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犯人像
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クロエは 母様が双子石の被害者と知り、犯人を探すためネイサンの話を基に、犯行時刻を割り出してみることにした。
少しでも手掛かりが欲しい。
術が完成するまで、4時間かかる。
魔法陣を書く時間が1時間とすると 合計5時間。
メイドが母様を起こしたのが6時、ベッドに入ったのが10時。その間の8時間の犯行。
犯人は母様と魔法陣の中にいる必要がある。
(もし外部の人が犯人なら、部屋の中に引き入れた人物がいると考えた方がいいだろう)
いや、魔法陣を消す時間をプラスすると5時間半。ぎりぎりの時間では困るから前後、30分をカットすると……。屋敷に侵入して犯行準備に取り掛かったのは10時半から12時。意外に短い。だけど、この時間帯に、起きている人が少ないから、目撃者を探すのは難しい。本当に夜の犯行だと事件を解決するのも一苦労だ。向こうの世界なら沢山の人が起きている。
「それに、ここは小さなコミュニティだ。よそ者がいれば目につく」
「 ……… 」
内部犯行説としての裏付けとしてネイサンが付け加えてた。
ネイサンの指摘通り大きな街と違って 世帯数が少ない。大げさに言えば、隣の晩御飯が何かわかるくらい近所のことが筒抜けだ。
街の入り口には門番がいるから、出入りは記録されている。
(念のため明日見に行ってみよう)
私を見守っているネイサンに向かって頷く。
「それについた調べてみます。ですが、犯人を探すのには父様の協力が必要です」
「たとえ 協力を頼むにしても、こちらで調べたからでも遅くないだろう」
賛成だと頷く。
睡眠薬のようなものを飲ませた人間
を探していると言えば説得するのはたやすい。だが、双子石の話となるとそう簡単ではない。
(知ったらさぞショックだろう)
この先のことを考えると苦労しそうだ。 でも手を緩められない。
母様が、いつ目を覚ますかわからないから、話を詰めておいた方がいいだろう。
***
クロエは長くなりそうだと、お菓子と お茶を用意した。
そのお茶を二人で飲みながら事件解決に向かって話し合いをする。
疲れたときは甘いものに限る。何時もより美味しく感じる。
「犯人の動機について何か心当たりはないのか?」
そのことは既に考えた。そこから探すのは無理だと首を左右に振る。
「残念ながら母様は、夫も子もいる普通の伯爵人です。入れ替わってもメリットがあるとは思えません」
「我々が気づかないだけで、犯人にとっては 夫人はなくてはならない理由があるはずだ」
「 ……… 」
そう言われれば、そうだけど……。
(う~ん。理由ねぇ~)
腕組みして、あれやこれやと考えてみるが、やはり思いつかない。
「はぁ~駄目です。 他に何か 犯人を特定できるものはないんですか?」
同じように 考えていたネイサンが、パッとこちらを向く。
何か気づいたんだろうか?
飲みながらネイサンの話に耳を傾ける。
「双子石は石を媒体にしてお互いの情報を交換する。しかし、夫人に使うはずだった双子石の魔力が跳ね返さて、
一気に大量の魔力が犯人に注入されているはずだ」
陰陽師で言う呪詛返しと同じという事かな……。物語だと内臓を損傷して喀血するシーンが出てくるけど。双子石も同じだろうか?
「そうなると、どうなるのでしょうか?」
「人の魔力量は生まれたときに決まっている。それ以上になると、自分で自分の体を害することになる」
(自分で自分の体を害する……)
魔力ゼロの私には到底想像もつかない。
「ネイサン様の魔力が籠った状態とは違うのでしょうか?」
「違う。 私の場合は風邪のような症状だが、双子石の場合は、あまりの激痛で気を失う」
「激痛ですか……」
ネイサンが同じではないと首を振る。
クロエはネイサンに新しくお茶を注ぐと自分の分を注ぐ。すると、ネイサンが紅茶の匂いを嗅いで 満足気な表情をしたまま頷く。
「ところが、この犯人は逃げることに成功している。余程の精神力があるか、共犯者がいるだな」
「う~ん」
いったい、どうすれば見つけられるんだろう。顎を指で掴みながらその方法を考える。
そんなに痛いなら医者に行っているかも。もしくは寝込んでいる?
