21 / 76
同じ人間の男性に食される編
西暦35○○年代の世界 ~大和以外の他の地域では? 前編~
しおりを挟む
西暦35○○年の旧日本ではかつての全国統一国家日本は消滅し、いや世界各地
でも2000年代に存在した国で現存する国はない。
というかすべてが一度滅びかけてかつての文化や科学を大半失った状態からの
再興の道であり、地球全体でも人口は統計こそ取ってないが5億人もいるかどうか。
そんななかで旧日本国土より二倍以上に膨れ上がったとはいえ、世界から見たら
ちっぽけな国土に過ぎない旧日本と呼ばれる範囲内に合わせて一億近くの人間が
済むのは旧日本が比較的世界的大災害からダメージが少なかったからに相違ない
のだが、大和民族も別々に別れてそれぞれで独自の文化や国家を形成しつつあり、
一枚岩ではない。
むしろ大和と平安は相容れぬ道をたどっている。
しかし生き残った旧大和民族の全てが大きな国家を形成したわけでない。
旧北海道から旧沖縄まで大和や平安を始めとする大小6つの国があったが、
南海上に浮かぶ島々が統合されてやや大きな島となった「温根島(おんねしま)」
には少数精鋭の狩猟民族の国というか集落が栄えていた。
彼らは本島が旧東京都程度の島に幾つかの小さい島からなる領土であって、
海洋生物や南国ならではの島で栽培できるバナナやパイナップルの栽培、それに
数種の野菜などを育てて生きているがここでも動物性たんぱく質の不足は深刻
であったが、彼らが大和や平安と違うのは自分の領内に住む女性を食料とは基本
的にみなさないことであり、ここでは男女比が3:7というのもあって女性への
共食いは男性にとっても最終的には不利になるのを知っていたからであろう。
女達は日焼けしながらせっせと果実や野菜栽培や貝拾いなど、男は島にろくに
狩猟対象になる哺乳類はいない(ネズミ程度)し、蛇や亀も数が少ないので、
海洋で魚を獲っていた。
しかし2000年代頃の記録とは打って変わって魚もそれほど獲れるわけでない。
稀に鯨がでることがあったがクジラ漁は命がけの漁であり当てになるもので
もなかった。
そんななかである男が御根島の女とは肌の色と体型もやや違う本土の女を
三人ほど捕らえてきたのを試しに食べてみたら非常に美味だったことから、本土
の女を獲物として機械選択で狙うような狩りが生まれていった。
最初はたまたま温根島の男達が漁に出て、漂流していた小舟に乗っていた本土
の女三人を捕縛したのが最初で、その後も偶然魚の漁のついでに見かけた本土の
女を隙を見ては拉致してきてここで御馳走として限られた集落の幹部が楽しむ
うちに女の肉の味に目覚めた温根島の男達の欲望で徐々に意図的に獲物として
狙うようになっていた。
海辺で働いていた女達がしばしば行方不明になって帰ってこないのを段々
人為的なものと疑った大和や平安の国家は警備の者を沿岸部に張らせることに
した。
相手に警戒されたことに気付いた温根島の男達はその警備の隙を見て女を
攫おうとしたが、やがて相手に
「自国内でない部外の男が我が領内の女を狙って誘拐するようだ」
と思わせることになったが情報網が発達してないアナログ時代に戻っているので
大和国は犯人を平安らだと思い、平安は逆に大和などの仕業と勘違いした。
まあどちらにしても最初のビギナーラックのように本土の女を狩ってそれを
温根島に運び込むのは容易ではなくなった。
しかしどんなときにも天才と言うのは一人くらい現れるものである。
温根島に21歳の若者で漁師から最近プロの女ハンターとしてしばしば上等な
本土の女を狩ってきて幹部にその肉を献上する者が現れた。
彼の名は「オグリ」といって179㎝、73㎏のがっしりした筋肉質の男で、
力は強く、目も良く、動きは意外にも俊敏で頭も良い、というか要領がよく
機転が利くし勘も鋭い。
彼は顔もイケメンといえばイケメンなのだが寡黙な方で社交性はそれほど
