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第460話 【閑話】初めての気持ち
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キルシッカがまさかの双子を受胎した後、僕は予定していた通りルチアとスージーとセックスをしてパートナーになってもらいました。
「フフ…、やっぱりスージーも起きられなかったのですね」
「まぁ、いつも通り朝にもセックスをしてあげたからね」
【時空】を使ってたっぷりしてあげたので当分は気が付かないでしょう。
シェリーが言っていたようにルチアもスージーも女性器の観察を頑張っていたようで、膜が破れた時はさすがに驚いていましたが【治療】をしてあげるとすぐによがっていました。
「ルチアも更に艶めかしくなって…。二人とも領主会議までにパートナーにしてもらえて良かったわね」
「“シャルル様の祝福”…、“せっくす”をしていただくことで私までシャルル様のパートナーにしていただけるとは思ってもみませんでした。まだ子宮に男性器で突かれていた感覚が残っていますよ」
「まぁ…、あんなに大きな物を子宮に繋がる穴の中に入れるのですからね…」
「シェ…シェリー、どこを見てるの…」
シェリーが物欲しそうに僕の股間を見つめてきます。
「ルチア、ここにいないスージーもそうですが、あなた達は私のメイドでもありますがシャルルのパートナーになった以上は一人の女性として私と同じです。シャルルの為になることなら私に遠慮することはありません。あなたのシャルルに対する愛おしいと思う気持ちを大切にこれから生きるのですよ」
「はいっ、シャルル様の為にこの身を尽くします」
今までパートナーの存在は“誕生の儀”をする為だけだと思っていました。
もちろん子孫を残すという事に興味が無かった訳ではありませんが、王城のメイドとして働く自分が誰かのパートナーになれるなんて思いもしなかったのです。
「ルチア、パートナーにしていただいたからと言って安心していてはいけませんよ。シャルルに喜んでもらえるようにこれまで以上に女性器の観察も怠らないようにね。これから私のようにシャルルの子供を受胎する可能性もあるのですから…」
「は…はいっ」
そうでした。“せっくす”することによって機会が合えば受精し、“誕生の儀”のように受胎することをシェリー様から教わりました。
左眼がシャルル様と同じ黒色に変わるのは受精した証なのだそうです。
シャルル様と一つに繋がることによってこんなにも幸せな気分になれるなんて…、いつも離れず側にいて私の出来る事は何でもしてあげたいと初めて思いました。
フフ…、これも愛おしいと思う気持ちなのですね。
「僕も領主会議までに二人にパートナーになってもらえて良かったよ。そう言えば、シェリー達がパレス領都へ出発する前にはユナも一度王都に戻ると言っていたよ」
オーリエとアデルも一度それぞれのお屋敷に戻る予定です。
その前にオーリエとはカカオの実の発見のご褒美に約束していたセックスを今晩してあげる予定で、その後にはいよいよアデルともセックスをしてパートナーになってもらおうと思っています。
「そうですか、面倒ですが“転移の祠”を使ってパレス領都へ向かわないとね。“シャルルの扉”のおかげでもうずいぶん使っていない気がしますよ」
「ハハ…、そうだね。僕は当日ローレン様のお屋敷の前まで転移して行くよ」
「え~っ、前日から来て下さらないのですか? 一緒に向かいましょうよ」
「う~ん、じゃあシェリーとサマンサは一緒の宿にしてよ。受胎しているシェリーとサマンサ、それにグリシャと一緒の部屋に泊まろうかな。この間エルスタイン領都の屋敷でも受胎している皆と一緒にお風呂に入ったんだよ」
「それは嬉しいですね~」
「裸になるとみんな少しずつお腹が大きくなってきていたよ。ユナのお腹もかなり大きくなってきているから見たら驚くよ」
「じゃあ、私のお腹も見てもらわないといけませんね。サマンサ様には私から伝えておきますよ」
「うん、お願いね」
XX XY
シェリーの所から帰る前にメロ魔道具製作所に寄ってみます。
“シャルルの渦”を販売してからまだ一度も行けていなかったのです。
ガチャ…。
「こんにちは~、皆いる~?」
「シャ…シャルル様~!」
「メロお姉さん、お疲れ様…」
「「いっらしゃいませ、シャルル様~!」」
「「シャルル様、こんにちは~!」」
