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山崎元さんを悼む
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年齢を重ねれば重ねるほど有名人、自分の想いれのある人の逝去のニュースが
多くなる。
そして経済評論家の山崎元さんが亡くなられた。
私は多くの人にもれず、自分の個人投資家としての初めての本格的な金融商品
の購入は個別株でも金でも不動産でもなく、「投信」でありそれは2004年の頃で
まさに銀行などが団塊世代の大量退職を見込んで、定期預金との抱き合わせで
投信手数料収入を狙ってのものであった。
当時は今と違って投信の信託報酬はとんでもない高さであったが、金融リテラ
シーに無知な人々は、これまた金融商品を売るにしては金融知識も顧客の利益を
考えるウィンウィンの精神も持ち合わせず、ただ上からの指示通りにノルマを
達成しようとする銀行員によって売られたのである。
特に人気は「お化け投信」などと呼ばれた「グロソブ」を始めとする、毎月
分配型・・・。
恥ずかしい話だが、当初の私も「とりあえず本格的に個別株をやるのは怖い
から」と学生時代から個別株をいずれやる構想はあったものの、サンプル程度
に2銘柄を以前から持っていただけでその投資額もわずか20万円程度。
つまり100万円以上の投資らしい投資で本格的に始めたのはこの手数料の
高い投信からだったのだ。
今の2024年現在でもそうだが「経済評論家」と称して投信分野で素人たちに
毎回何故かお勧めが違ってくる投信を勧めてこようとする輩は多いが私は彼ら
を大概信用しない。輩は絶対にその勧めてくる投信の運用会社らとグルでキッ
クバックかなんか貰って宣伝しているとしか思えない不誠実さを感じる。
金融知識が付いてくればくるほど、そしてzaiやら日経マネーやらその他の
金融雑誌などを読めば読むほど、経済評論家で信頼できる人とそうでない人の
区分は出来てくる。
ちゃんとした真っ当な評論家は少ししかいない。
そのなかで山崎元さんは私が本格的に投資を始めた2004年あたりから一貫
してブレない「投資初心者」へ誠実な見解を示す評論家であった。
東大経済学部出身で自身10社以上の転職をされながら、当時からマネーポス
トにしても、あるじゃんにしても日経マネーにしても一貫して売り手側の先兵
や使い魔にならず、売り手側には
「金融商品にかかるコスト、特に信託報酬や販売手数料は高くて酷い。投信の
からくりについて投信を購入しようとする買い手はよく知っておくべきだ」
と知的で穏やかな論調ながらはっきりした論点とその根拠を理路整然とした
解りやすい言葉を選びながら、金融リテラシーの低い投資初心者が騙されて
簡単に購入しないように説いてくれていた。
金融雑誌やどこかの金融機関に属しながら「経済評論家」「専門家」を名乗り
素人に解説するプロたちは絶対にどこかで売り手側におもねっているところが
あるが山崎さんは当初も、そして亡くなられる間際でもその一貫した買い手側
に寄り添い、売り手側の非誠実的な部分、歪のある部分を指摘し、買い手側に
取って合理的で価値がある金融商品を購入できるように説いてくれた。
私は20年にわたる個人投資家生活の中では山崎さんが一番ジェントルマン
で知的で論調がぶれずに買い手側の味方であった経済評論家であり、尊敬できる
人と見ていたので、ガンにかかられて
「凄いやつれられたな」
と心配だったが彼自身も最後まで
「生命保険など不要」
と泰然とした態度で最後まで病と闘われた。
合掌。
私も尊敬する彼のように、彼の知識や分析能力の10分の1すらないながらも
できるだけこれからここを読んで投資を始めよう、始めたばかりの方に役に
立つ内容を発信していくことで私なりに意志を継ぎたい。
<完>
多くなる。
そして経済評論家の山崎元さんが亡くなられた。
私は多くの人にもれず、自分の個人投資家としての初めての本格的な金融商品
の購入は個別株でも金でも不動産でもなく、「投信」でありそれは2004年の頃で
まさに銀行などが団塊世代の大量退職を見込んで、定期預金との抱き合わせで
投信手数料収入を狙ってのものであった。
当時は今と違って投信の信託報酬はとんでもない高さであったが、金融リテラ
シーに無知な人々は、これまた金融商品を売るにしては金融知識も顧客の利益を
考えるウィンウィンの精神も持ち合わせず、ただ上からの指示通りにノルマを
達成しようとする銀行員によって売られたのである。
特に人気は「お化け投信」などと呼ばれた「グロソブ」を始めとする、毎月
分配型・・・。
恥ずかしい話だが、当初の私も「とりあえず本格的に個別株をやるのは怖い
から」と学生時代から個別株をいずれやる構想はあったものの、サンプル程度
に2銘柄を以前から持っていただけでその投資額もわずか20万円程度。
つまり100万円以上の投資らしい投資で本格的に始めたのはこの手数料の
高い投信からだったのだ。
今の2024年現在でもそうだが「経済評論家」と称して投信分野で素人たちに
毎回何故かお勧めが違ってくる投信を勧めてこようとする輩は多いが私は彼ら
を大概信用しない。輩は絶対にその勧めてくる投信の運用会社らとグルでキッ
クバックかなんか貰って宣伝しているとしか思えない不誠実さを感じる。
金融知識が付いてくればくるほど、そしてzaiやら日経マネーやらその他の
金融雑誌などを読めば読むほど、経済評論家で信頼できる人とそうでない人の
区分は出来てくる。
ちゃんとした真っ当な評論家は少ししかいない。
そのなかで山崎元さんは私が本格的に投資を始めた2004年あたりから一貫
してブレない「投資初心者」へ誠実な見解を示す評論家であった。
東大経済学部出身で自身10社以上の転職をされながら、当時からマネーポス
トにしても、あるじゃんにしても日経マネーにしても一貫して売り手側の先兵
や使い魔にならず、売り手側には
「金融商品にかかるコスト、特に信託報酬や販売手数料は高くて酷い。投信の
からくりについて投信を購入しようとする買い手はよく知っておくべきだ」
と知的で穏やかな論調ながらはっきりした論点とその根拠を理路整然とした
解りやすい言葉を選びながら、金融リテラシーの低い投資初心者が騙されて
簡単に購入しないように説いてくれていた。
金融雑誌やどこかの金融機関に属しながら「経済評論家」「専門家」を名乗り
素人に解説するプロたちは絶対にどこかで売り手側におもねっているところが
あるが山崎さんは当初も、そして亡くなられる間際でもその一貫した買い手側
に寄り添い、売り手側の非誠実的な部分、歪のある部分を指摘し、買い手側に
取って合理的で価値がある金融商品を購入できるように説いてくれた。
私は20年にわたる個人投資家生活の中では山崎さんが一番ジェントルマン
で知的で論調がぶれずに買い手側の味方であった経済評論家であり、尊敬できる
人と見ていたので、ガンにかかられて
「凄いやつれられたな」
と心配だったが彼自身も最後まで
「生命保険など不要」
と泰然とした態度で最後まで病と闘われた。
合掌。
私も尊敬する彼のように、彼の知識や分析能力の10分の1すらないながらも
できるだけこれからここを読んで投資を始めよう、始めたばかりの方に役に
立つ内容を発信していくことで私なりに意志を継ぎたい。
<完>
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