なくまるで温根島の女には興味が無いストイックな男に見える。
しかし実は僅か五年前までのオグリは少年期はわんぱく、そして若者になっ
てからはやんちゃで女湯を覗くなど温根島の美女には目がないほどのほどほど
健康的なスケベであったが、五年前に本土の女達に出会い、彼女たちを連れて
きて幹部らの命令でやや気が向かないまま彼女らの首を刎ねてその肉を裁いて
食べた時から彼の女への好みの感性は変わってしまった。
(本土の女は・・・温根島の女とは何か違う・・・、上品であり教養もあり、
美しく、そしてこの島の女とは違う優しさを持ち、そして弱くて儚い・・・)
温根島の女性は常夏のような気候や野良仕事のせいで日焼けして逞しい体
で健康的だ。
本来は温根島の女に恋をして家庭を持つべきだがオグリは海を越えたはるか
北の方に住む本土の女達の姿に、そしてその肉を食べた時、その清らかさに
心を打たれていつの間にか本土の女に固執していくようになった。
もともと漁師の腕も才能があったが、本土の女狩りも彼の右に立つ者は
いないほどであった。
彼は一か月に10頭は捕らえて持ち帰るのである。
しかもどれも若くて美しく肉の旨い女ばかりであった。
本土の女を捕まえてから、温根島の半年に一度の神を讃える儀式ではマグロ
やカツオの頭部に変わって、本土からとらえた中で最も顔立ちの良い女の首を
紙の祭壇に捧げることにしている。
それが神の喜びを経たのかわからないが女の首を半期に一度神に奉って以来、
不漁であった海の幸が回復してきたのだ。
そして農作物も好調が続く。
「ありがたや」
と神のお気に召すような顔をしている女の首を祭壇に献上することが重要な
行事になり、その首を持っている女を捕えてくる役目もオグリに期待される
ようになっていった。
神の前で献上されて次の女と交代し役目を終えた女の首はそのまま幹部など
主だった男達の家で飾られてインテリアの役目も果たし、本土の美女の首を
保持している家は名誉があるとされて神の加護が得られると信じられた。
と、本土の狙われる女にしてみればまるで人食い人種の野蛮人にしか見え
ないだろうがルーツは同じ大和民族同士であり、それ以外の部分は別段同じ
人間であるのも事実だ。
ただ交流のない別の国同士の人間で殺し合うか食料と見なされるかの
程度の差である。
それはさておき、オグリは今までの功から21歳にして温根島本島から7㎞
ほど離れた東〇ドーム五個分ほどの小さな無人島を彼の狩りの拠点として
正式に個人保有で与えられた。
と同時に族長から
「次の神への儀式の分も含めた本土の女を3頭ほど五日以内に狩ってきて
欲しい」
と命じられた。
オグリにとっても五日以内と言う制限で3頭というのはなかなかな仕事に
なる。
<続く>
でも2000年代に存在した国で現存する国はない。
というかすべてが一度滅びかけてかつての文化や科学を大半失った状態からの
再興の道であり、地球全体でも人口は統計こそ取ってないが5億人もいるかどうか。
そんななかで旧日本国土より二倍以上に膨れ上がったとはいえ、世界から見たら
ちっぽけな国土に過ぎない旧日本と呼ばれる範囲内に合わせて一億近くの人間が
済むのは旧日本が比較的世界的大災害からダメージが少なかったからに相違ない
のだが、大和民族も別々に別れてそれぞれで独自の文化や国家を形成しつつあり、
一枚岩ではない。
むしろ大和と平安は相容れぬ道をたどっている。
しかし生き残った旧大和民族の全てが大きな国家を形成したわけでない。
旧北海道から旧沖縄まで大和や平安を始めとする大小6つの国があったが、
南海上に浮かぶ島々が統合されてやや大きな島となった「温根島(おんねしま)」
には少数精鋭の狩猟民族の国というか集落が栄えていた。
彼らは本島が旧東京都程度の島に幾つかの小さい島からなる領土であって、
海洋生物や南国ならではの島で栽培できるバナナやパイナップルの栽培、それに