僕の顔を見ると、クララお姉さんとレイお姉さん、ノルンお姉さんにジュリお姉さんも元気に駆け寄ってきます。
“シャルルの渦”を販売することが出来て自信になったのか、一段落して少し緊張が解けたのか雰囲気がとても明るく柔らかくなっているようです。
「今日はお一人なのですか?」
「うん、これから帰るところなんだけれど、“シャルルの渦”も発売初日に完売したと聞いてね」
「もう、凄かったですよ~。私達も『シャルル魔道具販売所』を少し離れたところから見ていたのですが人だかりが出来ていました」
「私達の作った物があんなに買ってもらえるだなんてね」
「頑張った甲斐がありました」
「クララお姉さん達が頑張ったからだよ。それにノルンお姉さん、これからも続くんだよ」
「そ…そうでした」
「“シャルルの渦”を発売してから他の魔道具製作所の人達がこの製作所の前を通りかかるようになりましたよ」
「ジロジロ見て行くのです~」
「登録されている発明品だからどこで生産されているのか分かったんだろうね。王都だから大丈夫だとは思うけれど模倣品が出ないようにレイお姉さんも気を付けてね」
「はいっ、気を付けます!」
「ジュリお姉さんも街で変な商人に絡まれたらダメだよ」
「もう~シャルル様、私だけ子供扱いして~。確かにシャルル様と比べれば本当にお子様みたいですけれど…(ボソッ)」
5人の中で一番年下のジュリお姉さんが僕の言葉にプンプンと怒って拗ねています。
「それで今後の事なのだけれどメロお姉さん、マイヤから何か聞いている?」
「はい、“シャルルの渦”についてはとりあえず毎月の販売ではなく、販売数が揃った段階で販売していくことになりました」
「うん、そうだね。“シャルルの渦”についてはそれで良いと思うよ」
「ただ、シャルル様の新しい発明品を生産することにもなりそうなので従業員を増やすことも提案していただいています」
「実はそうなんだ。今度は“シャルルの糸”という魔道具もここで生産してもらおうと思っていてね、メロお姉さんが良ければ従業員を増やしてもらおうと思っているんだよ」
「そんな、シャルル様からこんなに素敵な仕事を任されているのですからシャルル様のお考えに合わせます」
「どれくらい従業員を増やせば良いのでしょう?」
「そうだね、この“シャルルの糸”はマーガレット様のフリーノース領都でも作ってもらおうと思っていて、ここでは少なくとも王領とルージュ領分を作ってもらいたいから最低10人ほどかな」
「凄いですね。一気に10人ですか…」
「“シャルルの糸”は…、そう言えば“シャルルの糸”を見た事が無いよね?」
僕は以前マイヤから預かっていた最終の試作品を皆に見えるようにテーブルに置きます。
「これが“シャルルの糸”ですか~?(×全員)」
「これは作動させるとお湯が出るんだよ。壁に掛けるだけでなく手で持って使えるし、持ち運べるから浴場以外でも使えるんだよ」
「とりあえずこれを置いていくからみんなで順番に使ってみると良いよ。従業員の事もあるから当分はこれまで通り“シャルルの渦”をお願いね」
「はいっ(×全員)」
「でも、この魔道具製作所の従業員になりたがる者がいるでしょうか…」
「……」
メロお姉さんは自分達が薄褐色の肌をしているのを気にしているようです。
確かにローマン帝国でもバルトリア王国でも薄褐色の肌の人間は少数派ですが、差別をされているわけではありません。
女性同士では全く問題ありませんから、おそらく男性によるイメージの悪さが彼女達を卑屈にさせているのでしょう。
5人ともこんなに素敵な女性なのに…、いずれキルシッカ達のように自信を持ってもらえるようにしてあげたいですね。
「大丈夫だよ。もうメロ魔道具製作所は僕の発明品を生産する専門の魔道具製作所なんだよ。シェリーに募集を掛けてもらえば数十人は集まると思うよ。そこからマイヤと一緒に面接してもらえば良いから…。僕の魔道具製作所の従業員もマイヤに選んでもらったんだよ」
「えっ、シャルル様の魔道具製作所ですか?」
「あれ? 言っていなかったかな。ルージュ領都に『シャルル魔道具製作所』があって、そこで“シャルルの風”が作られているんだよ」
「てっきりシャルル様の発明品をマイヤさんの魔道具製作所が生産されているのだと思っていましたよ」
「じゃあ、マイヤさんはシャルル様の魔道具製作所の従業員だったのですね?」
「え~っと、マイヤの魔道具製作所でも作ってもらっているんだよ…。ハハハ…」
