DNAの改修者

kujibiki

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第512話 【閑話】レニエの焦り

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「ビアン、皆、今年もシャルル様の為に最高の“ふとう”を作るわよ!」

休暇が終わり、仕事を始める前に従業員達にそう伝えます。

「それはもちろんですが、ムーランさん、休暇中に何があったのですか? 左眼の色が変わって…」

黒色ってまるでシャルル様の瞳のようです。
それに更に艶めかしくて若々しくて…、年下の私達の方が何歳も年上のように見えます。

「これはね…」

どうしようかしら、受精したって言ったらダメよね…。
普通の女性は子宮で受胎しないのだから…。
いずれお腹が大きくなってくると隠せませんが今は黙っておきましょう。

「え~っと、詳しくは言えないのだけれど…、私はシャルル様の正式なパートナーになって、左眼はその証みたいなものなのよ…」

「本当ですか!? ムーランさんがシャルル様のパートナーに?」

ザワザワ…。

「シャルル様ってあの…?」
「私達の為に浴場を作ってくださった…?」
「羨ましいですよ~!」

「そう、名実ともに『ムーラン・シャルル』になったのよ。フフ…」
「でも、これは他言無用ですよ。誰かに言えばここを辞めてもらわないといけなくなりますからね」

レニエさんには言ってありますが、もう一度口止めしておかないといけませんね。

「は…はい…(×4)」



「ムーランさん、顔が赤いですが大丈夫ですか?」

昨年も休暇後からずっとそうでしたが、今年も明らかに顔が赤いようです。

「だ…大丈夫だから気にしなくて良いわよ」

受精してしまって“二つの球もーど”は使ってはダメだと言われ、結局“三つの輪”のままですが、“すらいむ”の“三つの輪もーど”は乳首とくりが繋がっているのです。
しゃがんだり、立ち上がったり、動く度に互いに引っ張られ刺激はこれまで以上です。

それでも“下着もーど”が併用できるようになったおかげで濡れないし汚れないからとっても便利です。

「そうですか…」



コンコン、コン。
ガチャ…。

「ムーランいたのね…。えっ、ムーランなの!?」

「レニエさん…」

「ムーラン…、あなたまた…」

なんて艶やかで若々しいの…、羨ましいと言う前に驚きでいっぱいです。

「じゃあ、ビアン達は果樹園の整備や確認をお願いね」

「はいっ(×4)」



「それでレニエさん、どうされたのですか?」

「ね…年始の挨拶に来たのよ…。ムーラン、左眼が…」

「これは…」

早々にレニエさんにも左眼の事を聞かれ、もう一度説明する羽目になりました。
まるでカラードだと納得はされませんでしたが、本当にカラードなんですよね。

それも属性に捉われなく練習次第で全ての魔法が使えるのです。
同時に受精したマイヤさんはシャルル様のように魔法が使えるんじゃないかと喜んでおられました。

私も果樹園の作業に全ての魔法が使えるのは助かります。



「そうかぁ、ムーランがシャルル様の正式なパートナーにね…」

昨年聞いていた事ですが、ムーランとの距離を更に感じます。
パートナーがいるとあんなに幸せそうになれるのね…。
やっぱり羨ましい…。

「……」
受胎していると知られると気絶されるかもしれませんね。
7の月には“誕生の儀”ですから…。

「じゃあ、シャルル様は定期的にこちらに来られるの?」

「もぅ~、レニエさん。何度も言っているようにシャルル様は来られませんよ…」

私が会いに行くのですから…。

帰って来てから家のお風呂で“すらいむ風呂”を試しましたが、同じようにしてくれました。
時間制限が無い分、何回イッたら“停止”と指示をしています。
ミレーヌさんには本当に良い事を教えてもらいました。
休日には“魔力風呂”にも入りに行きたいと思っています。

「え~っ、そんなぁ~」

唯一お話しできる男性なのに…。
それに一緒に食事してみたい…。

「そんなに残念がられても…」

私がパートナーだって言っているのに…。



XX XY



ガチャ…。
「レニエはいるかしら…?」

「は…はい」
「えっ、チェ…チェスカ様…?」

昨年振りですが、また一段と艶やかで若々しくなられています。
私の方がいくつも若いのに、私より若々しいだなんて…。
ムーランと会っている時より気分が落ち込みます。

「レニエ…、ちゃんと休暇は取らなかったのですか? 疲れているようですが…」

なぜか私を見て項垂れているようです。

(ハァ~、精気に満ち溢れていて羨ましい…)
「……それで、チェスカ様、どういったご用件でしょう?」

薄褐色の肌なので分かり難いですが、なぜかムーランの様に顔を赤くされています。

「年始の挨拶ですよ…」
「昨年に“ふとう”の組合も解散していますからわざわざ来る必要は無かったのですがついでもありますからね」

「ムーランのところですね」

ムーランのところで“ふとう”を購入されているのは知っていますが年が明けた今の時期に来られても…。

「そうです」
「今年は私も色々と忙しくなりそうで、再び問題が起こらない限りこうやって来ることもありません。それで最後に元組合長だったレニエに聞いておきたいことがあり寄ったのです」