数種の野菜などを育てて生きているがここでも動物性たんぱく質の不足は深刻
であったが、彼らが大和や平安と違うのは自分の領内に住む女性を食料とは基本
的にみなさないことであり、ここでは男女比が3:7というのもあって女性への
共食いは男性にとっても最終的には不利になるのを知っていたからであろう。
女達は日焼けしながらせっせと果実や野菜栽培や貝拾いなど、男は島にろくに
狩猟対象になる哺乳類はいない(ネズミ程度)し、蛇や亀も数が少ないので、
海洋で魚を獲っていた。
しかし2000年代頃の記録とは打って変わって魚もそれほど獲れるわけでない。
稀に鯨がでることがあったがクジラ漁は命がけの漁であり当てになるもので
もなかった。
そんななかである男が御根島の女とは肌の色と体型もやや違う本土の女を
三人ほど捕らえてきたのを試しに食べてみたら非常に美味だったことから、本土
の女を獲物として機械選択で狙うような狩りが生まれていった。
最初はたまたま温根島の男達が漁に出て、漂流していた小舟に乗っていた本土
の女三人を捕縛したのが最初で、その後も偶然魚の漁のついでに見かけた本土の
女を隙を見ては拉致してきてここで御馳走として限られた集落の幹部が楽しむ
うちに女の肉の味に目覚めた温根島の男達の欲望で徐々に意図的に獲物として
狙うようになっていた。
海辺で働いていた女達がしばしば行方不明になって帰ってこないのを段々
人為的なものと疑った大和や平安の国家は警備の者を沿岸部に張らせることに
した。
相手に警戒されたことに気付いた温根島の男達はその警備の隙を見て女を
攫おうとしたが、やがて相手に
「自国内でない部外の男が我が領内の女を狙って誘拐するようだ」
と思わせることになったが情報網が発達してないアナログ時代に戻っているので
大和国は犯人を平安らだと思い、平安は逆に大和などの仕業と勘違いした。
まあどちらにしても最初のビギナーラックのように本土の女を狩ってそれを
温根島に運び込むのは容易ではなくなった。
しかしどんなときにも天才と言うのは一人くらい現れるものである。
温根島に21歳の若者で漁師から最近プロの女ハンターとしてしばしば上等な
本土の女を狩ってきて幹部にその肉を献上する者が現れた。
彼の名は「オグリ」といって179㎝、73㎏のがっしりした筋肉質の男で、
力は強く、目も良く、動きは意外にも俊敏で頭も良い、というか要領がよく
機転が利くし勘も鋭い。
彼は顔もイケメンといえばイケメンなのだが寡黙な方で社交性はそれほど
なくまるで温根島の女には興味が無いストイックな男に見える。
しかし実は僅か五年前までのオグリは少年期はわんぱく、そして若者になっ
てからはやんちゃで女湯を覗くなど温根島の美女には目がないほどのほどほど
健康的なスケベであったが、五年前に本土の女達に出会い、彼女たちを連れて
きて幹部らの命令でやや気が向かないまま彼女らの首を刎ねてその肉を裁いて
食べた時から彼の女への好みの感性は変わってしまった。
(本土の女は・・・温根島の女とは何か違う・・・、上品であり教養もあり、
美しく、そしてこの島の女とは違う優しさを持ち、そして弱くて儚い・・・)
温根島の女性は常夏のような気候や野良仕事のせいで日焼けして逞しい体
で健康的だ。
本来は温根島の女に恋をして家庭を持つべきだがオグリは海を越えたはるか
北の方に住む本土の女達の姿に、そしてその肉を食べた時、その清らかさに
心を打たれていつの間にか本土の女に固執していくようになった。
もともと漁師の腕も才能があったが、本土の女狩りも彼の右に立つ者は
いないほどであった。
彼は一か月に10頭は捕らえて持ち帰るのである。
しかもどれも若くて美しく肉の旨い女ばかりであった。
本土の女を捕まえてから、温根島の半年に一度の神を讃える儀式ではマグロ
やカツオの頭部に変わって、本土からとらえた中で最も顔立ちの良い女の首を
紙の祭壇に捧げることにしている。
