DNAの改修者

kujibiki

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第526話 新たな味

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王都での作業は順調に進みました。

この数日で新しいメロ魔道具製作所の住居部分と浴場が完成していて、明日の面接日に合わせて初めてメロ達にお披露目する予定です。

王都にいる間にルチアとスージーが受精しました。
ルチアは元から受精させるつもりでしたが、スージーも自然に受精したのです。

まぁ、女性器の観察も頑張っていたみたいだから良かったかな…。

スライムを使った訓練の効果は凄く、少し愛撫するだけで女性器は愛液でヌルヌルで、挿入すると中もグチュグチュと摩擦抵抗も無いのに気持ち良い所をギュッと締め付けてくるのです。
僕が気持ち良ければ当然二人も気持ち良く感じられ、成果に驚きながらもイキっ放しでした。

これから“誕生の儀”が終わるまでは子宮に繋がる穴で訓練をしてはいけないと言うと、解禁したお尻の穴を訓練すると言っていました。
僕としては受胎期間中の便秘防止にと考えているのですが、二穴プレイを体験してしまうと便秘より感度を上げる事の方が大切なようです。

そして、スージーの後は王都にいたついでにドナとナースにしてあげました。

まだこの間パートナーにしたばかりですが、年齢もシェリーとそう変わらないので次回受精させる為に二回目をしておいたのです。

二人とも一人の時は常時“二つの球モード”を発動させて訓練していたそうで、感度や締まり方が激変していたのには驚きました。

ただ、お尻の穴は観察のし過ぎで以前のシェリーの様に少し緩くなっていたので、黙って【回復】しておきました。
どんな使い方をしているのかは聞きませんでしたが、今一番スライムをハードに使っているのはこの二人かもしれません。

ナースの仕事は大丈夫なのかな…?
そういえばドナはメロ任せで働いていないみたいなのであれを任せても良いかもしれません。



XX XY



予定では続けて公衆浴場の改修に取り掛かるのですが、待望の知らせが届きその日の内にルージュ領都へ向かいます。

「サラ、ベス、ミア、お帰り~」

「「「シャルル様~!」」」

「疲れているところ申し訳ないけれど、見つかったんだって?」

「はい、おそらくシャルル様が探しておられた物だと思います」
「とりあえず一袋分譲っていただいています」

そう言ってサラが【収納】から大きな袋に入った物を取り出します。

「これは…」

袋の中にはまさにコーヒー豆となる赤色や黄色、少し緑色をした果実が詰まっていました。

「どう…ですか?」

「うん、これだよこれ! 僕が探していた物だよ」

僕がそう答えると三人とも安堵の表情を浮かべています。

「それでこの果実は何と言う名前だったの?」

「村では“こひの実”と呼ばれていました」

(“こひ”ねぇ~)
「明日は三人にその村に案内してもらうよ」

仕入れの交渉にロッキも連れて行った方が良いかもしれないな…。

「「「はいっ」」」

「シャルル様、それで…あの…」

「分かっているよ。今晩はサラにしてあげる」

「う…嬉しい~っ!」

「「あっ、ずるい、サラ姉!」」

「ベスは明日、ミアは明後日ね。明日案内してくれたらしばらく休むと良いよ」

「「はいっ」」

「とりあえず、早速これで飲み物を作ってみよう!」



XX XY



ガチャ…。
「ソニア、厨房を借りたいのだけれど~」

「シャルル様!? いらしていたのですか~」

「サラ達が僕の探していた物を見つけてくれてね。これから試してみようと思うんだ。もし手が空いていたら手伝ってくれるかな?」

「もちろんです」

「助かるよ」

確か果実から生豆にするにはいくつか方法があったはずです。
専用の設備は無くても魔法があるので何とかなるでしょう。

(それでも一番簡単な方法は…)

ナチュラルと呼ばれる方法だったかな…、とりあえず乾燥させれば良いわけだし。

「じゃあ、最初にこの実をカラッカラに乾燥させるよ」
「ソニアは風属性だったよね。一緒に【乾燥】させてくれる?」

サラも風属性だったようで、三人で【乾燥】させれば脱穀するだけで完了です。



「これって種ですよね…?」

「うん、種だけを使うんだよ」

「本当にこれが飲み物になるのですか?」

「もちろん水分は必要だけれど、これを更に加工すると美味しいになるんだよ」

ソニアの疑問は当然ですが、次の工程の焙煎に移ります。
とりあえず簡易な金属製の網かごを作り、まずは試飲分の生豆を入れ丁寧にムラなく直火焙煎していきます。

「シャルル様、色が黒く…」

「焦げているのではないですか?」

「大丈夫、こうやってムラなくこげ茶色になるくらい煎っていくんだよ」

サラとベスが心配そうに見つめています。

「あっ、この匂い…。村で嗅いだ匂いよりも強いですね…」

「嗅いだことのない匂いです…」

「うん、これこれ! 美味しそうな匂いだよ~」

ミアは平気そうですが、ソニアは少し抵抗感があるようです。



しばらく焙煎すると想像通りの物が完成しました。
後はこれを“シャルルの渦”で粉末にすれば出来上がりです。

手元にフランネルが無かったので、とりあえず記憶にあるような容器を作りだし、濾過紙を敷き粉末状になったコーヒーをいれ、その上からお湯を少しずつスゥーっと回し入れていきます。

