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第1話 プロローグ
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……
ガラン・ゴロン・パシュ
ガラン・ゴロン・パシュ
……
(ここは…、確か…)
大往生を迎えたと思ったらまさかここに来るなんて…。
今回は靄のおっさんに転移させられた訳じゃないのに…。
「「ご主人様(マスター)!」」
「アイ、マオ…。そうか二人とも僕の魂の一部だから一緒なんだな…」
言葉通りなぜか二人は僕の魂の一部を有していて、前世では妖精体として誕生しており、僕が亡くなるまで全く容姿は変わらず艶やかで若々しいままでした。
僕の事をご主人様と呼ぶアイはプラチナブロンドの清楚なご令嬢で、マスターと呼ぶマオは黒髪で和風なお姫様という感じの容姿をしています。
その美貌や雰囲気からは想像できませんが、共に何でもありの変態でもあったのです。
「ご主人様、ここは…?」
「ここは“誕生の間”だよ…。足元に見える光る玉の一つ一つが魂なんだ…」
眼下に広がる光景は改めて見ても奇妙です。
底の見えないただ真っ白な空間で、ここから見える範囲すべてに光る玉状のモノが均等に配置されていて、表層の一番上から一定間隔でバシュッという音と共に消えていきます。
ずいぶん前の事なのに、この空中に浮かぶ大きなクリアボックスのような部屋の中に来るとなぜかこの間の事のように思います。
そしてこの部屋の中央付近には縦横10cm、高さ1mほどの四角柱が立っており、その上面にはあの明らかに押してはダメそうなボタンが見えるのです。
「マスターが転生する時に来たところですね」
「そうだよ…。でも、どうしてまた来たんだろう」
もう惑星トーナの輪廻の環に入ったはずなんだけれどなぁ。
まぁ、ここに来たからには目の前のボタンを押さないとダメか…。
では、お約束とともに…「ぽちっとな!」
ぴんぽんぱんぽ~ん
XX XY
「お…お前達は誰なのだ…!?」
「おっ、来た来た…。靄のおっさん、俺だよ。友を忘れたのか…?」
しばらくすると突然部屋の中に全身が靄で出来たような人型の“おっさん”が現れました。
以前は上手く表現できませんでしたが、今改めて表現するなら透明のビニール人形の中に靄が詰まっている感じです。
前回転生時にお世話になったおっさんで、色々あって友達になったのです。
まぁ、前回来た時とは容姿が変わっているから分からないのも無理はないか…。
「友だと…? まさかお前はこの間転生させたあの友なのか?」
「(この間…?)ずいぶん前だけれど、そうだ…」
相変わらずここでは時間の感覚が違うようです。
なんせ5年後が今週末みたいに感じるおっさんだ。
俺が異世界で100年の人生を過ごしてきたところで本当にこの間なのだろう。
「これは驚いたぞ。お前は我に再び話題を与えてくれるのだな」
「積もる話もあるけれど、まずはおっさんのおかげで良い人生を送ることが出来たよ。俺は転生先で寿命を迎えたわけだが、どうしてまたここへ呼ばれたんだ?」
「寿命? もう死んだのか…?」
「それに呼ばれただと? 惑星トーナの担当者に送られて来たのではないのか?」
「あぁ、死んだと思ったらいきなりここへ来ていたんだ」
俺がそう答えると靄のおっさんの体表に見える靄が活発に動き出します。
これはおっさんが何かを考えたりしている時に見られる現象なので驚くことはありません。
「ご主人様、この靄のおっさん目も無いし、口も無いのに話をしていますよ」
「マスター、この靄のおっさんの身体はどうなっているのですか? キモいです…」
「ハハ…、僕も初めて会った時は驚いたけれど、慣れれば案外表情も分かるんだよ」
アイとマオと話をしながら待ちます。
「友よ…。どうやらお前は死神様に選ばれたようだ…」
「死神様だって!?」
「お前のいた世界で亡くなればここに来るようになっていたらしい…」
「我が思うに、死神様は友のような最高位の魂を休めておくのは勿体ないと感じられたのだろう」
「……、え~っと、次に輪廻するまで50年~100年だったか…?」