でも、 それだと、他の病気だと いくらでもごまかせる。必要なのは鎮痛剤出し……。
それで探すのは無理だ。何か犯人か、犯人じゃないか、判断するものが必要だ。
( もっと目に見えるようなものじゃないと……)
犯人を探すのは思ったより難しそうだ。 小さく息を吐く。
「事件のあった日。この屋敷に居た者で体調を崩している人間を探せば良い」
「でも、精神力があれば見つからないのではないのですか?」
激痛に耐えて逃げおおせたなら、不審に思われないように平気な振りをしているはずだ。
「それは無い。私でも我慢できるのは半日ほどだ。それが、二、三日も続くんだ。 誰かに助けを求めるはずだ」
さらりと言うネイサンに呆れ果てる。
半日は気を失う激痛を我慢できるんだ。
(どんだけ、我慢強いんだか)
人を頼らない性格のせいで、こっちは苦労しているのに……。
体調を崩したからと言って、その原因が双子石だと決めつけるのは難しい。
でも、犯人捜しの手掛かりに他にない。
*****
「分かりました。明日から探し始めます」
そう言って、勢いよく立ち上がるクロエの肩を無理するなとポンと叩く。
やる気が空回りするのはよくあることだ。肩に乗せた手から魔力がクロエに吸われて行く。心地好さにため息が出そうになる。
クロエが疲れているのもあるだろうが、私の体から魔力が溢れているからでもある。じっと手を見る。
( ……… )
***
そうは言ったものの……。
クロエは手帳を前に腕を組む。
犯罪と無縁のこの城の中に、そんな大それたことをしようとする使用人はいない。
(ネイサンも除外して良いと言ってた)
シンプルに、こっちの世界は交通手段が、徒歩か馬車だから 行動が制限される。
睡眠薬に使う薬草を集めるのも、生成するのも、場所と時間が必要になる。私みたいにメイドの仕事をしていれば、主人の使いで街に出かけることもできるけど……。
( ……… )
そうだ。
ぽんと手を打つ。エマには、ま会ってない。エマなら他の情報も聞ける。
クロエはエマから話を聞こうと準備室のドアを開ける。
「エマ、居る?」
「お嬢様、どうされました?」
タイミングよくエマがいた。ラッキー。 エマが立ち上がるとニコニコと私を迎えてくれた。そのぽっちゃりした体に抱きつく。
茶色い髪に焦げ茶色の瞳。
エマは気のいいおばさんという感じの、人懐っこい人だ。
「もう大丈夫なの?」
寝込んでいると聞いていたから、心配したが平気なようだ。やっぱり、エマは元気じゃないと物足りない。
「もう、元気もりもりです」
そう言って両腕に力こぶを作って見せる。いつものエマの態度に笑ってしまう。
「でもどうして風邪なんかひいたの?」
椅子に座ると、エマがお茶の用意を始める。
「それが分からないんです」
「分からないって、何が?」
お茶とお菓子を私の目の前に置くと、自分の分を置いて座る。
「別に、咳も熱もなかったんです。だから風邪じゃないと思うんですけど……。なぜか体がだるくて、すぐ寝ちゃうんです」
自分でも原因が分からなと首をひねる。
(すぐ寝る? 健康なエマが? もしかして……)
「それって……症状が出たのは18日の朝からでしょ」
「いいえ、私は17日夜からです」
( ……… )
多少の時間のズレはあっても二日間も寝込んだから、母様と何らかの関係性はあるはずだ。
「17日に 何か変わったことはなかった?」
身を乗り出してエマの返事を待つ。
「そう言われましても……」
困ったように エマが顔を曇らせる。
他のみんなも、変わったことは無かったと言っていたから、多分、変わったことは、ほんの些細なことなんだ。
だから、自覚がないんだ。
異変は、気にも留めない出来事……。
視線を感じて顔を上げると、エマが愛想笑いしている。
申し訳なさそうなエマを気遣ってクッキーを手にとると一口頬張る。
「これ美味しいわね」
間を持たせるために食べたが、驚いてクッキーを見る。
「そうでしょう。焼きたてが一番香りがしますか」
残りを頬張りながら頷くと、エマがパッと顔を輝かせる。
気を良くしたエマが、自分も食べようとクッキーに手を伸ばそうとして引っ込めた。
「どうしたの?」
「そういえば一つありました。マーガレット様が珍しいお茶を持ってきたんです」
「それって普通でしょ」
伯母は、 自慢話をするのが好きだ。
入手困難とか、高価な品だとか、特別に誂えたとか言って、自分がより優れていると吹聴するのが好きなんだ。
食べ終わると次のクッキーを掴む。
「ええ、ですがご自身でお茶を入れてたので」
クッキーを口に入る直前で手が止まる。確かに、伯母は他人まさせで、自分では何もしない。そんな人が妹である母様のために?