ローマン帝国でだけれどね…。
「それで、フリーノース領都の魔道具製作所にも一部生産を任されるわけですか…」
「まだ予定だよ。信頼できる魔道具製作所が見つかればね…」
本当はメロお姉さんの魔道具製作所に“シャルルの糸”を全部任せたいところですが、従業員を一気に増やしても今度は設備が足りないのです。
いずれマイヤの所のように生産拠点を増やしていく必要もあるかもしれません。
「マイヤさんの魔道具製作所も気になりますが、シャルル様の魔道具製作所ってどんな所でしょう」
「私も興味があります」
「従業員は何人いるのですか?」
「僕の所は30人だよ」
「さ…30人…(×全員)」
「バルトリア王国の“シャルルの風”を一箇所で生産しているからね。良かったら年末年始の休暇に招待して、皆に紹介するよ」
「「本当ですか~」」
「嬉しい~、ルージュ領都は初めてです」
「でも、緊張するよね…」
「メロお姉さんもどういった従業員を選べば良いか分かると思うよ。皆とっても熱意があって頼りになるんだ」
「シャルル様にそう言ってもらえるなんて皆さんが羨ましいですよ…(ボソッ)」
シャルル様と出会ってから私の…、私達の人生が変わったような気がします。
それまでは他の魔道具製作所の下請けをしながら5人ともぎりぎりの生活だったのに、今ではこの王都で私達だけしか作れない発明品の生産に携わっているのです。
大変だけれどとてもやり甲斐があって毎日が充実しています。
きっと皆もそう思っているはず、シャルル様を見ている目はとても生き生きとしているのですから…。
「ジュリお姉さんも後輩が出来たら大変だよ~。追い抜かれちゃうかもしれないよ~」
「ひどいですよシャルル様~、どうしてそこで私の名前が出てくるのですか~」
「もっともっと頑張るのですから、フンですっ!」
「ハハ…、その意気だよ。今度は皆が教えてあげないとね」
「はいっ(×全員)」
これまで男性とは仕事で知り合った方ぐらいとしか話したことはありません。
男性からは薄褐色の肌が汚れているように見えるのかあまり良くは思われないのですがシャルル様は何の偏見も無く接してくださいます。
格好良くてたくましいだけじゃなく頼り甲斐があって優しくて…(それに魔法も使えるけれど…)、心を許せる初めての男性なのです。
私達ももっと頑張ってシャルル様に頼られるようになりたいと思うのです。
「フフ…、やっぱりスージーも起きられなかったのですね」
「まぁ、いつも通り朝にもセックスをしてあげたからね」
【時空】を使ってたっぷりしてあげたので当分は気が付かないでしょう。
シェリーが言っていたようにルチアもスージーも女性器の観察を頑張っていたようで、膜が破れた時はさすがに驚いていましたが【治療】をしてあげるとすぐによがっていました。
「ルチアも更に艶めかしくなって…。二人とも領主会議までにパートナーにしてもらえて良かったわね」
「“シャルル様の祝福”…、“せっくす”をしていただくことで私までシャルル様のパートナーにしていただけるとは思ってもみませんでした。まだ子宮に男性器で突かれていた感覚が残っていますよ」
「まぁ…、あんなに大きな物を子宮に繋がる穴の中に入れるのですからね…」
「シェ…シェリー、どこを見てるの…」
シェリーが物欲しそうに僕の股間を見つめてきます。
「ルチア、ここにいないスージーもそうですが、あなた達は私のメイドでもありますがシャルルのパートナーになった以上は一人の女性として私と同じです。シャルルの為になることなら私に遠慮することはありません。あなたのシャルルに対する愛おしいと思う気持ちを大切にこれから生きるのですよ」
「はいっ、シャルル様の為にこの身を尽くします」
今までパートナーの存在は“誕生の儀”をする為だけだと思っていました。
もちろん子孫を残すという事に興味が無かった訳ではありませんが、王城のメイドとして働く自分が誰かのパートナーになれるなんて思いもしなかったのです。
「ルチア、パートナーにしていただいたからと言って安心していてはいけませんよ。シャルルに喜んでもらえるようにこれまで以上に女性器の観察も怠らないようにね。これから私のようにシャルルの子供を受胎する可能性もあるのですから…」
「は…はいっ」
そうでした。“せっくす”することによって機会が合えば受精し、“誕生の儀”のように受胎することをシェリー様から教わりました。
左眼がシャルル様と同じ黒色に変わるのは受精した証なのだそうです。
