25 / 39
旅の再開・そして、グリッド村へ
しおりを挟む
火の爆ぜる音に目を覚ますと、ジャックが黙って焚き火を見ている。
皆を助けられたし、犯人も捕まったし、ザップからお礼にと、馬車とお金もらった。
これで、お姉ちゃんのところへ早く行ける。
(・・・)
すべてが、良い方向へ向かってるはずなのに・・。
ジャックは眠れないほど、一人で辛い思いを抱えている。
私に向けるジャックの笑顔は、何故か泣いているように見える。
ああ、どうして私は、力になれないんだろう。
聞くところによると、エマという女の人は詐欺師だと言う。
きっと、ジャックも騙されて嫌な思いをしたはずだ。話しを聞こうジャックに声をかけようとしたが、ザップに止められた。
「フローラは17年しか生きていないが、ジャックは500年も生きているんだ。色々あって当たり前だ」
だから、折り合いをつけるまで待ってやれと言われた。
どんな話でも聞くのに・・。
何も言ってくれないのは、私を信用してくれていないようで寂しい 。
私はジャックと思いを分かち合いたい。話せば、悲しみは半分に、喜びは倍になるとお父さんが言っていた。
私だって、分かってる。
たとえ知りたくても 無理やり聞き出そうとするのは、自己満足に過ぎない。 だから、その時が来る日を気長に待つつもりだ。
だかと言って、悲しみに暮れている
ジャックを放ってはおけない。
(・・・)
フローラは、むくりと起き上がり、 ジャックの隣に座る。すると、ジャックが、ハッとしたように私を見る。
「起こしてしまったか。すまない。今火を消す」
「・・・」
何か言おうと思ったのに、何も出てこない。完全に見切り発車だった 。何か言葉を用意していた訳ではない。ただ気持ちだけで、起き上がってしまった。
「フローラ?」
事情も何も知らない今の私に、慰めの言葉など見つからない。
私に出来るのは身も心もジャックに向きあうこと。
言葉が無理なら傍にいよう。
「私も焚き火が見たくなったんです」
そう言うと、自分の頭をジャックの肩にもたれかける。
*****
フローラが俺のことを心配して、気遣ってくれるのは、有り難い。
でも今の俺に、それに答えられる
余裕はない。
聞きたい事もたくさんあるだろうに、 俺の気持ちを尊重して、何も聞かないで傍にいてくれる 。
それだけでも十分救われる。
小さくなった焚き火に 追加の薪を放り込むと体動かすと 自分の大腿骨にストンとフローラの頭が落ちてくる。完全に熟睡してる。
篝火に照らされた可愛い寝顔を見ながら、ジャックはフローラの髪を撫で付ける。
沈んでいた心に暖かな思いが広がる。 フローラが居てくれてよかった。居なかったら、前に進もうとは思わなかっただろう。
いつのまにか自分にとって、大切な存在になっていた。
込み上げて来た愛しさに、かすかに下顎骨が上がる。
ふと、ザップの言葉が蘇る。
リンダの家でザップとウイスキーのグラスを傾けながら、お互いのことを語り合った。
いつしか話しは救出したときの話題になった。
「俺はとうの昔に、人間に見切りをつけた。だから、フローラがお前を助けに来た時は、夢だと思った。 そしてフローラが、頭蓋骨なのにお前を見つけた時は、奇跡だと思った。 そして、お前に抱きついた時は、 愛だと確信した」
「・・・」
やれやれと、ジャックは頚椎を動かす。随分ロマンチストな男だ。
真面目な顔で切々と言われても、ジャックは肯定も否定も出来ない。
フローラとの間に芽生えた絆が、男女の愛とは思えない。だが・・。
「俺達、アンデッドは恋愛の対象になりませんよ」
姿を見られただけで、悲鳴をあげられる存在なのに、愛だなんて・・。
すると、ザップが俺に向かって、分かってないと指骨を振る。
「俺たちは元人間だ。アンデッドになったからって、人間の感情まで失くしたわけじゃない。だから、心がある」
「・・・」
ザップが自分の胸骨を叩く。
確かに、そうだけど・・。