休ませるのが勿体ないと言われると休みの無いサラリーマンみたいでブラック企業に勤めてしまった感じもする。
靄のおっさんの勤務もブラックだし…。
「それよりお前の隣に立っている二人の女性型は何だ?」
「今頃言うなよ…。どうしてか分からないけれど、おっさんに転生させてもらった時に俺の魂から一部が分離したらしいんだ。転生先では二人は完全な人間ではなかったけれど、その偶然に感謝している」
「ふ~む…、確かに友とその二人は魂で繋がっているようだな…。だが、そんな状態で存在出来ているとは摩訶不思議だ…」
「まぁ、起こってしまった事を今さら言っても仕方が無いな。ここに来ているのだからなっ…」
「……」
靄のおっさんは新たな話題を得たとニアッと喜んでいます。
アイとマオはやはりイレギュラーのようです。
「「マスター(ご主人様)、この靄のおっさんアバウトですね~」」
「それで、俺が死神様にここへ呼ばれた理由は分かるのか?」
「あぁ、少し前に業務連絡が来ていたみたいだ。友の元いた惑星が異星人に侵略されていて、神達が選んだ勇者達と共に対処するみたいだ。死神様がこんな話に参加されるのは稀だけれどな…」
「地球が異星人に侵略されているだと!?」
「おそらく想定以上に死んでいる者が多いか、友でないと対応出来ないと思われたのだろう」
「ちょっと、待て…」
「ってことは地球から、おそらく日本から転生、又は転移させられた勇者達みたいな者と一緒に俺達が地球で侵略者と戦うのか…?」
「戦えとはおっしゃっていないみたいだが、おそらくそういう事だろうな…」
「……俺達は勇者でも無いし、魔王や魔物たちと戦ったりしていないんだぞ」
国を統治するために対人戦闘はしたけれど…。
「それに魔法は使っていたが武器なんてほとんど使ったこともいないし…」
「ご主人様の武器は男性器だけでしたものねっ」
「あ~っ、アイに先に言われた~!」
「アイ、マオ…」
今はそんな冗談も笑えないよ…。
「まぁ、死神様が選ばれたのならこれは決定事項だ。あっちで死んだらちゃんとこっちに戻してやろう」
「冗談だろ…」
「どうせ輪廻転生するまでの期間があるのだ。元の世界を楽しんでくるつもりで行くと良いだろう」
「侵略されているのに転生している余裕はあるのか?」
「いいや、今回は転生でも向こうの世界の成人年齢から始まることになる」
「そ…そうか…って、そんな転生もあるのか?」
転移でもなく…?
……と言う事は20歳からか…?
「「私達も一緒に行けるのですよね!?」」
「そうだな…。友の魂の一部であれば同行することになる。これが一からの転生なら魂を再び融合させるように努めてみるのだが…」
「「いえ、このままでお願いします。私達はご主人様(マスター)と共に居たいのです!」」
「アイ、マオ…」
「確かに俺達は色々と通じ合えているから便利かもな…」
それに一人なのもちょっと寂しい…。
他の勇者たちはパーティーだろうし…。
「それでも俺達は戦えないぞ…」
「心配するな友よ。能力はそのままだから魔法も前世のように自由に使えるし、確か身体強化もされていただろう。攻撃は魔法が中心になるだろうが、相手からの攻撃は受けないはずだ」
「確かに…」
今となってはどんな魔法も簡単に創造できるし、想うだけで形となり発動する。
それに、いつの間にか身体強化も俺が判断しなくても自動的に一切のダメージを受けないようになっているからなぁ。
戦えるかどうかは分からないが攻撃を受ける想像は出来ないな…。
「でも、地球を侵略に来る異星人って…?」
「我もそこまでは知らされていない。行ってみれば分かる事だろう」
「あの~、靄のおっさん、私達はご主人様が死なないと消滅はしませんが、私達もご主人様の力になれるようにして下さい!」
「私もマスターを守れるようになりたいです」
「アイ…、マオ…」
「こんなことは初めてだな…」
「先ほど友の話を聞き、確かに友とその二人の魂は繋がっているが、それぞれが一個ではない。その状態で友と同じようにするには、魂の補完が必要かもしれぬ」
「難しいことではないが、要するに友の様な人間として送るか、そのままの二択になる」
「前者を選ぶと友に近い存在にはなれるが、不老不死ではなくなるぞ」
