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異世界にて
元気な人やなぁ…?
しおりを挟む「アドルファス!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
遠くから女の人の大声が聞こえた
「?!!!」
僕は慌ててアドルファスの分厚い胸に顔を埋める
「お母様、はしたないですよ」
あ、アドルファスのお母さんの声やったんか…
「しょうがないじゃないの!まさかアドルファスが急に好きな人を連れて来るなんて思わないもの!!」
「だとしても、大きな声は出さないでください、あまが怖がっています」
「あら!あまって言うのね?!男性のようだけど、どんなお顔してらっしゃるのかしら?」
「お母様、落ち着いてください、先に部屋に行きましょう」
アドルファスのお母さんは興奮しているようやった
(こわそう…な人では無さそうやな…?アドルファスとは真反対そうやけど…)
「すまない、あま…騒がしかっただろう…?」
「大丈夫やよ、少しびっくりはしたけど、怖そうな人には見えへんし…」
「…………お母様は天真爛漫と言えば聞こえはいいが奇想天外でとんでもない事をしたりするから恐ろしいんだ…」
「…怖いってそう言う………」
てっきりキツい性格でいびりがすごいとかそんなのを想像しとったわ…
「あぁ、昔っからお母様には振り回されたよ…」
はぁ、と溜息を付きそうな程アドルファスは疲れた顔をしとった
「大変やったなぁ…」
「まぁもう慣れたから大丈夫だ、あまも居るしな」
その言葉を聞いて僕はまた真っ赤になってしまった
「そろそろ部屋に着くわよ!!!」
「お母様声を荒げないでください」
「荒らげてないわ!興奮してるだけよ!」
「では興奮しないでください」
「んもぅ!!興奮せずにはいられないわよ!!!だってあの堅物息子が恋人を連れて来たのよ?私には興奮を抑えるだなんて無理だわ!!!!」
「はぁ……」
アドルファスはついにため息をついていた
「大丈夫…?」
「あぁ、大丈夫だ、少し疲れただけだから…」
よしよしするみたいにアドルファスの頬を撫でる…アドルファスのお母さんが見てる事にも気づかずに
「まぁまぁまぁ!!!!貴方達とてもラブラブじゃないの!!!!それに貴方美人ね!!!とてもとても綺麗な顔立ちをしているわ!!!!!どうやってアドルファスの心を射止めたのかしら!!!この子ったらイケメンなのに無愛想で堅物だから中々そういう話聞かなかったのよ!!!」
「お母様、本当に落ち着いてください、あまが困惑しています」
アドルファスの言う通り僕は本当に困惑で眉間にシワが寄っとった
「あらっ…ごめんなさいね、男性に美人って言うのは失礼よね、本当にごめんなさいね…」
「あ…いや、前から美人さん美人さんとは騒がれとったから……」
「あらそうなのね!!!」
さっきまでのしゅんとした雰囲気は何処へやら、一変して騒ぎ出すお母さんを見て思わずアドルファスの方を見てしまう
するとアドルファスは、はぁ…と溜息を付き首を横に振る
ま、まぁ…可愛いらしいお母さんと思えばええか…?
「ほら、この部屋に主人が居るわ!!」
アドルファスのお母さんがそう言うとメイドさん?がドアをスっと開ける
おぉ、動きがえらい綺麗やな、流石やわぁ
中には一人の男性が居た
「おや、お待ちしておりました、貴方が息子の恋人さんですね」
第一印象はにこりと微笑み、落ち着いてるおっとりとしたイケメンさんやった
「あ…ぇっと…こ…こんにちは…?」
アドルファスのお父さんと言う事はかなりのお偉いさんに違いない、そうや思うと緊張で表情が硬くなってしまう…
「そうご緊張なさらず、貴方はあのアドルファスの心を射止めたんですから!私達夫婦も手を焼いていたんですよ、アドルファスの頑固さにはね…」
アドルファスのお父さんはやれやれと言ったような感じでアドルファスの顔を見ていた
肝心のアドルファスは少し申し訳なさそうにしょもんとしとった
(何やその顔…可愛いなぁ…)
思わず頬を撫でそうになったけど、人前やから自重した
「だって仕方ないでしょう、どこの令嬢も私の財産目当てなんですから、中身なんて見ようともしない」
中々に拗らせとったんやなぁ…
「まぁそれは致し方ない事でしょう、その点私は良い人を妻に貰いましたがね」
アドルファスのお父さんはお母さんを抱き寄せ自慢げにしている、お母さんの方もさっきのうるささは何処へやら、てれてれ照れて黙っていた
お父さんの前やと静かなんやなぁ…
「私だって良い人を見つけましたから!!」
急にアドルファスはムッとしたように言い、僕を抱き寄せた
(えぇぇっ、僕を巻き込むつもりなん?!)
「そうですね、アドルファスにも良い人が現れたようで私達も一安心です」
ニコニコとアドルファスのお父さんとお母さんはこっちを見ていた
「こんな息子ですが、どうぞ末永くよろしくお願いしますね」
「こちらこそ…よろしゅうお願いします…?」
これは…結婚しろと言うことなんやろか…まぁアドルファスに相当手を焼いとったみたいやからなぁ…
ちらりとアドルファスの方を見てみれば少し気恥しそうにしている
「それじゃあ私達はそろそろ2人で住む家を探さなければ行けないので」
アドルファスが立ち上がりそう言った
僕も慌てて立ち上がる
「そうですか、それじゃあまた」
そう言いお父さん達も立ち上がった
そうして僕らは最初の難問をクリアしたのやった
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