DNAの改修者

kujibiki

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第564話 ウィルの選択

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「新大陸ですか…(あふん…)」

『しばらくどこにもいないと思ったら…(これは…)』

「そんな国があるということに驚きです(ちょっと恥かしいわね…)」

「まだ他にも大陸はあるかもね…」

僕がこの数日のコロニー共和国について話すと、シエラ、ルーシャ、グレイスは驚いています。

この惑星トーナがどれほどの大きさかはまだ分かりませんが、大陸が3つだけということはないでしょう。
コロニー共和国を知ってそう確信しています。

「シャルル様、お一人では危険なのでは…?」

「元“風の谷”の住民なのですか!?」

「でも、既に統治者になっているのですよね?」

後ろからメルモア、メンテール、ユナ達の声も聞こえてきます。

「あーうん…、そうだね…。シエラ、ルーシャ、グレイス、その姿勢で良いの?」

「『「は…い…」』」

「じゃあその姿勢で【造形】っと…」

メルモア達には少しいい加減な返事をしてしまいましたが、僕はパートナーになった順番で更に“誕生の儀”を済ませている6人を神殿に呼んでいて、裸像を製作しながらコロニー共和国の話をしていたのです。

「わ…私がもう一人…」

『触った感じも同じですよ…(四つん這いだと胸がこんなにたぷたぷと…)』

「し…姿勢は変えられるのですよね?」

「ハハ…、『シャルルの湯』のグレイス像と違って勝手に姿勢は変えないけれど、いつでも姿勢は変えられるよ」

好きな“体位”ではないよと言っておいたので普通の立位裸像になると思っていましたが、三人はそれぞれ両手を頭の後ろに回し胸を張りながら腰を反らせたり、“バック”のような姿勢だったり、つま先立ちのM字開脚ポーズなどまるでグラビアの様に思い思いのセクシーポーズでした。
裸像なのでパックリ丸見えです。



続けて裸になって準備していたメルモア、メンテール、ユナの裸像を作っていきます。

メルモアは膝立ちで爆乳の下で腕を組み少し持ち上げたポーズで、メンテールは少し前かがみで懐かしの“〇っちゅ~の”ポーズです。
大きな胸が完全に両腕の間から突き出ていて、強く挟まれているせいで母乳がポタポタと滴っておりエロいです。

「ユナはそれで良いの…?(後世に残すんだよ…)」

ユナは立ち姿でしたが片方の胸を片手で軽く揉み支えながら股間を突き出し、もう一方の手指で女性器を逆Yクパァ~ポーズでした。
ちょっと驚きましたが平静を装います。

「女性器やくりも同じですし、子宮に繋がる穴も開いているのですよ~。自分で見ると不思議な気分です」

「そうなんだ…(スライムの情報も反映させているからね…)」

肉体の質感だけではなく、それぞれの穴の中も再現させているのです。
ちなみに裸像では出産に伴って変化した乳首や乳輪の色合いや大きさは受精前の状態にしています。



「ふぅ~、6体とも完成したな…」
(難しくはないけれど、まだ後110体も作らないといけないのかぁ)