いくら俺たちがそう思っていても、 人間伝わるはずがない。
「俺はお前が羨ましい」
「俺ですか?」
「俺だってフローラのことを可愛いと思う。もう少し若ければ、口説いてた」
ザップが指骨で下顎 骨を撫でる。
「何言ってるんです」
人間のフローラを口説こうとするくなんて呆れる。
「考えてもみろ。俺達は、本物のアンデッドじゃない。つまり、本物のアンデッドのような考え方は出来ないんだ」
「それは、そうですけど・・」
だからといって、人間の女にちょかいをかけて良いことには、ならない。
「人間を襲いたいとか、食いたいとか、思ったことがあるか?」
「そんなこと思ったことも、ありませんよ 」
ザップが 身を乗り出して意見を求める。
「だったら、人間だ」
「考え方が、極端すぎますよ」
「ジャック。俺が言いたいのは、人間の人生は短い。あっという間に死ぬ。だから、その一瞬一瞬を大切にしないと後悔するぞ」
「後悔って・・。 俺に、どうしろって言うんですか」
ザップがフローラに告白させようと俺をそそのかしてくる。自分は村に 帰るのに、なんて無責任な大人なんだ。
「フローラは、アンデッドのお前を受け入れるだけの広い心がある。そんな相手に出会えるのは稀だ」
「・・・」
言われなくても、一番実感しているのは俺自身だ。躊躇なく声をかけ、体に触れ、 笑いかけてくる。それがどんなに嬉しい事か・・。
黙って聞いていたリンダの父親が口を開く。
「私もそう思います。 ジャックの元気がないと心配してました」
「・・・」
「何とも思わないヤツのことを心配するか?」
「死んでしまったと、泣いたりしませんよ」
「・・・」
二人にフローラが俺のことを好きだと言われて、失くしたはずの心臓がドキドキする。いや、可笑しくない。
人間だった時の記憶が、そう思わせてるんだ。しかし、俺はアンデッドで、フローラは人間。 所詮種族が違う。
でも、何かがあるのは真実。
それは信頼だとおもう。
お互いに相手のことを大切に思っている。
今にして思えば、 俺たち2人は最初から普通とは無縁だった。
人間に興味を持ち、 アンデッドを頼り、 人間に助けられ、アンデッドを・・。
** グリット村へ**
モントス村での一件も無事解決して、やっとグリッド村へと
さし掛かったが、 長い長蛇の行列ができている。
落ち着いた様子からトラブルではない。いつも混んでるのか?有名な観光地なのか?
隣に座っているフローラに目を向けると、ソワソワしている。
もうすぐ、姉に会えると言う気持ちが 、フローラの中に 期待と焦りが 落ち着きなくさせている。
早く再会させてあげたい。その為にも、情報が欲しい。
「フローラ。グリット村が、どんな村か知ってるか?」
ただ聞いただけなのに、余程嫌なのかフローラが鼻に皺を寄せる。
どうしてそんなことをするのか、全く身に覚えがないジャックは真正面から
見つめ返す。すると、フローラが両手を挙げて首を振る。
「とぼけないでください。グリット村と言ったら、美女村で有名なんですよ」
「美女村?そんなこと言われても、知らない」
「本当ですか~」
今更とぼけるきかと、フローラが肩をすくめる。その仕草に、さすがにムッとする。村の別名と 、ローラの態度から 大体の想像はつくが、そういう男だと思われるのは心外だ。
今も昔も、清廉潔白だ
「フローラ。俺を見ろ。500年前からアンデッドなんだぞ。行ければかないだろう」
「 ・・あっ、そうでした」
人間もアンデットも男は皆同じと
ひと括り
にして、軽蔑していたフローラだったが、やっと納得したようだ。
どうもフローラは、俺のことを人間だと考えがちだ。
「この行列は美女目当ての男どもと、娘を売りに来た親たちの列です」
「・・・」
何とも言いようがない。興味があると言っても、ないと言っても、何か言われる。 返事に困る内容だ。
「でも、何かあったんでしょうか?全然動きませんね」
フローラが 身を乗り出して先頭を見て来ると馬車を降りる。
