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利回り1%の違い

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 筆者は本業しながらも40代半ばになる三年後をめどにセミリタイア生活で
自由時間を謳歌したいと考えている。
 そのために20代はがつがつ働き色々稼ぎつつ投資を大学生時代から本格的
に始めて既に億り人になっている。
 だが、現在は賃貸暮らし、独身というなかで結婚して家を持ち、車も購入
して子供も一人は大学まで十分行かせることができるレベルとなると一億と
二千万程度では全然足りないと思っている。
 仮に日本株と米国株で安定配当利回り4%(税引き後)で年間500万得よう
としたら一億二千五百万はいる。
 家族の何かの医療費、家購入費用(会社員辞める前提ならば現金一括購入
しかない)など考慮すれば+7500万程度、つまり最低二億は必要と思う。
 これに今後55年間長生きすると仮定したときのインフレや年金大幅減額
など考慮したら二億でも不安かもしれない。
 そうすると上限はないが三億が安心する目安(日本に危機を感じたら、
海外移住を考える)なのかもしれない。
 と言っても三億はまだまだ遠い先の話。
 今の一億二千万を
「配当重視」か「キャピタルゲイン重視の積極的な売買取引するか」の戦略
になる。
 最近数年は日本株も株主に利益還元の配当重視傾向がある。
 テンガバーといわずとも二倍上昇銘柄の発掘もなかなか難しいなかで安定
高配当利回りが見込める銘柄にシフトするのも悪くはない(投資家としての
野望や欲は大きく満たされなくとも)。
 一億二千万を全て、「JT」にぶち込んだらどうなるか?
 現段階でJTの利回りは約6.7パーセントで税抜き後を考えても5.3%以上。
 つまりJTが直近の年間配当をずっと固定するとしたら実に配当だけで600万
以上得られる。
 一億二千万の元手と利回り5.3%と言う数値は凄いものがある。
 しかしこれが1%ほど下げて4%の利回りにすると480万円になり、今後
のインフレなど考えて家族三人をずっと支えるにはやや不安を感じる。
 利回り3%になるとだいぶ永遠に実現可能なリスクヘッジは出来そうな
ラインだが360万になり独身なら十分にややリッチな完全リタイヤ生活が
おくれそうだが家族持ちならば奥さんもパートに出るなど協力が必要な
レベルだ。
 これが2%だと240万になり独身でもカツカツの生活でギリギリラインと
いうところであろう。
 一億二千万など40代にして構築できる金額では普通はなかなかないだろうに
利回りが4%なら天国、3%で普通かやや苦しく、2%なら地獄一歩手前で
ある。
 利回り1%の違いはなかなか大きい。
 そして高配当銘柄が過去に類を見ないほど増えた日本株式市場でも東証
プライム上場銘柄の平均利回りだけならまだ2%には及ばないのである。
 言い方を変えれば私の一億二千万を東証プライムインデックスという架空
の投信にぶち込んでその配当は全て受益者に還元されるとして年間約180万
程度にしかならないのである。
 家賃三万程度のボロアパートで独身生活のスーパーの安売りものしか買わ
ない生活でギリギリである。
 
 ただだからといって高配当銘柄なら良いわけではない。
 高配当銘柄はよくスクリーニングしておかないと
「業績悪化で見た目の利回りだけ高く見えるだけ」
「一時的なバブル業界」
「安定的不人気銘柄でキャピタルゲインは見込めない」
などいわくつきの理由があることが多い。
 ではどのような高配当銘柄で配当生活が見込めるか?
 その辺りはまた次回以降にまわしたい


                           <完>
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