これからは【転移門】の魔道具で直接ムーランさんの所へ行けますからね。

「何でしょうか?」

「この町の近辺やレニエの知っている範囲で珍しい食べ物があれば教えて欲しいのです。小さな村でしか食べられていない物や、今は食べられていない物でもかまいません」

「一体どうして…?」

「私の大切な方がご所望なのです」
「レニエ、ここだけの話ですがようやく私をパートナーにして下さる男性が現れたのですよ。フフ…」

「チェスカ様もですか~っ!?」

「“も”とは…?」

「いえ…、その…、ムーランもある男性のパートナーにしていただいたそうで…」

「フフ…、シャルル様ですね。私もシャルル様のことは良く知っていますから大丈夫ですよ」

私もシャルル様のパートナーなのですから…。

「そうでしたね…」

「話を戻しますが、もしそういった食べ物を知っていたり、見つけたら教えて下さいね」
「見つけてくれればちゃんとシャルル様にも協力者として伝えますからね」

「ほ…本当ですか!?」
「会わせて下さったりするのでしょうか?」

「ま…まぁ、シャルル様が喜ばれるような食べ物を見つけられれば…」

(あれ…?)
「チェスカ様、ちょっと待ってください。珍しい食べ物をシャルル様が探しておられるのですか?」
「そして、シャルル様がチェスカ様の大切な方…? パ…パートナー!?」

「えっ、あっ…」
(しまった…)

「レ…レニエ、他言無用ですからね!」

「そんなぁ、まさかチェスカ様までシャルル様のパートナーだったなんて…」

一体何が起こっているの…?

シャルル様なら複数人のパートナーがいてもおかしくはありませんが、実際にそんなことが…。
でも、私もお役に立てればパートナーにしてもらえる可能性があるのかも…。

チェスカ様は慌てて出て行かれましたが、シャルル様にお会いする為にはこの可能性に賭けるしかありませんね。



XX XY



「え~っ、レニエさんにチェスカ様もシャルル様のパートナーだと知られたのですか~!?」

チェスカ様が慌てて来られたかと思うといきなりそんな話になりました。
話を聞くと、【転移門】の魔道具をいただく時に、シャルル様から珍しい食べ物を探すようにお願いされているそうです。

「ついうっかり…。一応口止めはしてありますから…」

やはり町長や村長に指示を出すのが先でしたね…、失敗しました。

「チェスカ様が知られたらダメだと言う訳ではありませんよ…。ただ、レニエさんもシャルル様に興味を持たれていますので…」

「確かに、シャルル様に会える可能性があると分かると目の色を変えていたわね…」

「まぁ、レニエさんはシャルル様と面識がありますからね。後はきっかけとシャルル様のご判断でしょう」

きっかけを掴むのはレニエさん次第ですね…。

「いずれは『レニエ・シャルル』もありえるかもしれませんよ」

「もう~、チェスカ様ったら…」



XX XY



「トイカ、休暇の間に従業員の住居棟も出来たのね…」

私が住むわけではないのでトイカに丸投げしていましたが、住居だけなのにかなり大きいわね…。

「はい、マイヤさん。『シャルル魔道具製作所』をお手本にしましたからね」

一体何があったのでしょう。
もう驚きはしませんが、休暇中にまた一段と艶めかしくなっておられます。
それに左眼がシャルル様と同じように黒色に…。
まるでカラードの様です。

「それで皆の反応はどうなの?」

「同じように思っていた者も多く、好評ですよ。後は『シャルル魔道具製作所』のようなお風呂があったり、食事などが無料だと言う事無しなのですが…」

「ば…馬鹿ね。他の者には言わないでちょうだいよ」

「分かっていますよ…。でも元々地中からお湯を汲み上げていた建物だったので助かりましたよ」

「それは良かったわね~」

地中から湧くお湯も気持ち良いのですが、あの“魔力風呂”と“すらいむ風呂”に勝るお風呂はないでしょうね…。

受精して魔法の属性に捉われなくなったので、“じぇっとばす”に挑戦してみようかな…。
私達が大量生産できるようになれば、きっと発明品になるでしょう。

「それで、結局従業員は何人になっていたの?」

「はい、マイヤさんを除いてちょうど70人でした」

「そんなに…」

『シャルル魔道具製作所』の倍以上ですか…。
シャルル様がフリーノース領都に新たに魔道具製作所を設けたり、メロ魔道具製作所の人員を増やそうとされているのが分かります。
どちらが先になるのかな…。
近日中にメロ魔道具製作所や『シャルル魔道具製作所』に顔を出してみましょう。