「「……」」
「アイ、マオ、今のままでも…。俺が死なない限りは二人は死なないんだよ」
「それに妖精体だと姿も消せるし、自由自在に大きさも変えられるからね…」
「僕が使える魔法もある程度なら使える訳だし…」
「しかし、魔法に特化したマオはともかく私は…。魔法の威力が無いと侵略者に対応することが出来ません。地球には明らかに敵がいるのですから…」
「それにマスター、今度の世界では私はマスターの子供を産んでみたいのです。これまでたくさんのパートナーや子供の生涯を見てきましたが、自分には出来ない事が辛かったのです」
「マオ、そんな事を想っていたんだ…」
「ご主人様、私もですよ」
「……じゃあ、そうするか…」
前世では数えきれないほどのパートナーや子孫達を見てきたんだよな…。
自分の子供に憧れるのは分かる気がします。
「「はいっ!」」
「おっさん、そういう事で頼む」
二人から固い意思が伝わってきたのでもう何も言うことはありません。
「分かった。しかし一個体となっても友の様に身体強化が付くわけではないぞ。人間として友と同じ事が出来ると言うだけだ」
「これまでの能力は使えるだろうが…」
「私にとってはそれで十分です」
「私は…これまでと変わらないですね。いよいよ私の時代です!」
「マオの時代って…、いつから言っているんだよ…」
XX XX XX XX XX XX
【DNAの改修者ー外伝】が始まりました。
『DNAの改修者』が想定以上の長編になり、もう書かない方が良いかと思ったのですが、『DNAの改修者』を書き出した時に続きの構想があったのでアフターストーリーとして少し書いてみようかなと思った次第です。
今回はサクっと軽い展開で進められるようにしたいですね…。
完結した『DNAの改修者』は同じアルファポリス(下記URL)で読んでいただけます。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/712129148/11576180
※読み難いので時間と体力がある時にしましょう(笑)
ガラン・ゴロン・パシュ
ガラン・ゴロン・パシュ
……
(ここは…、確か…)
大往生を迎えたと思ったらまさかここに来るなんて…。
今回は靄のおっさんに転移させられた訳じゃないのに…。
「「ご主人様(マスター)!」」
「アイ、マオ…。そうか二人とも僕の魂の一部だから一緒なんだな…」
言葉通りなぜか二人は僕の魂の一部を有していて、前世では妖精体として誕生しており、僕が亡くなるまで全く容姿は変わらず艶やかで若々しいままでした。
僕の事をご主人様と呼ぶアイはプラチナブロンドの清楚なご令嬢で、マスターと呼ぶマオは黒髪で和風なお姫様という感じの容姿をしています。
その美貌や雰囲気からは想像できませんが、共に何でもありの変態でもあったのです。
「ご主人様、ここは…?」
「ここは“誕生の間”だよ…。足元に見える光る玉の一つ一つが魂なんだ…」
眼下に広がる光景は改めて見ても奇妙です。
底の見えないただ真っ白な空間で、ここから見える範囲すべてに光る玉状のモノが均等に配置されていて、表層の一番上から一定間隔でバシュッという音と共に消えていきます。
ずいぶん前の事なのに、この空中に浮かぶ大きなクリアボックスのような部屋の中に来るとなぜかこの間の事のように思います。
そしてこの部屋の中央付近には縦横10cm、高さ1mほどの四角柱が立っており、その上面にはあの明らかに押してはダメそうなボタンが見えるのです。
「マスターが転生する時に来たところですね」
「そうだよ…。でも、どうしてまた来たんだろう」
もう惑星トーナの輪廻の環に入ったはずなんだけれどなぁ。
まぁ、ここに来たからには目の前のボタンを押さないとダメか…。
では、お約束とともに…「ぽちっとな!」
ぴんぽんぱんぽ~ん
XX XY
「お…お前達は誰なのだ…!?」
「おっ、来た来た…。靄のおっさん、俺だよ。友を忘れたのか…?」
しばらくすると突然部屋の中に全身が靄で出来たような人型の“おっさん”が現れました。
以前は上手く表現できませんでしたが、今改めて表現するなら透明のビニール人形の中に靄が詰まっている感じです。