今日も元気だ。
かけていくフローラを見送るとて手綱を緩める。
馬車を手に入れたことで、旅がが楽になった。ザップに感謝だな。
サントス村から2日でグリッド村かに
着いた。今夜は、久しぶりにフローラをベッドで寝かせてあげられる。
そんな事を考えていると、ふくれっ面のフローラが戻ってくる。
「どうした。何かあったのか?」
「聞いてくださいよ。村に入りたいなら入村料を払えって言うんですよ」
「入村料?」
そんなモノを取る
村などを聞いたことも無い。ヤクザが考えそうなことだ。
フローラと一緒にジャックは馬車の物陰から男達を観察する。どう見てもゴロツキだ。話してわかる奴らじゃない。
「やっぱり、悪い奴らですか?」
「ああ、旅人たちをカモにしてるんだろう。あの見た目だ。大概の者はトラブルを避けたがるからな」
「まったく、どこまでむしりとりば気が済むのよ」
フローラが弱者をいたぶると目を三角にする。
確かに腹立たしいことだが、村に入らないわけにはいかない。
(金か・・ )
「一人いくらだ?」
「銀貨3枚です」
「フローラ、いくら持ってる?」
フローラが自分の手のひらをに手持ちを出す。ジャックは、その手のひらに自分の財布の中身を出す。
二人で中身を確認してため息をつく
「「ふぅ~」」
1人分にもならない。
「どうする。ザップから貰った金を使うか?」
貰った金を使うかどうか、決めるのはフローラだ。金を失う代わりに早く村に入るか、 今後のためにとっておくか。
「そうですね・・」
フローラが顎を指で叩きな考える。
運良くこの村で姉が見つかったとしても、帰りのことを考えれば 少しは取っておきたい。
「決めました。夜、忍び込みましょう」
皆を助けられたし、犯人も捕まったし、ザップからお礼にと、馬車とお金もらった。
これで、お姉ちゃんのところへ早く行ける。
(・・・)
すべてが、良い方向へ向かってるはずなのに・・。
ジャックは眠れないほど、一人で辛い思いを抱えている。
私に向けるジャックの笑顔は、何故か泣いているように見える。
ああ、どうして私は、力になれないんだろう。
聞くところによると、エマという女の人は詐欺師だと言う。
きっと、ジャックも騙されて嫌な思いをしたはずだ。話しを聞こうジャックに声をかけようとしたが、ザップに止められた。
「フローラは17年しか生きていないが、ジャックは500年も生きているんだ。色々あって当たり前だ」
だから、折り合いをつけるまで待ってやれと言われた。
どんな話でも聞くのに・・。
何も言ってくれないのは、私を信用してくれていないようで寂しい 。
私はジャックと思いを分かち合いたい。話せば、悲しみは半分に、喜びは倍になるとお父さんが言っていた。
私だって、分かってる。
たとえ知りたくても 無理やり聞き出そうとするのは、自己満足に過ぎない。 だから、その時が来る日を気長に待つつもりだ。
だかと言って、悲しみに暮れている
ジャックを放ってはおけない。
(・・・)
フローラは、むくりと起き上がり、 ジャックの隣に座る。すると、ジャックが、ハッとしたように私を見る。
「起こしてしまったか。すまない。今火を消す」
「・・・」
何か言おうと思ったのに、何も出てこない。完全に見切り発車だった 。何か言葉を用意していた訳ではない。ただ気持ちだけで、起き上がってしまった。
「フローラ?」
事情も何も知らない今の私に、慰めの言葉など見つからない。
私に出来るのは身も心もジャックに向きあうこと。
言葉が無理なら傍にいよう。
「私も焚き火が見たくなったんです」
そう言うと、自分の頭をジャックの肩にもたれかける。
*****
フローラが俺のことを心配して、気遣ってくれるのは、有り難い。
でも今の俺に、それに答えられる
余裕はない。
聞きたい事もたくさんあるだろうに、 俺の気持ちを尊重して、何も聞かないで傍にいてくれる 。
それだけでも十分救われる。