「マイヤさん、一度シャルル様にもお越しいただいた方が良いのではないでしょうか。私達はシャルル様の発明品しか作っていない訳ですし、ほとんどの従業員がシャルル様のことを知りませんからね」

「そうね…、考えておくわ…」

トイカの言うことももっともです。
『シャルル魔道具製作所』の皆はシャルル様の為に一致団結しているのです。
そういう思いの方がやる気も製品の質も向上するわね…。

「マイヤさん、その腕輪はもしかして…?」

「気付いた? シャルル様にいただいたの。これでいつでもルージュ領都に行けるし、荷物も【収納】できるのよ」

「もっと早く帰って来て欲しかったです。皆の家財を運び入れるのは大変だったんですよ~」

「フフ…、トイカのベッドがでしょ?」
「皆で住むんだから汚部屋にしちゃダメですよ。そうだ、シャルル様に抜き打ち検査をしてもらおうかしら…」

「ひどいですよ、マイヤさ~ん」



XX XY



コンコン、コン。
ガチャ…。

「こんにちは~、誰かいますか~?」

「は~い」

魔道具製作所に戻って来たところで誰かが来たようです。

「マイヤさん、こんにちは」

「エバーミット様…、それにロイスさんとラランさん…」

エバーミット様が魔道具製作所に来られるのは初めてです。

「どうかされたのですか?」

「一度マイヤさんの魔道具製作所に来てみたかったのです。なにせケープノット領都では一番の魔道具製作所ですからね。それに年始の挨拶を兼ねて…」

「エバーミット様! マイヤさんの左眼が…」

「マ…マイヤさん、もしかして…」

「はい、つい先日受精しました」

一時はエバミット様達までパートナーになっておられて今から思えば焦りや嫉妬がありましたが、シャルル様に私の身体で気持ち良くなっていただき受精させていただけると幸せ過ぎて気にする事なんてなかったと気付かされます。

「「そんな、マイヤさんまで…」」

「シャルル様のところへ…?」

要するにシャルル様に“せっくす”をしてもらった訳ですね。

「はい、シャルル様が一年の労をねぎらう為にお声を掛けてくださいましたので…」

(くっ…、羨ましい…)

ですが、私達は領主会議でパートナーにしていただいたところです。
女性器の観察を頑張って、“二つの球”を思うように締め付けられるようにならないとお願いできません。

「「……」」



「シャルル様はお元気でしたか?」

「はい、でも休暇中もお忙しくて大変そうでした」

シャルル様お一人で皆さんのお相手をされるのですから大変です。
本当に優しいお方で最後に私とムーランさんに“せっくす”をしていただき受精したのです。

ムーランさんと一緒に“せっくす”をするのは少し恥ずかしかったですが人のを見ると勉強になります。

「そうですか…」

アネモネに頼んでいるシャルル様専用の浴場施設が完成すればご招待したいと思っています。
それまでに私達も感度を上げないといけませんね。



「マイヤさん、シエラさん達はどうなのですか?」

「また一段とお腹が大きくなっていましたよ。確か“誕生の儀”は来月だどか…」

「まだ信じられませんね。私達の子宮で直接受精するなんて…」

「私もまだ実感はありませんが、ロイスさんとラランさんも受精すればとっても幸せな気分になりますよ」

(受精ですかぁ~)
「メラニーの時は卵子の採取から痛くて、お腹が大きくなってきても不安しかなかったですね…」

子宮に繋がる穴から溢れるほど注がれるシャルル様の精液を思い出してしまいます。

「そうでした。エバーミット様のおかげで従業員達の住居棟も完成しました」

「そうですか。シャルル様やパートナーの皆さんの為なら私も労を惜しみませんよ。また何か困ったことがあれば遠慮なく言って下さい」

「ありがとうございます」

そうおっしゃると、エバーミット様達は帰って行かれました。
皆さん顔が赤かったので魔道具をいただいておられるのでしょう。
フフ…、一度気付いてしまうとよく分かりますね。
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