前回転生時にお世話になったおっさんで、色々あって友達になったのです。
まぁ、前回来た時とは容姿が変わっているから分からないのも無理はないか…。
「友だと…? まさかお前はこの間転生させたあの友なのか?」
「(この間…?)ずいぶん前だけれど、そうだ…」
相変わらずここでは時間の感覚が違うようです。
なんせ5年後が今週末みたいに感じるおっさんだ。
俺が異世界で100年の人生を過ごしてきたところで本当にこの間なのだろう。
「これは驚いたぞ。お前は我に再び話題を与えてくれるのだな」
「積もる話もあるけれど、まずはおっさんのおかげで良い人生を送ることが出来たよ。俺は転生先で寿命を迎えたわけだが、どうしてまたここへ呼ばれたんだ?」
「寿命? もう死んだのか…?」
「それに呼ばれただと? 惑星トーナの担当者に送られて来たのではないのか?」
「あぁ、死んだと思ったらいきなりここへ来ていたんだ」
俺がそう答えると靄のおっさんの体表に見える靄が活発に動き出します。
これはおっさんが何かを考えたりしている時に見られる現象なので驚くことはありません。
「ご主人様、この靄のおっさん目も無いし、口も無いのに話をしていますよ」
「マスター、この靄のおっさんの身体はどうなっているのですか? キモいです…」
「ハハ…、僕も初めて会った時は驚いたけれど、慣れれば案外表情も分かるんだよ」
アイとマオと話をしながら待ちます。
「友よ…。どうやらお前は死神様に選ばれたようだ…」
「死神様だって!?」
「お前のいた世界で亡くなればここに来るようになっていたらしい…」
「我が思うに、死神様は友のような最高位の魂を休めておくのは勿体ないと感じられたのだろう」
「……、え~っと、次に輪廻するまで50年~100年だったか…?」
休ませるのが勿体ないと言われると休みの無いサラリーマンみたいでブラック企業に勤めてしまった感じもする。
靄のおっさんの勤務もブラックだし…。
「それよりお前の隣に立っている二人の女性型は何だ?」
「今頃言うなよ…。どうしてか分からないけれど、おっさんに転生させてもらった時に俺の魂から一部が分離したらしいんだ。転生先では二人は完全な人間ではなかったけれど、その偶然に感謝している」
「ふ~む…、確かに友とその二人は魂で繋がっているようだな…。だが、そんな状態で存在出来ているとは摩訶不思議だ…」
「まぁ、起こってしまった事を今さら言っても仕方が無いな。ここに来ているのだからなっ…」
「……」
靄のおっさんは新たな話題を得たとニアッと喜んでいます。
アイとマオはやはりイレギュラーのようです。
「「マスター(ご主人様)、この靄のおっさんアバウトですね~」」
「それで、俺が死神様にここへ呼ばれた理由は分かるのか?」
「あぁ、少し前に業務連絡が来ていたみたいだ。友の元いた惑星が異星人に侵略されていて、神達が選んだ勇者達と共に対処するみたいだ。死神様がこんな話に参加されるのは稀だけれどな…」
「地球が異星人に侵略されているだと!?」
「おそらく想定以上に死んでいる者が多いか、友でないと対応出来ないと思われたのだろう」
「ちょっと、待て…」
「ってことは地球から、おそらく日本から転生、又は転移させられた勇者達みたいな者と一緒に俺達が地球で侵略者と戦うのか…?」
「戦えとはおっしゃっていないみたいだが、おそらくそういう事だろうな…」
「……俺達は勇者でも無いし、魔王や魔物たちと戦ったりしていないんだぞ」
国を統治するために対人戦闘はしたけれど…。
「それに魔法は使っていたが武器なんてほとんど使ったこともいないし…」
「ご主人様の武器は男性器だけでしたものねっ」
「あ~っ、アイに先に言われた~!」
「アイ、マオ…」
今はそんな冗談も笑えないよ…。
「まぁ、死神様が選ばれたのならこれは決定事項だ。あっちで死んだらちゃんとこっちに戻してやろう」
「冗談だろ…」
「どうせ輪廻転生するまでの期間があるのだ。元の世界を楽しんでくるつもりで行くと良いだろう」
「侵略されているのに転生している余裕はあるのか?」
「いいや、今回は転生でも向こうの世界の成人年齢から始まることになる」
「そ…そうか…って、そんな転生もあるのか?」
転移でもなく…?