小さくなった焚き火に 追加の薪を放り込むと体動かすと 自分の大腿骨にストンとフローラの頭が落ちてくる。完全に熟睡してる。
篝火に照らされた可愛い寝顔を見ながら、ジャックはフローラの髪を撫で付ける。
沈んでいた心に暖かな思いが広がる。 フローラが居てくれてよかった。居なかったら、前に進もうとは思わなかっただろう。
いつのまにか自分にとって、大切な存在になっていた。
込み上げて来た愛しさに、かすかに下顎骨が上がる。
ふと、ザップの言葉が蘇る。
リンダの家でザップとウイスキーのグラスを傾けながら、お互いのことを語り合った。
いつしか話しは救出したときの話題になった。
「俺はとうの昔に、人間に見切りをつけた。だから、フローラがお前を助けに来た時は、夢だと思った。 そしてフローラが、頭蓋骨なのにお前を見つけた時は、奇跡だと思った。 そして、お前に抱きついた時は、 愛だと確信した」
「・・・」
やれやれと、ジャックは頚椎を動かす。随分ロマンチストな男だ。
真面目な顔で切々と言われても、ジャックは肯定も否定も出来ない。
フローラとの間に芽生えた絆が、男女の愛とは思えない。だが・・。
「俺達、アンデッドは恋愛の対象になりませんよ」
姿を見られただけで、悲鳴をあげられる存在なのに、愛だなんて・・。
すると、ザップが俺に向かって、分かってないと指骨を振る。
「俺たちは元人間だ。アンデッドになったからって、人間の感情まで失くしたわけじゃない。だから、心がある」
「・・・」
ザップが自分の胸骨を叩く。
確かに、そうだけど・・。
いくら俺たちがそう思っていても、 人間伝わるはずがない。
「俺はお前が羨ましい」
「俺ですか?」
「俺だってフローラのことを可愛いと思う。もう少し若ければ、口説いてた」
ザップが指骨で下顎 骨を撫でる。
「何言ってるんです」
人間のフローラを口説こうとするくなんて呆れる。
「考えてもみろ。俺達は、本物のアンデッドじゃない。つまり、本物のアンデッドのような考え方は出来ないんだ」
「それは、そうですけど・・」
だからといって、人間の女にちょかいをかけて良いことには、ならない。
「人間を襲いたいとか、食いたいとか、思ったことがあるか?」
「そんなこと思ったことも、ありませんよ 」
ザップが 身を乗り出して意見を求める。
「だったら、人間だ」
「考え方が、極端すぎますよ」
「ジャック。俺が言いたいのは、人間の人生は短い。あっという間に死ぬ。だから、その一瞬一瞬を大切にしないと後悔するぞ」
「後悔って・・。 俺に、どうしろって言うんですか」
ザップがフローラに告白させようと俺をそそのかしてくる。自分は村に 帰るのに、なんて無責任な大人なんだ。
「フローラは、アンデッドのお前を受け入れるだけの広い心がある。そんな相手に出会えるのは稀だ」
「・・・」
言われなくても、一番実感しているのは俺自身だ。躊躇なく声をかけ、体に触れ、 笑いかけてくる。それがどんなに嬉しい事か・・。
黙って聞いていたリンダの父親が口を開く。
「私もそう思います。 ジャックの元気がないと心配してました」
「・・・」
「何とも思わないヤツのことを心配するか?」
「死んでしまったと、泣いたりしませんよ」
「・・・」
二人にフローラが俺のことを好きだと言われて、失くしたはずの心臓がドキドキする。いや、可笑しくない。
人間だった時の記憶が、そう思わせてるんだ。しかし、俺はアンデッドで、フローラは人間。 所詮種族が違う。
でも、何かがあるのは真実。
それは信頼だとおもう。
お互いに相手のことを大切に思っている。
今にして思えば、 俺たち2人は最初から普通とは無縁だった。
人間に興味を持ち、 アンデッドを頼り、 人間に助けられ、アンデッドを・・。
** グリット村へ**
モントス村での一件も無事解決して、やっとグリッド村へと
さし掛かったが、 長い長蛇の行列ができている。
落ち着いた様子からトラブルではない。いつも混んでるのか?有名な観光地なのか?