『それで、話の続きですがコロニー共和国はどうなるのですか?』

「まだまだ当分争いは続くと思うよ。13も国があるからね…」

「シャルルの治めた5の国に行ってみたいですよ~」

「まだ当分は無理かな…。皆を連れて行ったら男性達の目の色が変わるよ…。それに今のところ僕は使徒扱いだからね。大人数で行ったら色々と面倒だから…」

「シャルルの言う通りね。まだローマン帝国やバルトリア王国の事は知られるわけにはいかないでしょう。大陸の場所もはっきりしていないみたいですし…」

男性が何度も“誕生の儀”をしたり魔法を使えるというのは興味深いですが…。

「男性と女性の立場や考え方が全く違う国だからね。5の国の改革がある程度進んだら使徒に選ばれた女性として招待するよ」

「シャルル様、向こうでメイドを雇われる時は遠慮なくおっしゃってくださいね」

「うん、その時はシエラやメンテールに指導をお願いするよ」

「あ~ん、シャルル様、私は~!?」

「ハハ…、メルモアには指導は向いていないでしょ…」

そう答えるとメルモアは拗ねてしまいましたが、メイドの指導は思ったより早く頼むことになるかもしれません。



XX XY



こちらへ戻ってきてからテラとナンシー、チェルシーとベラ、アナとルゥにパートナーになってもらった後、再び5の国に行くことにします。



「シャルル様!? それにアイ様とマオ様…」

玉座の側にいきなり現れた僕達に気付いた衛兵が驚きの声をあげています。
仮の自室に転移した方が良かったかな…。

「コミットはいる…?」

「はい、ただいまお呼びします!」



「シャ…ルル…様、お待たせしました…」

「いいよ、突然来たのは僕達だから…」
「それで、あれからどう?」

「はい…」

コミットから話を聞くと、初日以降の騒動は意外にも少なかったそうです。
元々女性の方が強く、多勢に無勢ということもあるのでしょう。

中途半端に力のある男性には理解できない改正だと思いますが、コミットが上手く事を進めてくれていたようです。
後で首都を視察してみようかな…。

「各都市や町、小さな村にもシャルル様のご指示は伝わっている頃だと思います」

「そう、良かった…。こういうことは早さが大事だからね」
「誤解のないように言っておくけれど、男性と女性の同意があればこれまで通り“誕生の儀”を行えば良いからね。ただ…」

「分かっております。魔力封じの魔道具を使って女性の自由を奪わないということですね」

「うん、そう…」

想定以上に“誕生の儀”を行う者達が減る事になれば、その時は計画通りに報奨制度を取り入れるつもりです。



「シャルル様、それとは別にご報告があります」

「どうしたの?」

「近隣の国々から謁見や引見の依頼が来ております。おそらく統治者が変わったことが知られたのでしょう」

「う~ん、今は放っておいたら良いよ…」

近隣の統治者が形式的な友好を望んでいるようですが、数字上6以上の国は5の国を見下していることもあって、当分はどの国の統治者とも会うつもりはありません。
意外に争いを中断された10の国の統治者は何も言ってきていないようです。

まずは国内の生活・文化レベルの引き上げに注力し、機会を見て他国の統治者と会えばこちらが優位に立てるはずです。
まだ見ぬ統治者たちがどんな顔をするの今から楽しみでもあります。

「かしこまりました」

(次はとりあえず城内の改善かな…)

物々しい警備の女性達はメイドにして、男性の衛兵たちは城外や首都の警備に配置換えするつもりです。

コミットも無能なら女性に代えたいところでしたが、意外に忠実なのと他国の情報やこれまでの慣習に詳しいので、もうしばらくは僕がいない間の代理兼宰相にしておくつもりです。

(他の都市長なども信頼できる女性に代えていかないとな…)

首都から離れている所は注意しておかないと馬鹿なことを考える男性が現れるかもしれません。



XX XY



コミットとの話が済むと、僕達は城のオープンカーに乗って首都内をドライブです。
コミットには護衛が必要だと言われましたがアイやマオもいますし、僕達に危害を加える事が出来る者はそうはいません。

「いやぁ~、これは良いな~」

「魔動力車だけは進んでいますね」

マオが言うようにこの国は魔動力車の種類が豊富で交通量もローマン帝国などより多く感じます。
体力のある男性が多く、活動的なのもあるのでしょう。

コミットに聞くのを忘れていましたが、こちらの男性はローマン帝国の男性より寿命も長いのかもしれません。

「注目されていますよ~」

「とってもフレンドリーでいい街だな…」

先日の件で僕たちの顔は首都の国民に知られているので、僕がちょっと手を振ると女性達は僕の名前を呼びながらワーワー・キャーキャーと手を振り返してくれます。
有名人になったようで悪い気がしません。

「ご主人様だからですよ」

「すぐにお持ち帰りが出来そうですね」

「マオ…、まずは女性達の改善が先だよ…」



街を回ってみて気付きましたが、魔動力車以上に“誕生の儀”の施設も立派なものでした。

人口が増える事は良いのですが、子供たちは男性側か国で育て管理することが一般的なようで、女性は不特定多数の男性に卵子を採取される為に自分たちの子供に関心が低いようです。

