DNAの改修者

kujibiki

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第546話 シャルルの板

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セイラがパートナーになったことで『シャルルの湯』の開業にも目処が立ちました。

あれからセイラを『シャルルの湯』に案内し、ドナも連れてきて紹介してあります。

話の流れからその場でセイラにも【転移門】の腕輪を渡し、互いに行き来が出来るようにしておいたので、開業までの準備は問題ないでしょう。

予定通り今日からドナと従業員の一チームが指導に来てくれていると思います。



「シャルル様~、ちょっとよろしいですか~」

「どうしたの、トリス?」

朝食が済み、今日は久しぶりにエルスタイン領都でゆっくりしようと思っていたらトリスが声を掛けてきました。
受精してから少し落ち着いた雰囲気になったと思います。

「『手引書』の準備が出来ました」

「そういえばトリスに任せっぱなしだったね」

元々“シャルルの眼”は皆とのイベント記録用に考えていて“誕生の儀”を機に作ったのですが、女性の体質改善の一環として女性器の観察を広める為に『手引書』を製作する準備をトリスにお願いしていたのです。

「もぅ役得ですよ~!」

「そ、そう…」

トリスが目をキラキラと輝かせて喜んでいるのが少し心配な気もしますが、『シャルルの湯』を体験した女性の更なる覚醒を促していくには必須本となるのです。

とりあえずリビングでは確認できないので僕の部屋に戻ります。



「じゃあトリスにお願いしていた写真と動画を見てみようか…」

「はいっ、いっぱいありますよ~」
「最初はジェシカさんです」

「(あぁ、そういえば…)そうなんだ…」

最初に一度【接続】した時に少し観てしまったな…。

ピッ、ピッ、ピッ…。

「写真だけでも凄い枚数だね…」

まず写真を見ると、全身や身体の部分的な写真が様々なアングルで撮られています。

「“写真”は私がお手伝いしたのですよ。後の方が参考にされると思って考えられる体勢を全て撮ってみました」

「そ…そうなんだ…。上手く撮れているよ…」
(M字やお尻を突き出した体勢、アップのく〇ぁ画像まであるよ…)

続けて動画を観てみます。
(少し早送りして…)

ピッ!

クチャ、クチョ…、クチャ、クチョ…。

ハァ~、ハァ~。

『こうやって、子宮に繋がる穴を…指でゆっくり捏ねながら…く…くりを摘まむと…』
『あぁ~んっ、イっちゃう~っ!』

「……」
動画ではジェシカがイクまでの様子が鮮明に映っていました。

「凄いですよね~。私も何度も観ちゃいました」
「“しお”がおしっこの出る穴から噴き出している所もクッキリですよね」

「そ…そうだね…」
(それにしても無修正は凄いな…)

アイやマオとは初日にAV撮影みたいなこともしてみましたが、こうやって映像で見る感覚は懐かしくて新鮮です。
トリスが喜んで観ているぐらいなので、AVにすれば皆も興味を持つかもしれません。
本当は男性に興味を持ってもらえれば良いんだけれど勃起も射精も出来ないしなぁ~。

とにかくジェシカも頑張っているようなので今晩はジェシカとしてあげようと思います。

何度かイッた後、気を失った訳ではなさそうですがクタッと動かなくなったところで終了しました。

他にもかなりの人数分が保存されているようですが、今はさすがに記録分全てを観ることは出来ないので僕専用の“シャルルの眼”にコピーしておくことにします。

「じゃあ次は編集して【印刷】をしてみようか。……あっ」

【印刷】は元から“シャルルの眼”に備わっていましたが、編集のことは忘れていたな…。
『手引書』と言うからには文字も記載できないと…。

僕の【AI】なら音声を自動で文字に書き起こしをしてくれると思いますが、説明文などはやはり考えて書く必要があります。

「どうかされたのですか?」

「編集の事を忘れていたよ…。このままじゃ画像に文字は書き込めないからね」

「本当ですね…」

「それなら…」
(“シャルルの眼”だけで完結出来れば良かったけれど、専用のタブレットでも作ってみるか…)