それが神の喜びを経たのかわからないが女の首を半期に一度神に奉って以来、
不漁であった海の幸が回復してきたのだ。
そして農作物も好調が続く。
「ありがたや」
と神のお気に召すような顔をしている女の首を祭壇に献上することが重要な
行事になり、その首を持っている女を捕えてくる役目もオグリに期待される
ようになっていった。
神の前で献上されて次の女と交代し役目を終えた女の首はそのまま幹部など
主だった男達の家で飾られてインテリアの役目も果たし、本土の美女の首を
保持している家は名誉があるとされて神の加護が得られると信じられた。
と、本土の狙われる女にしてみればまるで人食い人種の野蛮人にしか見え
ないだろうがルーツは同じ大和民族同士であり、それ以外の部分は別段同じ
人間であるのも事実だ。
ただ交流のない別の国同士の人間で殺し合うか食料と見なされるかの
程度の差である。
それはさておき、オグリは今までの功から21歳にして温根島本島から7㎞
ほど離れた東〇ドーム五個分ほどの小さな無人島を彼の狩りの拠点として
正式に個人保有で与えられた。
と同時に族長から
「次の神への儀式の分も含めた本土の女を3頭ほど五日以内に狩ってきて
欲しい」
と命じられた。
オグリにとっても五日以内と言う制限で3頭というのはなかなかな仕事に
なる。
<続く>
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ゴーストバスター幽野怜Ⅱ〜霊王討伐編〜
蜂峰 文助
ホラー
※注意!
この作品は、『ゴーストバスター幽野怜』の続編です!!
『ゴーストバスター幽野怜』⤵︎ ︎
https://www.alphapolis.co.jp/novel/376506010/134920398
上記URLもしくは、上記タグ『ゴーストバスター幽野怜シリーズ』をクリックし、順番通り読んでいただくことをオススメします。
――以下、今作あらすじ――
『ボクと美永さんの二人で――霊王を一体倒します』
ゴーストバスターである幽野怜は、命の恩人である美永姫美を蘇生した条件としてそれを提示した。
条件達成の為、動き始める怜達だったが……
ゴーストバスター『六強』内の、蘇生に反発する二名がその条件達成を拒もうとする。
彼らの目的は――美永姫美の処分。
そして……遂に、『王』が動き出す――
次の敵は『十丿霊王』の一体だ。
恩人の命を賭けた――『霊王』との闘いが始まる!
果たして……美永姫美の運命は?
『霊王討伐編』――開幕!
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
双葉病院小児病棟
moa
キャラ文芸
ここは双葉病院小児病棟。
病気と闘う子供たち、その病気を治すお医者さんたちの物語。
この双葉病院小児病棟には重い病気から身近な病気、たくさんの幅広い病気の子供たちが入院してきます。
すぐに治って退院していく子もいればそうでない子もいる。
メンタル面のケアも大事になってくる。
当病院は親の付き添いありでの入院は禁止とされています。
親がいると子供たちは甘えてしまうため、あえて離して治療するという方針。
【集中して治療をして早く治す】
それがこの病院のモットーです。
※この物語はフィクションです。
実際の病院、治療とは異なることもあると思いますが暖かい目で見ていただけると幸いです。
いま、いく、ね。
玉響なつめ
ホラー
とある事故物件に、何も知らない子供がハンディカムを片手に訪れる。
表で待つ両親によって「恐怖映像を撮ってこい」と言われた子供は、からかうように言われた「子供の幽霊が出るというから、お前の友達になってくれるかもしれない」という言葉を胸に、暗闇に向かって足を進めるのであった。
※小説家になろう でも投稿してます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる