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12月
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しおりを挟むゲーセン行って店内を冷やかして。特別に何かをするわけでもなく2人で過ごしてから、俺は吉良を自宅に連れてきた。
最初から自宅に来て貰えば良かったのだが、引っ越し関係で朝早くから母親が来て少々バタバタしていたので、落ち着く頃合いまで時間潰しというか覚悟を決めるための時間が欲しかったというか…。
吹っ切れても覚悟がいるんです(泣)
玄関を開けてたら、思った以上に家の中が閑散としていた。
こんなに家って広かったんだな…。
「本当に引っ越すんだよな」
「まあな」
室内をしみじみ見回して呟く吉良に何を今更と俺は苦笑いする。
自室の扉を開ければ、ダンボールが数個と買い換えるために置き去りにされたベットのみになっていた。
買って来た飲料と食べ物が入ったビニール袋をフローリングに置き、吉良と一緒にベットに並んで座る。
「知らない部屋みたいだな」
「ああ…」
この部屋でお前と話すのも最後。
殺風景になってしまった室内を見つめる水色の瞳が切なげに眇められる。
「あのな俺明日から学校休むから」
俺の言葉に吉良は驚き、両肩を掴む。
「終業式までいるんじゃないのか!?」
「向こうの学校の手続きがあってな。終業式だけ顔を出す。菜美は午前中に母親と一緒に先行った」
「…凪沙はなんで一緒に行かなかったんだ」
「話をぶっ壊して、俺がやりたいようにやるため、かな?」
あ、吉良が困惑してる。そりゃそうだよな、俺の中の話だからな。
眉間に寄せた皺を指で突き、俺は笑ってみせる。
「俺の女々しくて情けない話を聞いてくれないか?」
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