この考え方を変えていくのにも時間が掛かるだろうなぁ。

何から改善していくか考えていましたが、魔道具は基本的なインフラ以外はあまり発展していないようでした。

伝手のないところから魔道具製作所を立ち上げるのも大変そうですし、僕一人で食べ物の改善も出来るわけがありません。

そうなると、僕一人で改善できそうなのは公衆浴場を設けることでしょう。
公衆浴場分の“シャルルの風”や“シャルルの糸”は魔道具製作所が無くても十分用意が出来ます。
利便性が認知されてから魔道具製作所を作れば良いのです。

とにかくこの国の女性達を艶やかに瑞々しく健康にすることが、この国の内外に良い影響を及ぼすはずです。

「ご主人様、運営者などを見つけるのが大変ですね」

(あっ、心を読んだな…)
「まぁね…、何か選考イベントを考えないとね…。さて、今日はこれで帰ろうか…」

「マスター、不審な女性が近づいてきます!」

「やっぱりつけてきていたのか…」

街に出てから行く先々で遠くから視線を感じていました。
僕に興味がある国民の一人だと思っていましたが違ったようです。



「し…使徒様ですね…」

「僕の事を知っているんだ…」

首都の国民には新たな統治者としか知らされていませんので、知っているのはあの戦場にいたごく一部の者になります。

「私はウィルといいます。男性のような名前ですが女性です」

「ハハ…、見れば分かるよ。それで…?」

外套を着ていますが顔立ちや盛り上がった胸部を見れば明らかです。

「10の国の使者として参上しました。こちらはタタン様からの召喚状となります」

ビリッ!

「な…何を!?」

「だって、召喚状なんだよね? 何で僕がタタンに呼ばれなければならないの?」

「そ、それは統治者であるマーボ様の命で…」

(10の国の統治者はマーボって言うのか…。それにしても僕に直接接触してくるとはね…)
「まだ、10の国の統治者からの書状なら我慢して読んだかもしれないけれど…、タタンって…」

「ご主人様、あの者はまだ分かっていないようですね」

「やっぱりあのまま落下させておけば良かったのです」

「あんな馬鹿が将軍だなんて…、10の国も大変なんだね」

いきなり破り捨てられた書状を見てアワアワしているウィルさんを見ます。

「ウィルさん、自国の将軍と使徒の僕のどちらが偉いかは分からないとして、タタンと他国の統治者ならどちらが偉いと思う?」

「それは…統治者様…」

「こんなところまで来ているってことは、5の国の統治者が代わったってことは知っているんだよね?」

「はい…、首都に着くとその話題で持ちきりでしたから…。まさか…、統治者が代わったと言うのは…」

「僕が5の国の統治者でもあるんだよ。ここに来てすぐにヤンマーを排斥したからね」

「そんな事が…」

では、“誕生の儀”に女性の同意が必要になったり、男女平等になったと言うのも本当に…。

「まぁ、どのみち10の国の統治者が来いと言ってきても無視するけれどね」

おそらくマーボもヤンマーと同じで傲慢なクズなんだろう。

「そうだ、反対に次に5の国に手を出して来たら10の国は吸収すると言っておいてよ」

「ウィルさん、ご主人様に吸収された方が幸せになれますよ~」

「えっ?」

「タタンにも今度マスターの前に現れたら私が空から落とすと言っておいてください」

「まぁ、統治者が馬鹿ではないことを祈るよ…」

いずれ吸収するつもりではいるけれどね…。

「……」
マーボ様、タタン様…。
使徒様と敵対してはいけないですよ…。

ただ、アイと呼ばれていた金髪の女性が言うように吸収される方が幸せになれると言う言葉には少し心が動いてしまいました。
帰って報告を済ませたら5の国に亡命しようかな…。
使徒様の為に働くことが出来れば幸せなのかも…。



その後、返事を聞かされたタタンは震えあがり、マーボは怒り心頭で再び5の国に侵攻を考え、吸収される日が更に早まったのは言うまでもありません。

10の国が吸収される時、5の国に創られた『くノ一』の一員としてウィルという艶やかで瑞々しい女性が暗躍していたとか…?
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