これは珍しい。
「どんな お茶だったか覚えてる?」
次回予告
*持病
少しでも手掛かりが欲しい。
術が完成するまで、4時間かかる。
魔法陣を書く時間が1時間とすると 合計5時間。
メイドが母様を起こしたのが6時、ベッドに入ったのが10時。その間の8時間の犯行。
犯人は母様と魔法陣の中にいる必要がある。
(もし外部の人が犯人なら、部屋の中に引き入れた人物がいると考えた方がいいだろう)
いや、魔法陣を消す時間をプラスすると5時間半。ぎりぎりの時間では困るから前後、30分をカットすると……。屋敷に侵入して犯行準備に取り掛かったのは10時半から12時。意外に短い。だけど、この時間帯に、起きている人が少ないから、目撃者を探すのは難しい。本当に夜の犯行だと事件を解決するのも一苦労だ。向こうの世界なら沢山の人が起きている。
「それに、ここは小さなコミュニティだ。よそ者がいれば目につく」
「 ……… 」
内部犯行説としての裏付けとしてネイサンが付け加えてた。
ネイサンの指摘通り大きな街と違って 世帯数が少ない。大げさに言えば、隣の晩御飯が何かわかるくらい近所のことが筒抜けだ。
街の入り口には門番がいるから、出入りは記録されている。
(念のため明日見に行ってみよう)
私を見守っているネイサンに向かって頷く。
「それについた調べてみます。ですが、犯人を探すのには父様の協力が必要です」
「たとえ 協力を頼むにしても、こちらで調べたからでも遅くないだろう」
賛成だと頷く。
睡眠薬のようなものを飲ませた人間
を探していると言えば説得するのはたやすい。だが、双子石の話となるとそう簡単ではない。
(知ったらさぞショックだろう)
この先のことを考えると苦労しそうだ。 でも手を緩められない。
母様が、いつ目を覚ますかわからないから、話を詰めておいた方がいいだろう。
***
クロエは長くなりそうだと、お菓子と お茶を用意した。
そのお茶を二人で飲みながら事件解決に向かって話し合いをする。
疲れたときは甘いものに限る。何時もより美味しく感じる。
「犯人の動機について何か心当たりはないのか?」
そのことは既に考えた。そこから探すのは無理だと首を左右に振る。
「残念ながら母様は、夫も子もいる普通の伯爵人です。入れ替わってもメリットがあるとは思えません」
「我々が気づかないだけで、犯人にとっては 夫人はなくてはならない理由があるはずだ」
「 ……… 」
そう言われれば、そうだけど……。
(う~ん。理由ねぇ~)
腕組みして、あれやこれやと考えてみるが、やはり思いつかない。
「はぁ~駄目です。 他に何か 犯人を特定できるものはないんですか?」
同じように 考えていたネイサンが、パッとこちらを向く。
何か気づいたんだろうか?
飲みながらネイサンの話に耳を傾ける。
「双子石は石を媒体にしてお互いの情報を交換する。しかし、夫人に使うはずだった双子石の魔力が跳ね返さて、
一気に大量の魔力が犯人に注入されているはずだ」
陰陽師で言う呪詛返しと同じという事かな……。物語だと内臓を損傷して喀血するシーンが出てくるけど。双子石も同じだろうか?
「そうなると、どうなるのでしょうか?」
「人の魔力量は生まれたときに決まっている。それ以上になると、自分で自分の体を害することになる」
(自分で自分の体を害する……)
魔力ゼロの私には到底想像もつかない。
「ネイサン様の魔力が籠った状態とは違うのでしょうか?」
「違う。 私の場合は風邪のような症状だが、双子石の場合は、あまりの激痛で気を失う」
「激痛ですか……」
ネイサンが同じではないと首を振る。
クロエはネイサンに新しくお茶を注ぐと自分の分を注ぐ。すると、ネイサンが紅茶の匂いを嗅いで 満足気な表情をしたまま頷く。
「ところが、この犯人は逃げることに成功している。余程の精神力があるか、共犯者がいるだな」
「う~ん」
いったい、どうすれば見つけられるんだろう。顎を指で掴みながらその方法を考える。
そんなに痛いなら医者に行っているかも。もしくは寝込んでいる?