シャルル様と一つに繋がることによってこんなにも幸せな気分になれるなんて…、いつも離れず側にいて私の出来る事は何でもしてあげたいと初めて思いました。
フフ…、これも愛おしいと思う気持ちなのですね。
「僕も領主会議までに二人にパートナーになってもらえて良かったよ。そう言えば、シェリー達がパレス領都へ出発する前にはユナも一度王都に戻ると言っていたよ」
オーリエとアデルも一度それぞれのお屋敷に戻る予定です。
その前にオーリエとはカカオの実の発見のご褒美に約束していたセックスを今晩してあげる予定で、その後にはいよいよアデルともセックスをしてパートナーになってもらおうと思っています。
「そうですか、面倒ですが“転移の祠”を使ってパレス領都へ向かわないとね。“シャルルの扉”のおかげでもうずいぶん使っていない気がしますよ」
「ハハ…、そうだね。僕は当日ローレン様のお屋敷の前まで転移して行くよ」
「え~っ、前日から来て下さらないのですか? 一緒に向かいましょうよ」
「う~ん、じゃあシェリーとサマンサは一緒の宿にしてよ。受胎しているシェリーとサマンサ、それにグリシャと一緒の部屋に泊まろうかな。この間エルスタイン領都の屋敷でも受胎している皆と一緒にお風呂に入ったんだよ」
「それは嬉しいですね~」
「裸になるとみんな少しずつお腹が大きくなってきていたよ。ユナのお腹もかなり大きくなってきているから見たら驚くよ」
「じゃあ、私のお腹も見てもらわないといけませんね。サマンサ様には私から伝えておきますよ」
「うん、お願いね」
XX XY
シェリーの所から帰る前にメロ魔道具製作所に寄ってみます。
“シャルルの渦”を販売してからまだ一度も行けていなかったのです。
ガチャ…。
「こんにちは~、皆いる~?」
「シャ…シャルル様~!」
「メロお姉さん、お疲れ様…」
「「いっらしゃいませ、シャルル様~!」」
「「シャルル様、こんにちは~!」」
僕の顔を見ると、クララお姉さんとレイお姉さん、ノルンお姉さんにジュリお姉さんも元気に駆け寄ってきます。
“シャルルの渦”を販売することが出来て自信になったのか、一段落して少し緊張が解けたのか雰囲気がとても明るく柔らかくなっているようです。
「今日はお一人なのですか?」
「うん、これから帰るところなんだけれど、“シャルルの渦”も発売初日に完売したと聞いてね」
「もう、凄かったですよ~。私達も『シャルル魔道具販売所』を少し離れたところから見ていたのですが人だかりが出来ていました」
「私達の作った物があんなに買ってもらえるだなんてね」
「頑張った甲斐がありました」
「クララお姉さん達が頑張ったからだよ。それにノルンお姉さん、これからも続くんだよ」
「そ…そうでした」
「“シャルルの渦”を発売してから他の魔道具製作所の人達がこの製作所の前を通りかかるようになりましたよ」
「ジロジロ見て行くのです~」
「登録されている発明品だからどこで生産されているのか分かったんだろうね。王都だから大丈夫だとは思うけれど模倣品が出ないようにレイお姉さんも気を付けてね」
「はいっ、気を付けます!」
「ジュリお姉さんも街で変な商人に絡まれたらダメだよ」
「もう~シャルル様、私だけ子供扱いして~。確かにシャルル様と比べれば本当にお子様みたいですけれど…(ボソッ)」
5人の中で一番年下のジュリお姉さんが僕の言葉にプンプンと怒って拗ねています。
「それで今後の事なのだけれどメロお姉さん、マイヤから何か聞いている?」
「はい、“シャルルの渦”についてはとりあえず毎月の販売ではなく、販売数が揃った段階で販売していくことになりました」
「うん、そうだね。“シャルルの渦”についてはそれで良いと思うよ」
「ただ、シャルル様の新しい発明品を生産することにもなりそうなので従業員を増やすことも提案していただいています」
「実はそうなんだ。今度は“シャルルの糸”という魔道具もここで生産してもらおうと思っていてね、メロお姉さんが良ければ従業員を増やしてもらおうと思っているんだよ」
「そんな、シャルル様からこんなに素敵な仕事を任されているのですからシャルル様のお考えに合わせます」
「どれくらい従業員を増やせば良いのでしょう?」
「そうだね、この“シャルルの糸”はマーガレット様のフリーノース領都でも作ってもらおうと思っていて、ここでは少なくとも王領とルージュ領分を作ってもらいたいから最低10人ほどかな」
「凄いですね。一気に10人ですか…」