既にモニターの事は皆も理解しているので、書籍サイズ、A4くらいの大きさにしておけば良いのです。
それに“シャルルの眼”に入っている記録媒体の魔道具を取り外せるようにするのも今更面倒なので、新たに【通信ワイヤレス】魔法も創ってみます。

「シャルル様、その黒くて薄い板のような物は…?」

「大きくしたモニターだよ。とりあえずトリスに預けてある“シャルルの眼”とようになっているからね」
「この画面の大きさが『手引書』の紙の大きさと同じだと考えて、写真を配置したり文字を記入していくんだよ」

【AI】による機能満載で、使いこなせば写真や動画の編集も思いのままです。
最低限の操作と指示で画像の貼り付けや文字の書き込みも簡単に出来るでしょう。

「なるほど…」

「ちょっと使ってみようか…」

早速【通信】して、ジェシカの女性器の写真を表示させます。
すでに【AI】がパートナーごとに自動フォルダ分けもしてくれているようです。

「こうして選択した写真を拡大したり縮小したり、切り取る事も出来るんだ」

そうだ、ペンも作っておこう。

「凄い…、細部までハッキリ観えますよ~!」

「それから、文字を書き込む場合はモニター上で書き込みたいところに触れてからこのペンを使って手書きをするか、声に出しても記入されていくからね」

「“写真”の上に文字が…、それに文字の大きさや色まで好きに変えられるのですね」

「それだけじゃないよ~」

【AI】によるレイアウトを使った編集や装飾文字、吹き出しや矢印など『手引書』の編集に使いそうな機能と、動画からの切り出し方法等を説明しておきます。

「それで完成したら【印刷】っと…」

「本当に“もにたー”に写っているままなんですね~」
「“見開き”という形にすれば“写真”も大きく出来ますね!」

「そうだね…」

これまで“シャルルの眼”を使っていただけあって、トリスは意外にこういった物に対して順応性が高くなってきているようです。
他にも新規、保存、やり直し、削除などの方法も伝えておきます。

「使い方は何となく分かりましたけれど…」

「じゃあ、少し一緒に編集してみよう。トリスの考えを教えてくれるかな…」

「はいっ」



“好きこそ物の上手なれ”とは本当で、トリスは最初からこの作業に興味を持っていたのですぐに簡単な編集方法を覚えました。
別に最初から完璧な『手引書』を作る事は無いのですが、トリスにはセンスもあり、版数を重ねるごとに良くなっていくと思います。