でも、 それだと、他の病気だと いくらでもごまかせる。必要なのは鎮痛剤出し……。
それで探すのは無理だ。何か犯人か、犯人じゃないか、判断するものが必要だ。
( もっと目に見えるようなものじゃないと……)
犯人を探すのは思ったより難しそうだ。 小さく息を吐く。
「事件のあった日。この屋敷に居た者で体調を崩している人間を探せば良い」
「でも、精神力があれば見つからないのではないのですか?」
激痛に耐えて逃げおおせたなら、不審に思われないように平気な振りをしているはずだ。
「それは無い。私でも我慢できるのは半日ほどだ。それが、二、三日も続くんだ。 誰かに助けを求めるはずだ」
さらりと言うネイサンに呆れ果てる。
半日は気を失う激痛を我慢できるんだ。
(どんだけ、我慢強いんだか)
人を頼らない性格のせいで、こっちは苦労しているのに……。
体調を崩したからと言って、その原因が双子石だと決めつけるのは難しい。
でも、犯人捜しの手掛かりに他にない。
*****
「分かりました。明日から探し始めます」
そう言って、勢いよく立ち上がるクロエの肩を無理するなとポンと叩く。
やる気が空回りするのはよくあることだ。肩に乗せた手から魔力がクロエに吸われて行く。心地好さにため息が出そうになる。
クロエが疲れているのもあるだろうが、私の体から魔力が溢れているからでもある。じっと手を見る。
( ……… )
***
そうは言ったものの……。
クロエは手帳を前に腕を組む。
犯罪と無縁のこの城の中に、そんな大それたことをしようとする使用人はいない。
(ネイサンも除外して良いと言ってた)
シンプルに、こっちの世界は交通手段が、徒歩か馬車だから 行動が制限される。
睡眠薬に使う薬草を集めるのも、生成するのも、場所と時間が必要になる。私みたいにメイドの仕事をしていれば、主人の使いで街に出かけることもできるけど……。
( ……… )
そうだ。
ぽんと手を打つ。エマには、ま会ってない。エマなら他の情報も聞ける。
クロエはエマから話を聞こうと準備室のドアを開ける。
「エマ、居る?」
「お嬢様、どうされました?」
タイミングよくエマがいた。ラッキー。 エマが立ち上がるとニコニコと私を迎えてくれた。そのぽっちゃりした体に抱きつく。
茶色い髪に焦げ茶色の瞳。
エマは気のいいおばさんという感じの、人懐っこい人だ。
「もう大丈夫なの?」
寝込んでいると聞いていたから、心配したが平気なようだ。やっぱり、エマは元気じゃないと物足りない。
「もう、元気もりもりです」
そう言って両腕に力こぶを作って見せる。いつものエマの態度に笑ってしまう。
「でもどうして風邪なんかひいたの?」
椅子に座ると、エマがお茶の用意を始める。
「それが分からないんです」
「分からないって、何が?」
お茶とお菓子を私の目の前に置くと、自分の分を置いて座る。
「別に、咳も熱もなかったんです。だから風邪じゃないと思うんですけど……。なぜか体がだるくて、すぐ寝ちゃうんです」
自分でも原因が分からなと首をひねる。
(すぐ寝る? 健康なエマが? もしかして……)
「それって……症状が出たのは18日の朝からでしょ」
「いいえ、私は17日夜からです」
( ……… )
多少の時間のズレはあっても二日間も寝込んだから、母様と何らかの関係性はあるはずだ。
「17日に 何か変わったことはなかった?」
身を乗り出してエマの返事を待つ。
「そう言われましても……」
困ったように エマが顔を曇らせる。
他のみんなも、変わったことは無かったと言っていたから、多分、変わったことは、ほんの些細なことなんだ。
だから、自覚がないんだ。
異変は、気にも留めない出来事……。
視線を感じて顔を上げると、エマが愛想笑いしている。
申し訳なさそうなエマを気遣ってクッキーを手にとると一口頬張る。
「これ美味しいわね」
間を持たせるために食べたが、驚いてクッキーを見る。
「そうでしょう。焼きたてが一番香りがしますか」
残りを頬張りながら頷くと、エマがパッと顔を輝かせる。
気を良くしたエマが、自分も食べようとクッキーに手を伸ばそうとして引っ込めた。
「どうしたの?」
「そういえば一つありました。マーガレット様が珍しいお茶を持ってきたんです」
「それって普通でしょ」
伯母は、 自慢話をするのが好きだ。
入手困難とか、高価な品だとか、特別に誂えたとか言って、自分がより優れていると吹聴するのが好きなんだ。
食べ終わると次のクッキーを掴む。
「ええ、ですがご自身でお茶を入れてたので」
クッキーを口に入る直前で手が止まる。確かに、伯母は他人まさせで、自分では何もしない。そんな人が妹である母様のために?
これは珍しい。
「どんな お茶だったか覚えてる?」
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*持病
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