隣に座っているフローラに目を向けると、ソワソワしている。
もうすぐ、姉に会えると言う気持ちが 、フローラの中に 期待と焦りが 落ち着きなくさせている。
早く再会させてあげたい。その為にも、情報が欲しい。
「フローラ。グリット村が、どんな村か知ってるか?」
ただ聞いただけなのに、余程嫌なのかフローラが鼻に皺を寄せる。
どうしてそんなことをするのか、全く身に覚えがないジャックは真正面から
見つめ返す。すると、フローラが両手を挙げて首を振る。
「とぼけないでください。グリット村と言ったら、美女村で有名なんですよ」
「美女村?そんなこと言われても、知らない」
「本当ですか~」
今更とぼけるきかと、フローラが肩をすくめる。その仕草に、さすがにムッとする。村の別名と 、ローラの態度から 大体の想像はつくが、そういう男だと思われるのは心外だ。
今も昔も、清廉潔白だ
「フローラ。俺を見ろ。500年前からアンデッドなんだぞ。行ければかないだろう」
「 ・・あっ、そうでした」
人間もアンデットも男は皆同じと
ひと括り
にして、軽蔑していたフローラだったが、やっと納得したようだ。
どうもフローラは、俺のことを人間だと考えがちだ。
「この行列は美女目当ての男どもと、娘を売りに来た親たちの列です」
「・・・」
何とも言いようがない。興味があると言っても、ないと言っても、何か言われる。 返事に困る内容だ。
「でも、何かあったんでしょうか?全然動きませんね」
フローラが 身を乗り出して先頭を見て来ると馬車を降りる。
今日も元気だ。
かけていくフローラを見送るとて手綱を緩める。
馬車を手に入れたことで、旅がが楽になった。ザップに感謝だな。
サントス村から2日でグリッド村かに
着いた。今夜は、久しぶりにフローラをベッドで寝かせてあげられる。
そんな事を考えていると、ふくれっ面のフローラが戻ってくる。
「どうした。何かあったのか?」
「聞いてくださいよ。村に入りたいなら入村料を払えって言うんですよ」
「入村料?」
そんなモノを取る
村などを聞いたことも無い。ヤクザが考えそうなことだ。
フローラと一緒にジャックは馬車の物陰から男達を観察する。どう見てもゴロツキだ。話してわかる奴らじゃない。
「やっぱり、悪い奴らですか?」
「ああ、旅人たちをカモにしてるんだろう。あの見た目だ。大概の者はトラブルを避けたがるからな」
「まったく、どこまでむしりとりば気が済むのよ」
フローラが弱者をいたぶると目を三角にする。
確かに腹立たしいことだが、村に入らないわけにはいかない。
(金か・・ )
「一人いくらだ?」
「銀貨3枚です」
「フローラ、いくら持ってる?」
フローラが自分の手のひらをに手持ちを出す。ジャックは、その手のひらに自分の財布の中身を出す。
二人で中身を確認してため息をつく
「「ふぅ~」」
1人分にもならない。
「どうする。ザップから貰った金を使うか?」
貰った金を使うかどうか、決めるのはフローラだ。金を失う代わりに早く村に入るか、 今後のためにとっておくか。
「そうですね・・」
フローラが顎を指で叩きな考える。
運良くこの村で姉が見つかったとしても、帰りのことを考えれば 少しは取っておきたい。
「決めました。夜、忍び込みましょう」
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
私のことを嫌っている婚約者に別れを告げたら、何だか様子がおかしいのですが
雪丸
恋愛
エミリアの婚約者、クロードはいつも彼女に冷たい。
それでもクロードを慕って尽くしていたエミリアだが、クロードが男爵令嬢のミアと親しくなり始めたことで、気持ちが離れていく。
エミリアはクロードとの婚約を解消して、新しい人生を歩みたいと考える。しかし、クロードに別れを告げた途端、彼は今までと打って変わってエミリアに構うようになり……
◆エール、ブクマ等ありがとうございます!
◆小説家になろうにも投稿しております
出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる