異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】

kujibiki

文字の大きさ
上 下
44 / 107

第44話 ソフィアの依頼

しおりを挟む
「シャルル様、おはようございます」

「リズさん、おはよう」

「ホテルはどうでしたか? ご不満は無かったですか?」

「うん、さすが最高級のホテルだけあったよ」

最上階で大きなリビングに3つの客室、それぞれにバスルームも付いていたしプールやトレーニングジムもありました。
食事も室内の厨房でシェフが作ってくれるので、三人でいるのがもったいなかったぐらいでした。
今晩は誰かを呼んでみようかな…。

「シャルルさん、おはようございます」

「あっ、ソフィアさん、おはようございます。昨日はご挨拶もせず帰ってしまってすみません」

「こちらこそ…、みっともない姿を見せてしまいました。ですがクラリスの言うようにこれまで体験したことのない気持ち良さでした」

「ハハ…、良かったです」



挨拶が済むとリズの部屋へ案内されます。

「大きくて素敵な部屋だね…」

窓からの見晴らしも良く、日本とは風土が違うのを改めて感じます。
オーシャンビューなのにカラッとした風が通り抜け、爽やかという言葉がぴったりです。

そうか、山がないんだよな…。
玲の屋敷は山を背にしているからな…。

「シャルル様、こちらが浴場です」

「うん、分かったよ…」

アイ達が上手く言ったとはいえ、お風呂二つで20億円です。
エステの副業をしているより儲かるな…。

勇者というのは日本の国家機密で、こちらでは魔法を見せられませんのでリズさんには退室してもらいます。



ゆっくり作業をしても午前中には完了しました。
何かを聞かれても全て秘密で通すつもりです。

僕達は昼食をいただく事になりましたが、なぜか先にソフィアさんがリズさん用に作ったお風呂に入るそうです。

リズさんにその事を聞くとスポンサーだとか…。
まぁ、リズさんも20億円は用意が出来ないと言っていたからね…。



そして、昼食が終わってテラスで寛いでいるとフラフラになったソフィアさんが現れました。

「お母様…?」

「ソフィアさん、大丈夫ですか?」

ハァ~、フゥ~。

「えぇ、あの…、その…身体が…、クフッ…」

やっぱりお風呂でも効果は十分の様で、膝をガクガクとさせています。

「シャルル様!」

「は…はい?」
(えっ、ソフィアさんも様付…?)

「わ…私も20億円支払いますからあのお風呂を私の部屋にも…」

「え~っ!」

「やったぁ~、お母様もやっぱりそう言いましたね」

これで私のお風呂の費用も出してもらえます。



「本当に良いのですか?」

リズさんは何かに納得すると、ソフィアさんと替わるようにお風呂に入りに行きました。

「お願いします!」

クラリスの言うようにあのお風呂に入ればブレックスなんてする必要はありません。
どんな構造になっているのか理解できませんが、確かに20億円は安いものです。

(いきなり40億円か…)

これは少しはサービスしてあげないと良心が痛むな…。

《だったらご主人様、二人にもエステをしてあげれば…》

《それに【淫紋】と『性典』を渡しておけば『ゴッドハンド・シャルル』の宣伝にもなるかもしれませんよ~》

《マオの言う通りね。足掛かりというか有力者の後ろ盾があればセレブにも広まるかもしれませんね》

《エステをしてあげるのは良いけれど広まるかな…? 仲間内には教えたくない心理は日本でも実証されているからなぁ》



ティータイムまでに作業を終わらせ、再びリビングに戻って来るとリズさんとソフィアさんが談笑していました。

「シャルル…様、完成したのですか!?」

「はい、出来ましたよ」

「良かったわね、お母様」

「いい気なものね。まぁ、それだけの価値はありますから文句は言いませんが…」
「シャルル様、お支払いはどのように…?」

「そういえば考えていませんでした…」
「こちらで口座が開設できれば良いのですが…」

「大丈夫ですよ、私が保証すれば開設できますよ。こちらに滞在されている間に開設して振り込んでおきましょう。それに住まいも報酬の一つでしたよね」

「そうでした」

「住所もきちんとしていればなおの事問題ありません」
「失礼ですが、こちらで何か目的が…?」

「はい、時間がある時に出張エステをしながら旅でもと思いまして…」

「えっ、まさかシャルル様はエステティシャンだったのですか?」

「やっぱり珍しいですよね…?」

「『ゴッドハンド・シャルル』というお店の予定です」

「アイさん、本当ですか…?」
「「シャルル様のエステ…(ゴクリ…)」」

「まぁ、そこで興味がおありのようでしたら今回多額の料金もいただきましたしサービスで無料でお二人に体験してもらっても『お願いしますっ!!(×2)』…」

「わ…分かりました…」

「ちなみにマスターのエステの料金は一般人で一回1億円以上、ソフィアさん達のようなセレブだと一回5億円以上で、さらに40歳以上は10億円以上の予定です。それ以上ならお好きな金額を払っていただいてもかまいませんよ」

「「一回5億円…以上…」」

《ちょっとマオ、いつの間に年齢で値段が…》

《エミリアさんが年配のセレブなら10億円でも出すって言っていたので…》

「ですから、今回は無料でサービスさせていただくってことですからね」
「では、夕食までに済ませましょう。どちらからにしますか?」



ソフィアさんから施術をしてあげたのですが、その結果は言うまでもなくリズさんや秘書のユーリさん、エブリンさんも驚愕するほどでした。

「シャルル様…、ふみかさん達が若返った様になったのももしかして…」

「ハハ…、同じ様だけれどちょっと違うかな…、パートナーは特別だからね…」

「そう…ですか…」

確かにお母様も変貌しましたが、そう言われると艶めかしさや雰囲気が少し違うように感じます。

「よく分かりませんが、シャルル様には感謝しかありません」

「ソフィアさん、『性典』を読んでいっぱいマスタベーションしてくださいね。お風呂のおかげで効果倍増ですから…」

「はい、マオ様…」

敏感なクリットを剥き出しにされたのですからお風呂に入ることを考えるとゾクゾクしてきます。
それに【淫紋】という不思議な施術までしていただきました。
下腹部にその紋様が浮かび上がると再び施術をお願い出来るそうです。

「ソフィアさん、どうでしたか? 5億円の料金は高いでしょうか?」

「そんなこと…ないです…」

それにマスタベーションを頑張っている限り状態は維持されるばかりか少しずつ若々しくなっていくそうなのです。
40歳以上なら本当に10億円でも安く感じる事でしょう。

「今日は最良の日だわ。それにこんなにお金を使ったのも初めて…。もう何が何だか分からなくなりそう…」

「お母様…」

「じゃあ、次はリズさんですね」

「クラリス、アイ様やマオ様の言うことを良く聞くのよ。フフ…」

ブレックスとは違う肉体の悦びを感じ、生まれ変わった様になるのです。
『ゴッドハンド・シャルル』、まさにその通りね。
でも友人達にはしばらく教えられませんよ…。



XX XY



「ふぅ~、大変な一日だったな…」

夕食までいただきホテルに送ってもらうと部屋にある屋外プールにプカプカと浮かびます。
まだ西の空は少しだけ明るいですが東の空には星が見えています。

(地球に帰ってきてから夜空をゆっくり眺めたのは初めてだな…)

アメリカの風土は少し前世を思い出します。

「ご主人様、お疲れ様でした」

「いっぱい儲かりましたね」

「ぼったくりし過ぎじゃないかな…」

「そうですか、お二人とも納得されていましたよ。それに安すぎると依頼が多くなりますからね」

「それも分かるけれど…」

まぁ、困っている人は別枠で考えるか…。

「さて、今晩は密かにエロフ達を呼んであげようかな?」

玲の屋敷で引き籠っているからなぁ。

「あ~んマスター、先に私達だけでお願いしますよ~」

「そうですよ、ご主人様。今日は二人の痴態ばかり見てきたんですから~。ムラムラします」

(ムラムラって…)
「分かったよ…」

まぁ【時空】を使えば時間はいっぱいあるからね。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】 その攻撃、収納する――――ッ!  【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。  理由は、マジックバッグを手に入れたから。  マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。  これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

処理中です...