた。

お互いに敬礼をした後、言葉を交わす。







「・・・初めまして。クラウディア団長」


「私は北門警備連隊遊撃隊・中隊長の“リューク・フロタウス“と申します」


「御身のお噂はかねがね伺っております。お会いできて光栄です」







彼の言葉を受けて私の表情に少し笑みが浮かぶ。







「私の事をご存知とは恐縮です。リューク殿」


「呼びかけに応じて頂きお礼申し上げる」


「とんでもありません。エレオノーラ王妹殿下を警護している方々のお役に立てるのであれば我々としてもこの上ない本望です」


「そう言って頂けるとこちらとしてもありがたいです」







彼に一礼をすると私は本題に入った。







「・・・早速ですが、至急貴殿に確認したいことがあります」


「例の巨人共についてですね?」







私の言葉にリューク殿の眼光が鋭くなる。

彼の問いに頷いて話を続ける。







「ええ・・・奴らの動向について今知っていることを全て教えて頂きたい」


「・・・貴殿の部隊に交戦の跡が見られないところからして、どのように見失ったかも含めて教えて頂けると幸いです」







腹の探り合いをしてもしょうがないので私は単刀直入に聞いた。

正直もし奴らと接敵していたら追撃部隊は全滅していても可笑しくない。

だが、彼らの部隊を見渡しても、交戦した様子は見られなかった。

つまり彼らは巨人達を追撃していたにも関わらず、捕捉できなかったという事だろう。







「御身には申し訳ありませんが、その通りです」


「昨夜巨人共がミンツ方面へ逃走した所までは我々も確認しております」


「しかし、追撃しているうちに我々は奴らを見失い、さらに不可解な出来ことがあったのです」


「不可解なこと・・・ですか?」







彼の含むような言い回しに私は眉をひそめた。







「はい。我々が奴らの姿を見失っても私は追跡はそう難しいことではないと思っておりました」


「奴らは超重量のフルプレートを装備し、あれだけの巨体を誇ります」


「そして、道行く先は荒野で足跡が残りやすい地形です」


「足跡を辿れば奴らの追跡は容易だと考えておりました」


「今回の我々の任務の目的は敵の殲滅ではなく、捕捉がメインでしたからね・・・・」


「・・・なるほど。それでどうなったのです?」







私は勿体つける彼に話の続きを促した。







「・・・はい。正直まだ私も見たものが信じられなくて、どう話せばいいのか分からないのですが・・・」







リューク殿は一度間を置いてから驚きの言葉を口にする。







「巨人の足跡は・・・荒野の真ん中で突然に消えておりました」


「それこそ、神隠しにあったかのような感じで・・・・」


「・・・・!?」







彼の言葉に私は目を見開く。







「荒野のど真ん中で5人の巨人達がそこから羽が生えて飛んで行ったかのように足跡が消えていたと言えば分かるでしょうか?」


「奴らの足跡はくっきりと残っていたのですが、ある地点を境にそれ以降全く姿を消してしまったのです」


「正直我々も途方に暮れた次第ですよ」


「・・・・・」







どういうことだ・・・!?