……と言う事は20歳からか…?
「「私達も一緒に行けるのですよね!?」」
「そうだな…。友の魂の一部であれば同行することになる。これが一からの転生なら魂を再び融合させるように努めてみるのだが…」
「「いえ、このままでお願いします。私達はご主人様(マスター)と共に居たいのです!」」
「アイ、マオ…」
「確かに俺達は色々と通じ合えているから便利かもな…」
それに一人なのもちょっと寂しい…。
他の勇者たちはパーティーだろうし…。
「それでも俺達は戦えないぞ…」
「心配するな友よ。能力はそのままだから魔法も前世のように自由に使えるし、確か身体強化もされていただろう。攻撃は魔法が中心になるだろうが、相手からの攻撃は受けないはずだ」
「確かに…」
今となってはどんな魔法も簡単に創造できるし、想うだけで形となり発動する。
それに、いつの間にか身体強化も俺が判断しなくても自動的に一切のダメージを受けないようになっているからなぁ。
戦えるかどうかは分からないが攻撃を受ける想像は出来ないな…。
「でも、地球を侵略に来る異星人って…?」
「我もそこまでは知らされていない。行ってみれば分かる事だろう」
「あの~、靄のおっさん、私達はご主人様が死なないと消滅はしませんが、私達もご主人様の力になれるようにして下さい!」
「私もマスターを守れるようになりたいです」
「アイ…、マオ…」
「こんなことは初めてだな…」
「先ほど友の話を聞き、確かに友とその二人の魂は繋がっているが、それぞれが一個ではない。その状態で友と同じようにするには、魂の補完が必要かもしれぬ」
「難しいことではないが、要するに友の様な人間として送るか、そのままの二択になる」
「前者を選ぶと友に近い存在にはなれるが、不老不死ではなくなるぞ」
「「……」」
「アイ、マオ、今のままでも…。俺が死なない限りは二人は死なないんだよ」
「それに妖精体だと姿も消せるし、自由自在に大きさも変えられるからね…」
「僕が使える魔法もある程度なら使える訳だし…」
「しかし、魔法に特化したマオはともかく私は…。魔法の威力が無いと侵略者に対応することが出来ません。地球には明らかに敵がいるのですから…」
「それにマスター、今度の世界では私はマスターの子供を産んでみたいのです。これまでたくさんのパートナーや子供の生涯を見てきましたが、自分には出来ない事が辛かったのです」
「マオ、そんな事を想っていたんだ…」
「ご主人様、私もですよ」
「……じゃあ、そうするか…」
前世では数えきれないほどのパートナーや子孫達を見てきたんだよな…。
自分の子供に憧れるのは分かる気がします。
「「はいっ!」」
「おっさん、そういう事で頼む」
二人から固い意思が伝わってきたのでもう何も言うことはありません。
「分かった。しかし一個体となっても友の様に身体強化が付くわけではないぞ。人間として友と同じ事が出来ると言うだけだ」
「これまでの能力は使えるだろうが…」
「私にとってはそれで十分です」
「私は…これまでと変わらないですね。いよいよ私の時代です!」
「マオの時代って…、いつから言っているんだよ…」
XX XX XX XX XX XX
【DNAの改修者ー外伝】が始まりました。
『DNAの改修者』が想定以上の長編になり、もう書かない方が良いかと思ったのですが、『DNAの改修者』を書き出した時に続きの構想があったのでアフターストーリーとして少し書いてみようかなと思った次第です。
今回はサクっと軽い展開で進められるようにしたいですね…。
完結した『DNAの改修者』は同じアルファポリス(下記URL)で読んでいただけます。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/712129148/11576180
※読み難いので時間と体力がある時にしましょう(笑)
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