「あっ、容器の下からポタポタと茶色のお湯が出てきましたよ」

「そう、この豆は粉末にしてこうやって使うんだよ」

少し濃かったかな…、でも懐かしい色と香りです。
5人分のコーヒーが入るといよいよ試飲です。



「じゃあ、飲んでみようか…」

「シャルル様の瞳の色に近い色ですね…」

「“ちょこれーと”よりも色が濃いです」

「村で味見した物と色が全然違います」

「豆を焙煎している時よりは良い香りに思えますよ~」

ゴクッ…。

「「「「うっ、にっが~いっ!」」」」

「ハハ…、確かにちょっと苦めだね。でも美味しい~!」

ようやくこの世界でコーヒーが手に入ったよ。
数ある飲み物の一つですが、日常生活の質が向上した気がします。

「皆は甘味料とミルクを入れると美味しく飲めると思うよ」



ゴクッ…、ゴクリ…。

「あっ、本当です…」

「「飲めるっ!」」

「ほろ苦いのに甘くて美味しい…」

「これは“コーヒー”という飲み物だけれど、色んなお菓子の味にもなるんだよ」
「例えばコーヒー味の“柔らかクリーム”や“シャルル巻き”の生地をコーヒー味にしたりね…」

「「「「なるほど~」」」」

「ソニア、今晩はコーヒー味の“柔らかクリーム”でも作ってくれるかな? サマンサ達にも披露しよう!」

「はいっ!」



XX XY



試飲した後、僕はソニアと焙煎時間を確認しながらまずは深煎り、中煎り、浅煎りと三種類をいつでも作り出せるようにしました。

ソニアも焙煎する度合いによって酸味や苦味に違いがある事を知り驚いていました。
ちなみに僕は酸味が好きではないので深煎り派です。

「これが“こーひー”と言う新しい飲み物ですか…」

「うん、サラ達のおかげでようやく見つかったよ」

夕食後に出してもらうとサマンサやグリシャ、サンディとローザも最初のサラ達の様に怪訝そうに眺めています。
まぁ、こんなに黒い飲み物は無いからね…。

ソニアも皆の反応を予想して甘味料とミルクを用意していますが、最初から勧める事はしないようです。

ゴクッ…。

「「「「うぐっ、苦いっ!」」」」

「やっぱり慣れないと無理かな…。僕にはとっても美味しく感じられるけれどね」
「ソニア、サマンサ達にも…」

「はいっ」

僕が指示すると、サマンサ達のカップに適量の甘味料とミルクを入れていきました。
ミルクとの割合はカフェオレぐらいです。

「そうやってミルクで薄めると美味しく飲めるよ。それでも口に合う合わないがあるから無理して飲まないようにね」

そうだ、“シャルル巻き”のお店で出す時はウィンナーコーヒーも良いかもしれないな。

ゴクッ…、ゴクリ…。

「あっ、美味しい…」

「苦味が和らぎました」

「香りがまろやかになって飲み易いです」

「甘っ!!」

「ローザは甘味料を追加するからだよ…」
「あぁ、そうだ、受胎している皆は一日に二杯以上飲んだらダメだからね」

確かカフェインがあまり良くなかったはずです。

「そうなのですか…?」

「飲み過ぎると眠れなくもなるからね…」
「だけど、この味は色んなお菓子に使えるから」

ここでようやくコーヒー味の“柔らかクリーム”を用意してもらい皆で試食します。



ペロッ、ペロ…、パクリ…。

「お…美味しい~!(×全員)」

「飲みすぎたらダメなので“柔らかクリーム”だと良いですね…」

「甘過ぎなくて食べやすい味ですよ」

「“こーひー”味は流行りますよ!」

「まぁ、“柔らかクリーム”には違いないからローザも食べ過ぎると太っちゃうから気を付けてね」

「なっ、シャルル様、どうして私にだけ…」

「いや、既に食べ終わりそうだから…。おかわりはダメだよ」

そう言うと他の皆も残念がっていましたが、注意しておかないと“シャルル巻き”のように際限なく食べてしまいそうです。

「サラ達のおかげでようやくコーヒーが飲むことが出来たよ」

「それはシャルル様が探す地域を教えて下さったからですよ」

「まだまだ予想外の食べ物が見つかるかもしれないからこれからも頑張ってね」

「「「はいっ!」」」



皆には飲み過ぎるとダメだと言っていましたが、食後もあまりの嬉しさに飲み過ぎて気持ちが高ぶって仕方がありません。
今晩はサラを労うつもりでしたが、僕のこの高揚感を静めてもらいましょう。
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