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2023年2月現在高配当株

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 株式投資歴20年近くの者としては最近の配当利回りが異様に高い銘柄が
続出しているのは驚きだ。
 筆者が個別銘柄株式投資を始めた2004年の時点では配当率が6%を超え
る銘柄はまず皆無で5%台はほんのちらほらあるが、発行株式総額の時価は
低いマイナー銘柄で、4%台なら十分高くて3%でもかなり高配当銘柄と
いうイメージだ。
 ところが最近10年以内では配当率が5,6%台の銘柄がゴロゴロ出てきた
上に、現在2023年2月の段階では海運業を中心に驚異的な15。16%台を
筆頭に5%台後半以上の銘柄だけで軽く50銘柄を超えている。
 いや100位だって5%台である。
 これは極めて日本の株式市場で異例の動きだ。
 これが意味することはいくつか考えられる。
①従業員>内部留保>株主還元であった日本企業の株主への考え方に自発的
 な変化が生じていった
②ものいう株主の圧に屈して配当性向を高めて無理に配当を出してる
③普通に業績が上がったために還元している
④①と違って世界的なトレンドを真似して株主還元重視に変えざるをえなく
 なった

 例えばここ2年驚異的な配当率を挙げている海運業系は③であろう。ただし
海運業はバブルなのでこの配当率が当面続くのは明らかにあり得ないが、仮に
開運バブルが終わっても多角的な経営を模索し始めた商船三井などが16%とは
言わずとも現在の株価基準で3分の1の5%水準を保っていけるかどうかという
のは注目である。
 西松建設や三ツ星ベルトなどは典型的に②であろう。
 武田薬品やJTは①に近い理由である。
 
 高配当銘柄は安定的なインカムゲインで生計の助けにしたい投資家には重要
な銘柄ではあるが、果たして「買い」判断であろうか?
 筆者は「銘柄さえ選べば買いであるが同時に今は配当率3~4%台であるが、
確実に増配実績を上げる・または減配はなく最低でも維持を続けている有望銘
柄にも過半数は組み込んで全体的に配当利回り5~6%で安定的に持ってく、
という考えである。
 だから既に2年前の段階で新型コロ〇流行で世の中のトレンド変化を感じて、
それまで株主優待やそれに伴う外食系銘柄を集めていたのを利益確定して手放し
ていき、高配当銘柄に切り替えていった。
 そして予想通り海運業・金融業といったところが当たり、余剰金でこの2年で
資源系銘柄や不人気の建設系銘柄にも投資してがっぽり配当金を得ている。
 ここ2年だけなら配当利回り(優待込み)で優に8%を軽く超えているので
ウハウハである。
 高配当なら何でもいいというわけでなく、筆者なりの観点で絞って選んでき
ました。
 筆者がここ2年で重点的に買い、または買い増ししたのは以下の銘柄です

 ・三菱東京UFJ
 ・東京海上
 ・日本郵船
 ・商船三井
 ・石油開発資源
 ・三井松島
 ・積水ハウス
 ・タマホーム
 ・学究社
 ・長谷工
 ・浅沼組
 ・JT
 ・ソフトバンク
 ・KDDI
 ・三菱HCキャピタル
 ・日本特殊陶業
 ・アステラス製薬
 ・武田薬品
 ・コマツ
 ・松井証券
 ・オリックス
 ・伊藤忠
 ・双日
 ・カナディアンソーラー

 です。
 これら全体に全て共通するものはないですがグループ分けすると
 ①大型銘柄でこれから減配期があってもすぐ立ち直れるくらいで最終的には
  十分勝ち残りする銘柄
 ②有名な大型銘柄ではない者のニッチな分野で業界リードする稼ぐ力がある
  配当力がある企業
 ③PER・PBRとも割安で長年不人気業界で干されているが間違いなく時期が来
  ればヒット率高い有名銘柄
 ④デフェンシブ銘柄としても強く、財務体質も優れる銘柄
 なんです。
 今からこれを読んでいる皆さんが買うことをお勧めするわけではないですが、
これらの銘柄は3分の1くらいは実は株価は買った時と比べてそれほど上がっては
いません。
 しかし高配当で安定と言う点では増配もあったりなどでインカムゲインは大成
功でキャピタルゲインでも余裕で全体として35%くらい上がりました(売りません
がね)。
 勿論慌てて買わずに
 「安く仕入れて・・・」
 なのでストックした現金をここぞと思ったタイミング(ハスすことも勿論あり
ますが我慢して保持し、最終的には多くの銘柄で回復し上昇しました)で買い
ます。
 私個人の予想では今から高配当銘柄投資してインカム目当てで毎年4~5%
程度の毎年の配当生活を楽しむことは可能と考えています。
 これについてはまた別話で述べたいと思います。

                           <完>

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