「とっても楽しい作業ですね~。シャルル様の教え方はとっても分かり易いです」

「あっ、そうそう、顔は見えないようにしておかないと…」

部分的な写真は問題ありませんが、さすがに顔出しはNGです。

「え~、どうしてですか? 顔が分からないと誰だか分かりませんよ~」

「パートナーだけで見るのなら問題はないけれど、『手引書』は領民女性が見る物だからね…」

そう言うトリスは胸や女性器を見れば誰だか分かるそうですが…。

「そ、そうでした」

「これにはモザイク機能もあるから、もし顔や個人の特徴などが映っていたら隠すように…」

そう話しながらモザイク機能の説明をします。

「うわっ、顔が…!?」
「分かりました。パートナーの皆さんが見る物以外は分からないように“もざいく”を使いますね」

「うん、忘れないでね…(流出はやめてよ~)」
「じゃあ、『手引書』が出来れば持って来てくれるかな。僕が【複製】するから」

「はい、分かりました!」
「それでシャルル様。お願いがあるのですが…」

「うん、何?」

「実は『手引書』の他に『体位書』や『シャルル様の身体の洗い方』を本にしたいのです。パートナーが増えていくと説明も大変ですし、それらも後世に残しておきたいのです」

「(えっ!?)そ…そうなんだ…」

「好きな体位についてはよく話していますからね。シャルル様にもどういう風に洗って差し上げると気持ち良いか教えていただけると嬉しいです」

皆さんがどんな体位でどう気持ち良いのか興味があります。

「ハハ…ハ…」

そういえば2冊目はパートナーの為だけのHow To Sex集でも良いかと思っていたんだよな…。
トリスも同じような事を考えていただなんて…。

それに、皆にスライムがいき渡ったら各モードや使い方などのマニュアルを作っても良さそうです。
あれこれ“モード”も増えたし…。

トリスはタブレットを“シャルルの板”と名付けて意気込んでいたので、数日もあれば初版が完成するでしょう。



XX XY



「ジェシカ…」

昼食前に屋敷内で見かけたジェシカに声を掛けます。

「シャルル~、今日は屋敷にいたのね」

「ごめんね、いつも外出していて…。今日はちょっと休息…。でもまた明日から出掛けている事が多いかな…」

明日からはいよいよパートナーが集まれる建物を造り始める予定です。

「え~、そうなの~」

「それで、今晩はジェシカと一緒にと思っているんだけど…」

「本当に!? 私もして欲しいと思っていたの。女性器の観察も頑張っているのよ」

「ハハ…、分かっているよ…。楽しみにしているからね」

先ほどの映像が思い起こされます。

「じゃあ、夕食が終わったら僕の部屋にね!」

「えぇ、すぐに行くわ」

今晩と言う事は一晩一緒にいられるのね。
昼食を食べたら部屋に戻って女性器の観察をしておかないと…。



XX XY



ジェシカと話をした後はフランの所に向かいます。

「フラン、“ハンバーガー”の方はどう?」

今日の昼食は試作していた“ハンバーガー”のお披露目なのです。

「準備万端です。“はんばーがー”って簡単に作れて美味しいですよね」
「お肉も細かくしているので食べ易いですし…」

「僕は“ハンバーグ”として食べる方が好きだけれどね…」

少し前に“ハンバーグ”は完成させていて、先日の料理教室でソニア、チェルシーお姉さん、アナお姉さんの三人にも基本的なレシピは伝わっています。
後は香辛料の発見次第で更に工夫していくつもりです。

「私も肉汁が溢れる“はんばーぐ”の方が好きですよ」

「でもまぁ、手っ取り早く男性にお肉を食べてもらうには“ハンバーガー”が一番かな」

新たな『シャルルの湯』では“ハンバーガー”だけじゃなく“ぴっさ”の代わりに“チーズバーガー”を、又“カツサンド”と“BLTサンド”の4種類を販売する予定で、その後早い段階で『シャルルバーガー本店(仮)』をエルスタイン領都で開業するつもりです。

女性にはカロリーを気にしてもらわないといけませんが、男性には少しでもお肉を食べるようになって身体的に改善していってもらいたいと思っています。

以前男性の肉食を勧めたリリスお姉さんが都市長をしているバージンでも試験的に支店を出してみても良いかもしれません。

「それにしても、シャルル様の考えられた“まよ”という調味料には驚きました。もっと早く教えていただければ色々な料理に使えましたのに…」

「ごめん、ちょっと忘れていて…。それに作るのに手間が掛かるし間違えて作ると食中毒になるから…」
「フランも卵の殺菌と“すい”の量に気を付けてね」

こちらではお酢などは“すい”と呼ばれていて、意外に種類もあって普及しているようです。

良く考えれば“シャルルの渦”もあり、僕が“男”になる前に港町でお酢がある事は知っていたので作ろうと思えば作れたのです。
マヨネーズの味はきっと流行ることでしょう。

「はいっ」

「じゃあ、僕も自分用にハンバーガーを作ってみようかな…」

「シャルル様用ですか!?」

「フッフッフ…、ハンバーガーはパティを一枚挟むだけじゃないんだよ~」

パティを二枚にしたり、真ん中にもう一枚バンズ(クラブ)を入れたり、目玉焼きを挟んでみたりします。
てりやき等はまたの機会にしておこう。

「まさかそんな工夫が…。私も食べてみたいです!」

「ハハ…、じゃあフラン用にも作ろうか」

とはいえ、フランは全種類を食べそうな勢いなので、やっぱり女性には食べ過ぎにならないように注意しておいた方が良さそうです。
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