「“シャルルの糸”は…、そう言えば“シャルルの糸”を見た事が無いよね?」
僕は以前マイヤから預かっていた最終の試作品を皆に見えるようにテーブルに置きます。
「これが“シャルルの糸”ですか~?(×全員)」
「これは作動させるとお湯が出るんだよ。壁に掛けるだけでなく手で持って使えるし、持ち運べるから浴場以外でも使えるんだよ」
「とりあえずこれを置いていくからみんなで順番に使ってみると良いよ。従業員の事もあるから当分はこれまで通り“シャルルの渦”をお願いね」
「はいっ(×全員)」
「でも、この魔道具製作所の従業員になりたがる者がいるでしょうか…」
「……」
メロお姉さんは自分達が薄褐色の肌をしているのを気にしているようです。
確かにローマン帝国でもバルトリア王国でも薄褐色の肌の人間は少数派ですが、差別をされているわけではありません。
女性同士では全く問題ありませんから、おそらく男性によるイメージの悪さが彼女達を卑屈にさせているのでしょう。
5人ともこんなに素敵な女性なのに…、いずれキルシッカ達のように自信を持ってもらえるようにしてあげたいですね。
「大丈夫だよ。もうメロ魔道具製作所は僕の発明品を生産する専門の魔道具製作所なんだよ。シェリーに募集を掛けてもらえば数十人は集まると思うよ。そこからマイヤと一緒に面接してもらえば良いから…。僕の魔道具製作所の従業員もマイヤに選んでもらったんだよ」
「えっ、シャルル様の魔道具製作所ですか?」
「あれ? 言っていなかったかな。ルージュ領都に『シャルル魔道具製作所』があって、そこで“シャルルの風”が作られているんだよ」
「てっきりシャルル様の発明品をマイヤさんの魔道具製作所が生産されているのだと思っていましたよ」
「じゃあ、マイヤさんはシャルル様の魔道具製作所の従業員だったのですね?」
「え~っと、マイヤの魔道具製作所でも作ってもらっているんだよ…。ハハハ…」
ローマン帝国でだけれどね…。
「それで、フリーノース領都の魔道具製作所にも一部生産を任されるわけですか…」
「まだ予定だよ。信頼できる魔道具製作所が見つかればね…」
本当はメロお姉さんの魔道具製作所に“シャルルの糸”を全部任せたいところですが、従業員を一気に増やしても今度は設備が足りないのです。
いずれマイヤの所のように生産拠点を増やしていく必要もあるかもしれません。
「マイヤさんの魔道具製作所も気になりますが、シャルル様の魔道具製作所ってどんな所でしょう」
「私も興味があります」
「従業員は何人いるのですか?」
「僕の所は30人だよ」
「さ…30人…(×全員)」
「バルトリア王国の“シャルルの風”を一箇所で生産しているからね。良かったら年末年始の休暇に招待して、皆に紹介するよ」
「「本当ですか~」」
「嬉しい~、ルージュ領都は初めてです」
「でも、緊張するよね…」
「メロお姉さんもどういった従業員を選べば良いか分かると思うよ。皆とっても熱意があって頼りになるんだ」
「シャルル様にそう言ってもらえるなんて皆さんが羨ましいですよ…(ボソッ)」
シャルル様と出会ってから私の…、私達の人生が変わったような気がします。
それまでは他の魔道具製作所の下請けをしながら5人ともぎりぎりの生活だったのに、今ではこの王都で私達だけしか作れない発明品の生産に携わっているのです。
大変だけれどとてもやり甲斐があって毎日が充実しています。
きっと皆もそう思っているはず、シャルル様を見ている目はとても生き生きとしているのですから…。
「ジュリお姉さんも後輩が出来たら大変だよ~。追い抜かれちゃうかもしれないよ~」
「ひどいですよシャルル様~、どうしてそこで私の名前が出てくるのですか~」
「もっともっと頑張るのですから、フンですっ!」
「ハハ…、その意気だよ。今度は皆が教えてあげないとね」
「はいっ(×全員)」
これまで男性とは仕事で知り合った方ぐらいとしか話したことはありません。
男性からは薄褐色の肌が汚れているように見えるのかあまり良くは思われないのですがシャルル様は何の偏見も無く接してくださいます。
格好良くてたくましいだけじゃなく頼り甲斐があって優しくて…(それに魔法も使えるけれど…)、心を許せる初めての男性なのです。
私達ももっと頑張ってシャルル様に頼られるようになりたいと思うのです。
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