この情報は私にとっても流石に予想外だった。

確かに、魔法の中には飛翔魔法や空中に足場を作ると言った魔法がないわけではない。

私も少しはその可能性を考えなかった訳ではない。

しかし、結局それはないだろうと結論付け、頭の隅から追いやっていた。

この周辺で飛翔魔法使った所で大した意味がないからだ。

理由は明快で、航続距離が持たないのだ。

飛翔魔法フライにしても、空中階段エアロ・ステップにしても、この荒野の中で使用した所で効果はたかが知れている。

ミンツ周辺には町らしい町は存在せず、東西は大河と山脈に阻まれており、そこを飛行しようとしてもとてもじゃないが魔法力が持たない。

大気中の魔素マナは上空に行けば行くほど薄くなり、MPの回復が鈍くなる。

その上、飛行する物体が巨体であり質量が大きいほど必要な魔法効果も大きくなるのが道理だ。

巨人共が飛行魔法を使ったところで他所の国に飛んでいくなど出来はしないはずだ。

そもそも我がカーラ王国には鷹の目ホークアイのスキルを持つ宮廷魔術師がおり、カーラ上空へ常に目を光らせている。

他国には空軍を持つ国家も存在するため、外敵の侵入をいち早く察知する必要があるためだ。

当たり前だが、奴らが空を飛ぼうものなら鷹の目の探知スキルレーダーに引っかかる。

宮廷魔術師の報告もない以上、空から逃げたという可能性はやはりないと考えて良い。







「・・・リューク殿。足跡の件はたしかに不可解です」


「遊撃隊の追撃を撒くために飛行魔法などを使った可能性もありますが、」


「周辺の地理状況と航続距離からしても使用する可能性は低いと私は見ています」


「足跡は隠蔽スキルを使って隠したという事は考えられないでしょうか?」







私の意見にリューク殿も相槌を打った。







「確かに、昨夜は月明かりもよく出ており、空を行けば遠方からでも奴らの姿を捉えることは出来たでしょう」


「私も空の可能性は低いと見ております」


「しかし、なるほど隠蔽スキルですか・・・・」


「確かにその可能性はありますね・・・迂闊でした」







私の言葉に一理あると見たリューク殿は悔しそうに顔を歪める。







「リューク殿。足跡以外に痕跡になりそうなものはなかったのですか?」


「・・・いえ、残念ながら他にはなにも・・・」


「我が遊撃部隊も全力で王都からここまで駆けてきましたが、足跡くらいしか痕跡になるものはありませんでした」







彼はそう言って無念そうに首を振った。

リューク殿の言葉を聞いて、私はしばし考え込んでしまう。







一体奴らはどこに消えたんだ・・・!?







正直これは想定外だ・・・

王都を出たときは奴らと死闘を演じることを覚悟して出てきたというのに、

戦うどころか、奴らは蒸発でもしたかのようにいなくなってしまった・・・

しかし、このままここで指を咥えているわけにもいかない。

危険だが探索の範囲を広げるしかあるまい・・・







「・・・リューク殿。話はわかりました」


「奴らがここに来ない以上探索の範囲を広げるしかありません」


「危険ですがトール山脈方面に追跡部隊を――」


「・・・隊長!!!」







――出しましょうと、言葉を続けようとしたその時、

遠方から私を呼ぶ声が聞こえてきた。

振り向くと馬に騎乗して手を降っているグレースの姿があった。

彼女の後ろには黒い法衣を着た女魔術師も同伴していた。







「グレース!!」







来たか!!これぞ天の助け!!

グレースは私の前まで来ると馬から降りて跪いた。







「隊長!お待たせ致しました!」


「連盟魔術師の“ラナ“殿をお連れしました!!」







ラナと紹介された魔術師も、馬から降りて私に会釈をしてきた。







「グレース!よくぞ連れて来てくれた!」


「良いタイミングだったぞ!!」







そう言うと、私は連盟魔術師のラナ殿の方へも顔を向ける。







「“ラナ・サックウィル“と申します」


「お会いできて光栄ですわクラウディア公女」


「よく来てくれましたラナ殿!」


「商人ギルド連盟のご助力心強い限りです!」


「王妹殿下に代わり、この場でお礼申し上げます・・・」







私は深々とお辞儀(カーテシー)をして、ラナ殿に感謝の意を伝えた。

そして、改めて彼女を見据える。







「・・・満足に自己紹介もしないで本題に入らせて頂きますが、今は危急の時ゆえご容赦願います」


「早速、奪われた神遺物の探知サーチをお願いしたい」


「・・・承知いたしております。すぐに取り掛かりますゆえお待ちを・・・・・」







ラナ殿は私に一礼すると、目を閉じてスキル発動のために集中を始めた。

彼女の手からルーンが刻印された魔法陣が浮かび上がり、それは徐々に魔素を含んで大きさを増していった。

それから程なくして彼女は目を開き能力を発動させる。







希少探知レアサーチ!!」







彼女の掛け声と共に浮かび上がった魔法陣が反応する。

中に描かれたルーンが大気中の四方八方に散開していき、

魔素の波動が彼女を中心に円形状となって広がっていった。







「・・・・・」


「・・・・・」


「・・・・・」







その光景を私とグレース、そして、遊撃隊の面々が固唾を飲んで見守っていた。

しばらくして、彼女が結果を報告してくる。







「探知結果出ました・・・」


「周囲数100kmに探知を掛けましたが、対象となる宝箱は一つも見つかりませんでした」


「神遺物の宝箱は完全にロストしております・・・」


「・・・なっ!!」


「えっ!!!?」







その言葉は、私を含めそこにいた者全員を驚かせるに十分過ぎるものだった・・・















To Be Continued・・・
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